『映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記(えいがドラえもん のびたのスペースヒーローズ)』は、2015年の日本のSFコメディアニメ映画。藤子・F・不二雄の漫画『ドラえもん』を原作とした、映画「ドラえもん」シリーズの第35作。並行し、大長編ドラえもんの1作として漫画版全6回が連載された。第2期大長編シリーズでは6作目となる。監督は大杉宜弘、脚本は清水東が務めた。
映画ドラえもん のび太の | |
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監督 | 大杉宜弘 |
脚本 | 清水東 |
原作 | 藤子・F・不二雄 |
出演者 | 水田わさび 大原めぐみ かかずゆみ 木村昴 関智一 井上麻里奈 能登麻美子 田中裕二(爆笑問題) 観月ありさ 市村正親 |
音楽 | 沢田完 |
主題歌 | miwa「360°」 |
制作会社 | シンエイ動画 |
製作会社 | 「映画ドラえもん」製作委員会 |
配給 | 東宝 |
公開 | 2015年3月7日 |
上映時間 | 100分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 39.3億円 |
前作 | 映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜 |
次作 | 映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生 |
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
子どもたちに大人気のヒーロー番組『ミラクルヒーロー銀河防衛隊』を見て「自分もヒーローになれたら」と憧れるのび太。一方、同じくその番組を見たスネ夫とジャイアンがしずかを誘ってヒーローものの映画撮影を始めた。それを目の当たりにしたのび太も「参加したい」と懇願するがヒーローの相手の怪獣役を与えられてしまい、ジャイアンに投げ飛ばされてしまう。
家に帰ってきたのび太からその経緯を聞き、自身も番組のファンだと自称するドラえもんはのび太と再びジャイアンたちの元へ向かい、監督ロボット・バーガー監督の映画制作の能力と衣装のスーツを「グレードアップライト」による力で超能力を使えるようにして本格的な映画を撮ることになった。
撮影後、そこへ現れた謎の人物・アロンから「故郷のポックル星を救って欲しい」と頼まれ、アロンの乗ってきた宇宙船に乗り込みポックル星へと向かう。「本格的な撮影になってきた」と期待を膨らませる5人であったが、そんな彼らを待ち受けていたのはポックル星の侵略を企(たくら)む宇宙海賊団との本物の戦いだった。
「銀河防衛隊」となったドラえもんたちは宇宙海賊団の総攻撃からポックル星を守り抜くために力を合わせて立ち向かう。
天の川銀河の果てにある、のどかで平和な星。他の惑星から来る人はめったにない。グラファイトを含む星(太陽)「アルマス」が砕かれると滅びてしまうが、それもドラえもんたちの活躍により事なきを得た。
監督は映画・テレビシリーズ、藤子・F・不二雄ミュージアム内にあるFシアター上映アニメで演出・作画監督などを手がけてきた大杉宜弘が初監督を務める。前作『ドラえもん 新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜』(2014年)に引き続き、脚本は清水東が担当する。本作で、清水は『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』(2011年)より5年連続で脚本を手がけることになった。演出には『のび太のひみつ道具博物館』(2013年)など映画シリーズで原画を担当していたアニメーター・演出家の酒井和男(後に浅野勝也も加わり2人体制となる)、美術監督には大杉が手掛けたFシアター上映アニメ『Fキャラオールスターズ大集合 ドラえもん&パーマン 危機一髪!?』(2011年)で美術を務めた皆谷透がそれぞれ初登板している。
ドラえもん映画作品35周年記念作。『ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』(2013年)以来2年ぶりの新・大長編シリーズ作品となる。宇宙を題材にした作品は本作で6度目。
