飛田 展男(とびた のぶお、1959年11月6日 - )は、日本の声優、舞台俳優。茨城県水戸市出身。アーツビジョン所属。既婚。
とびた のぶお 飛田 展男 | |
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プロフィール | |
本名 | 飛田 展男 |
愛称 | 飛ちゃん |
性別 | 男性 |
出身地 | 日本・茨城県水戸市 |
生年月日 | 1959年11月6日(64歳) |
血液型 | AB型 |
職業 | 声優、舞台俳優 |
事務所 | アーツビジョン |
配偶者 | あり |
公式サイト | 飛田 展男|株式会社アーツビジョン |
公称サイズ(時期不明) | |
身長 / 体重 | 165 cm / 56 kg |
声優活動 | |
活動期間 | 1982年 - |
ジャンル | アニメ、ゲーム、吹き替え、ナレーション |
デビュー作 | 『暗闇にベルが鳴る』 |
俳優活動 | |
活動期間 | 1990年代 - |
ジャンル | 舞台 |
水戸市立三の丸小学校、茨城中学校・高等学校卒業。
子供の頃から学年誌などに掲載されていた紹介記事で清水マリ、高橋和枝、白石冬美といった声をあてている人がいることは意識しており、本を音読することが好きであった。中学2 - 3年生の頃に「英語かなんかの勉強に使え」と父が買ってくれたカセットレコーダーでアニメソングを録音していた。テレビのオープニング、エンディングを片っぱしから録り始めて、初めは歌だけだったが、ある時、テレビドラマまで入れてしまったという。「しまった」と思いながらも、それを聴いていくうちにセリフなど覚えてしまい、真似したりして、「こういうの面白いな」と思ったわけだったという。そのころ、好きな声優は特にいなかったが、「すごいなあ」と思ったのは小山田宗徳、若山弦蔵。
中学生までは学校の教師になりたいと言っていたが、高校2年生の頃、漫画の台詞に声に出して読むという行為に付き合っていた友人ができ、休み時間に色々な漫画を読み合っていくうちに漠然と声優になってみたいという気持ちが出始める。
高校卒業後、茨城から上京して駒澤大学文学部歴史学科に進学。大学時代は放送研究会に所属していた。
大学進学後、通ってもサッパリ張りが出ず、勉強の意欲が湧かず、ただ毎日機械的に大学に通う生活にイヤ気がさしていたという。
当時は下宿でボンヤリとテレビを見ていたという。水戸市にいた時は数局しか見られなかったが、東京都でNHKほかに民放局が5局が夕方でアニメを放送し、それを見て、「そうだ!せっかく東京に出て来たんだ。声優になってみよう!この仕事はオレの性に合っている。やりがいもありそうだ。」と思い、声優を志す。
映画雑誌『SCREEN』で掲載されていた若山弦蔵、野沢那智といった吹き替えの主演を務めていた声優のインタビュー記事を読んで声優が多く所属していた劇団の養成所を目指し、大学2年生の時に大学を中退し、両親に「声優になりたい」と言ったところ驚かれ猛反対されたが、それを押し切って声優の世界に飛び込んだという。
劇団NLT付属俳優教室の出身。ボイス・アーツを経て、アーツビジョン所属となった。
『暗闇にベルが鳴る』の警察無線の声で声優デビューし、『サイボットロボッチ』(1982年)のボブ役でアニメデビュー。その後『キャプテン翼』(1983年)の若島津健役で初レギュラー、1985年『機動戦士Ζガンダム』のカミーユ・ビダンで初主演。
一人っ子である。父は地方公務員。父からは当初声優になるのを猛反対されていたが、2022年時点のインタビューでは「今でも『ちびまる子ちゃん』など自分の出演作を見てくれている」と発言している。妻は養成所で知り合った女性。
アニメ、ドラマCD、ゲーム、外国映画や海外ドラマ吹き替え、舞台俳優などの各分野で活動。
代表作は『機動戦士Ζガンダム』のカミーユ・ビダン役や『ちびまる子ちゃん』の丸尾末男役などがある。繊細な少年、心優しい青年、熱血漢キャラ、冷徹な敵役、ギャグキャラまで、声質や演技を使いわけて表現する。アニメ版『星のカービィ』ではコックカワサキ役など、10キャラクター以上の役を担当していた。
『ちびまる子ちゃん』のオーディションでは当初、飛田が花輪くん役、菊池正美が丸尾くん役で決まっていたが、原作者のさくらももこから「丸尾くんと花輪くんは逆の方が良いんじゃないか」と言われて今の形になった。
明るく若者らしいさわやかなナレーションや内面に狂気を隠したキャラも演じることが多い。
