順位戦(じゅんいせん)は、毎日新聞社・朝日新聞社・日本将棋連盟主催の将棋の棋戦。タイトル戦である名人戦の予選にあたる。順位戦A級の1位(「優勝者」「最高成績者」とも)が名人への挑戦者となる。
順位戦 | |
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棋戦の分類 | 名人戦の予選 |
開催概要 | |
開催時期 | 6月 - 翌年3月 |
初回開催 | 1947年度(第1期) |
持ち時間 | 6時間 |
主催 | 毎日新聞社 朝日新聞社 日本将棋連盟 |
公式サイト | 名人戦・順位戦:日本将棋連盟 |
記録 | |
備考 |
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A級・B級1組・B級2組・C級1組・C級2組の5つのクラスからなり、A級の優勝者が名人戦の挑戦者となる。名人は順位戦に参加しないが、順位戦を戦わなかった名人在位年もA級の在籍年数の記録に累積計上される。
各クラスごとに、おおむね6月から翌年の3月までに亘ってリーグ戦を行い、その成績に応じて次期のクラスと順位が決まる。新規のプロ棋士はC級2組に属するのが原則だが、一部は順位戦に参加しないフリークラス棋士からのスタートとなる。現在のルールでは飛び級はできないため、名人戦の挑戦者となるまでにはプロデビューから最短でも5年かかる。
順位戦の昇級により段位が上がり、棋士が順位戦のどのクラスに属しているかによって対局料が大きく変動し、棋士の収入に直結するほか、他の棋戦で予選の一部が免除されることがある。また、順位戦への参加資格を失うことが即時または時限付きの強制引退の条件となることが、他の棋戦に見られない特徴である。
毎年3月上旬頃に全5局が一斉に行われるA級の最終戦は、名人への挑戦者と降級者2名がその日に決定することが多く、また対局時間も長いため「将棋界の一番長い日」と称され、将棋界内外から大きな注目を集める。2014年(平成26年)以降、2017年(平成29年)を除き、この最終一斉対局は静岡県静岡市葵区の浮月楼で行われ、東京都渋谷区千駄ヶ谷の将棋会館(日本将棋連盟本部)、大阪市福島区の関西将棋会館、名古屋市中区の大須演芸場では大盤解説会が催される。さらにテレビ・インターネットなどでの中継も行われている。
主催社は第66期より朝日新聞社と毎日新聞社の共催で行なわれているが、両社の記載順は期数が偶数の期は「朝日新聞社、毎日新聞社」の順、期数が奇数の期は「毎日新聞社、朝日新聞社」の順に表記される。
A級・B級1組・B級2組・C級1組・C級2組と、順位戦の対局がないフリークラスから構成されており、A級で最も良い成績を挙げた棋士が名人挑戦権を得る。
各クラスの定員などは以下のように定められている。また定員等は欠員(引退・死去など)が出た場合適宜調整される。
クラス | 定員 | 名人戦・順位戦の 対局数 | 昇級など | 降級・降級点 | |||||||
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名人 | 1名 | 挑戦者との七番勝負 | 挑戦者に4勝 → 名人位防衛 | 挑戦者に4敗で失冠 → 次期 A級(順位1位) | |||||||
A級 | 10名 |
| 【挑戦者】 名人に4勝 → 名人位獲得 |
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B級1組 | 13名 | 総当たり 12戦 | 成績上位の2名 → 次期 A級 | 成績下位の3名 → 次期 B級2組 | |||||||
B級2組 | 不定 | 同クラス内での 10戦 | 成績が上位の3名 → 次期 1クラス昇級 | 降級点が累積2点 → 次期 1クラス降級 | |||||||
C級1組 | |||||||||||
C級2組 | 降級点が累積3点 → 次期 フリークラス編入もしくは引退 | ||||||||||
フリー クラス | フリー クラス 編入者 | (順位戦 対局なし) (他棋戦の参加可能) | 規定条件による 順位戦への復帰あり (次期C級2組に編入) | 【在籍年限】下記のいずれか早い期限
上記期間内に規定条件を収められなかった場合、公式戦全対局終了時に引退。 | |||||||
フリー クラス 宣言者 (転出者) | 順位戦への復帰不可 | 【引退規定】 順位戦「在籍可能最短年数」(1~8年間)が経過するまでは現役続行可能。
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現役棋士が在籍するクラスの一覧は、将棋棋士の在籍クラス を参照。
歴代のA級棋士については、歴代七番勝負・A級順位戦 を参照。
