山口県(やまぐちけん)は、日本の中国地方に位置する県。県庁所在地は山口市。
やまぐちけん 山口県 | |||||
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国 | 日本 | ||||
地方 | 中国地方 | ||||
団体コード | 35000-1 | ||||
ISO 3166-2:JP | JP-35 | ||||
面積 | 6,112.60km2 | ||||
総人口 | 1,290,292人[編集] (推計人口、2024年3月1日) | ||||
人口密度 | 211人/km2 | ||||
隣接都道府県 | 島根県 広島県 福岡県 大分県 愛媛県 | ||||
県の木 | アカマツ | ||||
県の花 | 夏みかんの花 | ||||
県の鳥 | ナベヅル | ||||
他のシンボル | 県の魚:フグ 県の獣:ホンシュウジカ 県の石:石灰岩、銅鉱石、美祢層群の植物化石 県の歌:山口県民の歌 | ||||
山口県庁 | |||||
知事 | 村岡嗣政 | ||||
法人番号 | 2000020350001 | ||||
所在地 | 〒753-8501 山口県山口市滝町1番1号 北緯34度11分10秒 東経131度28分13秒 / 北緯34.1861度 東経131.4703度 東経131度28分13秒 / 北緯34.1861度 東経131.4703度 | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
■ ― 市 / ■ ― 町 | |||||
ウィキポータル | 日本の都道府県/山口県 | ||||
ウィキプロジェクト |
本州の最西端に位置している。県土の大半は山陽地方に含まれ、県北部の北浦地区が山陰地方の西端に当たるとされる。
県庁所在地は県央部の山口市だが、瀬戸内側に人口10万人から20万人台の都市が複数点在する分散型都市構造を形成しており、山口市の求心力は大きくない。県内で最大の都市は県西端の下関市で、下関市を始めとする県西部は福岡県との繋がりが密接である。一方で岩国市などの県東部は広島県との繋がりが密接である(詳細は後述)。令制国の長門国と周防国に相当することから、防長(ぼうちょう)という別名を持つ。周防国と長門国は後に毛利氏により統治され、江戸時代には、併せて長州藩と称していたことから、長州(ちょうしゅう)と呼ばれる。幕末には倒幕運動の中心となり明治維新の立役者となった。
山口県魚に指定されているふぐは下関市の南風泊市場が日本一の市場取扱量を占めている。地元や周辺地域では、主に取扱業者を中心に縁起を担いで「ふく」と呼んでいる(下関とふく参照)。ふぐの他にも日本海側のイカやアジ、瀬戸内側のアンコウやハモなど、海産物の資源が豊富である。
山口県はインテルサットのインド洋経由の欧州向け、太平洋経由の米国向けの両方向への通信が可能な位置にあり、KDDI山口衛星通信センターが山口市にある。当センターではインテルサット・インマルサットのサービスをしているが、その他、スカパーJSATが SUPERBIRD の地上局(山口ネットワーク管制センター)、自治体衛星通信機構の地上局(山口管制局)も立地している。後者については、全国瞬時警報システムなど最重要ミッションを運用している。
南側を瀬戸内海(広島湾・伊予灘・周防灘)、西側と北側を日本海(響灘)と、三方を海に囲まれ、その中央部を中国山地が横断している。中国山地に水源を発する河川として、一級水系の佐波川および小瀬川、二級水系の錦川、椹野川、厚東川、木屋川、阿武川などがある。平野部が小さく、瀬戸内側の一部(主要河川の河口部並びに周南地区)を除けば山に囲まれた谷底平野が多く存在する。
外海と内海の両方に面し、中央部に山地が横たわるという地理的条件上、同じ県内でも気候には大きな違いが見られる。気候の特徴的に「瀬戸内海沿岸地域」「内陸山間地域」「日本海沿岸地域」に大きく分けられるが、年平均気温が12~16度、年平均降水量が1,600~2,300mmと比較的温暖であり、風水害や地震も比較的少ない。ただし、梅雨期は広島県と同様に梅雨前線と暖湿流の影響で大雨となりやすい上、急傾斜地崩壊危険箇所等の数も広島県に次いで全都道府県で2位 であり、表層に堆積した真砂土による土砂災害が発生しやすく、近年でも平成21年7月中国・九州北部豪雨や平成25年7月28日の島根県と山口県の大雨で被害を受けている地域がある。