正統派な主人公タイプよりもひと癖あるキャラクター(戦隊ヒーローで例えるならブルー、ブラックのような役)の方が好きだといい、カミーユのような役がぴったりという印象だという。また、丸尾くんを演じてから本人曰く「屈折した変な役」というイメージが業界内で定着したという。2021年時点では「元々はかっこいい影のある少年役が主流だと思っていたが、コックカワサキ役など癖のある役が主流になった」とも語っていた。役を演じる際、「どうして彼はそういう風に言うんだろう」と食い込んでいくやり方をしているという。
子安武人は、声優業界での恩人に飛田の名を挙げている。若手時代の子安は演技の幅が狭いことに悩み、「いつ声優をやめてやろうか」と毎日のように悩んでいたところ、当時とある作品で共演していた飛田がとても優しくフレンドリーに接してくれたことが嬉しく、救いになっており、「もう少しだけ頑張ってみよう」と思って声優業を続けた結果、「辞める機会を失って今に至る」と、冗談交じりに語っている。また飛田の自分に対する接し方から、子安は相手のことを思って厳しくアドバイスしてくれる先輩もありがたいが、自分は純粋に優しい先輩でいたいと考えるようになった。
同事務所の戸部公爾らとともに、劇団RELAXとして年に1回の定期公演を行っている。
テレビ版『機動戦士Ζガンダム』(1985年)において、主人公のカミーユ・ビダンに抜擢される。
オーディションは課題の台詞を一通り喋るというものだったが、元々初代の『機動戦士ガンダム』が好きだったことから、課題の後の1分間ほどのフリートークで「あんなに素晴らしい終わり方をしているのになぜ続編なんか作るんですか」と言ってしまった(自分でもよく分からず、衝動的に出てしまったという)。後で主役に決まった際は監督たちはコメントを聞いていないんだろうと思っていたが、監督の富野由悠季から作品への思い入れや続編を作ることになった理由などを話され納得したという(富野からは作品に対する思い入れや業界の事情から、『機動戦士ガンダム』の続編を作ることになった理由を全部話されたといい、ひと通り話し終わったところで飛田の方を向き「あなた、納得しましたか!?」と言った)。また、ジェリド・メサ役の井上和彦もカミーユ役を受けていたという。
監督が富野であり、シャア・アズナブル役の池田秀一、アムロ・レイ役の古谷徹と共演することも分かっており、存在感のあるキャラクターが次々に出てくるため、主人公といえど途中でチェンジになるかもしれないというプレッシャーが常にあったという。またクレジットではカミーユよりシャアが上であり、当時は疑問に思っていたが、一方で「こうなったら絶対に最終回まで生き残ってやるぞ!」というモチベーションにもつながったという。当初カミーユは最後に死ぬ予定だったが、そうならなかったため多少なりとも頑張った甲斐があったのかなと思ったという。
本人のカミーユへの印象は「思ったらすぐに手が出ちゃうような、そういう意味ではアムロ・レイとは対照的な人物」だといい、「素直に黙ってればいいのにと思いながらも共感することはできました」と語っている。セリフが日常的な言葉というより文語的な感じであり、戦闘シーンより日常の会話シーンの方が演じていて大変だったという。
最終話でカミーユの精神が壊れるラストは3ヶ月前から知っており(どんな感じで壊れるかは知らなかった)、それまで凄まじいシーンが続いたため音響監督の藤野貞義から「最後にちょっとおかしくなっちゃうけど、あまりやりすぎないでね」と芝居じみた演技にならないよう言われていた。シロッコを倒した後にファに声をかけられ答えるシーンは実際にやってみると楽にでき、一年を通して一番気負いなく言えたため自分でも驚いたという。
続編の『機動戦士ガンダムΖΖ』でカミーユが出演する際は藤野から「モビルスーツに乗っているテンションではなく、耳元で囁くような優しい感じで」、「肉体ではなく、心と心で話しているような感じ」と言われ演技していた。続編が作られると知った当初は「カミーユがあんな目に遭っているのに明るくなるの!?」と驚いたというが、実際に現場に入ってみて、『Ζ』はカミーユの物語で『ΖΖ』はジュドーたちの物語だと実感し収まりがついたという。
放送終了後も『機動戦士SDガンダム』などでカミーユを演じることもあったが、「いい加減まともの僕に戻りたい」と発言したこともある。またカミーユの声は地声よりかなり高くテンションも上げなくてはいけないため、「なんでこんな高い声で役作りしてしまったのか今になって後悔している次第ですよ(笑)」と語ったこともある。