順位戦で勝敗数が同じだった場合、名人挑戦権を争う最上位A級を除いて、プレーオフは行われず、上述のように開始時の順位により順位付けをすることとなる。そのため、同じ成績を収めた複数名が順位によって昇級と残留に分かれることがあり、低順位のために昇級できないことは頭ハネと通称されている。逆に、降級・降級点に際しても順位差で運命が分かれることがあり、C級2組の星1つの差が将来のA級残留・陥落に影響を及ぼすなど、まさしく「順位」を争う戦いとなっている。
11人で争われた1972年度の第27期A級順位戦において、前期休場のため順位が最下位であった灘蓮照が頭ハネで9位となった。降級枠3名につき本来であれば降級となるところ、5勝5敗の指し分けを理由として降級とならなかった事例がある。これについて、当時の順位戦の主催紙である朝日新聞の1973年4月4日付の総括記事では、灘に「指し分けは落さずの規定がないとたいへんだったな」という声がかかった、との記述がある。「指し分けは降級しない」とする内規の存在は『近代将棋』1958年8月号にも記載があり、棋士の間ではそれ以前から知られていたことがうかがえる。しかしこの内規は明文化されたものでなく日本将棋連盟にも文書化された記録がなかった。そのため、同じく11人で争われた第76期A級順位戦では、主催者である朝日新聞・毎日新聞・日本将棋連盟による協議の結果、第76期において同様の事例が起きた場合には降級とすることが確認され、第77期以降は改めて協議した上で新たに明文規定を設けることとなった。その後、日本将棋連盟のウェブサイトにおける順位戦に関する説明において、A級順位戦での5勝4敗9名による挑戦者決定戦プレーオフを例とした解説が行われ、この中で5勝4敗の勝ち越し者であっても、名人挑戦権を得ない限りプレーオフ進出者の中で順位最下位の者が降級すると記載された。これにより、勝ち越し者、指し分け者が降級しないという特例は明示的に否定されることとなった。
原則として、B級2組・C級1組・C級2組では成績上位の3名が一つ上のクラスに昇級する(第79期より)。昇級枠を超える全勝者が出た場合の取り扱いについては、第77期より全勝者は順位に関わらず全員昇級となることが明文化された。全勝者について明文化されるまでは、該当の規定もなく当該事例もなかったため取扱いが不明瞭となっていた。C級1組とB級2組への昇級については定員が決まっていないクラスへの昇級なので特に問題ないが、定員が決まっているB級1組への昇級については、次期のB級1組の降級者の人数調整を行う。例えば、B級2組で全勝者が4人出た場合、全員昇級となり、その次の期のB級1組は全14人中下位の4人が降級となる。なお、A級・B級1組は総当たりであるため、全勝者が複数名出ることはない。
B級2組以下のクラスでは、成績が悪くても1期で降級することはない。成績下位の一定人数につけられる「降級点」がB級2組とC級1組では2つ累積、C級2組では3つ累積すると降級する。C級2組からの降級先はフリークラスである。
降級点がついている棋士が、勝ち越し(6勝以上)か2期連続で指し分け(5勝5敗)の成績をとると、降級点を1つ消すことができる。ただし、C級2組で消すことができるのは「2つ目の降級点」だけで、C級1組への昇級かフリークラスへの降級に該当しない限りC級2組での「1つ目の降級点」は消すことができない。
なお、降級点がついている棋士が勝ち越しまたは2期連続の指し分けを果たした場合であっても、その成績が降級点付与枠に入った場合は消去と付与が相殺され、次期のクラスでの降級点は現状維持のままの状態となる。
定員のあるA級とB級1組では、以下の理由により定員の過不足が発生する場合がある。
年度初めに定員の過不足がある場合、降級予定人数は、次期が定員通りになるように調整する。年度初めにA級が11人の場合、降級は成績下位の3人となり、9人の場合に降級は1人となる。B級1組ではA級からの降級予定人数も考慮して調整する。
病気などのやむを得ない理由により、年度初めの組み合わせ抽選前に1年間の休場届を出した場合、その年度の対局予定は設定されない(全休)。その場合、全休初年度は降級せず、次期の順位は「張出」となり、最下位に扱われる。定員制であるA級とB級1組では、通常の定員を超過することとなり、A級で張出が出た場合はB級1組は定員不足となる。 なお、2期連続で全休すると、A級とB級1組では降級となり、B級2組以下では降級点がつく(休場の時点で降級点数があればそれも考慮される)。B級2組以下で3期連続で全休すると、休場時点での降級点数に関係なく降級する。 また、組み合わせ抽選後に順位戦を休場した場合(途中休場)、予定されていた対局は不戦敗となる。その結果、昇級や降級、降級点対象の成績となった場合は昇級、降級または降級点付与の対象となる。
順位戦の途中で死去する事態が発生した場合、予定された対局相手は「不戦勝」となるが死去した棋士は「不戦」で通算成績に反映されない。死去した棋士との対局予定により昇級する場合は予定された対局日になった時点で勝星が考慮され昇級決定となる。
