帷子川(かたびらがわ)は、神奈川県横浜市を流れる二級河川。工業用水三級。
帷子川 | |
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保土ヶ谷区の柳橋付近を流れる帷子川 | |
水系 | 二級水系 帷子川 |
種別 | 二級河川 |
延長 | 17 km |
平均流量 | -- m³/s |
流域面積 | 57.9 km² |
水源 | 神奈川県横浜市旭区若葉台 |
水源の標高 | 100 m |
河口・合流先 | 横浜港 |
流域 | 神奈川県横浜市 |
帷子川本流の全域が神奈川県横浜市内を流れている。旭区若葉台団地に隣接し国道16号との間に挟まれた上川井町の警察犬訓練施設脇の畑と産業廃棄物埋め立て地に源を発し、源流から程ない場所に二重構造の人工河川として「上川井町小川アメニティ」が整備されている。ここに湧き水のように見える排出口の開いた穴のついた岩があるが、これは人工河川用の揚水ポンプであり、自然の源泉ではない。その側にコンクリートで河岸の固められた細い本流があり、それを遡ると源泉にたどり着く。
保土ケ谷区を南東に流れ、横浜駅東口を取りかこむように流れ、西区のみなとみらい地区と神奈川区のポートサイド地区にまたがる場所で横浜港に注ぐ。
現在の河口周辺の埋め立て以前の河口は平沼橋駅あたりであった。
もともとは蛇行の激しい暴れ川で水害の多い川であったが、大戦以前は耕地の灌漑等を目的に利用されており、治水事業としては本格的な改修は行われていなかったが、水害を契機に、 川の直線化や護岸工事など大規模な改修が進められ、西谷から横浜駅付近に流す約7.5kmにわたる地下分水路や、鶴ヶ峰駅付近の帷子川親水緑道などの親水公園、川辺公園などが造られた。
現在の横浜市保土ケ谷区天王町一帯は片方が山で、片方が田畑であったため、かつては「かたひら」と呼ばれていた。その地を流れていたので「かたびらかわ」と呼ぶようになったともされているが、名称の由来については諸説ある。
神奈川の地名の由来は、帷子川(かたびらがわ)へ関東ローム層のなかの酸化した鉄分が流れだし 川をあかがね色に染めるからだといい「金川」と書くこともあるとする説もある。 神奈川の名称は文永三年(一二六六)五月の鶴岡八幡宮文書に「神奈河郷」として史上にあらわれる。神奈河郷は東京湾に注ぐ帷子川の河口を中心に数十村で形成する湊の郷村であった。江戸時代には四〇カ村を含む地域名“神奈川”となり、東海道にそった集落が神奈川宿と定められ、水陸交通の要地となった。 明治元年(一八六八)九月、明治政府は神奈川宿を中心に方一〇里の土地を管轄していた神奈川府を神奈川県と改称した。 これが県名神奈川のはじまりだが、管下の土地は旧幕領であったため分散していた。 明治五年二月、神奈川県は西は相模川、東は多摩川、北は多摩郡の地域を管下におさめ、 同九年五月伊豆国をのぞく足柄県を合併、同二十六年四月の三多摩分離まで最大の県域であった。(「神奈川県の歴史」 旧版より引用)
2016年以前までは横浜駅付近の川沿いには十数軒のトタン製のおでん屋台が軒を連ねており名物となっていた。付近には警察からの「無許可営業の店舗は撤去する」旨の警告看板が立っているなどしていながらも、実態はどの店も数十年来営業を続けていたが、2016年1月末に撤去された。
保土ケ谷区上星川付近には、かつて捺染業が多く存在した。この染色・捺染の染料を流すこと(生地を水に晒す工程)や周辺の生活排水や工場廃水などが増え始め、一時期は汚染が進んだ。 下水道の普及など状況は改善されつつあることや魚の放流などもなされた結果、自然が戻りつつあり、アユ、神奈川県でも珍しいギバチのほかやホトケドジョウ、トウヨシノボリなど横浜市の2011年度の調査では全部で18種類の魚が確認されている。また東日本大震災の復興事業として2013年よりサケの稚魚の放流が行われているが2019年時点では成長したサケが泳ぐ姿は確認されていない。
横浜市環境創造局が発表している水質汚濁及び地盤沈下状況記者発表資料によれば帷子川の水道橋地点における生物化学的酸素要求量(BOD)の数値が1984年をピークに年々低下をみせ、1991年以降は5mg/Lを下回って安定しているなど水質の改善がデータ上でも見られる。 現在では中流域のBOD平均値は1.0まで低下しており、これは神奈川県東部の河川で最も低い数値である。 一方で2012年の環境科学研究所による調査では帷子川河口周辺では有機物や硫化物の濃度が高く、汚濁が進行していることが示され、水産用水基準による底質評価や七都県市底質環境評価では、夏には魚介類や底生生物にとって厳しい生息環境にあると判定された。
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