2022年の日本シリーズ(2022ねんのにっぽんシリーズ、2022ねんのにほんシリーズ)は、2022年(令和4年)10月22日から10月30日まで行われた東京ヤクルトスワローズ(以下、ヤクルト)とオリックス・バファローズ(以下、オリックス)による第73回日本選手権シリーズ(73rd Nippon Series)である。オリックスが4勝2敗1分けでヤクルトを下し、26年ぶり5度目の日本一に輝いた。
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2022年の日本シリーズ | |
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SMBC日本シリーズ2022 | |
MVPを受賞した杉本裕太郎 | |
ゲームデータ | |
日本一 オリックス・バファローズ 26年ぶり5回目 4勝2敗1分 | |
スポンサー | 三井住友銀行 |
試合日程 | 2022年10月22日 - 30日 |
最高殊勲選手 | 杉本裕太郎 |
敢闘賞選手 | ホセ・オスナ |
チームデータ | |
オリックス・バファローズ(パ) | |
監督 | 中嶋聡 |
シーズン成績 | 76勝65敗2分 (シーズン1位/CS優勝) |
東京ヤクルトスワローズ(セ) | |
監督 | 高津臣吾 |
シーズン成績 | 80勝59敗4分 (シーズン1位/CS優勝) |
クライマックスシリーズ | |
セントラル・リーグ | |
パシフィック・リーグ | |
« 2021 2023 » |
2014年から9年連続で、NPBパートナーのSMBCグループを冠スポンサーに迎え「SMBC日本シリーズ2022」として開催された。
前年と同じく2年連続でヤクルトとオリックスの対戦となった。2年連続同一カードの対戦はソフトバンクと巨人の対戦となった2019年・2020年以来で、2年連続同一優勝チーム同士の対戦は1992年・1993年の西武対ヤクルト以来29年ぶりである。東京都(全てセ・リーグ)対大阪府(全てパ・リーグ)を本拠地とするチームの対戦は13度目であるが、過去12回の内大阪府のチームが勝利したのは1959年の南海ホークスのみで、他は全て東京都のチームが勝利(巨人が9度、ヤクルトが2度)している。なお、2年連続で関東地方と近畿地方を本拠地とするチームの対戦は1995年のヤクルト対オリックス、1996年の巨人対オリックス以来26年ぶり、2年連続で東京都と大阪府を本拠地とするチームの対戦となるのは1965年・1966年の巨人対南海以来56年ぶりとなる。オリックスは今季4月10日、敵地ZOZOマリンスタジアムでロッテの佐々木朗希に完全試合を喫したが、完全試合を喫したチームの日本シリーズ出場は1966年の南海に続いて2チーム目。ノーヒットノーランを喫したチームが日本シリーズに出場するのは、2002年の巨人以来20年ぶり10回目(11チーム目)、オリックスとしては1996年以来前身の阪急時代含め4度目となる。
日本シリーズは今回で73回目だが、過去72回の両リーグの対戦成績は36勝36敗の五分で今シリーズの勝利リーグが1勝リードすることになる。ヤクルトは球団初、セ・リーグ球団では1979年・1980年の広島以来42年ぶりの日本シリーズ連覇と2000〜2002年以来のセ・リーグ2年連続日本一を目指す。一方のオリックスも球団および関西地方を本拠地とする球団としては26年ぶり、大阪府を本拠地とする球団では1964年の南海以来58年ぶりの日本一を目指す。オリックスはこれまでヤクルトを相手に3度対戦して全て敗退しており、4度目で初制覇を目指す。
今シリーズをヤクルトが制した場合は初めて丑・寅年の2年連続日本一を、オリックスが制した場合は寅年で東海地方以西を本拠地とする球団、およびチーム名が「バファローズ」の球団が初めての日本一を達成することになる。
日付 | 試合 | ビジター球団(先攻) | スコア | ホーム球団(後攻) | 開催球場 |
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10月22日(土) | 第1戦 | オリックス・バファローズ | 3 - 5 | 東京ヤクルトスワローズ | 明治神宮野球場 |