名人戦挑戦者にはA級での成績最上位者が選ばれるが、最上位者が複数の場合には挑戦者1名を決めるために挑戦者決定戦(プレーオフ)を行う。3人以上の場合は、順位下位の者から出場するパラマス方式トーナメントによって挑戦者を決定する(プレーオフ参考例)。
A級最終戦を終えた時点での成績最上位者が複数名おりプレーオフが行なわれた例は、現行制度の第5期から第80期までに21例ある。このうちプレーオフが3人で行われた例は5例、4人以上で行われた例は4例で、プレーオフに参加した最多人数は6人(第76期)である。
なお、3人以上でプレーオフが行われた9例のうち第61期を除く8例の挑戦者は、名人戦でいずれも敗退した。
当期の各クラスのリーグ表では、以下の順で上から並べられる。
C級2組 | C級1組 | B級2組 | B級1組 | A級 | |
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1 | 上位クラスからの降級者(前期成績順、休場者を除く) | 名人戦七番勝負の敗者 | |||
2 | 休場者のうち降級対象となった上位クラスからの降級者(「休場」を参照) | - | |||
3 | クラス残留者(降級点該当者 以外、前期成績順) | クラス残留者(前期成績順) | |||
4 | - | 下位クラスからの昇級者(前期成績順) | |||
5 | クラス残留者(降級点該当者、前期成績順) | - | - | ||
6 | 前年4月1日から9月30日の間に 規定の成績(後述)を収めたフリークラス編入者(確定順) | - | - | - | - |
7 | 前年度前期 三段リーグ1位および2位成績者(1位、2位の順) | - | - | - | - |
8 | 前年10月1日から本年3月31日の間に 規定の成績(後述)を収めたフリークラス編入者(確定順) | - | - | - | - |
9 | 前年度後期 三段リーグ1位および2位成績者(1位、2位の順) | - | - | - | - |
10 | 休場者のうち降級の対象とならなかった者(「張出」として扱われる。「休場」を参照) |
順位戦の持ち時間は6時間であり、あらゆる棋戦の本戦・予選の持ち時間の中で最も長く、1日制のタイトル戦の持ち時間より長い。また、順位戦の対局開始時刻はタイトル戦が午前9時であるのに対し、その他の通常の対局と同じ午前10時である。さらに、昼夕に各40分(2016年6月より)の休憩を挟む。そのため、順位戦の対局は深夜に及び、日が変わっての終局も珍しくない。
第75期順位戦(2016年度)よりB級2組以下の対局については、ストップウォッチ計時による1分未満の消費時間切り捨てから、チェスクロック計時による1分未満の消費時間算入に改められた。これは、主として記録係を担当する奨励会員の高学歴化が進み、学校を休む必要がある者が増えたためである。記録係の負担を軽くするため、日をまたぐ対局を極力減らし、記録係がなるべく宿泊せず帰宅できるようにする目的がある。このルール変更により、終局が「(平均すると)1時間は早くなりそう」と渡辺明は予想している。第81期順位戦からはB級1組についても消費時間の計測方式がチェスクロック方式による計時へと変更になった。
また、同年6月から他の棋戦を含め昼食・夕食休憩がそれぞれ50分から40分に減らされた(タイトル戦は棋戦によって異なる)。これも同じく、対局時間短縮の意図がある。
両者がバランス良く持ち時間を使い切ると、計時がチェスクロック方式のB級1組以下では23時20分ごろ、ストップウォッチ方式のA級では0時30分ごろに両者1分将棋に突入することになる。
各期順位戦のリーグ表における対局の組み合わせは、年間分の全てが事前の抽選によって決定される。対局の手番(先手・後手)についても、組み合わせ決定時に全て決定される。したがって、順位戦リーグ戦の対局では振り駒は行われない。
組み合わせ、手番(先後)の抽選は、「対局規定」や日本将棋連盟が公開している条件等に基づき実施される。
かつては全ての抽選は手作業で行われていたが、1990年代後半頃からパソコンを用いたソフトによる自動抽選方式で組合せ及び先後の抽選が導入され、第81期順位戦のB級1組以下のクラスではコンピュータ抽選である。
A級の抽選は長年トランプのカードを用いた手作業により、組合せ・先後の抽選が行われている。具体的には、A級の10人に対応する「1(A/エース)から10」の10枚のカードを裏返し、2枚ずつ引いて組合せを順に決定する。先後についてもトランプを用い、複数枚から引いたカードの色(赤か黒か)で対局の○×を決定し、先述の先後ルールと対応させながら全局の○×を決め、最後に○×どちらが先手かを再度カードの色で決める。
昇段 | 五段へ | 六段へ | 七段へ | 八段へ | 九段へ |
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名人戦・順位戦 の規定 | C級1組 昇級 | B級2組 昇級 | B級1組 昇級 | A級 昇級 | 名人位 1期獲得 |
