ワンワールド(英: oneworld)は、世界規模の航空連合の1つである。アライアンス・スローガンは「Travel bright.」。
設立日 | 1999年2月1日 |
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加盟数(正会員) | 13社 |
加盟数(議決権無し) | 14社(アフィリエイトメンバー) |
加盟予定/保留 | 1社 |
就航空港 | 1,012カ所 |
就航国 | 170カ国 |
年間旅客数 | 4億9000万人 |
保有機材数 | 3,296機 |
代表者 | ロバート・アイソム(会長) ナサニエル・ピーパー(CEO) |
スローガン | Travel Bright |
本部所在地 | アメリカ合衆国 テキサス州フォートワース |
ウェブサイト | oneworld.com |
ワンワールドは世界170カ国、1,012カ所の目的地に達し、便数は毎日13,000便を超える。2019年2月時点で3つ存在する航空連合の中で第3位と、アライアンス自体の規模や加盟会社数としてはスターアライアンスやスカイチームの後塵を拝しているものの、日本の日本航空(JAL)をはじめ、各国を代表するフラッグ・キャリアが多く、それゆえに上質かつ安定したサービスを受けられるのが特徴である。メンバー航空会社及びその関連会社は、運航計画、航空券発行、共同運航、乗継便運用、マイレージサービス、空港ラウンジの共有、経費節減、及びベストプラクティスにおいて高度な協力関係を有している。
正規メンバー会社の子会社はアフィリエイトメンバーと位置づけられ、利用者側には正規メンバー会社と同等の特典が受けられるようにする事が出来るが、かつてスターアライアンスに存在したリージョナルメンバーや、スカイチームでのアソシエイトメンバーといった、正会員会社と資本関係のない提携会社を議決権を持たない準会員として扱う事はしていない。
ワンワールドは、中央管理機構を確立した最初の航空連合である。発足当初はカナダのバンクーバー、2010年よりアメリカ合衆国のニューヨークに本部を置き、加盟航空会社各社の最高責任者で構成されるアライアンス委員会への報告を担当する責任者が本部に駐在する。アライアンス委員会の議長は基本的に持ち回り制である。業務担当者への報告は、営業・情報技術・広報、空港・顧客サービス、並びにグローバルプロジェクトディレクターの職務長によって行われている。また、2010年にはアジア地域における営業・広報活動の拠点として東京にアジア地区本部を設置した。
メンバー航空会社は、技術・整備事業、方針・手順調整、開発・支援ソリューション連携などで航空業界を通して使用できる可能な限り広範囲に亘る共通規格も開発した。また経費も一括購入と部品の相互共有によって削減されている。
ワンワールドは、2006年度までの過去3年間の加盟航空会社の総収支が黒字である唯一の航空連合であったが、この記録も2008年には途絶えた。加盟会社全てが黒字というわけではなく、数社が足を引っ張っている構図になっている。かつて大きく赤字を計上していたアメリカン航空は最近収支が改善した。
インターネットユーザーが、投票によって賞を与えるワールド・トラベル・アワーズでは、ワンワールドは2019年度までの17年連続でベスト航空連合に選出されている。
就航都市数はアメリカン航空、就航国・地域数はカタール航空が最大である。
航空会社 | 就航都市数 | 就航国・地域数 |
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アラスカ航空 | 125 | 7カ国 |
アメリカン航空 | 352 | 60カ国 |
ブリティッシュ・エアウェイズ | 198 | 72カ国 |
キャセイパシフィック航空 | 80 | 28カ国 |
フィンエアー | 100 | 35カ国 |
イベリア航空 | 137 | 46カ国 |
日本航空 | 199 | 64カ国 |
マレーシア航空 | 55 | 20カ国 |
カンタス航空 | 98 | 25カ国 |
カタール航空 | 156 | 80カ国 |
ロイヤル・エア・モロッコ | 82 | 41カ国 |
ロイヤルヨルダン航空 | 45 | 29カ国 |
スリランカ航空 | 112 | 58カ国 |
オマーン・エア(2024年加盟予定) | 41 | 20カ国 |
