概説・歴史
キャラメルの販売自体は森永製菓の前身の森永西洋菓子製造所が1899年 (明治 32年)に創業した頃から行われてきたが、現在の商品名になったのは1913年 (大正 2年)からである。発売当初、高温多湿の日本の気候に合わずキャラメルが溶けてしまうという性質から、森永太一郎 が改良を重ねた。1914年 (大正3年)、携帯用のミルクキャラメルが発売。東京大正博覧会の会場で20粒入り小箱(10銭)が売られ、好評を博した。
初期はブリキ 缶 1斤に1粒5厘のばら売りで販売されていたが、容器代などに経費がかかり、高級菓子となってしまったため、その後、現在まで続く黄色い図案の紙容器となった。大正末期から昭和20年代にかけては帯封 をしていたが、その後廃止された。
1914年に紙サック入りのミルクキャラメルが誕生し、1920年代になると物価の上昇に伴ってミルクキャラメルの値段が相対的に安くなったため、人々が購入するようになった。
1935年 (昭和 10年)から第二次世界大戦 終戦までは帯に「祈武運長久 」の文字が入れられていたり、またブリキ缶による慰問用のミルクキャラメルが発売されたりと、戦時色の濃いものもあった。
12粒入りミルクは森永製菓の全商品中、現在も唯一昔のエンゼルマークを使用している。なお、箱入り商品は箱内部の中舟と呼ばれるキャラメルを乗せている部分の裏側に「懐かしの風景」というコーナーが印刷され、大正・昭和時代の世相や懐かしの遊びを挿絵とともに紹介していた。現在は簡単3Dアート。
包装図案
表側は黄色地に、帯をイメージした紐などの線画が描かれ、黒地枠にエンゼルマークと「森永 」、縦書きに「ミルクキヤラメル 」とあり、両サイドに「滋養豊富 」「風味絶佳 」の筆文字がある。裏側には「森永謹製 」と記されている。また、下部分は「登録商標 第四四九二八三号」と記されている。
基本図案は原則として変更することができない。ただし、アクセントとして特別表示をつけることがある。「大粒」(149g箱・18粒入)の場合は箱左下に大粒 と表示している。2009年 (平成21年)秋頃より、包装上記の「森永ミルクキヤラメル 」のロゴが太字で「森永キヤラメル 」のロゴに変更され、更に誕生100周年を迎えた2013年 夏以降の出荷分より箱12粒入(58g)包装のみ、上記の「森永キヤラメル」のロゴが「森永ミルクキヤラメル SINCE 1913 」のロゴに変更された。
なお、1962年 (昭和37年)から1970年代 中期にかけて、アメリカ人 デザイナー のウォルター・ランドーによる新図案の厚型のものが発売されたことがある。しかし、消費者が選んだのは慣れ親しんだ旧基調図案もので、その後も現在まで後述する「森永塩キャラメル 」を除き、ほぼ旧基調図案で統一されている。
2014年 10月1日 にはグッドデザイン・ロングライフデザイン賞 を受賞している。
森永ミルクキャラメルの日
商品名が「ミルクキヤラメル」から「ミルクキャラメル」に変更された6月10日 は、キャラメルを通じ、懐かしい思い出を語り合う日として、「ミルクキャラメルの日」と制定されている。
種類
(2023年 (令和 5年)3月現在)
主な日本地区 森永ミルクキャラメル 箱12粒入58g 袋入97g 缶入70g 袋入60g 100円ショップ限定 森永ミルクキャラメル大粒 森永あずきキャラメル大粒 森永塩キャラメル 森永ミルクキャラメルピスタチオ味 森永珈琲キャラメル【コメダ珈琲 】 地区限定商品 森永黒糖キャラメル(以前は日本でも発売されていた) 森永抹茶キャラメル 森永紫いもキャラメル ~タロ芋 味~ 過去に発売されていたラインナップ 森永バターキャラメル 森永珈琲(コーヒー)キャラメル 森永トッフィーキャラメル 森永フレンチキャラメル 森永白ごまキャラメル (台湾) 森永黒ごまキャラメル 森永(和)栗キャラメル(秋季限定商品) 森永いちご キャラメル(台湾でパッケージにはリラックマ がプリントされていた) 森永れん乳いちごキャラメル(期間限定商品) 苺のショートケーキ キャラメル(期間限定商品) 森永牛乳プリンx森永キャラメル 森永牛乳プリンのキャラメル 森永珈琲牛乳プリンのキャラメル 森永いちご牛乳プリンのキャラメル 森永生クリームキャラメル 森永ヨーグルトキャラメル 森永きなこキャラメル 杏コラボ! 森永杏仁 キャラメル(後述するミルクキャラメルのCMソングを歌う杏 プロデュースによる完全限定商品) 森永特濃牛乳キャラメル 森永プリンキャラメル(期間限定商品。