『寄宿学校のジュリエット』(きしゅくがっこうのジュリエット、英語サブタイトルは「To LOVE,or not to LOVE」)は、金田陽介による日本の漫画。ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』を翻案した作品であり、東和国とウェスト公国という2つの国家が対立する架空世界で、東和国の少年・犬塚露壬雄とウェスト公国の少女・ジュリエット・ペルシアが織り成す恋模様を描く。
寄宿学校のジュリエット | |||
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テレビアニメのタイトルロゴ | |||
ジャンル | 少年漫画、ラブコメディ、学園漫画 | ||
漫画 | |||
作者 | 金田陽介 | ||
出版社 | 講談社 | ||
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掲載誌 | 別冊少年マガジン→週刊少年マガジン | ||
レーベル | 講談社コミックス | ||
発表号 | 別マガ:2015年8月号 - 2017年7月号 週マガ:2017年43号 - 2019年40号 | ||
発表期間 | 2015年7月9日 - 2019年9月4日 | ||
巻数 | 全16巻 | ||
話数 | 全119話 | ||
アニメ | |||
原作 | 金田陽介 | ||
監督 | 宅野誠起 | ||
シリーズ構成 | 吉岡たかを | ||
脚本 | 吉岡たかを | ||
キャラクターデザイン | 森本由布希 | ||
音楽 | 横山克 | ||
アニメーション制作 | ライデンフィルム | ||
製作 | 寄宿学校のジュリエット製作委員会 | ||
放送局 | 毎日放送ほか | ||
放送期間 | 2018年10月6日 - 12月22日 | ||
話数 | 全12話 | ||
テンプレート - ノート | |||
プロジェクト | 漫画・アニメ | ||
ポータル | 漫画・アニメ |
本作は『別冊少年マガジン』(講談社)で連載が始まり、2015年8月号から2017年7月号まで連載された。その後、『週刊少年マガジン』(講談社)に移籍し、2017年43号から2019年40号まで連載された。全119話で、コミックスは講談社コミックスから計16巻刊行されている。メディアミックスも行われており、2018年には本作を原作としたテレビアニメが放送されている。2020年6月時点で累計発行部数は370万部を突破している。
犬塚露壬雄はダリア学園という寄宿学校の学生で、「黒犬の寮」(ブラックドギーハウス)の高等部1年生のリーダーを務めていた。この寮は東和国の学生専用の寮であり、ウェスト公国の学生が住む「白猫の寮」(ホワイトキャッツハウス)とは敵対関係にあった。しかし、露壬雄は白猫の寮の高等部1年生のリーダー、ジュリエット・ペルシアに片思いしていた。
1学期のある夜、露壬雄はジュリエットに告白する。彼の告白に心を動かされたジュリエットは告白を受け入れ、2人は秘密裏に交際を始める。その後、ジュリエットの親友のシャルトリュー・ウェスティアと、露壬雄の親友・狛井蓮季が2人の交際を知るが、それ以外の学生には気づかれないまま、露壬雄たちは体育祭を迎える。体育祭では、ジュリエットが寮内の派閥争いに巻き込まれて負傷する事件が起きる。露壬雄は主犯のアビ・シニアを成敗するが、最後の騎馬戦で起こったアクシデントが原因となりチームの敗北を招き、リーダーの座を追われる。
一方、露壬雄の兄・藍瑠は、露壬雄とジュリエットの内通を疑うようになる。体育祭終了後に行われたジュリエットの誕生日会で、2人は藍瑠から追及を受けるが、辛くも切り抜ける。この一件を経て露壬雄は学園の変革を決意し、そのために、各寮から選出され、学園内で特別な権限を有する「監督生」になることを目指すようになる。手始めに監督生・王手李亞の補佐役に就いた露壬雄は、その後、夏休みの合宿で兄に一矢を報い、これを寮生に認められてリーダーに復帰する。
2学期、ダリア学園で学園祭が開催される。そこでジュリエットは、学園に来園した母親から、かつて黒犬の寮の寮生と白猫の寮の寮生が交際していたことと、後にそれが露見して2人が退学に追い込まれたことを知らされる。その2人とは、ジュリエットの父・ターキッシュと、露壬雄の母・千和だった。千和と話したいと思ったジュリエットは冬休みを利用して犬塚家を訪ねるが、遅れて帰省した藍瑠に露壬雄との交際を知られてしまう。2人の交際に反対する藍瑠に対し、露壬雄は兄弟喧嘩を挑んで勝利する。敗れた藍瑠は交際を黙認した上で、露壬雄とジュリエットに対し、各寮から1人ずつ選ばれる「監督生代表」に揃って就任するよう発破をかけた。
2年生に進級後、監督生選抜選挙が開催される。露壬雄とジュリエットは選挙で最も多くの票を集めて監督生代表になることを目指すが、選挙にはウェスト公国に強い憎しみを抱く狗神玲音も立候補しており、露壬雄と玲音は黒犬の寮の監督生代表の座を巡って対立する。そして選挙戦の最中、露壬雄とジュリエットが交際していることを知った玲音は、投票日当日に全校生徒に向けこれを暴露する。2人は瞬く間に非難の的になるが、黒犬の寮のアウトロー的存在である丸流千鶴が2人を支持したことで潮目が変わり、最終的に、黒犬の寮の監督生代表には露壬雄、白猫の寮の監督生代表にはジュリエットがそれぞれ選出された。