10月23日(日) | 第2戦 | オリックス・バファローズ | 3 - 3 | 東京ヤクルトスワローズ | |
10月24日(月) | 移動日 | ||||
10月25日(火) | 第3戦 | 東京ヤクルトスワローズ | 7 - 1 | オリックス・バファローズ | 京セラドーム大阪 |
10月26日(水) | 第4戦 | 東京ヤクルトスワローズ | 0 - 1 | オリックス・バファローズ | |
10月27日(木) | 第5戦 | 東京ヤクルトスワローズ | 4 - 6x | オリックス・バファローズ | |
10月28日(金) | 移動日 | ||||
10月29日(土) | 第6戦 | オリックス・バファローズ | 3 - 0 | 東京ヤクルトスワローズ | 明治神宮野球場 |
10月30日(日) | 第7戦 | オリックス・バファローズ | 5 - 4 | 東京ヤクルトスワローズ | |
優勝:オリックス・バファローズ(26年ぶり5回目) |
神宮球場の日本シリーズ開催は2015年以来7年ぶり9度目。ヤクルト主管では7度目の開催になる。第1,2,6,7戦の開催は1992年以来だがナイターとしては初。京セラドーム大阪での日本シリーズ開催は3年連続4度目。オリックス主管は2年連続2度目の開催。第3,4,5戦の開催は1996年以来。2020年・2021年の場合は新型コロナウイルス関連による影響で球団の本拠地が他のイベントなどで兼ね合いで使用できず、代替球場での開催だったため。球団の本拠地で開催されるのは2019年以来3年ぶりとなり、神宮球場と京セラドーム大阪で開催されるのは2001年のヤクルト対近鉄以来21年ぶり2度目となる。また試合日程が10月下旬に組み込まれるのは2019年のソフトバンク対巨人以来3年ぶりとなる。
京セラドーム大阪を本拠地としている球団が2年連続で日本シリーズを京セラドーム大阪で開催するのは、史上初である。また京セラドーム大阪で平日の第3,4,5戦を開催するのも初めてであった。
前述したように、第1,2,6,7戦が神宮球場で第3,4,5戦が京セラドーム大阪で開催するように両チームのそれぞれの本拠地球場で開催されるのは、2019年以来3年ぶりである。
2020年、2021年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため観客収容率の上限を定員の50%以下に設定されていたが、今シリーズは入場制限を撤廃し、3年ぶりに収容率100%で開催された。なお場内における新型コロナウイルス感染拡大防止対策(マスク着用義務、大声での声援不可など)は引き続き実施される。
CS1st | CSファイナル | 日本選手権シリーズ | ||||||||
(6戦4勝制<含・アドバンテージ1>) 明治神宮野球場 | ||||||||||
ヤクルト(セ優勝) | ☆○○○ | |||||||||
(3戦2勝制) 横浜スタジアム | ||||||||||
阪神 | ★●●● | |||||||||
DeNA(セ2位) | ●○● | |||||||||
(7戦4勝制) 明治神宮野球場 京セラドーム大阪 | ||||||||||
阪神(セ3位) | ○●○ | |||||||||
ヤクルト(セCS優勝) | ○△○●●●● | |||||||||
オリックス(パCS優勝) | ●△●○○○○ | |||||||||
(6戦4勝制<含・アドバンテージ1>) 京セラドーム大阪 | ||||||||||
オリックス(パ優勝) | ☆○○●○ | |||||||||
(3戦2勝制) 福岡PayPayドーム | ||||||||||
ソフトバンク | ★●●○● | |||||||||
ソフトバンク(パ2位) | ○○ | |||||||||
西武(パ3位) | ●● | |||||||||
オリックス・バファローズ | ||||
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役職 | 背番号 | 名前 | 投 | 打 |
監督 | 78 | 中嶋聡 | - | |