フィジー・エアウェイズ(ワンワールド・コネクト) | 23 | 13カ国 |
設立当初はキャセイパシフィック航空が拠点とする香港国際空港から、中国本土や東南アジア各国への幅広いネットワークを構築していた。
2007年4月1日に日本の日本航空が正式加盟し、アジア地域のネットワークが強化された。
日本航空の加盟によって成田国際空港におけるワンワールド加盟航空会社の再配置が行われ、第2旅客ターミナルビルに集約された。同ターミナルを「北東アジアでのワンワールドのハブ」と考え、チェックインカウンターのクラス別での共用化や、空港ラウンジの改修などサービス機能を加盟就航会社共同で強化している。
2010年2月23日に加盟予定を発表したインドのキングフィッシャー航空はその後の経営難により加盟保留状態となり、2013年に倒産。ワンワールド加盟が消滅した。
2013年2月1日、ASEANにも幅広い路線網を持つマレーシア航空が加盟。これにより、東南アジア地域の更なるネットワーク強化が行われた。
2014年5月1日、南アジアや中東(西アジア)に幅広い路線網を持つスリランカ航空が加盟。
この他、中華民国(台湾)の新興航空会社であるスターラックス航空、及び2018年にスカイチームを脱退した中国最大の航空会社、中国南方航空が加盟を検討している。
2007年4月1日に、ロイヤル・ヨルダン航空が中東では初となるワンワールドメンバーとして加盟した。
2013年10月30日、豊富な機材で世界各地にネットワークを有するカタール航空が加盟。ヨーロッパから中東(西アジア)への便が多いブリティッシュ・エアウェイズの路線を含め、中東内のみならず中東とヨーロッパ間などのネットワークがさらに拡充される。
さらに、2022年にはオマーン・エアが2024年にワンワールドへ加盟することが決定。中東(西アジア)ネットワークにおいてターキッシュ エアラインズ1社のスターアライアンス、サウディア・ミドル・イースト航空の2社を率いるスカイチームに対し加盟会社が3社となる予定であるため、更に優位に立つ見込みとなっている。
オセアニアでは最大規模のネットワークを誇るオーストラリアのカンタス航空が加盟している。
2018年にはフィジー・エアウェイズが「ワンワールド・コネクト」として加盟。
オセアニア方面にメンバーを持たないスカイチームや、オーストラリア内で国内線を持たないニュージーランド航空1社のスターアライアンスに比べ優位に立っている。
2010年末にインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)として経営統合したブリティッシュ・エアウェイズとイベリア航空、加えてフィンエアーがヨーロッパの東西南北の主要国をほぼ網羅するネットワークを持つため、ほぼ全土へ路線網を伸ばしている。
一方、マレーヴ・ハンガリー航空が2012年に、エア・ベルリンが2017年に経営破綻して消滅、さらに2022年にはS7航空がロシアのウクライナ侵攻を受けて一時会員資格停止となったため、中東欧・ロシアの加盟会社が皆無となり、チェコ・ルーマニアの航空会社が加盟するスカイチームやルフトハンザドイツ航空を盟主としたドイツ語圏各国の航空会社、加えてポーランド、クロアチア、ギリシャ、トルコに加盟会社を持つスターアライアンスに比べると中東欧ネットワークはかなり脆弱となっている。そのため、ヨーロッパにおけるシェアは3位と、スカイチーム、スターアライアンスの後塵を拝している。
2010年2月13日、米国運輸省がアメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、イベリア航空、フィンランド航空、ロイヤル・ヨルダン航空の5社が共同で申請していたヨーロッパと北アメリカを結ぶ大西洋路線の反トラスト法適用除外 (ATI) を暫定的に認可することを決定。その後同年7月14日には欧州委員会 (EC) からもATI認可がおり、米国運輸省も同年7月20日までに5社への認可を正式に決定した。これを受けて、今後5社共同で大西洋路線の運営・管理を行う方針である。
ロシア・CIS諸国においては、2022年9月時点で加盟会社は無い。
かつては、ロシア第2位の航空会社であるS7航空(2010年加盟)が加盟していたが、2022年ロシアのウクライナ侵攻より、2022年4月19日よりワンワールドの資格を一時停止されている。
