『義経』(よしつね)は、2005年1月9日から12月11日に放送された44作目のNHK大河ドラマ。原作は宮尾登美子で、脚本は金子成人が手掛けた。主演は滝沢秀明。
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義経 | |
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ジャンル | ドラマ |
原作 | 宮尾登美子『宮尾本 平家物語』『義経』 |
脚本 | 金子成人 他 |
演出 | 黛りんたろう 他 |
出演者 | 滝沢秀明 (以下五十音順) 阿部寛 荒川良々 石橋蓮司 石原さとみ 石原良純 市川左團次 伊藤淳史 稲森いずみ 今井翼 上戸彩 うじきつよし 小栗旬 大杉漣 小澤征悦 尾野真千子 海東健 勝村政信 加藤雅也 北村有起哉 草刈正雄 小池栄子 小泉孝太郎 後藤真希 小林稔侍 財前直見 塩見三省 高橋英樹 戸田菜穂 丹波哲郎 鶴見辰吾 中井貴一 中尾彬 中越典子 長嶋一茂 夏川結衣 夏木マリ 南原清隆 長谷川朝晴 平幹二朗 細川茂樹 松平健 松坂慶子 萬田久子 三浦浩一 宮内敦士 美輪明宏 六平直政 渡辺いっけい 渡哲也 |
ナレーター | 白石加代子 |
オープニング | 岩代太郎 |
製作 | |
製作総指揮 | 諏訪部章夫 |
制作 | 日本放送協会 |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2005年1月9日 - 12月11日 |
放送時間 | 日曜20:00-20:45 |
放送枠 | 大河ドラマ |
放送分 | 45分 |
回数 | 全49 |
番組年表 | |
前作 | 新選組! |
次作 | 功名が辻 |
源義経を主人公として家族の絆・親子の絆をコンセプトに、疑似家族としての主従の絆、貿易立国の建設を目指す平清盛との親子的なつながり、武家政権を樹立するために弟を切らねばならない源頼朝の「政治家」そして「兄」としての葛藤と苦悩などを新しい解釈も取り入れて描いた。清盛・頼朝らとの葛藤や義経の想いを描くにあたって「新しき国」との言葉が何度も用いられ、これが物語上でも重要な要素となっている。
源義経が大河ドラマの題材となるのは1966年の『源義経』以来2回目である。原作は2001年~2004年に発表された宮尾登美子の歴史小説『宮尾本 平家物語』及び『義経』で宮尾原作の大河ドラマ化は初めて。1966年の大河ドラマ『源義経』の作者である村上元三が資料提供として名を連ね、『源義経』で架空の人物として登場したうつぼが本作でも登場し(キャラクター設定は別)、京に住む孤児うつぼを通じた現代の目線からの義経像が描かれた。
原作が「平家物語」であることもあって、平清盛とその妻・時子を中心とした平家一族の描写にも重点がおかれ、時子と清盛の妾となった常盤御前やその娘・能子との関係、清盛の遺言を時子が捏造し、安徳天皇をすり替えるなど一族に対する情念が描かれ、平宗盛の父・清盛との葛藤や弟たちへのコンプレックスなどが丁寧に描写された。一方、家族愛がテーマでありながら、平家に重点をおいたために、主人公・義経の家族関係の描写が希薄となる矛盾が見られている。
滝沢の大河ドラマ出演は『元禄繚乱』(1999年・吉良義周役)以来で、主演は初であった。また、滝沢は『源義経』の主演であった尾上菊之助(現在の七代目尾上菊五郎)が持っていた大河ドラマ単独主演の最年少記録(放送開始時23歳)を更新した(放送開始時22歳) 。 その他に、上戸彩や石原さとみなど旬の若手役者を主要キャストとして起用。また、渡哲也をはじめ、平幹二朗、中井貴一、松平健、松坂慶子、丹波哲郎、高橋英樹など日本を代表する役者が脇を固めた。
メインディレクター・黛りんたろうの独特の美学に基づいた演出は、「時代絵巻」ともいえる美しい映像表現を生み出した。五条の大橋、壇ノ浦の戦い、鶴岡八幡宮での舞といった物語のクライマックスとなる場面において、それぞれ桜、金粉、紅葉を大量に撒き散らす大胆な演出を試みている。最終回での「義経が自害した後、持仏堂の屋根から“白く輝く光”が噴き出す」という演出は脚本の金子成人との打ち合わせで生まれた。