コーチ | 88 | 水本勝己(ヘッド) | - | |
73 | 高山郁夫(投手) | - | ||
75 | 厚澤和幸(投手) | - | ||
77 | 梵英心(打撃) | - | ||
79 | 辻竜太郎(打撃) | - | ||
76 | 風岡尚幸(内野守備・走塁) | - | ||
81 | 田口壮(外野守備・走塁) | - | ||
87 | 齋藤俊雄(バッテリー) | - | ||
投手 | 11 | 山﨑福也 | 左 | 左 |
12 | 山下舜平大 | 右 | 右 | |
13 | 宮城大弥 | 左 | 左 | |
16 | 平野佳寿 | 右 | 右 | |
18 | 山本由伸 | 右 | 右 | |
19 | 山岡泰輔 | 右 | 左 | |
20 | 近藤大亮 | 右 | 右 | |
21 | 竹安大知 | 右 | 右 | |
26 | 能見篤史 | 左 | 左 | |
29 | 田嶋大樹 | 左 | 左 | |
35 | 比嘉幹貴 | 右 | 右 | |
45 | 阿部翔太 | 右 | 左 | |
46 | 本田仁海 | 右 | 左 | |
54 | 黒木優太 | 右 | 左 | |
56 | 小木田敦也 | 右 | 右 | |
58 | ジェイコブ・ワゲスパック | 右 | 右 | |
59 | セサル・バルガス | 右 | 右 | |
63 | 山﨑颯一郎 | 右 | 右 | |
69 | ジェシー・ビドル | 左 | 左 | |
96 | 宇田川優希 | 右 | 右 | |
捕手 | 2 | 若月健矢 | 右 | 右 |
23 | 伏見寅威 | 右 | 右 | |
33 | 松井雅人 | 右 | 左 | |
44 | 頓宮裕真 | 右 | 右 | |
内野手 | 3 | 安達了一 | 右 | 右 |
5 | 西野真弘 | 右 | 左 | |
6 | 宗佑磨 | 右 | 左 | |
9 | 野口智哉 | 右 | 左 | |
10 | 大城滉二 | 右 | 右 | |
24 | 紅林弘太郎 | 右 | 右 | |
31 | 太田椋 | 右 | 右 | |
36 | 山足達也 | 右 | 右 | |
67 | 中川圭太 | 右 | 右 | |
外野手 | 1 | 福田周平 | 右 | 左 |
7 | 吉田正尚 | 右 | 左 | |
38 | 来田涼斗 | 右 | 左 | |
41 | 佐野皓大 | 右 | 両 | |
50 | 小田裕也 | 右 | 左 | |
55 | T-岡田 | 左 | 左 | |
99 | 杉本裕太郎 | 右 | 右 |
東京ヤクルトスワローズ | ||||
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役職 | 背番号 | 名前 | 投 | 打 |
監督 | 22 | 高津臣吾 | - | |
コーチ | 82 | 松元ユウイチ(作戦) | - | |
89 | 伊藤智仁(投手) | - | ||
98 | 石井弘寿(投手) | - | ||
74 | 杉村繁(打撃) | - | ||
78 | 大松尚逸(打撃) | - | ||
75 | 森岡良介(内野守備走塁) | - | ||
73 | 佐藤真一(外野守備走塁) | - | ||
83 | 衣川篤史(バッテリー) | - | ||
45 | 嶋基宏(補佐) | - | ||
投手 | 12 | 石山泰稚 | 右 | 右 |
14 | 高梨裕稔 | 右 | 右 | |
15 | 山下輝 | 左 | 左 | |
16 | 原樹理 | 右 | 右 | |
17 | 清水昇 | 右 | 左 | |
19 | 石川雅規 | 左 | 左 | |
20 | 木澤尚文 | 右 | 右 | |
29 | 小川泰弘 | 右 | 右 | |
34 | 田口麗斗 | 左 | 左 | |
37 | スコット・マクガフ | 右 | 右 | |
44 | 大西広樹 | 右 | 右 | |
47 | 高橋奎二 | 左 | 左 | |
50 | アンドリュー・スアレス | 左 | 左 | |
54 | サイスニード | 右 | 右 | |
61 | 久保拓眞 | 左 | 左 | |
