『映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』(えいがドラえもん のびたのしんまかいだいぼうけん しちにんのまほうつかい)は、2007年3月10日公開された日本のアニメ映画。映画ドラえもんシリーズ通算第27作(第2作2期シリーズ第2作)。コロコロコミックの創刊30周年を記念した作品。
映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜 | |
---|---|
監督 | 寺本幸代 |
脚本 | 真保裕一 |
原作 | 藤子・F・不二雄 |
出演者 | レギュラー 水田わさび 大原めぐみ かかずゆみ 木村昴 関智一 千秋 ゲスト 相武紗季 河本準一 久本雅美 |
音楽 | 沢田完 |
主題歌 | mihimaru GT「かけがえのない詩」 |
制作会社 | シンエイ動画 |
製作会社 | 映画ドラえもん制作委員会 |
配給 | 東宝 |
公開 | 2007年3月10日 |
上映時間 | 112分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 35.4億円 |
前作 | 映画ドラえもん のび太の恐竜2006 |
次作 | 映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝 |
大長編ドラえもんの1作『ドラえもん のび太の魔界大冒険』を再構築したリメイク作品である。
本作と並行し、藤子プロの岡田康則により『ドラえもん映画ストーリー のび太の新魔界大冒険』が『月刊コロコロコミック』2007年1月号から3月号にかけて連載された。大長編作品では第1期シリーズ『のび太のワンニャン時空伝』(2004年)以来3年振りで通算25作目となり、本作が新・大長編ドラえもんの記念すべき作品でもある。なお、リメイク版を漫画化した大長編作品は、第2作2期シリーズ全作品を通じて唯一本作のみである。
アニメ『ドラえもん』を制作するシンエイ動画の元社員で、ドラえもんファンでもある作家の真保裕一が脚本を担当し、監督は、ドラえもん映画作品としては初(『ドラミちゃん』シリーズの森脇真琴などでは前例あり)の女性監督、寺本幸代。また、作画監督も同じく女性アニメーターである金子志津枝が起用されている。
のび太の部屋には前作『のび太の恐竜2006』で登場した「卵から恐竜が飛び出すおもちゃ」や「ピンク色のボール」が置かれており、これについて美術監督の土橋誠は寺本監督からの指示によるものと語っている。本作以降の作品でも、このような世界観の引継ぎが度々行われている。
第2作2期シリーズとしては初めて人間の死が描かれた作品でもあり、後に同じく寺本監督によるリメイク作『新・のび太と鉄人兵団』でも描写された。
映画の最後には前作と同じくおまけ映像があり、その中で翌年にも映画が公開されることが箒から降りたドラえもんによって発表され、足元に沢山の植物が芽吹いている。その後、テレビシリーズの2007年7月13日放送のエンディングにて特報映像が初公開され、タイトルは『映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝』であると発表した。以降、映画の最後のおまけ映像で翌年の映画の予告をすることが慣例となっている。
2008年3月21日と2013年3月15日の2回テレビ放送され、いずれもオープニングとエンディングはカットされている。2013年の放送はカットされているシーンが多数存在する。
興行収入は、『のび太の太陽王伝説』や『のび太のワンニャン時空伝』を追い抜き、2007年当時全シリーズ最高額である35.4億円を記録した。
以下、『のび太の魔界大冒険』については文字数の簡略化により、漫画を原作・映画を旧作、総合表記を前作とする。
天文学者の満月博士とその娘で助手の美夜子は地球に大質量の天体が接近していることを察知した。同時に地球上では不吉な前兆のように暴風雨や地震などの異常気象が多発し始めていた。
一方、いつも通り何をやってもダメなのび太はテレビアニメの影響で魔法が使えないかと夢想し始める。突如ドラえもんとのび太の形をした石像が空から降ってきたり、その石像が庭から玄関へ移動したり、石像を四次元ポケットに収納したドラえもんが原因不明の腹痛を起こすなどの出来事が起こる中、のび太はひみつ道具・もしもボックスを使って「魔法が使える世界」を作り出すことを思いつく。しかし、実現した「魔法の世界」は幼少期から練習をしなければ魔法を使えないなど、のび太の夢想とは程遠い世界だった。ドラえもんは元の世界に戻そうと提案するが、のび太は「元に戻すのは一つくらい魔法を使えるようになってからにしたい」と決意して魔法の練習を始め、なんとかしずかのスカートをめくる程度の魔法は使えるようになる。
そんなある日、黒い流れ星が地球へ落下してきた。落下地点を訪れたジャイアンとスネ夫、ドラえもん、のび太、しずかの5人は猿のような悪魔ギムに襲われ、高名な魔法学の研究者・満月牧師と娘の美夜子に助けられる。満月牧師によると、悪魔とはかつて人間に魔法を与えた存在であり、同時に魔界星と呼ばれる天体からやってきた宇宙人なのだという。そして、彼の妻(美夜子の母)はかつて幼い美夜子の命を救うため悪魔に魂を売り渡しており、その影響で魔界星が地球へ接近、悪魔たちの地球侵攻が始まったのだった。そして悪魔を食い止めるためにはナルニアデスという男が何処かに隠した「魔界歴程」という書物を手に入れるほかない。その話を聞いたのび太達は世界を元に戻そうとするが、のび太のママがもしもボックスを粗大ごみに出してしまった為、世界を元に戻す事は出来なくなる。その夜、満月牧師は悪魔に誘拐され、美夜子は悪魔たちと戦うため一人で魔界歴程を探す事を告げて去っていった。
