教科用図書(きょうかようとしょ、英語: textbook、schoolbook)、略して教科書(きょうかしょ)は、学問などを学ぶときに、主たる教材として用いられる図書。
なお、市販されている「教科書」とその他の「教材」との区別は
がある。
学校教育とりわけ初等教育や中等教育では、国や地域によってさまざまなタイプの教科書が使用されている。政府と民間(企業など)の関わり方の違いによって、以下のように大別することができる。
下表に、主な国の初等教育におけるの違いを示す。
教科書の制度 | 発行 | 主な国々(2009年現在) | 過去の主な国々 |
---|---|---|---|
国定教科書 | 国家 | イラン、韓国、タイ、マレーシア | 日本、中国 |
検定教科書 | 民間 | 中国[要出典]、ドイツ、日本、台湾、ノルウェー、 | フィンランド |
検定なし | アメリカ、イギリス、オーストラリア、フィンランド、フランス |
イギリスにはガイドライン(学習指導要領)はなく、アメリカでは自治体が、フランスでは政府がガイドラインを示すが、教科書検定は行わない。ドイツは検定を行うが、国でなく自治体が行っている。
なお、外国人学校、特に国籍・民族・言語などが特定される場合は、本国の教育制度に対応した教科書を使用することが少なくない。例えば、日本における韓国学校は韓国の国定教科書を使用、日本フィンランド学校はフィンランドの民間の教科書を使用(貸し出し制)、日本国外の日本人学校は日本の検定教科書を使用する。
アメリカ合衆国の教科書はK-8用(幼稚園から第8学年)、第7-12学年用、AP用(ハイスクール上級学年向け)に大別される。AP用は大学入学前単位認定プログラムに対応しており大学での単位認定が認められる場合が多い
フランスでは科目によっては教科書が使用されず、各教師の配布するプリントなどが使用される。また教科書が使用される場合でも、貸出制である。
イギリスには教科書検定制度はないが、サッチャー政権以降、ナショナルカリキュラムが導入されており、また日本のような1学年毎ではなく2~3学年をひとまとめにしたキー・ステージ(key stage)の段階毎に構成されている。
ドイツでは1972年以来、ポーランドと共同で歴史教科書を作成している。
ノルウェーでは教科書は無償で貸出制。教科書にはカバーを付け、1年間使ったあとにカバーを取って返却する。
オランダには教育の自由の保障の観点から、教科書検定制度がない。教育研究家のリヒテルズ直子によれば「著しい異端的な価値観は、まず父母や保護者が気付いて批判する。子どもを他校に転校させる、という形の批判は、学校存続の危機につながる。だから、オランダの教科書の様相・またそこで使われる方法は、出版社によってかなりの違いがある。」と指摘している。
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