69 | 今野龍太 | 右 | 右 | |
70 | 小澤怜史 | 右 | 左 | |
捕手 | 27 | 中村悠平 | 右 | 右 |
30 | 西田明央 | 右 | 右 | |
33 | 内山壮真 | 右 | 右 | |
57 | 古賀優大 | 右 | 右 | |
内野手 | 00 | 奥村展征 | 右 | 左 |
1 | 山田哲人 | 右 | 右 | |
3 | 西浦直亨 | 右 | 右 | |
5 | 川端慎吾 | 右 | 左 | |
10 | 荒木貴裕 | 右 | 右 | |
13 | ホセ・オスナ | 右 | 右 | |
39 | 宮本丈 | 右 | 左 | |
55 | 村上宗隆 | 右 | 左 | |
58 | 長岡秀樹 | 右 | 左 | |
60 | 武岡龍世 | 右 | 左 | |
71 | 赤羽由紘 | 右 | 右 | |
外野手 | 0 | 並木秀尊 | 右 | 右 |
2 | パトリック・キブレハン | 右 | 右 | |
4 | 丸山和郁 | 左 | 左 | |
9 | 塩見泰隆 | 右 | 右 | |
23 | 青木宣親 | 右 | 左 | |
25 | ドミンゴ・サンタナ | 右 | 右 | |
31 | 山崎晃大朗 | 左 | 左 | |
49 | 渡邉大樹 | 右 | 右 |
日付 | 試合 | ビジター球団(先攻) | スコア | ホーム球団(後攻) | 開催球場 |
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10月22日(土) | 第1戦 | オリックス・バファローズ | 3 - 5 | 東京ヤクルトスワローズ | 明治神宮野球場 |
10月23日(日) | 第2戦 | オリックス・バファローズ | 3 - 3 | 東京ヤクルトスワローズ | |
10月24日(月) | 移動日 | ||||
10月25日(火) | 第3戦 | 東京ヤクルトスワローズ | 7 - 1 | オリックス・バファローズ | 京セラドーム大阪 |
10月26日(水) | 第4戦 | 東京ヤクルトスワローズ | 0 - 1 | オリックス・バファローズ | |
10月27日(木) | 第5戦 | 東京ヤクルトスワローズ | 4 - 6x | オリックス・バファローズ | |
10月28日(金) | 移動日 | ||||
10月29日(土) | 第6戦 | オリックス・バファローズ | 3 - 0 | 東京ヤクルトスワローズ | 明治神宮野球場 |
10月30日(日) | 第7戦 | オリックス・バファローズ | 5 - 4 | 東京ヤクルトスワローズ | |
優勝:オリックス・バファローズ(26年ぶり5回目) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
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オリックス | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 10 | 2 |
ヤクルト | 2 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | x | 5 | 10 | 0 |
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第1戦ゲームハイライト -SMBC日本シリーズ2022- - 日本野球機構公式チャンネル |
ヤクルトの先発は小川、オリックスの先発は前年に続いて2年連続投手四冠を獲得した山本。
ヤクルトは1回裏、二死一・二塁からオスナの左翼線2点適時二塁打で先制に成功。対するオリックスは直後2回表、一死満塁から紅林の右前適時打で1点を返すと、さらに福田が押し出し四球を選び、同点に追いついた。それでもヤクルトは3回裏、無死から塩見が左中間へソロ本塁打を放って勝ち越すと、続く4回裏には、無死からオスナが左中間へソロ本塁打を放ち、4-2と2点差とした。オリックスの先発・山本が1試合で2本の本塁打を浴びるのは2020年8月11日の福岡ソフトバンクホークス戦以来、2年以上ぶりであった。さらに山本は5回裏、先頭打者・キブレハンへ3球目を投じた後に左脇腹の違和感を訴え、降板となった。その後は、山本の後を継いだ比嘉が三者凡退に抑えた。
