八尾市(やおし)は、大阪府の中河内地域に位置する市。中核市に指定されている。
やおし 八尾市 | |||||
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国 | 日本 | ||||
地方 | 近畿地方 | ||||
都道府県 | 大阪府 | ||||
市町村コード | 27212-4 | ||||
法人番号 | 8000020272124 | ||||
面積 | 41.72km2 | ||||
総人口 | 259,622人 [編集] (推計人口、2024年3月1日) | ||||
人口密度 | 6,223人/km2 | ||||
隣接自治体 | 大阪市、東大阪市、柏原市、藤井寺市、松原市 奈良県:生駒郡平群町、三郷町 | ||||
市の木 | イチョウ | ||||
市の花 | キク | ||||
八尾市役所 | |||||
市長 | 大松桂右 | ||||
所在地 | 〒581-0003 大阪府八尾市本町一丁目1番1号 北緯34度37分37秒 東経135度36分03秒 / 北緯34.62692度 東経135.60083度 東経135度36分03秒 / 北緯34.62692度 東経135.60083度 | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
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ウィキプロジェクト |
大阪平野の中部、大阪市の東南部に隣接し、市域西側は概ね平坦で標高は10メートル程度である。市の東部は高安山をはじめとする急峻な生駒山系が控えており、奈良県との府県境を形成している。市の南端を大和川が流れる他、旧大和川水系である長瀬川、玉串川などの小河川も見られる。
八尾市(八尾空港)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 18.9 (66) | 23.8 (74.8) | 25.4 (77.7) | 30.4 (86.7) | 32.8 (91) | 36.0 (96.8) | 38.3 (100.9) | 38.9 (102) | 37.0 (98.6) | 33.0 (91.4) | 28.1 (82.6) | 26.1 (79) | 38.9 (102) |
平均最高気温 °C (°F) | 9.4 (48.9) | 10.5 (50.9) | 14.5 (58.1) | 20.0 (68) | 25.1 (77.2) | 28.4 (83.1) | 31.9 (89.4) | 33.7 (92.7) | 29.7 (85.5) | 23.8 (74.8) | 18.0 (64.4) | 12.0 (53.6) | 21.4 (70.5) |
日平均気温 °C (°F) | 5.5 (41.9) | 6.3 (43.3) | 9.6 (49.3) | 14.9 (58.8) | 20.0 (68) | 23.9 (75) | 27.7 (81.9) | 29.1 (84.4) | 25.2 (77.4) | 19.2 (66.6) | 13.5 (56.3) | 8.0 (46.4) | 16.9 (62.4) |
平均最低気温 °C (°F) | 1.4 (34.5) | 2.0 (35.6) | 4.9 (40.8) | 9.8 (49.6) | 15.1 (59.2) | 20.0 (68) | 24.2 (75.6) | 25.3 (77.5) | 21.3 (70.3) | 15.0 (59) | 9.0 (48.2) | 3.8 (38.8) | 12.6 (54.7) |
最低気温記録 °C (°F) | −3.6 (25.5) | −4.5 (23.9) | −1.5 (29.3) | 0.6 (33.1) | 6.7 (44.1) | 12.7 (54.9) | 17.6 (63.7) | 18.0 (64.4) | 13.4 (56.1) | 6.1 (43) | 1.8 (35.2) | −2.7 (27.1) | −4.5 (23.9) |
降水量 mm (inch) | 47.1 (1.854) | 63.9 (2.516) | 99.9 (3.933) | 88.2 (3.472) | 117.8 (4.638) | 149.0 (5.866) | 169.8 (6.685) | 103.1 (4.059) | 137.4 (5.409) | 142.1 (5.594) | 71.9 (2.831) | 57.1 (2.248) | 1,263.9 (49.76) |