このように、同じ県内でも地域ごとの気象傾向に差があることもあり、天気予報を発表する際の一次細分区域は「西部」「中部」「東部」「北部」の4つに設定されている(元々は「東部」「西部」「北部」の3区分だったが、旧東部から中部が分割された)。2003年(平成15年)3月3日には気象に関する注警報・警報発表区域の細分化(二次細分区域の設定)が行われ、県内が7区域「西部」(豊田 / 下関・宇部)、「中部」(山口・防府 / 周南・北玖珂)、「東部」、「北部」(長門 / 萩・美祢)に細分化された。2007年(平成19年)3月1日には市町村合併を反映する形で二次細分区域が再編され、二次細分区域が8区域に再設定されている。
長らく県内の有人観測点は山口測候所・下関地方気象台の2箇所であったが、山口測候所は2010年10月1日を以て廃止され、現在は下関地方気象台のみとなっている。なお、下関地方気象台は福岡管区気象台の管轄であり、山口県は気象庁の予報区分では「九州北部地方(山口県含む)」として九州北部と同一の区域として扱われる。
八地方区分では山口県は中国地方に区分されるが、関門海峡・周防灘を挟み近接する九州とともに「九州・山口地方」と称される場合もあり、山口県知事は九州地方知事会と中国地方知事会の両方に参加している。
公的機関では、衆議院比例区(中国ブロック)、財務省(中国財務局)、農林水産省(中国四国農政局)、NHKなどが山口県を中国地方に区分している。
民間では、ゆうちょ銀行(中国エリア)、NTTドコモ(エヌ・ティ・ティ・ドコモ中国)、全国高等学校総合体育大会<インターハイ>(中国大会)、選抜高等学校野球大会(中国・四国ブロック)などがある。
公的機関では、気象庁(福岡管区気象台、気象区分「九州北部」に山口県を含む)、税関(門司税関)、水産庁(九州漁業調整事務所)などが山口県を九州地方と共通の区分に含む。
民間では、読売新聞・朝日新聞・毎日新聞・日本経済新聞・産経新聞の全国紙各社およびグループ会社が、西部本社(支社・本部)などの地域組織において九州地方とともに山口県を管轄区域としている。
公的機関では、以下の部局が山口県域を九州地方側と中国地方側に分割して区分している。
機関 | 九州地方側 | 中国地方側 |
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国土交通省地方整備局 | 九州地方整備局(港湾空港部の所管事務) | 中国地方整備局 |
下関市 | 左記以外の地域 | |
国土交通省地方運輸局 | 九州運輸局(海事に関する事務) | 中国運輸局 |
下関市、宇部市、山陽小野田市 | 左記以外の地域 | |
国土交通省地方航空局 | 北九州空港事務所 | 岩国空港事務所 |
下関市、宇部市、山陽小野田市、長門市、美祢市 | 左記以外の地域 | |
海上保安庁 | 第7管区海上保安本部 | 第6管区海上保安本部 |
下関市、宇部市、山陽小野田市、長門市、美祢市、萩市 | 左記以外の地域 | |
防衛省 | 九州防衛局長崎防衛支局 | 中国四国防衛局 |
下関市 | 左記以外の地域 |
民間経済団体である九州経済連合会はかつて「九州・山口経済連合会」と称し、改称後も下関市や宇部市を中心に山口県に本社を置く企業や大学など21法人が加盟している。中国経済連合会と重複会員もおり、山口銀行は九州経済連合会と中国経済連合会の両方で副会長を務めている。
日本小型船舶検査機構は岩国市・柳井市・田布施町・平生町・上関町・和木町・周防大島町を広島支部が管轄し、それら以外の地域を福岡県北九州市・京築地域とともに下関支部が管轄している。
地形は、県中央部が山地で沿岸・山あいに小規模な平野や盆地が分散している。海岸線は臨海工業が立地して、それぞれの工場地区ごとに労働力を引き寄せた。また、幹線交通網である国道2号や山陽本線、山陽自動車道も海岸線沿いに走っているため、物流・内陸工業の面でも労働力を引き寄せた。このような産業構造と分布をしているため、瀬戸内海側の都市への人口・物流・資本・情報の集中が発生している。