ヤクルトの先発・小川は5回6安打2失点で降板すると、その後は6回・木澤、7回・田口と無失点で繋いだ。8回表に登板した清水は二死二塁から代打・T-岡田に中前適時打を浴び1点差とされるも、その裏に村上がオリックスの5番手・平野佳から今シリーズ初本塁打を放ち、5-3と再び2点差とした。
9回表は抑え・マクガフが一死一・二塁のピンチを招くも、5番・杉本、代打・頓宮を共に三振に抑え、ヤクルトが第1戦に勝利した。先発の小川は3度目の登板にしてシリーズ初勝利を挙げた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | R | H | E | |
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オリックス | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 13 | 0 |
ヤクルト | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 12 | 0 |
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ヤクルトの先発はサイスニード、オリックスの先発は山﨑福。
オリックスは3回、一死三塁から山﨑福の右前適時打で先制に成功。さらに続く安達の安打で一死一・二塁とすると、宗の右前安打を右翼手・サンタナがファンブルし、1点を追加した。5回表には二死一・三塁から杉本の三塁適時内野安打で1点を追加し、3-0とリードを3点に広げた。
オリックスの先発・山﨑福は4回4安打無失点に抑えると、5・6回は山﨑颯、7回は宇田川が無失点で繋いだ。8回に登板したワゲスパックはオスナ、中村の安打とサンタナの四球で二死満塁のピンチを招くも、長岡を空振り三振に打ち取って無失点に抑え、3点リードのまま9回裏を迎えた。
9回裏、オリックスは5番手として阿部が登板。対するヤクルトは、先頭の宮本の二塁打と、続く塩見の四球で無死一・二塁のチャンスを作ると、代打・内山が左翼へ3点本塁打を放ち、ヤクルトが土壇場で同点に追いついた。それでも阿部は、後続の山田、村上、オスナを抑えてサヨナラは許さず、試合は延長戦に入った。
10回表、オリックスはヤクルトの5番手・マクガフを攻め二死一・三塁とするも後続が倒れて無得点に終わる。対するヤクルトはその裏、オリックスの6番手・本田を攻めて二死一・三塁とするも塩見が一飛に倒れ、こちらも無得点に終わった。
その後、オリックスは12回表、二死から代打・頓宮が安打で出塁。代走・佐野皓が盗塁し二死二塁とすると、ヤクルトの8番手・木澤が紅林への投球を暴投。佐野皓は二塁から一気に本塁へ生還したが、投球がベンチに入っていたことでボールデッドとなったため得点は認められず、二死三塁で試合は再開した。オリックスはその後、紅林が四球を選んで二死一・三塁としたものの、伏見が三直に倒れて無得点に終わった。12回裏は、ヤクルトがこの試合初の三者凡退に倒れて無得点に終わり、規定により引き分けとなった。
シリーズの引き分けは2018年第1戦(広島東洋カープ対ソフトバンク)以来4年ぶり。
試合時間5時間3分は、2010年第6戦の5時間43分(延長15回)に続いて史上2番目の長さ、延長12回で終わった試合としては前年第6戦の5時間0分を超え、史上最長の試合時間となった。また、両チーム合わせて投手16人が登板したが、これは2018年第1戦(広島対ソフトバンク、延長12回引き分け)の15人を上回り史上最多で、出場選手44人は同試合以来史上3度目のタイ記録となった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
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ヤクルト | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1 | 0 | 3 | 7 | 11 | 0 |