第1回の一の谷の合戦のシーンでは「播磨国一ノ谷」とクレジットが出たが正しくは「摂津国」である。再放送では「摂津国一ノ谷」と訂正された。
本作で幼年期の義経、即ち牛若丸を演じた神木隆之介は『平清盛』(2012年)において源義経役として出演している。作品を変えて、同一人物を演じるというのは『太閤記』と『黄金の日日』での織田信長(高橋幸治)、豊臣秀吉(緒形拳)、『秀吉』と『軍師官兵衛』での豊臣秀吉(竹中直人) 役が有名だが、役者の成長に合わせてのキャスティングは『秀吉』(1996年)と『天地人』(2009年)で石田三成を演じた小栗旬以来である。また、神木は2023年度上半期の連続テレビ小説、『らんまん』で主演を務めたが、これは大河ドラマで主人公の幼少期を演じた俳優が連続テレビ小説で主演を務めた初の事例となっている。
平治の乱で平清盛に敗れた源義朝の愛妾・常盤御前は、三人の子を連れて京を逃れるが実母が平家方に捕らえられている事を知り、清盛に出頭する。清盛により、末子・牛若(後の義経)との生活を許された常盤であったが、清盛との関係がその正妻・時子の知るところとなり、常盤は清盛の元を去り、牛若は鞍馬寺に預けられる事になった。
清盛を実の父と信じて疑わず、清盛が目指そうとする「新しき国」に淡い憧れを抱いていた牛若は、自分がその敵である義朝の子である事を知り、愕然とする。やがて逞しい青年へと成長し、奥州の藤原秀衡のもとへ身を寄せた義経は、兄・頼朝のもとへ参じて源平の戦いに身を投じる。
しかし、清盛をはじめとする平家方を敵と割り切る事ができない。そして同じ源氏である木曽義仲と戦わねばならない葛藤…、兄弟としての情を求める義経は武家政権のリーダーとして理を重んじる頼朝と徐々にすれ違っていくようになる。
放送回 | 放送日 | 題 | 演出 | 義経紀行 | |
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第 | 1回1月 9日 | 運命の子 | 黛りんたろう | 六波羅蜜寺(京都市) | |
第 | 2回1月16日 | 我が父清盛 | 厳島神社(広島県宮島町) | ||
第 | 3回1月23日 | 源氏の御曹司 | 木村隆文 | 鞍馬(京都市) | |
第 | 4回1月30日 | 鞍馬の遮那王 | 黛りんたろう | 鞍馬寺(京都市) | |
第 | 5回2月 6日 | 五条の大橋 | 五条大橋(京都市) | ||
第 | 6回2月13日 | 我が兄頼朝 | 木村隆文 | 蛭ヶ小島(静岡県韮山町) | |
第 | 7回2月20日 | 夢の都 | 寂光院(京都市) | ||
第 | 8回2月27日 | 決別 | 黛りんたろう | 小松谷(京都市) | |
第 | 9回3月 6日 | 義経誕生 | 中尊寺(岩手県平泉町) | ||
第10回 | 3月13日 | 父の面影 | 柳川強 | 毛越寺(岩手県平泉町) | |
第11回 | 3月20日 | 嵐の前夜 | 医王寺、大鳥城跡(福島市) | ||
第12回 | 3月27日 | 驕る平家 | 木村隆文 | 徳音寺(長野県日義村) | |
第13回 | 4月 3日 | 源氏の決起 | 園城寺(滋賀県大津市) | ||
第14回 | 4月10日 | さらば奥州 | 黛りんたろう | 平等院(京都府宇治市) | |
第15回 | 4月17日 | 兄と弟 | 対面石(静岡県駿東郡清水町) | ||
第16回 | 4月24日 | 試練の時 | 柳川強 | 鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市) | |
第17回 | 5月 1日 | 弁慶の泣き所 | 能福寺(神戸市兵庫区) | ||
第18回 | 5月 8日 | 清盛死す | 木村隆文 | 若一神社(京都市) | |
第19回 | 5月15日 | 兄へ物申す | 墨俣川古戦場(岐阜県墨俣町) | ||
第20回 | 5月22日 | 鎌倉の人質 | 黛りんたろう | 伊豆山神社(静岡県熱海市) | |
第21回 | 5月29日 | いざ出陣 | 倶利伽羅古戦場(富山県小矢部市) | ||