悪魔と戦うことを決心したドラえもん達5人はどこでもドアを利用して美夜子と合流、洞窟の中に隠された魔界歴程を発見したものの、彼らが協力していた美夜子は悪魔メジューサが化けた偽物だった。一同は氷漬けにされ魔界歴程を奪われてしまうが、上下二巻のうち下巻はジャイアンの手に残されていた。ネズミの姿に変えられた本物の美夜子と合流し、(変身魔法を解除できなかったのでやむなく)彼女を猫の姿に変えた一同は大魔王デマオンを倒す為に魔界星へ向かう。
魔界星の過酷な環境に翻弄されながらもデマオンの居城に辿り着いた一同は、銀のダーツをデマオンの弱点である左胸(心臓)目掛けて投げつける。しかし、ダーツは効果を発揮せず、デマオンの反撃によりしずか、ジャイアン、スネ夫、美夜子は捕まってしまう。絶望的な状況下、ドラえもんはタイムマシンで過去に戻ってもしもボックスの使用を阻止しようと思いつくが、メジューサは超空間を越えてタイムマシンを追跡し、箒を飛ばすことに成功していたドラえもんとのび太を石化してしまう。かつて空から降ってきた二人の石像は、未来から来た二人が石化されて箒から転落した姿だったのだ。悪魔の魔力を打ち消す月の光や月光とうによって一時的に石化が解除された二人は四次元ポケットの中で暴れるなどして抵抗を試み、遂にドラえもんの腹痛の正体に気付いたドラミが事態を察知して二人を石像から元の姿に戻した。ドラミが新品のもしもボックスを持って来たことで世界を戻す事も可能になり、物語は大団円を迎えた。
かに思われたが、世界を元に戻しても「魔法の世界」はパラレルワールドとして続いていく事が発覚。捕まったままの皆を見捨てるわけにはいかず、ドラミを加えた三人はタイムマシンで再び魔界星へと向かう。捕虜にされた5人を救い出し、地球を護る月の魔力を破壊しようと目論むメジューサを追撃する一同。そこでメジューサの正体が、かつて悪魔に魂を売り渡した美夜子の母だと発覚する。彼女は「デマオンの心臓は魔界星の赤い月」という重大な情報を言い遺し、愛する娘に抱かれながら消滅していった。心を一つにした7人と満月牧師はひみつ道具と魔法を駆使して悪魔たちに立ち向かい、のび太の手に残った最後の銀のダーツを赤い月へと投擲する。のび太の投擲後、ドラミがビックライトを使い銀のダーツを巨大化させた。巨大化したことにより銀のダーツは左胸(心臓)に見事命中。大魔王デマオンの断末魔・死と共に赤い月が落下したことにより、魔界星は大爆発を起こして消滅した。
その頃、元の世界でも大質量天体の地球衝突回避が確認されていた。ドラえもんとのび太は世界を元に戻し、一連の大冒険が夢のようだと思いながらも、しずか、スネ夫、ジャイアンの下へ駆け出していった。ただし空き地の木には乗り捨てられる結果になった箒が差さっていた。
本作ではエンディングが物語の最後ではなく、デマオンを倒した直後に本編から繋がる形で流れる。このため、過去2回の地上波でのテレビ放送ではエンディングがカットされているものの、エンディングテーマの冒頭部分は本編の展開上、そのまま流れていた。
ジャイアン役の木村昴は2017年のインタビューにおいて本作をドラえもん映画のベストに挙げている。
2007年3月23日に放送された特別番組。魔法世界のドラえもんとのび太を主人公としたエピソード「魔法使いのび太」や、ドラえもんそっくりの小悪魔ドマえもんとのび太そっくりの悪魔ノビマが主人公のエピソード「悪魔の城のヒミツ」、そして映画のプロローグとなるエピソード(使い魔であるギムを主人公としたもの)「序章・新魔界大冒険」の3本から成る(テレビアニメ2期初オリジナル作品)。
ニンテンドーDS用ゲームソフト『ドラえもん のび太の新魔界大冒険DS』。2007年3月8日にセガより発売。映画を題材にしたカードバトルRPG。
2007年2月から3月まで運行の「みなとみらい号」は、ドラえもんのヘッドマークを掲出して運行した。
This article uses material from the Wikipedia 日本語 article 映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜, which is released under the Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 license ("CC BY-SA 3.0"); additional terms may apply (view authors). コンテンツは、特に記載されていない限り、CC BY-SA 4.0のもとで利用可能です。 Images, videos and audio are available under their respective licenses.
®Wikipedia is a registered trademark of the Wiki Foundation, Inc. Wiki 日本語 (DUHOCTRUNGQUOC.VN) is an independent company and has no affiliation with Wiki Foundation.