監督生代表就任後、露壬雄とジュリエットは、学園の変革の一環として、それまで寮ごとに分かれて実施していた修学旅行を改め、2寮合同でウェスト公国に赴くことを決定する。旅行中、露壬雄はジュリエットの両親に挨拶することを計画するが、逆にターキッシュによってジュリエットと引き離されてしまう。学友たちの助力を得てペルシア邸で再会した2人は、交際に反対するターキッシュに決闘を挑み、勝利する。
露壬雄とジュリエットは、自身の夢を叶えるため、ダリア学園からの卒業を機にそれぞれ国に戻るが、その後も交際は続けた。そして卒業から7年後、2人がダリア学園で結婚式を挙げたところで物語は終わる。
作中世界には「東和国(とうわこく)」と「ウェスト公国」という2つの国家が存在する。両国は過去に戦争を繰り広げており、作中では形だけの和平が結ばれた状態となっている。
本作は「許されない立場同士の禁断の恋」という王道のラブストーリーであり、そのストーリー性に加えて、個性溢れる登場人物が魅力となっている。特に、ヒロインのジュリエットが主人公の露壬雄にデレる姿は、ライターの立花ももから「反則なまでにいじらしく、読む者はみな陥落させられてしまう」と評されている。
マンガ大賞の発起人として知られる吉田尚記は、本作について、話ごとに女性キャラクターの決めカットがあり、その「決めの大ゴマ」が読みどころとなっていると語り、本作を「大ゴマラブコメ」と評している。この大ゴマについて、作者の金田は、その手前で「マイナスの流れ」を作ることを意識しているといい、大ゴマとの「振れ幅」を大きくすることで大ゴマがより魅力的なものになるよう工夫している、と語っている。
原作 | 金田陽介 |
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監督 | 宅野誠起 |
助監督 | 臼井文明 |
シリーズ構成・脚本 | 吉岡たかを |
キャラクターデザイン | 森本由布希 |
プロップデザイン | 小倉典子 |
美術監督 | 齋藤幸洋 |
美術設定 | 青木智由紀、イノセユキエ |
色彩設計 | 野地弘納 |
撮影監督 | 田村仁 |
編集 | 吉武将人 |
音響監督 | 鶴岡陽太 |
音響効果 | 森川永子 |
音楽 | 横山克 |
音楽制作 | NBCUniversal Entertainment Japan |
音楽プロデューサー | 西村潤 |
チーフプロデューサー | 黒須礼央、立石謙介、前田俊博 |
プロデューサー | 飯田郁乃、石田麻菜美、鈴木寿広 青井宏之、相島豪太、里見哲朗 |
アニメーションプロデューサー | 柴宏和 |
アニメーション制作 | ライデンフィルム |
製作 | 寄宿学校のジュリエット製作委員会 |
2018年3月14日、本作のテレビアニメ化が発表された。その後、同年10月から12月にかけてテレビアニメが放送された。全12話で、露壬雄とジュリエットが交際を始めてから、ジュリエットの誕生日会までのエピソードが描かれている。
テレビアニメの監督は宅野誠起が務めており、宅野が講談社コミックスをアニメ化するのは『山田くんと7人の魔女』『恋と嘘』に続き3作目となる。過去2作のアニメ化はいずれもアニメーションプロデューサーの柴宏和が起点となっており、宅野も柴から依頼を受けて監督を務めた。しかし、本作については、講談社の側から「宅野の監督でアニメ化」という提案があったという。スタッフィングにも宅野の意向が反映されており、撮影監督の田村仁や音楽の横山克は過去に宅野と仕事を共にしたことがあり、その繋がりから本作でも起用された。
テレビアニメでは吉岡たかをがシリーズ構成を務め、全話の脚本を手掛けている。吉岡は本作をアニメ化するに当たって、露壬雄を「男がほれる男として」描写するという方向性を打ち出しており、製作に当たってはその方向性を軸とした上で女性キャラクターも魅力的に描写するという方針が採られた。女性キャラクターを魅力的に描写するという点については、一例として撮影処理にそれが現れており、本作では撮影処理の際、「可愛くキラキラした雰囲気になるように」工夫が施されている。
また、劇伴は弦楽器を風情たっぷりに使ったものとなっている。これはクラシック音楽を意識したものであり、宅野によると、本作が西洋の要素を含んでいるため、劇伴についてもそれを踏まえて制作が行われたのだという。
キャストはオーディションにより選出されている。ジュリエット役の茅野愛衣や蓮季役の佐倉綾音によると、音響監督の鶴岡陽太から、キャラクターの設定年齢ではなく、そのキャラクターが持つ個性を重視して演じるよう指示があったという。
なお、主題歌はいずれも露壬雄とジュリエットの2人に因んだものになっている。「Love with You」は2人の視点から歌詞が書かれており、1番は露壬雄視点、2番はジュリエット視点の歌詞となっている。「いつか世界が変わるまで」はジュリエットが持つ雰囲気を意識して制作されており、また、タイトルについては、露壬雄がジュリエットに告白したときのセリフから着想を得て命名された。
話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 |
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#1 | 犬塚露壬雄とジュリエット・ペルシア | 宅野誠起 | 臼井文明 |
| 森本由布希 |
#2 | ロザリオとジュリエット | 高田美里 |