劇場版『機動戦士Ζガンダム A New Translation -星を継ぐ者-』ではカミーユ役のオーディションが改めて行われ、再びオーディションを受け役を勝ち取ったという逸話がある。監督の富野からは「新しい作品として『機動戦士Ζガンダム』を作りたいため、カミーユもこれまでやってきたものではない演技を求めたい。それを確認したいので声を聞かせてほしい」と手紙をもらい、富野とマンツーマンで1時間ほど試行錯誤を繰り返し役を作っていった。用意されたセリフはテレビ版と全く同じもので、「とにかくピュアなカミーユにしてください。以前のは全部忘れていいです」と言われ焦ったという。答えが出ないままやってみたが「あなたがやってきたカミーユや、これまでしてきた仕事は分かるし、身につけてきたものもあるでしょうけど、今はそれが邪魔になっている。それを全部捨ててください」と言われた。「いわゆる方法論とか慣れたやり方でやってくれるな」ということだと思い、もうなるようになれと何度も試して、何度目かでついにOKが出たという。台本を読んだ際はテレビ版とほぼ同じ内容で駆け足で話が進むと感じ、カミーユの印象が変わったという。アフレコ当日は自分の中で新しいカミーユ像が決められずにいたが、富野の「これは舞台の再演のようなものです。確かにリメイクで昔の画を使って編集して作っていますけど、いわゆる懐かし番組の集まりではありません。あくまで今の新しい『Ζガンダム』を作りたいと思っています」という言葉を聞いて妙に納得し、「舞台の再演は同じ台本で初演の時よりパワーがいる、さらに初演のメンバーや演出自体が変わる可能性にも対応しなければいけない、それが嫌なら自分はやりませんと降りるしかない。やるかやらないかの世界で、やる以上は誰がどうなろうがやるしかない」と開き直れたという。「一番プレッシャーをかけてきたのが監督なら、一番力を与えてくれたのも監督だった」と思い、打ち上げの際にそのことを富野に伝えると、富野の妻から「見事にハマったってことね」と言われた。収録に入って間もない頃は自分の声が使われているか不安であり、テレビ版の先行上演会を見に行ったといい、そこで自分の声がちゃんと流れているのを聞いてようやく安心したという。
劇場版をやるまではいつでも少年役OKという気持ちだったが、劇場版を終えて、声優の世界も世代交代が進んでいる時期だったため「このあたりがタイムリミットかな」と感じたという。一方で、それまでは役柄が落ち着いてチームの中でも落ち着いたポジション役になっていくと思っていたが、劇場版で再度カミーユを演じてその未来図を完全にぶち壊されたという。「自分から役柄を絞り込んでも意味がない、どんな年齢のキャラでもピュアに臨めばそれでいいんじゃないか」と思ったといい、「どのみちパターンでやっちゃったら、一時期は通じるかもしれませんが、いつかは飽きられるし、代わりはいっぱいいるわけですから。サバイバルとまでは言いませんが、どこまで続けていけるか、生き残っていけるか。貴重な機会は逃さずに、お客さんやスタッフの方、一緒にやっている方々に、何か残るようなものをやる。それが大事なんだと思うようになりました」という。カミーユ役は誰にも譲りたくない反面、「そろそろいいんじゃないかという気がしないでもない」と言っているが、「自分のようにカミーユをやれる人はそういない、地で持っている人はあまりいないんじゃないかなぁと思いますね」とも語っている。
『Ζ』、『ΖΖ』以外のガンダムシリーズ作品でも、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』のカリウス、テレビアニメ『機動武闘伝Gガンダム』のウルベ・イシカワといった重要な役を担当しているほか、『機動戦士Vガンダム』、『機動新世紀ガンダムX』、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』などでゲスト出演しており、ゲーム作品では『機動戦士ガンダム ギレンの野望』(フランシス・バックマイヤー)、『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』(ロンド・ギナ・サハク)にも出演している。
太字はメインキャラクター。
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