県庁所在地である山口市の県内他地域に対する求心力が低いこともあって、同市など県央地域よりも県外の地域との交流が深い自治体もある。県西部の下関市は福岡県北九州市とともに関門都市圏の核都市となっており、宇部市、山陽小野田市、美祢市などが同都市圏に含まれるほか、県東部の岩国市、和木町などは広島県広島市を核都市とする広島都市圏に含まれる。
地域圏にはいくつかの区分方法があるが、一例として山口県による 8つの広域都市圏 がある。下関広域都市圏と長門広域都市圏は、広域都市圏内で合併が進み、圏内1市となった。以下に記載する人口は、2024年3月1日現在。なお、山口県の総人口は1,290,292人。
地区 | 広域都市圏 (通称;読み) | 構成市郡 | 圏域人口 (人) |
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岩柳 | 岩国広域都市圏 (岩国・玖珂地域;いわくに・くが-) | 岩国市・玖珂郡 (1市1町) | 128,761 |
柳井広域都市圏 (柳井・大島地域;やない・おおしま-) | 柳井市・熊毛郡・大島郡 (1市4町) | 69,405 | |
周南 | 周南広域都市圏 (周南地域;しゅうなん-) | 周南市・下松市・光市 (3市) | 235,516 |
山防 | 山口・防府広域都市圏 (県央地域) | 山口市・防府市 (2市) | 302,379 |
厚狭 | 宇部・小野田広域都市圏 (宇部・美祢地域;うべ・みね-/厚狭地域;あさ-) | 宇部市・山陽小野田市・美祢市 (3市) | 236,645 |
豊関 | 下関広域都市圏 (豊関地域;ほうかん-) | 下関市(1市) | 243,143 |
長北 | 長門広域都市圏 (長門大津地域;ながと・おおつ-) | 長門市(1市) | 30,146 |
萩広域都市圏 (萩地域) | 萩市・阿武郡 (1市1町) | 44,297 |
基礎自治体は、以下の13市・4郡・6町がある(自治体コード順)。山口県では、町はすべて「ちょう」と読む。村は2006年(平成18年)3月20日の本郷村の合併に伴って消滅している。
廃藩置県の際、県庁が置かれた山口町(現・山口市)の町名がそのまま県名に採用された。「山口」という地名は、阿武郡にある「山の入り口」に由来する。山口弁では、県名は共通語と同じ「やまぐち」、市名は「やまぐち」とアクセントによる区別がある(後ろに「県」や「市」など接尾語が付く場合は、どちらも共通語と同じアクセントになる)[要出典]。
増加 10.0 % 以上 7.5 - 9.99 % 5.0 - 7.49 % 2.5 - 4.99 % 0.0 - 2.49 % | 減少 0.0 - 2.5 % 2.5 - 5.0 % 5.0 - 7.5 % 7.5 - 10.0 % 10.0 % 以上 |
山口県と全国の年齢別人口分布(2005年) | 山口県の年齢・男女別人口分布(2005年) |
■紫色 ― 山口県 ■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性 |
山口県の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
国立社会保障・人口問題研究所が2018年に推計した人口は、2045年の県人口が103万6千人(2015年を100とすると73.7になると予測されている)となっている。市町村別では、下関市 181,656人(同67.7)、山口市 178,452人(同90.4)、宇部市132,461(同78.2)、周南市 107,540人(同74.2)、防府市 101,202人(同87.3)、岩国市 89,637人(同65.5)、下松市 50,419人(同90.3)、山陽小野田市 46,021人(同73.4)、光市 35,636人(同69.4)、萩市 26,119人(同52.7)、柳井市 21,059人(同63.9)、長門市 17,888人(同50.5)美祢市 14,447人(同55.2)、田布施町 10,154人(同66.3)、平生町 8,460人(同66.1)、周防大島町 7,095人(同41.3)、和木町 5,083人(同80.9)、阿武町 1,419人(同41.0)、上関町 913(同32.6)となっている。
衆議院の小選挙区が4。参議院では、全県で1区を構成する。