オリックス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 8 | 1 |
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第3戦ゲームハイライト -SMBC日本シリーズ2022- - 日本野球機構公式チャンネル |
オリックスの先発は宮城、ヤクルトの先発は高橋で、前年の第2戦と同じ投げ合いとなった。
オリックスは4回裏、一死二・三塁と先制のチャンスを作ったが、6番・中川圭、7番・杉本が連続三振に倒れ、無得点に終わった。対するヤクルトは直後の5回表、二死一・二塁から、前の打席で今シリーズ11打席目にして初安打を放った山田が左越え3点本塁打を放ち先制に成功。山田はこれで日本シリーズ通算5本塁打となり、球団史上最多となった。
その後、ヤクルトは7回表に丸山のバントヒットと四死球で二死満塁のチャンスを作ると、村上が押し出し四球を選び1点を追加。さらに9回表には一死一・二塁から村上の2点適時二塁打(福田の悪送球で村上は三塁進塁)、オスナの中前適時打で3点を追加し、リードを7点とした。
ヤクルトの先発・高橋は6回無失点に抑え、前年の日本シリーズ第2戦に続き15回連続無失点を記録。7回は石山、8回は清水がそれぞれ無失点に抑え、9回表終了時点で7-0と大きくリードした。
オリックスは9回裏、ヤクルトの5番手・小澤から中川圭、杉本、代打・西野の三連打で1点を返すも、後続が倒れて試合終了。ヤクルトが第3戦に勝利し対戦成績を2勝1分とした。
なお、この試合で勝利したヤクルトは史上5球団目となる日本シリーズ通算30勝目を挙げた。
このカードの日本シリーズは前年から2点差以内の試合が8試合続いていたが、9試合目にして3点差以上の試合となった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
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ヤクルト | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 1 |
オリックス | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | x | 1 | 3 | 1 |
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第4戦ゲームハイライト -SMBC日本シリーズ2022- - 日本野球機構公式チャンネル |
オリックスの先発は、同年の交流戦でヤクルトに勝利した山岡、ヤクルトの先発は前年に日本シリーズ史上セ・リーグ最高齢勝利投手となった42歳のベテラン・石川。
ヤクルトは1回表、ヒットと投手・山岡のエラーで無死一・二塁のチャンスを作るも、山田、村上、オスナの中軸が倒れ無得点に終わる。一方のオリックスは直後の1回裏、佐野皓の二塁打と2つの四球で二死満塁のチャンスを作るも、杉本が空振り三振に倒れこちらも無得点に終わった。
その後も両チーム共にランナーを出しながら無得点に終わり、0-0で迎えた3回裏、オリックスは先頭打者の中川圭が死球で出塁すると、二死二塁から杉本が左前適時打を放ち1点を先制した。
そのまま1-0で迎えた5回表、ヤクルトは一死から塩見が中越三塁打を放ち、一死三塁と同点のチャンスを作ると、オリックスはここで先発・山岡から2番手・宇田川に交代。宇田川は続く山崎、山田を連続三振に打ち取り、無失点で切り抜けた。6回表も宇田川が続投。2つの四球で一死一・三塁のピンチを招くもサンタナ、中村を連続三振に打ち取り、リードを守った。
7・8回は3番手・山﨑颯が登板。無安打無失点に抑えると、9回はワゲスパックが無死二塁のピンチを招きながらも無失点で凌ぎ、オリックスが1-0で勝利した。
オリックスは本シリーズ初勝利を、1996年第2戦(対巨人)以来、球団として日本シリーズ史上4度目となる完封勝利で挙げた。