平均降水日数 (≥1.0mm) | 5.6 | 7.0 | 9.4 | 9.1 | 9.3 | 10.5 | 11.1 | 7.9 | 10.2 | 9.1 | 7.2 | 6.5 | 102.7 |
出典:気象庁 (平均値:2003年-2020年、極値:2003年-現在) |
気候は、西に大阪湾、東に生駒山地、大阪平野の中央部東に位置する地形的条件により温暖であり、瀬戸内海式気候に属している為比較的降雨の日が少ない。年間平均気温は摂氏約17度。雪は平地部では滅多に降らないが、1965年3月の大雪で商店街アーケードが倒壊したことがある。台風の影響がほとんどない為、住みやすい。
年間降水量は約1340.5mm(2010年)。風速は年間平均約2.8m/s(2010年)、湿度は年間平均約58.0%(2009年)。最高気温38.3度(2022年7月1日)、最低気温-4.5度(2012年2月3日)。
旧分国では河内国に属する。古代においては河内湖がこの付近まで広がっていたと考えられている。旧大和川流域の肥沃なデルタ地帯として、弥生時代から耕作が行われていた。古墳時代には多くの豪族がこの地一帯に勢力を維持し、生駒山地の麓に数多くの陵墓を造築した。その多くが現在でも古墳として残っており、その数の多さから千塚(ちづか)という地名として残っている。
飛鳥時代には、一帯は物部氏の勢力圏下にあり、その武具を製造する集団が居たとされている(またそのことが市名の由来となっている)が、物部氏は物部守屋のときに蘇我馬子とこの一帯で戦い敗れたために滅亡した。物部氏傍系一族の弓削氏、来栖氏、矢作連などは引き続きこの一帯で勢力を維持し、特に弓削氏の道鏡は奈良時代後期の日本における実質的な最高権力者となっている。道鏡は当地(現在の中田・八尾木地区あたり)に西京(由義宮)を造築したが、失脚とともに歴史に埋もれてしまい、現在でも遺構は判明していない。
朝鮮半島での白村江の戦いで敗北した大和朝廷は唐の侵攻に備えるために西日本で古代山城などの防御施設の整備を進め、この時高安山にも高安城が築かれたとされる。1978年に高安山頂から東へ約200m下ったところで遺構(高安城倉庫址礎石群)が検出され、後に壬申の乱以降に再建された高安城の倉庫であると判明。しかし、1999年の調査で高安山頂の北西約300mの場所で花崗岩を二段積みした石垣がおおよそ100m続いているのを検出。その後の調査などから城壁の高さは10mを越えるものであり、高安山の西側に張り出した尾根の先端を平坦に整地してあり、その周囲に石垣が構築されていたことがわかっている。
奈良時代以降、この地一帯は難波と大和国を結ぶ中継地として栄え、渋川道(→竜田越奈良街道)、十三街道などが設置され、さらに仏教の広まりとともに、寺院への参道として信貴道や東高野街道などが設置された。
平安時代以降、平安京遷都により、都から遠いこの地域の文化は衰退し、かつてこの地域で勢力を保っていた氏族は衰退していった。この地域は多くの寺社や貴族の荘園となる。
戦国時代から江戸時代初期にかけて、この一帯は、たびたび合戦が繰り広げられる場所であった。初期に久宝寺や萱振で寺院を中心に寺内町・環濠集落が形成され、時の権力に対抗する勢力の拠点となった。また、大坂夏の陣においては北の若江(東大阪市)、南の道明寺(柏原・藤井寺市)と並んで序盤の激戦地となった(八尾・若江の戦い)。江戸時代初期には浄土真宗の宗派対立を発端とし、八尾寺内町が創設され、現在の八尾市発展の基となった。
江戸時代中期、それまで八尾市域を貫流して淀川水系と合流する流路を形成していた大和川の付け替え工事が行われ、堺方面に流れるようになった。これにより度々水害に悩まされていた状況が改善されると共に、大和川の付け替え後の川床は新田として新規農用地の開拓が進んだ。川床跡の砂地は木綿栽培に適しており大坂という消費地が近かったため、商品作物としての木綿の栽培や農村工業としての紡績が盛んになり、全国でも有数の裕福な農村となった。
明治以降は大阪だけでなく八尾も綿糸生産で繁栄したが、次第に外国産の安い綿花の輸入を求める声が紡績業界に強まり、ついに輸入綿花の関税が廃止され、八尾の綿花栽培は大正末期までに急速に衰えていった。その後は綿を生産していた農家や工場がブラシ生産に活路を見出し、いわゆる地場産業へと移り変わっていった。