ブリティッシュ・エアウェイズがイギリスの旧植民地を中心に多くの路線網を有している。同社の傘下にある南アフリカのコムエアーがアフィリエイトメンバーとして参加しているものの、エジプト航空と南アフリカ航空、エチオピア航空の3社を擁するスターアライアンスやケニア航空が加盟するスカイチームに比べるとネットワークは小さい状況となっていた。しかし、2020年4月1日にロイヤル・エア・モロッコが加盟し、ワンワールドでは初となるアフリカの航空会社となった。
北アメリカにおいてはアメリカン航空とアラスカ航空が加盟している。アメリカン航空はUSエアウェイズとの合併で世界最大の航空会社になったことにより、米国国内線はもとより中央南アメリカ路線など米国を拠点とする国際線のネットワークが充実した。また、2021年3月31日にアラスカ航空が加盟し、これによりアラスカやハワイなどの米国西海岸路線が更に強化される形になった。
設立メンバーの1社であったカナディアン航空が2002年にエア・カナダ(スターアライアンス)に吸収合併され、2009年に加盟したメキシカーナ航空が2010年に経営破綻して消滅したことで、北米大陸におけるプレゼンスは、他のアライアンスと比較して高まっていない。
ヨーロッパのブリティッシュ・エアウェイズがイギリスと北アメリカ間に多くの路線を持つ他、2010年10月の羽田空港の国際線増便以降は、羽田空港-米国間の直行便数では、ワンワールドが最多になる。
南アメリカにおいては2022年9月時点では加盟会社は無い。
かつてはLATAM航空グループのLATAM チリ(2000年加盟)、LATAM ブラジル(2014年加盟)が加盟していたが、2020年4月30日をもってワンワールドを脱退しており、以後はラテンアメリカ諸国におけるネットワークはテキサス州を本拠地とするアメリカン航空が中心となりカバー、加えてアラスカ航空も一部を補完している状態になっている。しかしながら、LATAMグループの脱退によりアビアンカ航空・コパ航空を擁するスターアライアンス、アルゼンチン航空・アエロメヒコ航空を率いるスカイチームと比較してワンワールドは劣勢に立たされている。
*は創立メンバー
加盟航空会社 | 加盟年 | アフィリエイトメンバー | 非アフィリエイトメンバー |
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アメリカン航空* | 1999 | アメリカン・イーグル | |
ブリティッシュ・エアウェイズ* | 1999 | BAシティフライヤー BAユーロフライヤー サン・エア | |
キャセイパシフィック航空* | 1999 | エア・ホンコン キャセイパシフィック・カーゴ | |
カンタス航空* | 1999 | カンタスリンク ジェットコネクト | ジェットスター航空 ジェットスター・アジア航空 ジェットスター・ジャパン |
フィンエアー | 1999 | ノルディック・リージョナル・エアラインズ | ノルディック・グローバル航空 |
イベリア航空 | 1999 | イベリア・エクスプレス エア・ノストラム | ブエリング航空 |
日本航空 | 2007 | ジェイエア 日本トランスオーシャン航空 日本エアコミューター 北海道エアシステム | 琉球エアーコミューター ZIPAIR Tokyo ジェットスター・ジャパン スプリング・ジャパン |
ロイヤル・ヨルダン航空 | 2007 | ||
マレーシア航空 | 2013 | ファイアフライ MASwings | |
カタール航空 | 2013 | ||
スリランカ航空 | 2014 | ||
ロイヤル・エア・モロッコ | 2020 | ロイヤル・エア・モロッコ・エクスプレス | |
アラスカ航空 | 2021 | ホライゾン航空 スカイウェスト航空 |
加盟航空会社 | 加盟年 | アフィリエイトメンバー | 非アフィリエイトメンバー |
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フィジー・エアウェイズ | 2018 |
加盟航空会社 | 加盟年 | 資格停止年 | アフィリエイトメンバー | 非アフィリエイトメンバー | 資格停止理由 |
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S7航空 | 2010 | 2022 | 2022年ロシアのウクライナ侵攻により会員資格を4月19日から一時停止 |
