地方自治法: 日本の法律

地方自治法(ちほうじちほう、昭和22年法律第67号)は、地方自治について定めた日本の法律。

地方自治法
日本国政府国章(準)
日本の法令
通称・略称 地自法
法令番号 昭和22年法律第67号
種類 行政組織法、地方自治法
効力 現行法
成立 1947年3月28日
公布 1947年4月17日
施行 1947年5月3日
所管内務省→)
地方財政委員会→)
(地方自治庁→)
(自治庁→)
自治省→)
総務省行政局自治行政局
主な内容 地方公共団体の組織および運営
関連法令 日本国憲法地方財政法地方税法公職選挙法合併特例法大都市地域特別区設置法など
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地方自治法: 概説, 構成, 脚注 ウィキソース原文
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2001年(平成13年)の中央省庁再編に伴い、所管官庁はそれまでの自治省から総務省自治行政局)に変更された。

概説

日本国憲法(昭和憲法)第92条地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」に基づき、「地方自治の本旨に基いて、地方公共団体の区分並びに地方公共団体の組織及び運営に関する事項の大綱を定め、併せて国と地方公共団体との間の基本的関係を確立することにより、地方公共団体における民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、地方公共団体の健全な発達を保障することを目的とする」(第1条)日本の法律である。

昭和憲法施行直前の1947年(昭和22年)4月17日に公布され、同年5月3日施行と同時国会法内閣法などの関係法規とともに施行された。これに伴い、東京都制道府県制市制町村制が廃止され、地方自治法施行の時点で日本国の行政権が及ぶ区域にある、都道府県、市町村は地方自治法による地方自治体となった。

地方自治法施行時点でアメリカ合衆国の行政権下にあり、日本国の行政権が及ばなかった区域においては、それぞれ本土復帰の際に順次地方自治法の適用が行われた。

北緯30度以南北緯29度以北の吐噶喇列島にはポツダム命令である「昭和二十六年十二月五日附連合国最高司令官覚書「若干の外かく地域の日本からの政治上及び行政上の分離に関する件」に伴う鹿兒島県大島郡十島村に関する暫定措置に関する政令」(昭和26年政令第360号)の委任命令である「地方自治法: 概説, 構成, 脚注  鹿兒島県大島郡十島村に関する地方自治法の適用及びこれに伴う経過措置に関する政令」(昭和27年政令第13号)により1952年2月10日より適用され、北緯30度以南(口之島を含む)北緯29度以北の区域を以て新たに地方自治法による「十島村」が設置された。

鹿児島県奄美群島の各市町村は「奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律」(昭和28年法律第267号)により1953年12月25日より適用、東京都小笠原村は「小笠原諸島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律」(昭和43年法律第83号)により1968年6月26日より適用されたほか、1972年5月15日、沖縄の本土復帰の際、「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」(昭和46年法律第129号)の以下の規定により、沖縄県は「当然に地方自治法に定める県として存続する」ことが定められ、沖縄県の各市町村についても地方自治法が適用された。

(沖縄県の地位)
第三条 従前の沖縄県は、当然に、地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)に定める県として存続するものとする。

(市町村の地位)
第七条  沖縄の市町村は、地方自治法 の規定による市町村となるものとする。 — 沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律(抜粋)

また、八郎潟を干拓して造った土地において、「大規模な公有水面の埋立てに伴う村の設置に係る地方自治法等の特例に関する法律」の規定による地方自治法の特例として、1964年10月1日に新設自治体「大潟村」が設置されている。

1999年7月には地方分権改革を目指した大がかかりな改正(2000年4月1日施行)が行われ、この改正地方自治法を「新地方自治法」(松下圭一)と呼ぶこともある。この改正によって機関委任事務は廃止され、国と地方の関係は「上下・主従」の関係から「対等・協力」の関係へと変わった。

構成

第1編 総則(第1条~第4条の2)

第2編 普通地方公共団体(第5条~第260条の2)

第1章 通則(第5条〜第9条の5) 

