『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』(えいがドラえもん のびたのひみつどうぐミュージアム)は、2013年の日本のSFコメディアニメ映画。藤子・F・不二雄の漫画『ドラえもん』を原作とした、映画「ドラえもん」シリーズの第33作目。監督は寺本幸代、脚本は清水東が務めた。
映画ドラえもん のび太のひみつ道具 | |
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監督 | 寺本幸代 |
脚本 | 清水東 |
原作 | 藤子・F・不二雄 |
出演者 | 水田わさび 大原めぐみ かかずゆみ 木村昴 関智一 千秋 三瓶由布子 松平健 向井理 |
音楽 | 沢田完 |
主題歌 | Perfume「未来のミュージアム」 |
制作会社 | シンエイ動画 |
製作会社 | 映画ドラえもん制作委員会 |
配給 | 東宝 |
公開 | 2013年3月9日 2013年4月27日 2013年10月31日 2014年3月19日 |
上映時間 | 103分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 39.8億円 |
前作 | 映画ドラえもん のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜 |
次作 | 映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜 |
藤子プロと今作の漫画版を執筆したむぎわらしんたろうが共同で作った企画が元になっている。
第2期の大長編シリーズでは5作目にあたり、かつ原作漫画を原案としない作品は本作が初となる。また、完全オリジナルでは第1期を含めると『ドラえもん のび太とロボット王国』以来11年ぶりとなる。
監督の寺本幸代は2011年にオープンした川崎市藤子・F・不二雄ミュージアムを訪れた際の仕掛けなどに影響を受け制作に取り掛かったという。今作はたくさんのひみつ道具が登場しており、寺本は「『ドラえもん ひみつ道具大事典』のページを日本で一番めくったのは私ではないかと思っている」と語っている。
寺本にとっての前作『新・のび太と鉄人兵団』がシリアスなドラマだったこともあり、「今回はうってかわって楽しい映画を作りたい」「お客さんが笑って映画館を出られるような、そんな映画にしたい」とも語っており、漫画版で見られるシリアスな雰囲気よりも、映画版では寺本好みのコメディ要素が多く打ち出された作品となっている。主題歌も映画のイメージに合わせたコミカルな曲調となっている。またシャーロック・ホームズネタをいくつか仕込んでおり「にやっとしてもらえたらうれしい」と述べている。
今までの『映画ドラえもん』シリーズでは、主人公であるドラえもんよりものび太が活躍することが多かったが、今作の隠れた主役はドラえもんであり、原作第1話「未来の国からはるばると」のワンシーンが登場するなど、ドラえもんとのび太の友情が改めて描かれている。
ドラえもんの鈴が未来世界の「怪盗DX」と名乗る盗賊に突然盗まれる。ドラえもんがこだわるその鈴を取り返すため、のび太はひみつ道具「シャーロック・ホームズ・セット」を身にまとい、あらゆるひみつ道具が展示されている未来の博物館「ひみつ道具博物館」に鈴があることを突き止める。静香、ジャイアン、スネ夫も合流し、5人は盗まれた鈴を探すためにそこへ向かう。
5人は博物館のガイドの少年クルトに導かれて鈴を探しながら博物館を見学する。そこで5人は、全てのひみつ道具は彼の祖父の故ハルトマン博士が発見した金属フルメタルが使われているのだと説明を受ける。しかし結局手がかりは得られないばかりか、ひょんな事故でドラえもんはポケットが使えなくなり、ジャイアンとスネ夫は小さくなったまま戻れなくなってしまう。
結局その日はクルトの家に泊めてもらい、翌日も鈴探しを続けることにする。
明くる日、博物館は臨時休館になっていた。なんと怪盗DXから館内の道具を盗むという内容の予告状が来たのだという。博物館が襲撃されれば、これが2回目になる。5人とクルトは館内に入れてもらい、博物館は最大限の警備でDXを迎え討とうとするが、結局4つの道具を盗まれ、鈴も取り返せないまま逃げられてしまう。
5人とクルトは、これまでに盗まれたドラえもんの鈴を含む6つの道具の間にある共通点をもとに、事件に深く関わっていると推理されたペプラー博士の居場所を探して向かう。その途中、のび太はこれまで出て来た数々の手がかりからDXの正体がクルトであることを突き止める。5人と一緒にいたクルトは身代わりのコピーロボットだった。