順位戦の昇級による昇段規定は、C級1組に昇級すると五段、同様にB級2組昇級で六段、B級1組昇級で七段、A級昇級で八段となっている。しかし、他の昇段規定で既に該当する段位に昇段していた場合は、順位戦で昇級しても昇段はしない。たとえばB級2組に所属する七段や八段の棋士が初めてB級1組に昇級しても、段位はそのままである。なお、名人位を1期獲得すると九段となる。
1984年4月1日に「勝数に伴う昇段」の規定が追加される前にA級に昇級した棋士は、ほぼ全員が、五段から八段までをすべて順位戦昇級に伴い昇段した。これは、順位戦以外の具体的な昇段規定が存在しなかったためである。 その後、竜王戦昇級に伴う昇段規定(1987年追加、2006年改定)・タイトル挑戦もしくは獲得および棋戦優勝に伴う昇段規定(2009年追加)が追加されて以降、特に七段までは順位戦昇級前に他の規定を満たし昇段するケースが増えた。特に竜王戦の連続昇級による昇段規定は満たしやすく、この規定が追加された後に五段から七段までをすべて順位戦昇級に伴って昇段したのは近藤誠也のみである。なお、五段から八段までを順位戦昇級に伴って昇段した棋士は多数いるが、五段から九段まで全て順位戦昇級および名人獲得に伴って昇段したのは谷川浩司と丸山忠久の2人だけである。
フリークラス制度は1994年4月1日から発足した、棋士が公務・普及を主眼において活動するために設けられた制度。後述の「#フリークラス編入者の順位戦出場条件」を満たさない限り、フリークラス棋士が順位戦・名人戦に参加することはない。その他の棋戦には参加できる。フリークラス棋士には年齢または在籍可能年数に基づく定年・引退の規定がある。
フリークラスは、
に大別される。いずれも同じ「フリークラス」という名称であるが、これら2つは制度上の性格が大きく異なる。
棋士がフリークラスに編入されるのは以下の場合である。
フリークラスに編入された棋士は、以下の条件のいずれかを満たすことで、次年度の順位戦にC級2組(無降級点)から出場できる。
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フリークラスに編入された棋士が、これらの規定により順位戦出場権を獲得した例は過去に11例ある。いずれも上記の2の条件「連続30局以上の勝率が6割5分以上」を満たしたことによる。なお、この11例のうちC級1組への更なる昇級に至る棋士は第80期まで出ていなかったが、第81期順位戦で古賀悠聖がフリークラス編入者としては初めてのC級1組への昇級を所要1期(いわゆる1期抜け)で果たした。
伊藤博文 |
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島本亮 |
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伊奈祐介 |
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吉田正和 |
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伊藤真吾 |
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渡辺大夢 |
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佐々木大地 |
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古賀悠聖 |
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瀬川晶司 |
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今泉健司 |
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折田翔吾 |
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フリークラス編入棋士の在籍期限(いずれか早い方) | ||
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順位戦陥落 の場合 | フリークラス編入後 10年以内 | 満60歳の誕生日を迎える年度が 終了するまで |
三段リーグ次点2回 の場合 | フリークラス編入後 10年以内 (10月1日付昇段者の場合、10年半以内) | |
棋士編入試験合格 の場合 |
棋戦名 | 次期の棋戦参加条件 | |
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タイトル戦 | 竜王戦 | 4組以上在籍 (5組在籍の棋士は2年間に限り参加できる) |