1889年には大阪鉄道(現JR大和路線)、1924年には大阪電気軌道(現近鉄大阪線)が開通。交通・物流の便が良くなったため、大阪近郊の手ごろな住宅地、また工場地帯として開発されていった。戦後は道路網の整備も行なわれ、奈良街道に沿って国道25号が整備され、また、大阪万博開催に間に合わせるように大阪中央環状線や大阪外環状線が供用開始された。かつては竜華地区に竜華操車場が設置され、物流の中継点となっていたが、その後の情勢の変化により廃止された。跡地は長らく放置されていたが、1997年以降にようやく再開発(大阪竜華都市拠点土地区画整理事業)が開始され、市立病院の移転をはじめ、多くの施設が建設されている。
年 | 月 | 主なできごと |
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1948年(昭和23年) | 4月 | 八尾市発足(八尾町、龍華町、久宝寺村、大正村、西郡村が合併) 人口64,431人・面積18.99km2 |
5月 | 初代市長 脇田幾松 が就任 | |
1950年(昭和25年) | 2月 | 八尾市立病院(旧病院)開設 |
1951年(昭和26年) | 2月 | 市役所庁舎(旧庁舎)完成、八尾市歌を制定 |
1952年(昭和27年) | 11月 | 教育委員会が発足 |
1955年(昭和30年) | 2月 | 河内市の福万寺・上之島地区を編入 |
4月 | 南高安町・高安村・曙川村を合併 人口94,694人・面積37.46km2 | |
1956年(昭和31年) | 11月 | 山本球場が近鉄から市に移管 |
1957年(昭和32年) | 4月 | 志紀町と合併 人口97,674人・面積41.05km2 |
1958年(昭和33年) | 4月 | 高安山一帯が金剛生駒国定公園に指定される |
1962年(昭和37年) | 6月 | 衛生処理場完成 |
1963年(昭和38年) | 4月 | 2代目市長 大橋清治 が就任 |
1964年(昭和39年) | 4月 | 松原市若林地区の一部を編入 人口147,090人・面積41.26km2 |
11月 | 八尾市民憲章を制定 | |
1965年(昭和40年) | 1月 | 地域住民が玉串川沿道に桜植樹を開始 |
1967年(昭和42年) | 4月 | 教育センター開設 |
1968年(昭和43年) | 4月 | 市制施行20周年 |
1969年(昭和44年) | 11月 | アメリカ合衆国ワシントン州ベルビュー市と姉妹都市提携 |
12月 | 国道170号大阪外環状線 供用開始 | |
1970年(昭和45年) | 4月 | 府道大阪中央環状線 供用開始 |
1971年(昭和46年) | 7月 | 久宝寺緑地 開園 |
1974年(昭和49年) | 1月 | 安中診療所開設 |
1975年(昭和50年) | 4月 | 3代目市長 山脇悦司 が就任 |
1978年(昭和53年) | 1月 | 市立図書館(本館/現・市立八尾図書館)開設 |
4月 | 市制施行30周年 第1回八尾まつり 開催 | |
12月 | 保健センター開設 | |
1979年(昭和54年) | 11月 | 近鉄大阪線高架化事業完成、近鉄八尾駅前広場完成 |
1980年(昭和55年) | 11月 | 地下鉄谷町線 天王寺〜八尾南間開通 |
1981年(昭和56年) | 5月 | 八尾西武開店。 |
1984年(昭和59年) | 7月 | 八尾空港施設移転・整備 竣工 |
1986年(昭和61年) | 9月 | 中華人民共和国上海市嘉定県(現・嘉定区)と友好関係議定書締結 |
1987年(昭和62年) | 3月 | 近畿自動車道八尾IC供用開始 |
11月 | 歴史民俗資料館 開館 | |
1988年(昭和63年) | 8月 | 市制施行40周年 河内音頭全国大会開催 |
11月 | 八尾市文化会館(プリズムホール) 開館 | |
1991年(平成3年) | 4月 | 山本球場 改装竣工 |
1994年(平成6年) | 4月 | 市役所新庁舎竣工 |
1995年(平成7年) | 4月 | 4代目市長 西辻豊 が就任 |
1996年(平成8年) | 4月 | 市立山本図書館 開館 |
11月 | 市立志紀図書館 開館 | |
1997年(平成9年) | 7月 | JR久宝寺駅橋上駅舎 完成 |
9月 | 八尾市立総合体育館(ウイング) 開館 | |
1998年(平成10年) | 4月 | 市制施行50周年 やおコミュニティ放送(FMちゃお)開局 |
1999年(平成11年) | 4月 | 5代目市長 柴谷光謹 が就任 |
2000年(平成12年) | 4月 | 市立屋内プール 開設 コミュニティバス「愛あいバス」運行開始 |
2001年(平成13年) | 4月 | 特例市に移行 |