クルトは、ハルトマン博士のライバルで、かつて過失で事故を起こして博物館を追放されたペプラー博士の弟子だった。クルトは、師匠のペプラーのために、かつて彼が博物館のひみつ道具とドラえもんの鈴との中に隠した、フルメタルに代わる新たな金属ペプラーメタルを製造する機械を動かすのに必要なマイクロチップを回収するために、デラックススーツを着て怪盗DXに変身し、ひみつ道具と鈴を盗んだのだという。
クルトは博物館の階下にあるペプラーの秘密研究室に飛び込む。5人も遅れて乗り込むが、既に鈴は二つに割られ、チップが取り出され、ペプラーメタルの合成が始まっていた。しかし機械の誤作動で、ドラえもんの鈴を含む博物館内の全てのフルメタルとひみつ道具が消滅し、その影響で太陽製造機と封印されていた博物館のガードロボとが暴走し始める。ホームズ・セットも消滅し、地球が滅亡の危機に陥る中で、のび太は自分自身のひらめきで太陽製造機を抑え込むことに成功し、ドラえもんもデラックススーツを着てガードロボを撃退する。そしてペプラーによってひみつ道具も復活する。
翌日、5人とクルトは館内で鈴を探す。クルトが先に鈴の片割れを見つけ、鈴を盗んだことを謝罪してドラえもんに返す。のび太ももう片方の鈴を発見するが、そこでドラえもんがどうしてもその鈴にこだわる理由に気づく。のび太はドラえもんに駆け寄って、二つの鈴を合わせる。
22世紀にある秘密道具が初期の型から新型まですべて展示されている、空中に浮かぶ博物館。アクセスは入場チケットから出現する専用の乗り物で行われている。ひみつ道具はテーマ別に各ホールにまとめられており、各展示室へはエントランスホールの歴代のどこでもドアや、各館にある専用のどこでもドアや抜け穴ボールペンなどでも移動できる。博物館下の島にはひみつ道具職人が集まり、日々新しいひみつ道具の製作に勤しんでいる。博物館はとてつもなく広大で、開館当初は遭難者が何人も出た。博物館職員の間では「博物館の怪人」などの怪談がまことしやかに語られている。
すべてのロボットのひみつ道具が展示されている。ロボットは自動で動き回ったり、浮かんで展示されている。いくつかの島が浮かんでおり、コピーロボットで遊べるコーナーの島やゴンスケの畑とスッポンロボつりコーナーの島、ガードロボを収容している檻(おり)などもある。
宇宙空間にある館。天の川鉄道や宇宙船など、宇宙に関係する道具が展示されている。館内では食用宇宙服を食べる必要がある。
水中にある館。水中や海中で使用する道具が展示されているほか、様々な魚が自由に泳ぎ回っている。
きせかえカメラやすーぱーひーろーかめらなど、様々なカメラが展示されている。試写コーナーがある。
雲の上にある館。空を飛べる道具が展示されているほか、タケコプターが発明されるまでの試行錯誤が記録された映像を見ることができる。
緑あふれる大自然の館。キャンプで使う道具や、植物、昆虫に関係する道具が展示されている。
なんでもかんでも色々ある館。上と下に重力が働いている。
作画面ではキャラクターデザインが前作の大城勝から、テレビシリーズのキャラ設定・総作画監督を務める丸山宏一に交代。第2期映画シリーズでは『ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』以来置かれていた総作監は不在で、丸山を含めた6人の作画監督と『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』でメカ・エフェクト作画監督を務めた鈴木勤がメカ作監を担当する体制となった。また、撮影監督が『ドラえもん のび太と緑の巨人伝』より務めてきた岸克芳に代わり、第1期映画シリーズでエリ合成など、撮影スタッフとして作品に携わっていた末弘孝史が抜擢されている。
第2期の映画では恒例となっている、エンドロール後のおまけ映像の内容は、ドラえもんがどこでもドアで登場し『ドラえもん のび太の大魔境』を思わせる探検帽を被り、藤子・F・不二雄生誕80周年と出る際にめくられるページ(原作『のび太の大魔境』のワンシーン)に飛び込むというもので、2014年春の公開も告知された。その後、テレビシリーズの2013年7月12日放送のエンディングにて『ドラえもん 新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜』のタイトルでリメイクされ、2014年春に公開されることが発表された。脚本は引き続き清水東が担当し、監督はテレビシリーズ演出および本作でおまけ映像を担当した八鍬新之介が初監督を務める。
スネ夫役の関智一は2017年のインタビューにおいて本作をドラえもん映画のベストに挙げている。