内閣府経済社会総合研究所が行った「令和元年度度県民経済計算」によると、2019年度(令和元年度)の一人あたりの県民所得は325.1万円、名目県内総生産は6兆3505億円(第一次産業300.7億円、第二次産業2兆5531.4億円、第三次産業3兆7468.11億円)であった。経済成長率は名目+0.5%、実質−0.3%であった。総生産の経済活動別の構成比について全国を1とする特化係数で比較すると、第一次産業は0.5、第二次産業は1.6、第三次産業は0.8であった。さらに詳しく見ていくと鉱業(特化係数1.8)、製造業(1.7)、電気・ガス・水道・廃棄物処理業等(1.3)、運輸・郵便業(1.1)、保健衛生・社会事業(1.1)で全国を上回った。製造業の内訳を見ると特に化学(特化係数7.0)、窯業・土石製品(2.8)、石油・石炭製品(2.3)、輸送用機械(1.5)、一次金属(1.2)、繊維製品(1.2)、金属製品(1.2)で全国を上回った。
経済圏は県内各地域に分散しており、経済産業省は都市雇用圏の考え方に基づいた経済圏を以下の地域に設定し、その産業特性を以下のように分析している。
山口県が行った「令和元年度市町民経済計算」による、令和元年度の市町内総生産は県全体で6兆3505億円であり、県全体に占める割合は下関市が15.2%でトップ、以下周南市(15%)、山口市(12.9%)、宇部市(9.8%)、岩国市(8.7%)と続く。地域別市町内総生産額は周南地区が1兆7501億円と全体の27.6%を占め、ついで山口・防府地区(21.5%)、宇部・小野田地区(17.2%)、下関地区(15.2%)と続く。 市町民所得は県全体で4兆4074億円であり、県全体に占める割合は下関市が18%でトップ、以下山口市(15.1%)、周南市(13.2%)、宇部市(12.2%)、岩国市(9.1%)と続く。 。
山陽地方に当たる瀬戸内海側は、重化学コンビナートを中心とした工業と、高速道路網などを生かした流通業などが発展しており、瀬戸内工業地域の一角を成す。一方で、山陰地方に当たる日本海側は、農業・漁業などの第一次産業と観光業などのサービス産業が中心である。
かつては宇部・美祢で鉱業が盛んであり、宇部炭鉱 (宇部市) や大嶺炭鉱 (美祢市) で無煙炭を中心とした石炭が採掘されていた。いずれも現在は閉山しているが、県西部 (宇部市・山陽小野田市など) の重化学工業地域は元々この炭鉱を背景としている。現在美祢地区では石炭に代わって石灰石の採掘が行われており、セメントの製造企業が集中している。一方、周南・岩国などの東部では太平洋戦争当時の海軍燃料廠などに由来する石油精製コンビナートを展開、ソーダなど化学系の製品製造を主とする工業地域を形成している。
沿岸部から中山間部までの多様な自然条件や消費地の近さ、交通網の高い整備状況により米や野菜、果物、花、牛肉といった様々な農産物が生産されている。特に長州藩時代の四白政策以来米作りが盛んに行われており、干拓や棚田などの新田開作により農地が増やされてきた。特に米はコシヒカリやひとめぼれ、ヒノヒカリが生産されている。野菜はわさびやれんこん、トマトの生産が盛んで、果物は瀬戸内側で温州みかんや夏みかん、中山間部では栗の栽培が盛ん。花は下関市を中心にゆり、バラ、カーネーション、菊の栽培が盛んである。また、畜産においては本県が日本で初めて誕生させ全国唯一である無角和牛 や和牛の原種と言われ国の天然記念物に指定されている見島牛が、養鶏が盛んな長門市では県オリジナル地鶏「長州黒かしわ」の飼育が行われている。 農業生産額の割合では、米が全生産額の34.9%で最も多く、野菜が24.2%、鶏(鶏卵・ブロイラー)が14.7%、果実が6.6%と成っている。
三方が海に面する山口県では古くから水産業が盛んであり、江戸時代に長州藩は漁業を推奨し特に現在の長門市の通地区や仙崎地区を中心に捕鯨に力を入れ、「鯨一頭とれば七浦賑わう」と謳われた。捕鯨は明治時代まで続いたがロシアによる日本海での捕鯨が原因で北浦捕鯨は早々に衰退、その後ノルウェー式捕鯨の導入で下関市は日本有数の捕鯨基地となった。その後国際的な反捕鯨運動が盛んになり、また日本が国際捕鯨委員会に加盟したことで長らく商業捕鯨は禁止されていたが2019年に脱退したことで再び商業捕鯨が再開され、下関市は再び商業捕鯨及び調査捕鯨の基地となっている。また、同市はふぐの日本一の取扱量を誇っており、同市南風泊市場では全国のふぐの大半を取り扱っている。