勝利投手は育成ドラフト出身の宇田川。育成ドラフト出身の選手が日本シリーズで勝利投手となるのは史上6人目であり、入団2年目で記録するのは史上最速となった。
ヤクルトはオリックスを上回る6安打を放ち、初回の無死一・二塁など得点圏に5度も走者を進めながらあと1本が出ず、前年のCSから、高津監督体制下のポストシーズン16戦目にして初の、日本シリーズでは2015年第5戦(対ソフトバンク)以来、球団史上6度目となる完封負けを喫し、もし勝利投手となれば日本シリーズ史上最高齢勝利投手となるはずだった石川の、5回1失点の粘投に報いることが出来なかった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
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ヤクルト | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 4 | 12 | 1 |
オリックス | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3x | 6 | 11 | 1 |
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オリックスの先発は田嶋、ヤクルトの先発は新人の山下。新人投手が日本シリーズで先発登板するのは、2019年第3戦の高橋優貴(巨人)以来3年ぶり、ヤクルトに限ると1992年第3戦の石井一久以来30年ぶり。
ヤクルトは1回表、二死一・二塁からオスナの適時打で先制。さらに続くキブレハンの右前打で二塁走者の山田が本塁を狙ったが、オリックスの右翼手・杉本の好返球でタッチアウトとなり、追加点はならなかった。それでもヤクルトは2回表、一死からサンタナが左中間へソロ本塁打を放ち、2-0とリードを広げた。
対する、オリックスは4回裏二死一・二塁から紅林、若月の連続適時打で同点に追いつくと、5回裏には吉田正が今シリーズチーム初本塁打となる1号ソロを放ち、3-2と勝ち越しに成功した。
それでもヤクルトは6回表、オリックスの3番手・近藤を攻め、二死二塁とすると、長岡の右前適時打で同点に追いつく。さらに塩見の二塁内野安打で二死一・二塁とすると、続く青木がこの日3安打目となる右翼線適時二塁打を打ち、ヤクルトが逆転に成功した。
ヤクルトの先発・山下は5回3失点で降板すると、6回は石山が2安打を浴びながらも無失点に、7・8回は清水が無安打無失点にそれぞれ抑え、ヤクルトが4-3と1点リードの状況で9回表を終えた。
9回裏、ヤクルトは抑えのマクガフが登板。対するオリックスは先頭の代打・安達が四球で出塁すると、一死二塁として、西野の投手強襲安打を放つ。これがマクガフの一塁悪送球を誘い、オリックスが同点に追いついた。さらに、二死となった後、吉田正がこの日2本目となる2点本塁打を右翼席に放ち、オリックスが6-4でサヨナラ勝ちした。マクガフは前年の第1戦と同様、またしても吉田正にサヨナラ打を打たれた。
これで対戦成績は2勝2敗1分けとなり、優勝決定は第7戦以降に持ち越されることが決定した。第7戦開催は2013年の楽天対巨人以来9年ぶり25度目で、神宮球場では1992年のヤクルト対西武以来30年ぶり2度目、当該対戦カードでは1978年以来44年ぶりとなった。
日本シリーズのサヨナラ勝ちは前年の第1戦でオリックスが逆転サヨナラ勝ちをして以来、史上41度目、球団史上では3度目。サヨナラ本塁打は、2018年第5戦の柳田悠岐(ソフトバンク)以来日本シリーズ史上17人目(18本目)で、オリックスの選手としては前身を含め初のサヨナラ本塁打となった。また、オリックスの選手による1試合2本塁打は1972年第3戦の加藤秀司以来50年ぶり。
最初の3試合で2敗1分のチームが2連勝で成績を五分に戻したのは、1962年の東映フライヤーズ以来、史上2度目となった。
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第6戦ゲームハイライト -SMBC日本シリーズ2022- - 日本野球機構公式チャンネル |
第6戦の先発投手は、ヤクルトが第1戦から中6日の小川、オリックスが第2戦から中5日の山﨑福。