全国353スクリーンで公開され、2013年3月9・10日の初日2日間で興収6億6,729万1,850円、動員59万7,899人になり、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第1位となった。また、ぴあ初日満足度ランキングでも首位となっている。続く公開第2週も累計興収が12億3,170万3,850円累計動員は110万2,266人となり二週連続映画観客動員ランキング第1位となっている。公開16日間で興収20億円、動員180万人を記録。公開5週目で累計動員は330万8,785人、累計興収は35億8,922万1,400円を記録した。累計動員数348万121人、累計興収37億8,457万3,000円を記録し、声優陣を一新してからの新シリーズ最高記録だった昨年公開の『ドラえもん のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜』を超える最高興収を記録した。2014年1月に発表された観客動員数は365万人、最終興収は39.8億円。興行収入39.8億円は2015年時点で、『映画ドラえもん』シリーズの最高額である。
第1作映画『ドラえもん のび太の恐竜』が公開された1980年3月15日から今作『ひみつ道具博物館(ミュージアム)』までの2013年3月22日の34作で、33年(1万2,060日)をかけ邦画史上初となるシリーズ累計動員1億人を突破した。これまでの邦画シリーズの最高記録はゴジラシリーズ28作の9,900万人であった。 YouTubeの公式チャンネルでは1億人突破を記念したスペシャル動画が公開されている。
次作『新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜』の公開を記念して、2014年3月7日放送分の『ドラえもん・クレヨンしんちゃん 春だ!映画だ!3時間アニメ祭り・第2部』(19:35 - 21:48)にて地上波初放送。なお、この放送の際、掃除機でしずかの服が破れてしまうシーンでは、白い光による修正がかけられ、裸の姿がほぼ映らないようになされた。今作以降、『名探偵コナン』の映画シリーズと同様に新作の公開前日に放送されるのが恒例となっているが、両作共2018年以降からは公開一週間前後で放送する
2018年3月3日の『ドラえもん のび太の宝島』の公開を記念して、同年2月25日に『最新映画公開記念!映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』(10:00 - 11:50、『日曜ワイド』枠外で放送)と題して2回目の地上波放送を行った。これは2013年3月15日に放送された『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』以来(ただし放送日時はゴールデンタイム)で、内容も『新魔界大冒険』同様に番組編成上の都合から多数のシーンをカットした編集版が放送された。そのため、問題となっていた掃除機でしずかの服が破れてしまうシーンはカット。
第31回ゴールデングロス賞優秀銀賞を受賞した。
2013年3月1日放送の「最強!ころばし屋Z」は映画公開直前スペシャルとして放送された映画連動エピソード。映画キャラクターの向井おさるが登場するほか、博物館も少しだけ登場する。内容は前半は原作「ころばし屋」に沿った内容になっているが、後半はころばし屋Zと対決するオリジナルストーリーとなっている。
テレビアニメ2013年1月11日放送分より放送最後に挿入されるミニコーナー。ひみつ道具にちなんだクイズで、映画本編にも登場するマスタード警部も登場する。
『月刊コロコロコミック』2013年2月号より短期連載のコミカライズ版を掲載。漫画はむぎわらしんたろう。大長編作品では29作目。コミックスは2013年3月30日発売。あらすじは映画版と同じであるものの、違いがいくつかあり、ストーリーの根幹に関わる違いもある。
ニンテンドー3DSソフト『ゲーム ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』。2013年3月7日にフリューより発売。映画を題材にひみつ道具を探す探偵アドベンチャーゲーム。また結末が映画と異なっている。
ポッドキャスト『ドラチャン★ドラヂオ』第9回・第12回で映画特集が放送。また、映画公式サイトで『Do-Radio 映画チャン★ドラジオ』が期間限定公開された。ゲストは『のび太のひみつ道具博物館』応援団長の松岡修造。
『ひみつ道具大作戦!〜キミの考えたひみつ道具を映画に出そう!〜』は、一般応募されたひみつ道具が映画本編に登場する企画。各応募の最優秀賞18作品は実際に映画に登場し、スタッフロールにも受賞者の名前が載る。
『ドラえもん 100展』は2013年3月9日から31日まで、小田急グループ主催で神奈川県・箱根エリアを中心に実物大のドラえもん人形100体を展示するイベントが開催。なお、2012年にも香港や台湾で同様の100体展示イベントが行われているが今回は改めて製作されたもの。
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