首都圏連続不審死事件(しゅとけんれんぞくふしんしじけん)とは、2007年(平成19年)から2009年(平成21年)にかけて発生した連続不審死事件。さいたま地方裁判所における事件番号は「平成21年(わ)第1809号等(詐欺、詐欺未遂、窃盗、殺人)」。
首都圏連続不審死事件 | |
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場所 | 日本・首都圏 |
日付 | 2007年 - 2009年 |
概要 | 強盗殺人 |
攻撃側人数 | 1人 |
武器 | 睡眠薬 |
死亡者 | 6人(起訴対象は3人) |
犯人 | 木嶋 佳苗(逮捕当時34歳、無職の女。D姓、その後にI姓に改姓) |
動機 | 金銭目的 |
対処 | 逮捕・起訴 |
謝罪 | なし |
刑事訴訟 | 死刑(未執行) |
管轄 | 埼玉県警察 |
木嶋 佳苗 | |
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個人情報 | |
生誕 | 1974年11月27日(49歳) 日本・北海道標津郡中標津町 |
殺人 | |
犠牲者数 | 確定:3人 疑惑:6人 |
犯行期間 | 2007年–2009年 |
国 | 日本 |
逮捕日 | 2010年1月 |
司法上処分 | |
刑罰 | 死刑 (さいたま地方裁判所) |
有罪判決 | 強盗殺人罪・殺人罪・窃盗罪・詐欺罪・詐欺未遂罪など |
判決 | 死刑 (さいたま地方裁判所) |
婚活(結婚活動)を利用した事件であることから、「婚活殺人事件」、「婚活大量殺人事件」、「婚活連続殺人事件」などとも呼ばれている。
2009年(平成21年)8月6日、埼玉県富士見市の月極駐車場内にあった車内において会社員男性C(当時41歳)の遺体が発見された。死因は練炭による一酸化炭素中毒であったが、自殺にしては不審点が多かったことから、埼玉県警察の捜査が始まった。
その結果、Cは被疑者の住所不定・無職の女、木嶋 佳苗(きじま かなえ、1974年〈昭和49年〉11月27日生まれ、逮捕当時34歳)と交際していたことがわかり、捜査していくにつれて、木嶋には他にも多数の愛人がおり、その愛人の何人かも不審死を遂げていることが分かった。埼玉県警は木嶋が結婚を装った詐欺をおこなっていたと断定し、9月25日に木嶋を詐欺の容疑で逮捕した。また、逮捕時に同居していた千葉県出身の40代男性から450万円を受け取っていた。
2010年(平成22年)1月までに、木嶋は7度におよぶ詐欺などの容疑で再逮捕されている。警察は詐欺と不審死の関連について慎重に捜査を継続。2月22日に木嶋はAに対する殺人罪で起訴された。窃盗罪や詐欺罪などですでに起訴されており、併せて6度目の起訴となる。10月29日には、東京都青梅市の当時53歳の男性を自殺に見せかけて殺害したとして、警視庁に再逮捕された。ただし、被害者男性の遺体は、当時は「自殺」と断定されて解剖されていない例もあり、死因に関する資料が乏しい中での、極めて異例の殺人罪の立件となった。
刑事裁判はさいたま地方裁判所において、全訴追事案(殺人3、詐欺・同未遂6、窃盗1)について併合審理となった。
裁判員選任手続が2012年(平成24年)1月5日、初公判が1月10日、判決日が4月13日という裁判員裁判としては、約100日間にわたる長期裁判であった。
3つの殺人事件について、検察が提示した状況証拠は以下の通り。
検察側は、論告において、「窓の外には夜空が広がっている。夜が明けると、雪化粧になっている。雪がいつ降ったかを見ていなくても、夜中に降ったと認定できる」との比喩を使い、状況証拠の積み重ねで木嶋の犯行を十分立証できると強調した。
これに対し木嶋及び弁護側は、練炭等は被害者から譲ってくれと頼まれて木嶋が渡したものであり、被害者の死は別れ話が原因の自殺や事故死であったとして殺人罪の無罪を主張した。
さいたま地方裁判所(大熊一之裁判長)は検察側の主張を全面的に認め、木嶋に対し求刑通り死刑を言い渡した。女性被告人に対する死刑判決は裁判員裁判では初めて。木嶋側は即日控訴した。
控訴審の東京高等裁判所も第一審の死刑判決を支持し、2014年3月12日に木嶋側の控訴を棄却する判決を言い渡した。木嶋側はこれを不服として即日最高裁判所に上告した。
木嶋は控訴審判決後に獄中結婚し、姓がDに変わった。2016年(平成28年)12月24日までに最高裁判所第2小法廷(小貫芳信裁判長)は上告審口頭弁論公判を、2017年(平成29年)2月10日に開廷することを決めた。
2017年(平成29年)2月10日、最高裁判所第2小法廷(小貫芳信裁判長)で開かれた上告審口頭弁論公判で弁護側は「男性らは自殺した可能性がある」「状況証拠には被告が犯人でなければ説明できない事実関係が含まれておらず、有罪とするのは過去の判例に違反する」などと改めて無罪を主張した一方、検察側は「控訴審の認定に不合理な点はない」として上告棄却を求め結審した。2月22日までに、判決期日は4月14日に指定された。
2017年(平成29年)4月14日、最高裁判所第2小法廷(小貫芳信裁判長)は「殺害は計画的で極めて悪質。被告人は不合理な弁解で、反省の態度を全く示しておらず、死刑はやむを得ない」として、木嶋の上告を棄却する判決を言い渡した。これにより、木嶋の死刑が確定することとなった。裁判員裁判で審理された被告人の死刑確定は15人目で、女性としては初めてであった。
同年5月9日、最高裁は上告棄却の判決に対する木嶋の訂正申し立てを棄却し、死刑が確定した。
2021年(令和3年)9月20日時点で、木嶋(I姓に改姓済み)は死刑囚(死刑確定者)として、東京拘置所に収監されている。
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