初回はともに先頭打者を安打で出しながら後続が凡退し無得点に終わる。その後、双方4回まで四死球以外で走者を出せず、5回裏を0-0で終えた。
オリックスは6回表、先頭打者の太田がこの日2本目となる安打で出塁すると、吉田正への申告敬遠などで二死一・二塁とし、杉本の右前適時打で先制に成功。その後、なおも満塁としたが紅林が見逃し三振で追加点はならなかった。ヤクルトは直後の6回裏、オリックスの2番手・宇田川から、二死後に山田、村上の連続四球で一・二塁としたものの、オスナが三振に倒れ、同点の機会を逃した。
その後はお互い無失点に抑え、オリックスが1-0と1点リードの状況で8回を終えた。
9回表、ヤクルトは4番手でマクガフが登板。オリックスは先頭打者の安達が安打で出塁すると、続く紅林の犠打をマクガフが一塁悪送球する間に安達が生還し追加点を挙げ、紅林も三塁まで進塁した。さらに一死後、代打・西野の犠飛で紅林も生還し、3-0とオリックスがリードを広げた。
オリックスの先発・山﨑福は5回1安打無失点の好投を見せると、6回は宇田川、7回は平野佳、8回は山﨑颯、9回はワゲスパックが共に無失点に抑え、オリックスが3-0で勝利した。特に7回以降は1人の走者も許さず、今シリーズ2度目の完封勝利で3勝2敗1引分とし、26年ぶりの日本一に王手をかけた。
敗れたヤクルトは小川が6回1失点と好投するも、初回の先頭打者の塩見の安打以降無安打に終わり、特に7回以降は1人の走者も出せず、1安打完封負けと打線が沈黙した。4番手のマクガフも痛い失点を許して 3連敗を喫してしまい、後がなくなった。
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第7戦ゲームハイライト -SMBC日本シリーズ2022- - 日本野球機構公式チャンネル |
2013年以来9年ぶりに行われた第7戦。
ヤクルトの先発は第2戦以来、中6日でサイスニード、オリックスの先発は第3戦以来、中4日で宮城となった。
オリックスが1回表、無死から先頭の太田が初球を中越本塁打として先制した。日本シリーズでの「初回先頭打者初球本塁打」は史上初。
その後、1-0のまま迎えた5回表、オリックスは先頭の伏見が安打で出塁すると宮城、太田の犠打をヤクルトの守備陣が二者連続で処理を誤り(記録はどちらも内野安打)、無死満塁のチャンスを作る。その後、一塁手・オスナの好守で宗は併殺に打ち取られるも、中川圭が四球で再び満塁となると、吉田正が押し出し死球で出塁し、オリックスが追加点を挙げた。さらになおも二死満塁から、杉本の打球を中堅手・塩見が後逸し(当初の記録は三塁打)、走者が全て生還。オリックスが5-0とリードを広げた。
5-0のまま迎えた8回裏、ヤクルトはオリックスの3番手・山﨑颯を攻めて一死一・二塁とすると、村上の右前適時打で1点を返す。さらに続くオスナが3点本塁打を放ち、5-4と1点差に迫った。しかし、山﨑颯から代わった4番手の比嘉に後続は抑えられ、5-4のまま9回裏を迎えた。
9回裏、オリックスの5番手はワゲスパックが登板した。最後は塩見を空振り三振に打ち取り、オリックスが1996年以来26年ぶり5度目の日本一に輝いた。
一方のヤクルトはレギュラーシーズン三冠王の村上が5打点をマークし、第6戦では2四球でチャンスメイクする場面はあったもののシリーズ全体では第4戦から第6戦まで3試合連続無安打を喫するなど、打率1割台で本塁打も第1戦の1本に抑えられた。さらに山田が第3戦に決勝点となる3ラン本塁打を放ったものの、19打席連続無安打を記録するなど第3戦以外は無安打で、打率は.083と絶不調であった。投手陣では抑えのマクガフが第5戦で逆転サヨナラ負けの救援失敗や、同試合と第6戦で一塁悪送球するなど投打の軸となる選手の不調が響き、1980年の広島以来のセ・リーグ同一球団による日本一連覇とはならなかった。
日本シリーズはレギュラーシーズンとは異なり、(一社)日本野球機構管轄のため、あらかじめ放送権を指定されている。なお雨天順延の場合でも各戦のテレビ中継もスライドとなる。
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