『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』(ドラえもん のびたのリトルスターウォーズ)は、藤子不二雄名義で連載された漫画作品(1984年7月連載開始)。藤本弘(のちの藤子・F・不二雄)による単独執筆作品。「大長編ドラえもんシリーズ」の第6作。
ドラえもん のび太の宇宙小戦争 (連載) | |
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漫画 | |
作者 | 藤子不二雄 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 月刊コロコロコミック |
発表期間 | 1984年7月 - 12月 |
話数 | 6 |
その他 | 全180頁(扉6頁を含む) |
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ドラえもん のび太の宇宙小戦争 | |
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Doraemon: Nobita's Little Star Wars | |
監督 | 芝山努 |
脚本 | 藤子不二雄 |
原作 | 藤子不二雄 |
出演者 | レギュラーゲスト |
音楽 | 菊池俊輔 |
主題歌 | 少年期/武田鉄矢 |
編集 | 井上和夫 |
制作会社 | シンエイ動画 |
製作会社 | シンエイ動画 テレビ朝日 小学館 |
配給 | 東宝 |
公開 | 1985年3月16日 |
上映時間 | 96分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
配給収入 | 11.8億円 |
前作 | ドラえもん のび太の魔界大冒険 |
次作 | ドラえもん のび太と鉄人兵団 |
大長編ドラえもん ドラえもん のび太の宇宙小戦争 (単行本) | |
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漫画 | |
作者 | 藤子不二雄 |
出版社 | 小学館 |
レーベル | てんとう虫コミックス |
発売日 | 1985年10月28日 |
その他 | 全187頁 |
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本項ではこの漫画および、漫画の連載中に制作が開始され、1985年3月16日に公開された同名の映画作品(長編映画第6作)について述べる(2022年に公開された2度目の映画化作品については『のび太の宇宙小戦争 2021』を参照)。
特記がある場合を除き、漫画の内容について述べる。
「月刊コロコロコミック」1984年8月号から1985年1月号に連載された。全6回。計180頁(各回の扉含む)。
漫画『大長編ドラえもん』で唯一、連載時最終回の後半部分を袋とじにする趣向が用いられている。これは読者の結末への想像を膨らませ、注目させるのが狙いだった。
1985年3月1日に発売された『別冊コロコロコミックスペシャル』第3号に総集編が掲載された際に加筆・修正が行われ、全体の頁数は1頁増加し、計175頁(扉1頁を含む)の作品となった。
1985年3月16日に公開された。キャッチコピーは「地球に不時着した小さな宇宙人パピ。ピリカ星を救え! いざドラたち5人の戦士は宇宙へ!!」。同時上映は『忍者ハットリくん+パーマン 忍者怪獣ジッポウVSミラクル卵』。
映画はドラえもん (1979年のテレビアニメ)のスタッフによって作られた。
1985年10月に単行本(てんとう虫コミックス)が発売された際に2度目の加筆・修正が行われ、全体の頁数はさらに12頁増加し、計187頁(扉1頁を含む)の作品となった。
※漫画(単行本版)を元に記述。
プラモを使ってミニチュア特撮ビデオを撮影していたスネ夫。ジャイアンとともにのび太も一緒に撮影に参加していたが、クシャミがきっかけでセットが壊れたことにより仲間はずれにされてしまう。ドラえもんの道具を使って対抗してビデオを撮ることにしたのび太は手伝いとして出木杉を誘おうとするが、スネ夫たちに先を越されてしまう。仕方なくしずかを誘うが、『宇宙戦争』を撮影したいというのび太の意向に反し、しずかの意向で人形を使ったメルヘン映画を撮ることになる。その最中、しずかが大切にしているうさぎのぬいぐるみがなくなってしまうが、日暮れの頃なぜかのび太の家の庭で見つかる。その夜、のび太の部屋にピリカ星から来たという親指ほどの小さな少年パピが現れる。大勢のともだちを見すててにげてきたのだというパピは、ロケットが地球に漂着し、しずかのうさぎのぬいぐるみに乗って来たのだという。翌日、しずかはドールハウスを持ってのび太の部屋を来訪するが、パピは「そろそろおいとましなくちゃ…………」「ぼくには敵がいるんです。おそるべき敵です」と語る。