  • 第5条(普通地方公共団体の区域)
  • 第6条(都道府県の廃置分合、境界変更)
  • 第6条の2(都道府県の廃置分合の特例)
  • 第7条(市町村の廃置分合)
  • 第7条の2(従来地方公共団体の区域に属しなかった地域の編入)
  • 第8条(市及び町の基準、市、町又は村とする処分)
  • 第8条の2(都道府県による市町村の廃置分合等に関する勧告)
  • 第9条(市町村の境界に関して争論がある場合の対応)
  • 第9条の2(市町村の境界が判明でない場合、争論がない場合の対応)
  • 第9条の3(公有水面に関する市町村の境界変更)
  • 第9条の4(公有水面の埋立てが行われる場合における措置)
  • 第9条の5(市町村の区域にあらたな土地が生じた場合の対応)

第2章 住民(第10条〜第13条の2) 

第3章 条例及び規則(第14条〜第16条) 

第4章 選挙(第17条〜第19条) 

第5章 直接請求(第74条〜第88条) 

  • 第1節 条例の制定及び監査の請求
    • 第74条(条例の制定又は改廃の請求権等)
    • 第74条の2(条例の制定等の請求者に関する署名簿、証明等)
    • 第74条の3(条例の制定等の請求者の署名に関する無効等)
    • 第74条の4(条例の制定等の請求者の署名に関する罰則)
    • 第75条(監査の請求とその処置)
  • 第2節 解散および解職の請求(第76条〜第88条) 

第6章 議会(第89条〜第138条) 

  • 第1節 組織
  • 第2節 権限
    • 第96条(議会の権限)
    • 第97条(議会の権限に関する選挙、予算の増額に関する議決)
    • 第98条(議会の地方公共団体の事務に関する検閲権、検査権、監査請求権等)
    • 第99条(議会による国会及び関係行政庁への意見書提出権)
    • 第100条(議会による調査権等・刊行物の送付・図書室の設置等)
    • 第100条の2(有識者による専門的事項の調査)
  • 第3節 招集及び会期
  • 第4節 議長及び副議長
    • 第103条(議長及び副議長)
    • 第104条(議長の権限及び地位)
    • 第105条(議長の委員会への出席及び発言権)
    • 第105条の2(議会が訴訟の被告となった場合等における議長の代表としての地位)
    • 第106条(議長を欠いたときの職務代理、仮議長)
    • 第107条(議長等の選挙の際に議長の職務を行う者がいない場合の取り扱い)
    • 第108条(議長・副議長の辞職)
  • 第5節 委員会
  • 第6節 会議
  • 第7節 請願
    • 第124条(請願の際の請願書提出義務)
    • 第125条(議会による執行機関の長等に対する請願書の送付等)
  • 第8節 議員の辞職及び資格の決定
    • 第126条(議員の辞職)
    • 第127条(議員の失職並びに議会の決定等)
    • 第128条(議員の失職に関する解除条件)
  • 第9節 紀律
    • 第129条(規則違反等のある議員に対する措置)
    • 第130条(妨害等を行う傍聴人に対する措置)
    • 第131条(妨害等がある場合における議員の議長に対する注意喚起)
    • 第132条(会議又は委員会における無礼及び他人の私生活に関する議論の禁止)
    • 第133条(会議又は委員会において侮辱があった場合の処分請求)
  • 第10節 懲罰
    • 第134条(議員に対する懲罰)
    • 第135条(懲罰の内容、発議要件、除名の成立要件)
    • 第136条(懲罰された議員が再当選した場合における拒否の不可)
    • 第137条(懲罰が可能な場合)
  • 第11節 議会の事務局及び事務局長、書記長、書記その他の職員
    • 第138条(議会の事務局及び事務局長、書記長、書記その他の職員)

第7章 執行機関(第138条の2~第202条の9) 