第22回 | 6月 5日 | 宿命の上洛 | 柳川強 | 石清水八幡宮(京都府八幡市) | |
第23回 | 6月12日 | 九郎と義仲 | 比叡山延暦寺(滋賀県大津市) | ||
第24回 | 6月19日 | 動乱の都 | 木村隆文 | 法住寺陵(京都市東山区) | |
第25回 | 6月26日 | 義仲最期 | 義仲寺(滋賀県大津市) | ||
第26回 | 7月 3日 | 修羅の道へ | 一木正恵 | 篠山(篠山市) | |
第27回 | 7月10日 | 一の谷の奇跡 | 黛りんたろう | 須磨浦公園(神戸市須磨区) | |
第28回 | 7月17日 | 頼朝非情なり | 柳川強 | 清水八幡(狭山市) | |
第29回 | 7月24日 | 母の遺言 | 黛りんたろう | 牛若丸誕生井碑 胞衣塚(京都市北区) | |
第30回 | 7月31日 | 忍び寄る魔の手 | 大関正隆 | 養寿院(川越市) | |
第31回 | 8月 7日 | 飛べ屋島へ | 一木正恵 | 逆櫓の松跡の碑(大阪市福島区) | |
第32回 | 8月14日 | 屋島の合戦 | 木村隆文 | 安徳天皇社(香川県高松市) | |
第33回 | 8月21日 | 弁慶走る | 大関正隆 | 闘鶏神社(和歌山県田辺市) | |
第34回 | 8月28日 | 妹への密書 | 黛りんたろう | 西楽寺(山口県下関市) | |
第35回 | 9月 4日 | 決戦・壇ノ浦 | 壇ノ浦古戦場(山口県下関市) | ||
第36回 | 9月11日 | 源平無常 | 一木正恵 | 赤間神宮(山口県下関市) | |
第37回 | 9月18日 | 平家最後の秘密 | 木村隆文 | 長楽寺(京都市東山区) | |
第38回 | 9月25日 | 遠き鎌倉 | 大関正隆 | 興福寺(奈良県奈良市) | |
第39回 | 10月 | 2日涙の腰越状 | 黛りんたろう | 満福寺(鎌倉市) | |
第40回 | 10月 | 9日血の涙 | 一木正恵 | 朝夷奈切通し(鎌倉市) | |
第41回 | 10月16日 | 兄弟絶縁 | 柳川強 | 平宗盛胴塚(滋賀県野洲市) 義経元服池(滋賀県竜王町) | |
第42回 | 10月23日 | 鎌倉の陰謀 | 大山祇神社(愛媛県今治市) | ||
第43回 | 10月30日 | 堀川夜討 | 大杉太郎 | 若宮八幡宮社(京都市東山区) | |
第44回 | 11月 | 6日静よさらば | 木村隆文 | 吉水神社(奈良県吉野町) | |
第45回 | 11月13日 | 夢の行く先 | 静神社(京都府京丹後市) 神泉苑(京都市) | ||
第46回 | 11月20日 | しずやしず | 黛りんたろう | 羽黒神社 静御前の墓(新潟県栃尾市) | |
第47回 | 11月27日 | 安宅の関 | 柳川強 | 安宅の関(石川県小松市) 如意の渡(富山県高岡市) | |
第48回 | 12月 | 4日北の王者の死 | 木村隆文 | 須須神社(石川県珠洲市) | |
最終回 | 12月11日 | 新しき国へ | 黛りんたろう | 義経堂(岩手県平泉町) | |
平均視聴率19.4%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
2005年12月24日、25日に放送。滝沢が義経と邂逅する新撮映像と主従座談会の一部が番組の前後に追加された。
放送回 | 放送日 | 放送時間 | 題 |
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第1部 | 12月24日 | 19:30 - 20:45 | 義経誕生 |
第2部 | 12月25日 | 16:45 - 18:00 | 軍神降臨 |
第3部 | 12月25日 | 19:30 - 20:45 | 英雄伝説 |
NHK 大河ドラマ | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
義経 |
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