王位戦※ 王座戦 棋王戦 棋聖戦 王将戦※ | 本戦ベスト4以上 ※リーグ戦は残留 | |
一般棋戦 | 朝日杯 NHK杯戦 | 本戦ベスト4以上 |
銀河戦 | 優勝・準優勝者 |
翌期のB級1組以下の棋士は、順位戦終了後から年度末の間に「フリークラス宣言」を行うことができる(以下の年齢条件を満たす場合に限る)。
「フリークラス宣言」を行なった棋士は、フリークラス転出者として扱われ二度と順位戦に出場することはできないが、順位戦以外の公式棋戦に参加できる。
フリークラス転出者(宣言棋士)は、原則として定年・引退となる65歳、または規定の年数まで現役棋士として活動を続けられる。
規定の年数は次の通りに算出される。
宣言しない場合の 「翌期クラス」 | B級 1組 | B級 2組 | C級 1組 | C級 2組 | |||||
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上記「翌期クラス」の降級点 | - | 降級点 なし | 降級点 1 | 降級点 なし | 降級点 1 | 降級点 なし | 降級点 1 | 降級点 2 | |
順位戦在籍可能 最短年数 | 8年 | 7年 | 6年 | 5年 | 4年 | 3年 | 2年 | 1年 | |
上記の 年数経過時 の年齢 | 満49歳以下 | 更に15年後の年度末まで フリークラスに在籍 (進行中の出場棋戦が終了するまで) | |||||||
満50歳以上 満64歳以下 | 満65歳を迎える年度末まで フリークラスに在籍 (進行中の出場棋戦が終了するまで) | ||||||||
満65歳以上 | 「年数」を満了した年度末で引退 (進行中の出場棋戦が終了するまで) |
ここでいう「順位戦在籍可能な最短年数」とは、仮に当該棋士がそのまま順位戦に在籍し続け、連続して降級・降級点付与の対象になったものとして、フリークラスに陥落するまでの最短の年数のことである(表参照)。宣言フリークラス棋士の場合に、宣言から引退するまでの期間が最も長くなる場合(表の年数を含める)は23年(=8年+15年)、つまり「フリークラス宣言がB級1組 在籍時」かつ「宣言時の年齢が満42歳以下(宣言から23年後の年齢が満65歳以下)」)となるが、この条件を満たす例は過去になく、B級1組在籍時に最も若い年齢で宣言した例は、当時46歳の森内俊之である。また、C級1組以上の在籍者がフリークラス宣言をした事例も少なく、フリークラス制度導入後の1994年度以降で下記の5例のみ(うち引退者4人、2018年度終了時点)である。この例での引退者はいずれも規定年限到達前に引退しており、早期にフリークラス宣言した場合に規定年限一杯まで現役継続した例はない。
(2018年度終了時点で該当者5人、うち4人引退。年齢は年度末時点)
鈴木輝彦 |
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勝浦修 |
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米長邦雄 |
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中原誠 |
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森内俊之 |
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順位戦在籍中の棋士が順位戦での対局から外れる場合、「フリークラス宣言」によるフリークラスへの転出、または、順位戦からの降級によるフリークラスへの編入、の二通りのケースがあるが、これらの明確な違いとして
の二点が挙げられる。
フリークラス制度が導入された当時の背景として、
の問題を抱えていたことが挙げられる。 (1)順位戦の参加人数問題に対しては、「順位戦改革委員会(平成4年設置)」での議論の中で、かつて加藤治郎名誉九段が唱えた「第2現役制度」という案が提起されたことが制度導入の端緒となった。この制度案は、順位戦に不出場でも棋士が現役継続可能で、順位戦の参加人数を減少させることが特徴であり、現行の「フリークラス宣言」制度の骨子となっている。 また、(2)の問題を抱えていた棋士として飯田弘之の例が挙げられる。飯田は現役棋士でありながら大学院での人工知能研究を行なっており、この研究により政府派遣研究員としてオランダ派遣されることになったが、この海外派遣に伴う順位戦への休場申し出に対して制度上の特例が認められず、飯田は第51期順位戦で「C級2組全局不戦敗」を余儀なくされた。
これらの問題解消として、プロである将棋棋士が自ら順位戦を離れることを認める制度を設けることで順位戦参加人数の減少を図り、その一方、該当者への恩典として棋士引退となる定年までの年数を最大5年間延長させる制度を盛り込み、順位戦からの降級者が編入される「フリークラス編入」と差別化したことが、「フリークラス宣言」の特徴である。
