親水(しんすい)は、水と親しむこと。水や川に触れることで水や川に対する親しみを深めることを指す造語で、1960年代の後半、都市河川が水害や公害に悩まされた時期に東京都の河川計画の技術者の自主的な研究活動が支えとなり、東京都土木技術研究所(現·土木技術支援・人材育成センター)の山本彌四郎らが使った用語である。1969年から1970年に土木学会年次学術講演会で発表され広まった 。
古来、河川の氾濫は人々に大きな被害をもたらしてきたため、治水は行政にとって重要な課題であった。従来の治水、利水の機能は物理的な機能に重点を置いたものであり、「流水機能」と位置付けられるものであった。これに対置するように、景観、エコロジー、レクリエーション、気候調節、心理的存在などを包含する新しい概念として「親水機能」の概念が生み出された。また、河川が人間とのかかわり合いのもとに自然的、社会的に存在するだけでなく、人間の心理的、精神的な関係までに象徴化し、捉えることの重要性が強調された。
近年、環境問題がクローズアップされ、河川においても、治水、利水のほかに「親水」が重視されるようになった。治水のためにコンクリート護岸になってしまった川を、自然護岸あるいはそれに近い状態に戻すことによって人と川との障壁を取り払い、川への親しみを取り戻し、水質汚濁を防ぎ生物にやさしい川を回復したいという市民の欲求が高まり、各地に「水に親しむ」ことを目的とした親水公園が作られている。
親水公園(しんすいこうえん)は、水質汚濁や護岸工事などの影響で水辺から遠ざけられた都市住民のために、河川・湖沼・海浜など水辺の地形を利用して、水と親しめるように(=親水)作られた公園である。日本の親水公園は1973年(昭和48年)に完成した江戸川区の古川親水公園に始まる。
親水公園・親水緑道は、公園としての用途のみならず、消防水利、延焼遮断帯、大規模災害時の生活用水及びトイレ用水等の雑用水の水源、避難場所、通路等として利用される。
護岸は本来、水流から構造物の侵食を防ぐ施設であるが、親水機能を持たせた護岸が各地で設けられている。
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