核戦争(かくせんそう、英語: nuclear warfare)とは、核兵器が使用される戦争のことである(出典:広辞苑)。
核戦争とは原子爆弾、水素爆弾、中性子爆弾などの核兵器、またそれらを運搬する各種のミサイル、爆撃機、潜水艦などの兵器として用いられる戦争を指す。その規模については限定的なものから全面的なものまでさまざまな形態が考えられているが、いずれにしても甚大な被害が生じると考えられている。
核兵器が開発されてからの実戦使用は、第二次世界大戦におけるアメリカ合衆国の日本への2発の原爆投下のみであり、敵対国同士が核攻撃の応酬を行う戦争は発生していないが、キューバ危機や北朝鮮核問題や2022年ロシアのウクライナ侵攻、2023年パレスチナ・イスラエル戦争など、核戦争を引き起こしかねない危機は常時発生している。
核戦略の研究者の間では核戦争の発生や進行に関していくつかの派が存在する。
冷戦時代、核兵器の使用に関する重要な考え方は、古い軍事的知恵からではなく、戦略的意思決定を理解するための新しい方法であるゲーム理論から生まれた。この分析的アプローチは、アメリカ合衆国とソビエト連邦のにらみ合いがナッシュ均衡を表していることを示唆した。なぜなら、核攻撃は必ず壊滅的な反撃を引き起こすため、アメリカとソ連のどちらの超大国も、核攻撃を先制的に開始する理由はないと説明された。説得力のある大義名分がないと、例えばどんな独裁政権でも核戦争を開始するのは難しい。
核戦争の勃発には基本的に二つの要因があると考えられている。危険性のエスカレートと、奇襲攻撃によるものである。ここでは主な要因について述べる。
核戦争が始まる核戦力を用いた攻撃にはいくつかの形態が考えられる。
核戦争は予想されうる事態に過ぎず、歴史的な事例は存在しない。また戦争には多数の不確実性が生じ、その影響も攻撃方法、使用兵器、攻撃対象の位置、環境、人口などさまざまな要素が関連するため科学的な予測は難しいが、2019年にプリンストン大学のアレックス・グラーザーが、アメリカとロシアの間で核戦争が起こった場合、9150万人の死傷者が出るというシミュレーション結果を公開している。ラトガース大学などのチームによる研究結果の発表では、アメリカとロシアの間で核戦争が起こった場合、発生した煤で引き起こされた日照不足などにより農作物の生産量が減ることで、50億人以上の餓死者が出る可能性があるとしている。
敵方における核爆発はなかったものの、自らの勢力の武力を誇示する目的で、核兵器の開発、核実験が行われた。RT-2PMは冷戦時代にソビエト連邦によって開発されたICBMである。
大気圏内核実験は、実験に参加した兵士(アトミック・ソルジャー)および核実験場近くに居住する米国市民を蝕み、放射線障害を訴える被災者が発生した。ネバダ砂漠には大規模な核実験場があり、当時、西部劇の野外撮影が行われていた。このため、西部劇関係者には癌や白血病の患者が多いとされる。(参考文献:「ジョン・ウェインはなぜ死んだか」広瀬隆)
その他、冷戦中には、偶発的核戦争の危機が現実に幾度か存在した。キューバ危機が有名であるが、他に1983年のペトロフ中佐の事件、エイブル・アーチャー83などが知られる。
南アジアのインドとパキスタンは独立以来、三度の印パ戦争を行い、現在でも緊張状態にある。インドは1974年に初の核実験を行い、1998年5月に再度核実験を行った。
パキスタンも1998年5月に核実験を行い、核兵器開発能力を示した。このため、再度、印パ戦争が勃発したときは、両国間の核戦争になる恐れが生じていた。
アメリカのブッシュ政権は抑止力としての役割を果たす戦略核兵器の縮小に代わり、戦術核兵器の使用を公言していた。これはより限定的な範囲を核兵器で攻撃するための兵器を指す。
2022年2月24日、ロシアがウクライナ侵攻を開始した。しかし、ウクライナ軍の徹底抗戦により計画に大きな遅れが出たことと、北大西洋条約機構(NATO)首脳らによる批判的な声明と西側諸国の対ロ経済制裁を受けて、2022年2月27日にロシアのウラジーミル・プーチン大統領が戦略的核抑止部隊に特別警戒を命じた。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は「第三次世界大戦は核(戦争)となり、破壊的なものになるだろう」と発言している。
実験以外で使用された核兵器は、下記の2例である。
第二次世界大戦は、終盤で人類史上初めて、核兵器が戦争で使用された。
1990年末(1991年1月の湾岸戦争勃発の2ヶ月ほど前)、ハーバード大学メディカルスクールが、1518名の若者(平均16.8歳)を対象に自己記入方式のアンケート調査を行い、1493 名の回答者を得て、その中の47%の追跡調査を許可した若者を対象に(およそ5年後の)1995年に「General Health Questionnaire」と呼ばれる一般的な健康に関する(定形の)質問文を使って行った調査である。
頻繁に核戦争の恐怖を感じた青少年は、(この5年後のアンケート調査では)一般的な精神障害のリスクが高くなることがわかったという。特に1週間に1度、もしくはそれ以上の頻度で核戦争の恐怖を感じると精神的な影響が顕著になるという。
結論としては、「核戦争の恐怖を頻繁に感じている」という指標(アンケートに対する回答)は、精神障害のきっかけのようなものを抱えている一種の「しるし」ともなるわけなので、その若者を(他の若者よりも)一層注意深く見守る必要があるという指標として使える可能性がある、とのことである。
2023年現在、現実には全面核戦争は起きていないが、フィクションの世界では「終末もの」など、全面核戦争やその後の世界を舞台にした作品がある。以下はそのような世界を描いた代表的な作品である。 なお、リストは時代背景や核戦略等の変化を考慮し、発表年代順とする。
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