1994年から制度導入されたフリークラス制度ができる以前に、最も低いクラスで成績が悪く順位戦陥落した棋士の中に、「奨励会三段リーグ」に編入されてリーグ戦を戦った者が複数名いた。その中で3名の棋士が「三段リーグからC級2組への再昇級」を果たしている。
順位戦に在籍するクラスに基づき、他棋戦におけるシードなどは次のとおりとなる。
※「本戦シード」の場合、当該棋戦の予選などを免除された「本戦からの参加」を表す。
名人 | A級 | B級1組 | B級2組 | C級1組-2組 | フリークラス | 備考 | ||||
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タイトル棋戦 | 竜王戦 | (シードなし) | - | |||||||
王位戦 | (シードなし) | 前期リーグ残留4名 リーグ戦から参加 | ||||||||
叡王戦 | (シードなし) | 前期本戦上位4名 本戦シード | ||||||||
王座戦 | 本戦シード | 二次予選シード | (一次予選から) | 前期本戦上位4名 本戦シード | ||||||
棋王戦 | 本戦シード (2回戦から) | 本戦シード | (予選から) | 前期本戦上位4名 本戦3回戦シード | ||||||
王将戦 | 二次予選シード (2回戦から) | 二次予選 シード | (一次予選から) | 前期リーグ残留4名 リーグ戦から参加 | ||||||
棋聖戦 | 本戦シード | 二次予選シード | (一次予選から) | 前期本戦上位4名 本戦シード | ||||||
一般棋戦 | 朝日杯 | 本戦シード | 二次予選シード (前期本戦成績下位者は一次予選から) | (一次予選から) | 前期本戦上位4名 本戦シード | |||||
銀河戦 | 本戦(ブロック戦) シード
| 本戦(ブロック戦)シード | (予選から) (前年度本戦で3勝した者には本戦シード) | 前期決勝T進出16名 本戦シード | ||||||
本戦ではシード者・予選通過者を、順位戦の序列順に配置したパラマストーナメントを実施。 | ||||||||||
NHK杯 | 本戦シード (2回戦から) | 本戦シード
| 本戦 シード | (予選から) (前年度ベスト4には本戦2回戦シード) | 前期本戦上位4名 本戦2回戦シード | |||||
将棋日本 シリーズ | 出場権 (2回戦から) | (出場権なし) (タイトルホルダー、年間獲得賞金・対局料 上位者には出場権) | - |
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(C級をC級1組とC級2組に分けて4つのクラスに制度変更)
(B級をB級1組とB級2組に分けて5つのクラスに制度変更)
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(名人戦と順位戦の期数のズレを一致させるために「第30期順位戦」の翌期は「第36期順位戦」とされた)
(各クラスの名称を変更 / A級→挑戦者決定リーグ、B級1組以下→昇降級リーグ[1-4組] )
(各クラスの名称を以前の名称に変更 )
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※名人とA級在籍の記録の詳細は、名人戦 (将棋)#記録 を参照。
(AT:A級1位タイ)
(※加藤、中原、二上、福崎は初参加からの連続昇級)
2012年までNHK BSプレミアム(2011年までの名称はNHK衛星第2テレビジョン
2013年は3月1日から3月2日にかけてスカパー!、スカパー!プレミアムサービス(BSスカパー!、スカチャン、スカパー!プロモ100・200・599、囲碁・将棋チャンネル)にて「将棋界の一番長い日」全5局の完全生中継を実施。スカチャンとスカパー!プロモでは最終戦の全試合をそれぞれのチャンネルごとに完全生中継、BSスカパー!と囲碁・将棋チャンネルでは全試合の動向をマルチ画面や、森内俊之名人ほか棋士による解説などを交えて長時間ノーカットの実況を行った。司会は戸塚貴久子。また、2013年はNHKでは中継ではなくダイジェストという形で『将棋界の一番長い日〜第71期A級順位戦最終局〜』として放送される(NHK Eテレ、2013年3月24日放送)。
2017年2 - 3月にかけては、同年2月にオープンしたABEMA将棋チャンネルにて、順位戦(A級およびB級1組)の生中継が行われた。4月以降も主に藤井聡太が登場する対局を中心に、一部の対局がニコニコ生放送やABEMAで中継されている。
2021年度より、YouTube「囲碁将棋TV-朝日新聞社-」チャンネルにて、朝日新聞社が主催の棋戦である名人戦及び順位戦、朝日杯将棋オープン戦の対局をピックアップして生中継されている。
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