汚職(おしょく)とは、職権や地位を濫用して、不正な行為をすること。 私利私欲のために職に関して不正をなすこと。賄賂を取るなどの他に差別人事や公平性に欠けた行いも示す。
特に、公的平等の観点から、議員・公務員など公職にある者が自らの地位や職権・裁量権を利用して横領や不作為、収賄や天下りをしたり、またその見返りに特定の事業者等に対し優遇措置をとることなどの不法行為を指していう。国際連合腐敗防止条約を始め国際法では、汚職は反民主主義である権威主義の民主制度への侵食である『腐敗』の一部と認識されている。瀆職(とくしょく)ともいう。
日本は2017年、国際組織犯罪防止条約の受諾により、締約国として、故意に行われた次の行為を犯罪とするため必要な立法その他の措置をとることを約束している(同第8条)。
大内穂「腐敗の要因分析と対策における国際協力」では、腐敗を行政的腐敗(汚職型)、小規模政治的腐敗、構造的腐敗(疑獄)、国際的腐敗に分類している。
汚職等の腐敗問題に対しては、腐敗問題のみを扱う特別法や特別の捜査機関を設置している国もある。
経済協力開発機構(OECD)は1994年5月に「国際商取引における贈賄防止に関する勧告」を採択し、加盟国に国際商取引に関連する外国官僚への贈賄の予防と阻止を求め、モニター機関としてOECD国際投資・多国籍企業委員会と国際取引における贈賄に関する作業部会を設置した。
1997年5月にはOECD閣僚理事会で「国際商取引における贈賄対処勧告(改訂)」が出され後に協定として締結された(1997年11月21日全会一致で採択、同年12月17日に33か国が署名)。
世界銀行はOECDの国際商取引における腐敗の作業部会に1997年から参加している。また、世界銀行は国際刑事警察機構の会議及び資金洗浄に関する金融的行動対策室にオブザーバー参加している。
国連は1997年1月28日に事務総長が加盟国に腐敗防止抑制の戦略作成を要請する「反腐敗への行動」(Resolution 51/59:Action Corruption)を決議した。
アメリカ合衆国では、ロッキード事件を契機に1977年に外国公務員に対する商業目的での贈賄行為を処罰する連邦海外腐敗行為防止法が制定された。この法律の施行後、同様の法律を持たない国々の企業に対して米国企業が不利な競争を強いられているとして、アメリカ合衆国議会や経済界の要請を受けて、アメリカ合衆国連邦政府は各国に同様の腐敗防止のための制定するよう働きかけを始めるようになり、国連やOECDも反腐敗に取り組むようになった。
1977年12月、アメリカ合衆国国務省の下にあるアメリカ国際開発庁は世界局、ラテンアメリカ・カリビアン局、東ヨーロッパ・新興国局、アジア・極東局、アフリカ局、人道的対応局、一般審議室、監査室から代表者を集めて反腐敗作業グループを発足させた。その一部の局はOECDと協力して各国で反腐敗ワークショップを開催している。
1MDB事件はアメリカ合衆国司法省やシンガポール当局なども捜査協力した国際的な汚職事件だ。ナジブ・ラザクは首相在任中、「中東の王家からの個人献金だ」などと主張し、疑惑を否定してきた。しかし、18年5月の政権交代で首相に返り咲いたマハティール・ビン・モハマドが捜査を再開し、ナジブは同年7月に逮捕・起訴された。
2020年7月28日、クアラルンプールの高等裁判所は、政府系投資会社「1MDB」を巡る裁判で、ナジブに対し、7つの罪状に関して禁錮12年・罰金2.1億リンギット(約52億円)の判決を下した。2022年8月23日、連邦裁判所はナジブの上告を棄却し、一、二審判決が確定。現在、カジャン刑務所で服役中。
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