  • 第1節 通則
  • 第2節 普通地方公共団体の長
    • 第1款 地位
    • 第2款 権限
      • 第147条(長の地位)
      • 第148条(長による事務の管理及び執行権)
      • 第149条(長の事務の概要)
      • 第150条第151条 ※削除
      • 第152条(長の職務代理)
      • 第153条(長の事務の委任、代理)
      • 第154条(長の補助機関の職員に対する指揮監督権)
      • 第154条の2(長の管理下の処分に法令違反があった場合における長の取消権等)
      • 第155条(支庁、地方事務所、支所又は出張所)
      • 第156条(保健所、警察署等の設置)
      • 第157条(区域内の公共的団体等に対する長の指揮監督権)
      • 第158条(事務分掌、内部組織の編成)
      • 第159条(長の事務の引継ぎ)
      • 第160条 ※削除
    • 第3款 補助機関
      • 第161条副知事副市町村長の設置及び定数)
      • 第162条(副知事、副市町村長の選任)
      • 第163条(副知事、副市町村長の任期、解職)
      • 第164条(副知事、副市町村長の就任要件及び失職)
      • 第165条(副知事、副市町村長の退職)
      • 第166条(副知事、副市町村長の兼職禁止、兼職禁止等に関する長の規定の準用等)
      • 第167条(副知事、副市町村長の職務の内容、権限、長より事務委任があった場合に必要な措置)
      • 第168条会計管理者
      • 第169条(会計管理者の除斥事由)
      • 第170条(会計管理者の事務の概要、会計管理者に事故があった場合の措置)
      • 第171条(出納員その他の会計職員等)
      • 第172条(職員、長による職員の任免権、職員定数、地方公務員法)
      • 第173条 ※削除
      • 第174条(専門委員)
      • 第175条(支庁、地方事務所等の長)
    • 第4款 議会との関係
      • 第176条(議会による条例制定等や予算の議決に対する長による再議)
      • 第177条(議会の議決の内容に収入又は支出に関し執行できないものがある場合における長による再議の義務)
      • 第178条(長に対する不信任、議会の解散、長の失職)
      • 第179条(議会不成立、議会招集の暇がない等の場合における専決処分
      • 第180条(軽易な事項に関する専決処分)
    • 第5款 他の執行機関との関係
      • 第180条の2(長の事務の委員会等への委任、補助執行)
      • 第180条の3(長の職員と委員会等の職員との兼職、従事等)
      • 第180条の4(長による委員会等の職員の定数又は身分取扱に関する勧告)
  • 第3節 委員会および委員
  • 第4節 地域自治区

第8章 給与その他の給付(第203条~第207条) 

  • 第203条(議員報酬、議員の費用弁償及び期末手当)
  • 第203条の2(非常勤の委員会の委員等への報酬、費用弁償)
  • 第204条(長、常勤の職員、常勤の委員等、短期間勤務職員への給料及び旅費、職員への手当)
  • 第204条の2(法律又は条例に基づかない給与その他の給付の支給の禁止)
  • 第205条(退職年金、退職一時金)
  • 第206条(給与その他給付に関する不服申立て)
  • 第207条(普通地方公共団体による費用弁償の義務)

第9章 財務(第208条~第243条の5) 

      普通地方公共団体にとっての金銭債権も金銭債務も、5年の消滅時効(第1項)。
      法律に特別の定めがない限り、時効の援用は不要で、時効の放棄はできない(第2項)。
      消滅時効の中断、停止その他の事項につき、適用すべき法律がないときは民法の規定を準用(第3項)。
      普通地方公共団体の行う納入通知と督促は、民法第153条の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する(第4項)。

第10章 公の施設(第244条~第244条の4) 

  • 第244条(公の施設)
  • 第244条の2(公の施設の設置、管理および廃止)
      • 必要があると認めるときは、条例の定めにより指定管理者に管理を行わせることができる。(第3項)
  • 第244条の3(公の施設の区域外設置及び他の団体の公の施設の利用)
  • 第244条の4(公の施設を利用する権利に関する処分についての不服申立て)

第11章 国と普通地方公共団体との関係及び普通地方公共団体相互間の関係(第245条~第252条の18の2) 

第12章 大都市等に関する特例(第252条の19~第252条の26の7) 

第13章 外部監査契約に基づく監査(第252条の27~第252条の46) 

第14章 補則(第253条~第263条の3) 

第3編 特別地方公共団体(第281条~第297条)

第1章

削除

第2章 特別区(第281条~第283条)

第3章 地方公共団体の組合(第284条~第293条の2)

第4章 財産区(第294条~第297条)

第5章

削除

第4編 補則(第298条~第299条)

脚注

注釈

出典

参考文献

  • 法令普及会 編『旬刊時の法令解説』50号、大蔵省印刷局、1952年2月。doi:10.11501/1403197 
  • 鹿児島県 著、鹿児島県総務部参事室 編『鹿児島県市町村変遷史』1967年。 
  • 十島村誌編集委員会『十島村誌』十島村、1995年。 

関連項目

外部リンク

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