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#3 | 露壬雄とシャル姫 | 伊東優一 | 宮田亮 |
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#4 | 露壬雄と蓮季 | 井出安軌 | 伊部勇志 |
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#5 | 露壬雄と体育祭 | 石井久志 | 宮田亮 |
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#6 | ジュリエットと体育祭 | 臼井文明 |
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#7 | 露壬雄とジュリエットと体育祭 | 井出安軌 | 高田美里 |
| 森本由布希 |
#8 | 露壬雄と監督生 | 石郷岡範和 |
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#9 | 露壬雄とシャルとプレゼント | 石井久志 | 村田尚樹 |
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#10 | 露壬雄と藍瑠 | 山下英美 | 伊部勇志 |
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#11 | 露壬雄とジュリエットと誕生日 | 岩崎良明 | 門田英彦 |
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#12 | 露壬雄とジュリエット | 井出安軌 |
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| 森本由布希 |
テレビアニメは、TBSテレビ、毎日放送、BS-TBS、AT-Xの計4局で放送された。このうち、AT-Xを除く3局では、『アニメイズム』B1枠での放送となる。
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 | 備考 |
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2018年10月6日 - 12月22日 | 土曜 1:25 - 1:55(金曜深夜) | TBSテレビ | 関東広域圏 | 字幕放送 |
土曜 1:55 - 2:25(金曜深夜) | 毎日放送 | 近畿広域圏 | 製作参加 / 字幕放送 | |
2018年10月7日 - 12月23日 | 日曜 1:00 - 1:30(土曜深夜) | BS-TBS | 日本全域 | BS放送 |
2018年10月9日 - 12月25日 | 火曜 21:00 - 21:30 | AT-X | 日本全域 | CS放送 / リピート放送あり |
また、テレビ放送に加えてAmazonプライム・ビデオでのネット配信も行われており、中華人民共和国を除く全世界に配信されている。このほか、GYAO!では、胡蝶役の日高里菜と手李亞役の小倉唯が出演するインターネット番組『寄宿学校のジュリエット 日高里菜と小倉唯の「ワン!ルーム」』が配信されている。
テレビアニメを収録したBDは、NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンからリリースされている。全4巻。
巻 | 発売日 | 収録話 | 規格品番 |
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1 | 2018年12月22日 | 第1話 - 第3話 | GNXA-2171 |
2 | 2019年1月25日 | 第4話 - 第6話 | GNXA-2172 |
3 | 2019年2月22日 | 第7話 - 第9話 | GNXA-2173 |
4 | 2019年3月20日 | 第10話 - 第12話 | GNXA-2174 |
また、2020年3月31日には、テレビアニメ全話を収録したBD-BOXがリリースされる。
毎日放送 アニメイズム B1 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
寄宿学校のジュリエット |
発表年 | 賞 | 部門 | 対象 | 結果 |
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2017 | 第41回講談社漫画賞 | 少年部門 | 漫画『寄宿学校のジュリエット』 | ノミネート |
第3回 次にくるマンガ大賞 | コミックス部門 | 14位 |
なお、一部のコミックスでは、通常版に加えて限定版・特装版がリリースされている。
望月唯一(著) / 金田陽介(原作・イラスト) 『小説 寄宿学校のジュリエット』 講談社〈KCデラックス〉、2017年2月9日第1刷発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-393157-0
アニメ化を記念して公式アンソロジーコミックが発売されている。計30名の作家が企画に参加し、イラストや漫画を寄稿している。
以下の出典は『講談社コミックプラス』(講談社)内のページ。書誌情報の出典としている。
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