ヒーロー遊びから本物のヒーローとなったドラえもんたちが宇宙海賊たちと戦う姿を描く。また、アニメ第2作2期シリーズ映画においては『ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』(2009年)以外すべて作中の季節は夏であったが、本作では5月に設定されており、久々にのび太たちが長袖姿となっている(ただし、のび太のママのみ半袖となっている)。
監督の大杉は「作りようによっては深刻なお話になるので、絶対に明るい作品にしようと考えていました」と話しており、オファーも「笑い路線、明るいもの」だったという。また、「バトルを残虐に描かない」「まんがやアニメは本来、子どものものであって、子どもに返してあげたい」という基本理念のもと、改めて子供にターゲットを絞った作品として制作された。そういった経緯からコミカルなアクションを表現するため、本作では『ドラえもん のび太の恐竜2006』(2006年)よりアニメ第2作第2期シリーズ映画の特徴でもあった鉛筆タッチを意識した描線からテレビアニメ版と同じく均一の線に変更され、ドラえもんたちの頭身もあえて縮めてデザインから調整が加えられている。
一方で本作の漫画版を執筆したむぎわらしんたろうは過去のオリジナル2作品、『ドラえもん のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜』(2012年)と『のび太のひみつ道具博物館』(2013年)では「敵らしい敵、やっつけたくなるような敵がいなかったんで。ほんとに倒したい敵で話が作りたいなぁと思いまして、今回のお話になったんです。」と話しており、漫画版は映画版と比べるとアクションやシリアスをより補完した形となっている。また、『月刊コロコロコミック』での連載スタート時には「ドラえもん版アベンジャーズ」とも称していた。
スタッフクレジットでは、これまでの「制作」表記が映画第1作『のび太の恐竜』以来となる「製作」に改められた。
2015年1月31日に、宇宙海賊の幹部・ハイド役に爆笑問題の田中裕二、メーバ役に本作声優初出演となる女優の観月ありさ、宇宙海賊の首領・イカーロス役に俳優の市村正親が起用されたことが発表された。
全国365スクリーンで公開され、2015年3月7、8日の初日2日間で興収6億4,473万5,500円、動員55万7310人となり、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第1位を獲得。また、ぴあの初日満足度ランキングでも満足度90.7を獲得し、第1位となっている。その後公開16日間で興収17億円を突破。公開37日目で動員328万6028人、興収36億7525万2050円を記録。興収は『のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜』(2012年、最終興収36億2,000万円)を超え『のび太のひみつ道具博物館』に次ぎ歴代第2位となった。その後5月26日のテレビ朝日社長吉田慎一による会見では動員346万5800人、興行収入38億8500万円となったことが公表された。最終興収は39.3億円、動員351万人。
『月刊コロコロコミック』2014年12月号から2015年5月号まで全6回が連載された。大長編ドラえもんでは通算30作目。漫画はむぎわらしんたろう。単行本は4月28日発売。単行本化の際に、主題歌の歌詞を掲載した見開きのページなどが新たに描き下ろされている。おおまかなあらすじは映画版と同じだが、設定や展開が映画版と異なる部分が多い。また、一部のページには原作『ドラえもん』より絵を切り出して使用された場面が存在する。
『小説 映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記』のタイトルで小学館ジュニア文庫より新書判が2022年1月28日発売。執筆は福島直浩。映画版の監督である大杉へ取材が行われ、映画版とは異なる展開が描かれる。
ジャンル | 銀河防衛アドベンチャー |
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対応機種 | ニンテンドー3DS |
発売元 | フリュー |
人数 | 1人 |
メディア | 3DS専用カード ダウンロード |
発売日 | 2015年3月5日 |
対象年齢 | CERO:A(全年齢対象) |
小学館各誌や各企業で募集。ヒーローにちなんだイラストコンテストで、最優秀賞は映画エンディングで紹介。作品例のイラストは漫画家の矢川タケカズによるもの。
赤江珠緒、織田信成、佐々木希、SHELLY、高橋茂雄(サバンナ)、辻村深月、秦基博、溝端淳平、miwa、武藤嘉紀の10名がドラ☆応援団を結成。『ドラえもん』についてのインタビュー動画や直筆イラストが公開された。