平成21年度の山口県の漁獲量はアマダイ、サザエで全国2位、イサキ、アワビ類で全国4位、マダイ、クルマエビ、マアジで全国5位であり多くの魚種で日本有数の捕獲量を誇る。水産加工業も盛んであり下関市ではウニの瓶詰め、辛子明太子、蒲鉾を始めとする練り製品で全国有数の生産量を誇る。2020年度における本県の陸揚量は21,598トン、登録漁船数は5491隻、総トン数は14,954トン、利用漁船数は7023隻、組合員数は6634人である。また三方を海に囲まれていることもあり本県の漁港数は94港あり、全国で9番目に多い状況にある。その内訳は第一種漁港54港、第二種漁港34港、第三種漁港2港、特定第三種漁港1港、第四種漁港3港であり、このうち県管理漁港7港(下関漁港、川尻漁港、江崎漁港、見島漁港、仙崎漁港、萩漁港、徳山漁港)、市町村管理漁港87港となっている。
山口県の瀬戸内海沿岸では大正時代より造船業や化学、機械、金属の工場が次々に進出し、第二次世界大戦中は旧日本軍の工廠などが立地した。戦後は石油化学コンビナートが形成され全国有数の工業県となり、瀬戸内工業地域を構成している。特に下関市や宇部市、山陽小野田市、美祢市などは北九州工業地域の構成都市でもある。県西部では美祢市のカルスト台地から産出される石灰石を原料とするセメント製造工場が立地、周南市や岩国市など県東部では石油コンビナートやソーダなどの化学製品を生産する企業が集中している。
経済産業省が実施した工業統計調査によると、2020年度の製造品出荷額は5兆6169億円(周南市1兆1317.6億円、防府市8170.3億円、下関市6022.6億円)、付加価値額は1兆8643億円、事業所数は1725ヶ所(下関市369ヶ所、宇部市186ヶ所、周南市160ヶ所)、従業者数は9万5292人(下関市1万6141人、防府市1万3266人、周南市1万1619人)、1事業所当たりの製造品出荷額は2000年ごろから全国首位が続いており90億1572万円、1事業所当たりの付加価値額は10億8100万円、従業者1人当たりの付加価値額は1956万円であった。特に化学、輸送、石油、鉄鋼、窯業が盛んであり、マツダ(自動車)、日立製作所(鉄道車両)、三菱重工業・三菱造船(造船)、ブリヂストン(タイヤ)、シマノ(自転車)、武田薬品工業(製薬)、マルハニチロ(食料品)、日清食品(食料品)などの大手メーカーが数多く立地している。
このほか、かつての財閥の一つである日産コンツェルンの創業者たち(鮎川義介・久原房之助ら)は山口県出身であり、日産コンツェルンの流れをくむ複数の企業の生産拠点が山口県に残っている。また、東芝の創業者の一人である藤岡市助も山口県出身である。
1963年(昭和38年)の山口国体開催にあたり、県管理道路(県道と一部の国道)のガードレールを特産の夏みかんにちなんだ黄色にしようということになった。それ以来県道のガードレールには黄色いものが使われている。
県内11市町に24箇所の道の駅が開設されている。
愛媛県松山市・三津浜港)
かつては下関市の彦島荒田港と北九州市小倉北区の日明港を関門海峡フェリーが結んでいた。
山口県における水道普及率は2021年時点で94%(全国平均98.2%)である。給水人口構成比は総人口131万5949人に対して上水道は92.9%(122万2305人)、簡易水道は0.8%(1万830人)、専用水道は0.3%(4330人)、未普及人口は6%(7万8484人)である。 市町村毎の普及率は和木町100%、上関町99.4%、宇部市99.4%、山陽小野田市99.3%、下松市98.5%、下関市97.2%、萩市95.9%、光市94.9%、長門市94.8%、周南市94.3%、周防大島町94.3%、防府市93.8%、山口市93.1%、美祢市92.7%、岩国市85.4%、平生町79.5%、柳井市78.1%、田布施町66.1%、阿武町66%である。 また2021年時点での上水道の給水量は1億6936.9万㎥であり、有収水量(製造された水のうち、料金収入が得られた水量)は1億5022.6万㎥である。簡易水道の給水量は154.9万㎥、有収水量は116.8万㎥である。