2004年(平成16年) | 5月 | 八尾市立病院 (新病院) 開院 |
2005年(平成17年) | 4月 | 心合寺山古墳復元整備が完成、しおんじやま古墳学習館 開館 |
2006年(平成18年) | 3月 | 大阪竜華都市拠点土地区画整理事業 竣工 |
2007年(平成19年) | 4月 | 6代目市長 田中誠太 が就任 |
2008年(平成20年) | 6月 | 「愛あいバス」廃止 |
2009年(平成21年) | 5月 | 市制施行60周年 安中新田会所跡旧植田家住宅開設 |
2013年(平成25年) | 7月 | JR八尾駅橋上駅舎が完成 |
2015年(平成27年) | 8月 | 市立龍華図書館 開館 |
2018年(平成30年) | 4月 | 中核市に移行 |
2019年(令和元年) | 5月 | 7代目市長 大松桂右 が就任 |
代 | 氏名 | 就任年月 | 退任年月 |
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初代 | 脇田幾松 | 1948年5月 | 1963年4月 |
2 | 大橋清治 | 1963年4月 | 1975年4月 |
3 | 山脇悦司 | 1975年4月 | 1995年4月 |
4 | 西辻豊 | 1995年4月 | 1999年4月 |
5 | 柴谷光謹 | 1999年4月 | 2007年4月 |
6 | 田中誠太 | 2007年5月 | 2019年4月 |
7 | 大松桂右 | 2019年5月 | 現職 |
選挙区は八尾市選挙区。定数は3。 大阪維新の会、公明党、自由民主党
選挙区 | 議員名 | 党派名 | 当選回数 | 備考 |
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大阪府第14区(八尾市、柏原市、羽曳野市、藤井寺市) | 青柳仁士 | 日本維新の会 | 1 | 選挙区 |
平成22年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、0.74%減の271,460人であり、増減率は府下43市町村中25位、72行政区域中44位。
八尾市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 八尾市の年齢・男女別人口分布(2005年) |
■紫色 ― 八尾市 ■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性 |
八尾市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
緑ヶ丘や安中を除く各コミュニティセンター内には市役所の出張所が置かれており、証明書発行や住所変更の手続きなどができる。
(2012年12月現在)
※八尾市内全域の郵便番号は「581-00xx」「581-08xx」(いずれも八尾郵便局の集配担当)となっている。
市外局番は市内の大半が072(八尾MA。市内局番は900番台)で、竹渕のみ06(大阪MA。市内局番は6700番台)を使用する。
JTBの時刻表では八尾駅が中心駅と記載されているが、乗降客数は近鉄八尾駅の方が多い。
一般的には東大阪市の方が、中小企業都市、ものづくり都市として有名であり、出荷額、工場数などあらゆる面で東大阪市が八尾市を上回っていたが、平成19年に八尾市の製造業出荷額は東大阪市を抜き、その後も差は広まっており、もはや東大阪が大阪における「中小モノづくり都市」であるとはいえない。また、むしろ、人口、市面積などを考慮すれば、臨海工場地帯を持つ政令指定都市堺をも凌駕する産業都市であるとみることができる。
歯ブラシの生産量が日本一で、全国生産量の四割を占める。ただし、製造業出荷額の1%にも満たない為、「歯ブラシのまち」というのは経済実態とはかけ離れた視点であるとの指摘も多い。歯ブラシの生産が八尾市をはじめ河内地方で盛んになったのは、河内木綿の生産が衰退していた明治中期に、新たな副業を求めていた農家と安価な労働力を求めていた大阪のブラシ業界の利害が一致したため。
かつては綿業の副産物として綿種油の生産も盛んであった。現在も長瀬川沿い付近には油脂関連の企業が立地している。
大阪外環状線より東側、高安山麓には造園業者が多い。
その他かつてブルボンも大阪市中央区松屋町→同区瓦町から関西営業所が移転してきたが、その後茨木市へ再移転した後、兵庫県神戸市中央区へ再々移転している。
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