2015年1月31日から3月6日までの期間、映画35周年の節目を記念した「ドラえもん映画祭2015」が神保町シアターで開催。『のび太の恐竜』(1980年)から『新・のび太の大魔境』(2014年)までの作品を、公開当時同様に一部併映作品と合わせて上映。2月14日にはドラえもん役の水田わさび、のび太役の大原めぐみがトークショーを実施。そのサプライズゲストとして先代のび太役の小原乃梨子、先代しずか役の野村道子が登場し、夢の競演を果たした。先代ドラえもん役の大山のぶ代は認知症(当時は公表されておらず風邪とされていた)で療養中のため参加しなかったが手紙を寄せており小原が代読した。
前述の『映画ドラえもん ヒーロー誕生!コンテスト』の企業募集に参加しているジュピターテレコムによる映画連動キャンペーン。本作と同じく「宇宙」をテーマにした映画ドラえもんをJ:COMオンデマンドで独占配信するほか、映画ドラえもん制作の裏側を見学・レポートする「J:COMキッズレポーター」を募集。レポートの様子は映画公開記念スペシャル番組として、『映画ドラえもん「のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)」(秘)制作現場潜入SP』のタイトルでJ:COMテレビでの放送およびJ:COMオンデマンドにて配信。また、「ドラえもんキャラバン 2015 supported by J:COM」も全国のデパートで開催。さらには『宇宙英雄記』本編冒頭映像の約10分と映画のダイジェスト映像をJ:COMオンデマンド2月23日から3月31日まで無料先行配信。
タワーレコード渋谷店2階の「TOWER RECORDS CAFE 渋谷店」で期間限定コラボカフェとして「映画ドラえもん×TOWER RECORDS CAFE」が2015年2月17日から3月13日まで開催。店内には35作品のドラえもんのイラストが飾られ、限定メニューの提供および限定グッズの販売を行う。
サークルKサンクスとのコラボフェア。レシートを集めて応募する映画オリジナルグッズの抽選や、オリジナル商品および限定グッズの販売を行う。
全4号。完結号のVol.4では映画ドラえもん35周年大特集と称し、過去の映画作品から『のび太の宇宙英雄記』までを特集。監督の大杉による制作初期のイメージボードや絵コンテ、インタビューなどが掲載。
ゲームアプリ『モンスターストライク』とのコラボ。3月6日より期間限定でコラボイベントが開催された。映画にちなんだゲーム画面や、ドラえもんやのび太をはじめとするキャラクターと回復アイテムとして「どら焼き」が登場する。映画ドラえもんとのコラボは翌年以降も毎年開催されている。
auの映像サービス「ビデオパス」にて映画ドラえもん全35作品の配信開始を記念し、3月20日から3月31日の期間限定で東京都原宿のTokyo Apartment Cafe内にオープン。期間中は会場の全席に「映画ドラえもん」が見放題のビデオパス視聴端末、エントランスにはどこでもドア、カフェ内にはドラえもんと一緒に撮影できるスポットなどがそれぞれ設置される。
ドラえもんの長年に渡る映画界への功績が認められ、ドラえもんの手形が日比谷シャンテ内にある合歓の広場に掲出された。キャラクターとしては史上初となり、76人目の手形となる。3月22日には同所でセレモニーが開催され、水田わさびとドラえもんに加え、花束プレゼンターとしてお笑いコンビサバンナの高橋茂雄、藤子・F・不二雄ミュージアム館長で映画のチーフプロデューサーを務める大倉俊輔らが出席した。手形には漫画にも登場する“親指らしきもの”を作っているほか、一緒に型押しされたドラえもんの顔の瞳の形を、藤子・F・不二雄の横顔のシルエットにする意匠が織り込まれたものとなっている。
ポッドキャストのwebラジオ番組。ドラえもんとのび太がパーソナリティーを務め、ゲストとして映画主題歌を歌うmiwaが出演。
『パーマン』をはじめとする藤子・F・不二雄作品の「ヒーロー」をテーマにした原画展。藤子・F・不二雄ミュージアムにおいて、2015年1月29日から開始。会期は6月末までの予定だったが、後に延長され7月6日まで行われた。1月29日から3月6日までの期間限定として『Fキャラオールスターズ大集合 ドラえもん&パーマン 危機一髪!?』のアンコール上映、ミュージアムカフェに『パーマン』をイメージした新メニューの追加などを行っている。
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