加盟予定航空会社 | 加盟予定年 | (予定)アフィリエイトメンバー | (予定)非アフィリエイトメンバー |
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オマーン・エア | 2024 | ||
ハワイアン航空 | 未定 |
*は創立メンバー
加盟航空会社 | 加盟年 | 脱退年 | 脱退理由 | アフィリエイト・メンバー |
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カナディアン航空* | 1999 | 2000 | エア・カナダ(スターアライアンスメンバー)に吸収合併。 | インター・カナディエン カナディアン・ノース カナディアン・リージョナル航空 カーム・エア |
エアリンガス | 2000 | 2007 | 2007年3月31日に脱退。 | |
マレーヴ・ハンガリー航空 | 2007 | 2012 | 2012年2月3日に破産。 | |
メキシカーナ航空 | 2009 | 2014 | 2010年8月28日に運航停止、2014年に破産。 | メキシカーナ・クリック メキシカーナ・リンク |
エア・ベルリン | 2012 | 2017 | 2017年10月27日に運航停止。 | ニキ航空 ベルエア |
LATAM航空 | 2000 | 2020 | 2020年5月1日に脱退。 | LATAM アルヘンティナ LATAM エクアドル LATAM エクスプレス LATAM コロンビア LATAM ブラジル LATAM ペルー |
ワンワールドにおけるマイレージサービスのランクはワンワールド・エリート・ステータス・レベルと呼ばれ、ルビー、サファイア、エメラルドの3段階がある。ワンワールド・エリート・ステータスは利用者が直接取得するものではなく、各加盟会社がそれぞれ設定するマイレージサービス(日本航空であればJALマイレージバンク)の各ランクと対応付けて利用できる。また加盟会社の相互利用でもマイルが加算されるよう規格化されているが、自社便最低搭乗回数など条件は各社異なる。
運営航空会社 | マイレージサービスの名称 | ワンワールド・ルビー | ワンワールド・サファイア | ワンワールド・エメラルド |
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アラスカ航空 | Mileage Plan | MVP | MVPゴールド | MVPゴールド75K |
アメリカン航空 | AAdvantage | ゴールド | プラチナ | エグゼクティヴ・プラチナ |
ブリティッシュ・エアウェイズ | Executive Club | ブロンズ | シルバー | プレミア ゴールド |
キャセイパシフィック航空 | The Marco Polo Club | シルバー | ゴールド | ダイヤモンド プラス ダイヤモンド |
フィンエアー | Finnair Plus | シルバー | ゴールド | プラチナ |
イベリア航空 | Iberia Plus | シルバー | ゴールド | プラチナ |
日本航空 | JALマイレージバンク (JAL Mileage Bank) | クリスタル | サファイア | ダイヤモンド |
JALグローバルクラブ (JAL Global Club) | - | JGCサファイア JGCクリスタル JGC会員 | JGCダイヤモンド JGCプレミア | |
マレーシア航空 | Enrich | シルバー | ゴールド | プラチナ |
カンタス航空 | Qantas Frequent Flyer | シルバー | ゴールド | チェアマンズ・ラウンジ プラチナ・ワン プラチナ |
カタール航空 | Privilege Club | シルバー | ゴールド | プラチナ |
ロイヤル・エア・モロッコ | Safar Flyer | シルバー | ゴールド | プラチナ |
ロイヤル・ヨルダン航空 | Royal Plus | シルバー | ゴールド | プラチナ |
スリランカ航空 | FlySmiLes | クラシック | ゴールド | プレミアム |
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