山口県における公共下水道普及率は2021年時点で68.1%(全国平均79.7%)、水洗化率(下水道供用区域内に住んでいる人口のうち、水洗便所を設置して汚水を下水道で処理している人口の割合)は95.3%(全国平均92.9%)である。また汚水処理人口普及率(下水道のほか集落排水施設、合併処理浄化槽、コミュニティプラントを含む)は88.8%(全国平均92.6%)であり、全国26位である。 市町村毎の普及率および(水洗化率)は和木町99.5%(100%)、下松市90%(97%)、周南市87.3%(94.5%)、光市81.5%(97.9%)、下関市79%(97%)、宇部市78.6%(96.2%)、防府市70.7%(92.2%)、山口市68.1%(96.8%)、平生町61.7%(94.5%)、山陽小野田市58%(91%)、長門市50.4%(97.7%)、田布施町49%(98%)、萩市45.3%(90.9%)、美祢市37%(95.2%)、岩国市36.3%(92.3%)、柳井市32.3%(89.7%)、周防大島町22.5%(65.7%)である。 県内に下水処理場は41ヶ所あり、うち県管理の処理場は周南浄化センターと田布施川浄化センターの2ヶ所である。これらの浄化センターは特に島田川および田布施川の水質悪化を防止するために県の事業として設置されているものである。
岩国、柳井、周南、山口・防府、萩、宇部・小野田、長門、下関の8つの二次医療圏が設定されている。
山口県内において三次救急医療を担う救命救急センターとしては、以下の5つがある。
なお、萩医療圏と長門医療圏の全域では、これらの機関への自動車での移動が1時間を越えるため、医療体制や交通網の整備が課題となっている。
国立 (1校)
公立 (4校)
私立 (6校)
私立(1校)
私立(4校)
高等専門学校 (3校)
中等教育学校 (1校)
省庁大学校 (1校)
(農林水産省所管、国立研究開発法人水産研究・教育機構法に基づく省庁大学校)
職業訓練校 (2校)
読売・朝日・毎日の各新聞は西部本社(読売は福岡市、朝日・毎日は北九州市に立地)、日経は西部支社(福岡市に立地)、産経は西部本部(福岡市に立地)の管轄となっている。産経新聞は1997年(平成9年)ごろから発売を休止していたが、産経新聞社九州・山口本部(現・産経新聞西部本部)発足に伴い2009年(平成21年)10月1日付より山口県での発行を再開した。印刷は佐賀県鳥栖市の毎日新聞社工場に委託している。
なお広島県、島根県に境を接する東部のごく一部では、大阪本社発行のものと西部本社(支社・本部)発行のものを並行発売する店舗もある。
山口県で販売している全国紙は以下の通り。
山口県全域を発行エリアとする地方紙は、山口新聞(下関市、日刊、みなと山口合同新聞社発行)がある。中国新聞(広島市)は周南市に防長本社を置き、山口県内でも中国新聞 山口として販売している。かつては西日本新聞(福岡市)も県西部地域で販売していたが、2009年(平成21年)3月31日をもって山口県での販売を停止し、山口市と下関市にあった支局も撤退した。他に長周新聞(下関市、週3回刊、長周新聞社発刊)がある。
県内特定地域を発行エリアとする主な地方紙は以下の通り。
デイリースポーツ(大阪・神戸本社管轄の広島支社のエリア)を除き、西部本社の販売エリアである。なお、日刊スポーツは元々は下関市のみなと山口合同新聞社の工場に委託印刷した、西部日刊スポーツ新聞社制作の新聞を発行していたが、西部、大阪、名古屋の地域発行本社を合併した日刊スポーツ新聞西日本が発足した1年後の2010年(平成22年)4月に防府市以東では、広島県廿日市市の中国新聞社の工場に委託印刷・発行した同大阪本部発行の新聞(山口西部を除く中四国地方向けと同じ)に変更された。
そのこともあり、県内で販売されるスポーツ新聞は福岡ソフトバンクホークスやアビスパ福岡などの福岡県に本拠地を置く話題が多い(デイリー、及び日刊の山口東部向けに関しては阪神タイガースあるいは広島東洋カープまたはサンフレッチェ広島などの広島を本拠地とするもの)。前述通り産経新聞は発行を再開したもののサンケイスポーツは発売されていない。また、かつては西日本スポーツも発売されていたが、西日本新聞の山口県撤退と同時に山口県内での発売から撤退した。
フジとゲンダイは大阪本社版の早刷りのものをごく一部の駅売りスタンドで発売するのみ。なお、九州スポーツは東京スポーツ系列の新聞であるが、朝刊で扱われているため夕刊紙ではない。
デジタルテレビ・FMラジオの親局送信所及びKRYラジオのFM補完放送のメイン中継局は防府市の大平山。