一方で、映画の撮影に勤しむスネ夫たちの前に突然クジラのような形の宇宙戦艦が現れ、撮影用のプラモや舞台装置を熱線攻撃で破壊して去って行く。怒ったジャイアンとスネ夫はのび太の仕業だと決めつけてのび太の家に殴り込むが、事情を聴いたパピは「それはきっとぼくを追ってきたPCIA(ピシア)の戦闘艦だ!!」と叫ぶ。反乱者ギルモア将軍の手に落ちたピリカ星の情報機関PCIAが地球までパピを追ってきたのだという。実は、パピはピリカ星から亡命してきた大統領だったのだ。パピを守ることを約束するドラえもんたちだが、しずかを人質に取られた上、ドラえもんたちが「スモールライト」で小さくなっている間にスモールライトを奪われてしまう。ドラえもんたちに迷惑をかけまいと、パピはしずかの身柄と引き換えに自ら投降し、PCIA長官ドラコルルの手に落ちてしまう。
ドラえもんたちは、密使としてパピより一足遅く地球に着いたパピの愛犬ロコロコの手引きの下、パピが乗ってきた宇宙船に乗り込んでピリカ星へ向かい、星の輪を形作る無数の小衛星のうちのひとつにある対ギルモア抵抗組織「自由同盟」本部に招かれる。そこで元ピリカ国大臣で現在は自由同盟盟主のゲンブは、パピがピリカ星のPCIA本部に囚われていること、ギルモアが皇帝となる戴冠式が行われる明後日に処刑が執り行われる見込みであることを語る。ドラえもんたちは地下組織との連絡役を志願。ゲンブはよその星の人を危険にさらせないとためらうが、「だれかが行かなきゃどうにもならないんでしょ」「だったらまかせてよ!」とジャイアンに言われ、頭を下げて協力を乞う。スネ夫はラジコン戦車の整備を行うが、そこには発信機がついており本部の場所がギルモアたちに知られてしまう。
ドラえもん、のび太、ジャイアン、ロコロコはスネ夫が整備したラジコン戦車で出発。しずかとスネ夫は同盟本部に残る。ラジコン戦車を自由落下させ流星を装ってピリカ星へ侵入したドラえもん一行は、「ドンブラ粉」で地中に戦車を沈めて隠す。「かたづけラッカー」で姿を隠して地下組織をめざすが、近くまで移動したところできき目が切れ、姿があらわになってしまう。
同盟本部には何百何千の無人戦闘艇が迫っており1時間後に到着見込みとの情報が入る。怯えて隠れ、泣きわめくスネ夫を残し、しずかはひとりラジコン戦車に乗り込み「そりゃあわたしだってこわいわよ。でも…………」「このまま独裁者に負けちゃうなんてあんまりみじめじゃない!!」と宇宙空間へと出発する。
ドラえもんたちは、高速で走れるようになる道具「チータローション」を使ってアジトの入口に辿り着く。道具のきき目が切れて疲れ果てたのび太が遅れてしまたために町中に仕掛けられた監視装置に捉えられてしまうが、地下組織への連絡の任務を果たす。
しずかは追いかけてきたスネ夫のラジコン戦車と合流。ドラえもんたちは地下組織のアジトでスモールライト捜索について相談中に、ギルモア軍にアジトを包囲され捕まってしまう。
しずかとスネ夫は無人戦闘艇との戦闘を開始。ラジコン戦車の超強化プラスチックによる装甲が高い耐久性を持っていることに気づいたことで勢いづき、無人戦闘艇を全滅させる。
ドラコルルは、ドラえもんたちが地中に沈めた戦車を発見。技術者に分解させ、電波による無線操縦で動いていることを突き止める。夜明け前、スネ夫としずかはラジコン戦車でピリカ星に向かう。日が昇り、ドラえもんたちはパピとともに処刑場の柱に並んで縛られ、処刑開始が告げられる。海上を低空飛行するしずかとスネ夫の戦車は、アンテナをねらい撃ちされ墜落。海に落ち、浸水によって戦車の中が水没する中、突如、しずかの体が巨大化する。
ロコロコの長いおしゃべりが遮られ、ついに処刑が開始。皆に銃口が向けられたとき、ドラコルルの部下が慌てて駆け込んできて「巨人が…………!! 地球人二人が巨人になって!!」と報告する。それを聞いたドラえもんはスモールライトの効果が切れたことによって元の大きさに戻ったのだと気づき、ほどなくしてドラえもんたちも元の大きさに戻っていく。のび太たちとしずかたちは再会し、圧倒的体格差からくる力の差でギルモア将軍の軍勢を蹴散らし、一斉に奮起したピリカ国民の手によってギルモアは失脚。ピリカ星に平和が戻り、パピは「ぜひまた遊びにきてね」としずかと握手する。
帰りのロケットの中。いつもチビチビといわれているスネ夫が一生懸命「また遊びに行こうよ」と言うのを聞き、皆は無邪気に笑うのだった。
1995年の劇場公開時には、作品の冒頭にドラえもんとのび太が出演するショートアニメが上映され、入場者プレゼントの「ともだちカード」についての紹介が行われた(前年度の『ドラえもん のび太の魔界大冒険』でも同様の主旨のアニメが上映された)。ビデオ・DVD版には未収録。
本佐生のリメイク映画『 ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』の脚本を手掛けた佐藤大は、本作が不完全な作品ではないとしたうえで、パピのキャラクター性は連載当時の宇宙人像を反映していると指摘し、具体的には1982年に公開された映画『E.T.』をより拡張した感じだと東洋経済オンラインとのインタビューの中で話している。 また、佐藤はピリカ星の国民たちが自らギルモアを追い詰める過程がかなり簡略化されている点についても触れ、連載ページ数の都合だろうと推測している。
その一方で、佐藤は本作の物語は普遍的であり、例えば「反乱軍の親玉の戴冠式において、亡命してきた大統領を母国に連れ戻し、国民の前で反乱軍の政治的正当性を認めさせる」という構図は、ジョージ・オーウェルの『1984年』で描かれたディストピアを思わせると述べている。
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