山口県には県内に本拠を置くFNN/FNS系及びTXN系列局が存在せず、両系列の放送対象地域に含まれていない。
両系列の報道取材は、福岡県の民放のFNN系列局テレビ西日本(TNC)・TXN系列局TVQ九州放送(TVQ)の2局が担当するが、FNNにおいて岩国市はテレビ新広島(TSS) 、萩市は山陰中央テレビジョン放送(TSK)[要出典]がそれぞれ担当する。
ただし、県外局のスピルオーバーにより特にFNN/FNS系列局を視聴可能な地域も少なくない他、ケーブルテレビ局を通しての区域外再放送を利用して視聴する世帯も多い。主たるスピルオーバーやケーブルテレビの区域外再放送で受信できるテレビ局は以下のとおりである。
週刊TVガイド・ザテレビジョンなどのテレビ専門誌では、県東部で「広島・島根・鳥取・山口東版」(山口県域局と広島県域局・鳥取県・島根県の番組表を収録)を、県西部で「福岡・佐賀・山口西版」(山口県域局と福岡県域局・佐賀県域局の番組表を収録)をそれぞれ発行・発売しており、同じ雑誌でありながら同一県内で2種類の冊子を発行、購入ができる。
カッコ後ろの「JW」は J-WAVE から、「MB」は ミュージックバード からの番組配信あり(無印は自社製作中心)。
ケーブルテレビの普及率が比較的高く、特に県央部および宇部・美祢地域をエリアに持つ山口ケーブルビジョンではエリア内の加入率を75%以上と公表している。
県域の方言は「山口弁」に区分されるが、地域ごとに大きな差異が見られる。
経済産業大臣指定伝統的工芸品は以下の通り。
サッカーチームはJリーグのレノファ山口FCや、社会人サッカーチームであるFCバレイン下関・FC宇部ヤーマンなどがある。かつては永大産業サッカー部が熊毛郡平生町に本拠地を置いていた。
プロ野球チームは広島東洋カープの二軍が岩国市の広島東洋カープ由宇練習場を本拠地としている。また、横浜DeNAベイスターズ(旧大洋ホエールズ)は球団発足当時、下関市の下関市営球場に本拠地を置いていた。21世紀時点では、広島県に近い県東部は広島東洋カープのファンが、福岡県に近い県西部(下関市など)は福岡ソフトバンクホークスのファンがそれぞれ多いとされる。両チームが対戦した2018年の日本シリーズの際には、同じチェーンのスーパーマーケットで行われたセールでも、県東部と県西部でそれぞれ優勝セールの対象が異なるという事象が見られた。また、独立リーグの九州アジアリーグに2022年から参加した福岡北九州フェニックスは初年度より下関球場で公式戦をおこない、2023年からは球団名を北九州下関フェニックスに改めている。
バスケットボールチームは山口ペイトリオッツが2021-22シーズンからB3.LEAGUEに参加している。2023-24シーズンより山口パッツファイブへ改名。
ラグビーチームはながとブルーエンジェルスがあり、太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2019で総合優勝。
陸上競技では、全日本実業団ハーフマラソン(山口市・毎年2月)、下関海響マラソン(下関市・毎年11月)、防府読売マラソン(防府市・毎年12月)などのマラソン大会が開催されているほか、全国持ち回り開催の全国中学校駅伝大会が山口市で開催されたことがある。かつてはカネボウ陸上競技部が防府市に本拠地を置いていた。
公営競技は、防府競輪場(防府市)、ボートレース徳山(周南市)、ボートレース下関(下関市)、山陽オートレース場(山陽小野田市)がある。
山口県の各市町村の年間観光客数は、山口県の統計による2019年の数値 によれば県全体で観光客数が3601.3万人、宿泊客数は大型イベントが無かったことで前年比13.6%減となり、376.2万人であった。市町村別観光客数では、下関市が最も多く711.3万人(前年比101.6%)、次いで山口市の516万人(84.3%)、萩市の451万人(99.1%)、岩国市の322万人(102.3%)、長門市の241万人(95%)と続く。
外国人観光客数は22%減少し35.7万人、外国人宿泊客数は日韓関係の悪化により14.9%減少し10.4万人となった。構成としては中国本土8.5万人(構成比23.8%)、次いで韓国約8.3万人(23.2%)、台湾6.3万人(17.6%)、アメリカ2.5万人(6.9%)と続く。
発着地別観光客数では県内が2124.2万人(構成比59%)と最も多く、次いで中国地方421.4万人(11.7%)、九州地方及び沖縄地方395.2万人(11%)、関東地方189.4万人(5.3%)、近畿地方163.6万人(4.5%)、中部地方79.7万人(2.2%)、四国地方52.5万人(1.5%)、北海道地方及び東北地方24.5万人(0.7%)であった。
季節別観光客数では春(3~5月)が989.6万人(構成比27.5%)と最も多く、次いで夏(6〜8月)961.2万人(26.7%)、秋(9〜11月)953.5万人(26.5%)、冬(12〜2月)697万人(19.4%)であった。
温泉は、湯田温泉、川棚温泉、湯本温泉、俵山温泉など、51泉ある。そのうち、25泉は放射能泉系、9泉は単純温泉系、13泉は塩化物泉系、残り3泉はその他の泉質である。
有形文化財建造物としては、萩市の松下村塾、萩反射炉、萩城下町、大板山たたら製鉄遺跡、恵美須ヶ鼻造船所跡が世界遺産に登録(「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産として)、下関市の功山寺仏殿と住吉神社本殿、山口市の瑠璃光寺五重塔が国宝に指定、赤間神宮の水天門と回廊などが重要無形文化財に、萩市の堀内地区・平安古地区・浜崎地区・佐々並市地区、柳井市の古市金屋地区が重要伝統的建造物群保存地区として選定されている。
「山口県の形状はオーストラリアと似ている」と山口県庁の広報広聴課が述べたことがある。
2012年(平成24年)、2014 FIFAサッカーワールドカップに向けたアジア最終予選の「日本代表 対 オーストラリア代表」戦がオーストラリアで開催されることに際して、同課は「山口県とオーストラリアの形って似てるよね!」と述べた上で、「オーストラリアへ(観戦に)行けない人は、山口県でオーストラリア気分を楽しみましょう!」と、県庁のホームページに特集記事を掲載した。
同課はオーストラリア(豪州)の名所を山口県の名所になぞらえ、次のように県内の観光地を紹介した。
豪州の名所 | 豪州内の位置 | 山口県の名所 | 山口県内の位置 |
---|---|---|---|
サンコープ・スタジアム(試合会場の芝グラウンド) | 東部 | 蜂ヶ峯総合公園(芝生の広場がある) | 東部 |
ハーバー・ブリッジ | 東南部 | 錦帯橋 | 東南部 |
ウルル(エアーズロック) | 中央部 | 秋吉台 | 中央部 |
バオバブの木 | 西部 | クスの森 | 西部 |
国鳥のエミュー | エミュー牧場 | 西部の蓋井島 | |
グレートバリアリーフ(世界最大のサンゴ礁) | 東部沖の珊瑚海 | ニホンアワサンゴ群生地 (世界最大級) | 東部沖の周防大島 |
ペニンシュラ温泉 | 南東部のメルボルン | 上関海峡温泉 | 南東部の上関町 |
パッフィンビリー鉄道(国内最古の蒸気機関車) | SLやまぐち号(県の象徴のひとつ) | ||
オペラハウス(近代建築物) | 海沿い | 海響館(近代建築物) | 海沿い |
この記事は3年後の2015年(平成27年)に日本のSNS上で話題になった。『Twitter』などでは本企画を賞賛する声のほか、「山口県は県庁所在地(山口市)の求心力が強くなく、岩国・周南・宇部・下関などの都市が割拠している。その点もオーストラリアに似ている」などの意見もみられた。
また、「山口県よりも四国のほうがオーストラリアと似ている」、「オーストラリア似といえば四国や神奈川県だと思っていた」「福島県のほうが似ている」 といった指摘も寄せられた。さらに、福島県の観光情報メディア『福島TRIP』は、「福島県のほうがオーストラリアに似ているのでは」として同様の観光案内記事を掲載した。
2015年12月、広報広聴課の担当者は朝日新聞社の取材に対し、「当時、サッカーワールドカップ最終予選のオーストラリア戦が話題となっていたので、(中略)山口県の話題化をはかりたいと考えた」「3年前の記事なので、正直驚いている。今後とも、山口県に関心を持っていただけるように、魅力を発信していきたい」などと回答した。
先代 山口藩 岩国県・清末県・豊浦県 | 行政区の変遷 1871年 - | 次代 ----- |
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