パッケージにはちびまる子ちゃん がプリントされていた) 森永はちみつキャラメル(期間限定商品) 森永燕麦豆乳キャラメル (台湾) 森永さつまいもキャラメル(セイカ食品 にも同じ名前の商品 が存在する) 森永白いキャラメル ~バニラ味~ 森永黒いキャラメル ~ほろ苦さと深いコク~ 森永ダース キャラメルソート<白ミルク>と<黒ビター> 森永木いちご キャラメル 森永マンゴー キャラメル(2014年6月3日発売) 森永チョコレートキャラメル 森永アーモンドキャラメル 森永とろける塩キャラメル はちみつレモンキャラメル 森永紅茶キャラメル 森永ミルクココアキャラメル 森永ダース <ミルク(チョコレート)>キャラメル 森永甘酒 キャラメル 森永冷やし甘酒キャラメル 森永プレミアムミルクキャラメル(2014年6月3日発売、コンビニ、および駅売店専売商品) 森永和栗キャラメル 森永あまおう苺 キャラメル(1期) 森永ミルクキャラメル ナッツ&フルーツ 森永メロン キャラメル 森永ゴールドクラス 具をあじわうキャラメル(首都圏、および東海、近畿地区限定) 森永抹茶キャラメル(以前は箱12粒入りも発売されていた) 森永南高梅 キャラメル 森永パイナップル キャラメル 森永あずきキャラメル 森永キャラメルMINI〈ミニ〉(ミルク・チョコレート・ストロベリー・メロン) 森永あまおう苺キャラメル(2期) 森永あまおう苺キャラメル(3期) 森永ヨーグルトキャラメル 森永塩キャラメル 大粒(沖縄および日本全国の空港売店限定商品) 森永ミルクキャラメルピスタチオ味 森永ミルクキャラメル大箱 森永あずきキャラメル大箱 ほか
派生、および関連商品 森永ハイソフト - 1969年 (昭和44年)より販売開始。オリジナルの森永ミルクキャラメルよりも風味がやや濃厚なのが特徴。2022年現在のラインアップは発売当初からの箱12粒入(72g)のみ。1990年代末から2000年代初頭にかけて一時的であるが袋入りタイプ(97g)も販売された事がある。 昔の森永ミルクキャラメル - 大正時代の風味を再現した復刻版ミルクキャラメルとして1979年 (昭和54年)より一時期販売。なお帯封は、初期の復刻版では紙で、のちにビニールに印刷されていた。2008年 (平成20年)、「復刻版森永ミルクキャラメル」として袋入97gで再発売された。 森永ファッジ(fudge) 美結晶キャラメル - 2013年6月より販売開始。口の中で溶けるような食感が特徴的な英国 発祥 のキャラメル風砂糖菓子。森永ミルクキャラメル発売100周年記念の一環として開発された。当初はコンビニ、および駅売店専売商品として販売されていたが2013年11月以降よりスーパーなどの小売店でも販売されるようになったが販売不振のため2015年12月を以って販売終了となった。 森永ジャック(Jack) - 2014年5月よりコンビニ、および駅売店専売商品として販売開始。大粒のアーモンドが丸ごと入ったミルクキャラメル風味のクランチキャンディ。アップルシナモンとソルティ(塩)キャラメルの2種類のフレーバーが存在する。 森永の煎餅 キャラメル味 - 2014年6月よりコンビニ、および駅売店専売商品として販売開始。国産米を100%使用した塩せんべいの中に森永が独自開発したキャラメルクリームが入った和風スナック菓子。 森永ミルクキャラメルinボトル 森永ミルクキャラメルプレミアム 森永ミルクキャラメルプリン(森永乳業 と共同開発(発売は乳業)、セブン・イレブン などで販売。1999年) 森永ミルクキャラメルポップコーン 森永ミルクキャラメルモナカ 森永ミルクキャラメルチョコレート 森永ミルクキャラメルクッキー 森永ミルクキャラメルケーキ 森永ミルクキャラメルチョコバー 森永ミルクキャラメルショコラ 森永ミルクキャラメルプチトルテ 森永ミルクキャラメルビスケット、友友球(台湾) 森永ミルクキャラメルx森永ドロップ(台湾) 森永ミルクキャラメルx森永チョコフレーク 森永ミルクキャラメルポテトチップス(山芳製菓 と共同開発、コンビニ限定商品) オリオン森永ミルクキャラメル - 韓国の東洋製菓(現:株式会社オリオン)が森永と技術提携して製造。パッケージは森永のものに準じ、「森永」の文字やエンゼルマークがそのまま使用されていた。 ほか
コラボレーション商品 食品 森永ミルクキャラメルホットケーキ(サークルKサンクス とのコラボレーション 商品) Pasco森永ミルクキャラメルコッペパン(敷島製パン より発売。2008年) Pasco森永ミルクキャラメルケーキ(敷島製パンより発売。2008年) Pasco森永ミルクキャラメル蒸しケーキ(敷島製パンより発売。2008年) 復刻堂 森永ミルクキャラメルミルクセーキ (ダイドードリンコ とのコラボレーション商品。2009年) 森永 ピノ ミルクキャラメル味(発売100周年を記念したコラボレーション商品。2013年6月) マックフルーリー 森永ミルクキャラメル(マクドナルド 。2016年、2017年) 東京百年物語 〜焼きキャラメル〜(シーキューブ、2017年6月7日発売) ファミリーマート スフレプリン(2022年8月) ほか
その他 森永ミルクキャラメル線香 (カメヤマ とのコラボレーション商品。キャラメルの香りがするヒーリング 向け線香) サンライク 森永ミルクキャラメル タオル(サンライクとのコラボレーション商品。パッケージの絵柄のタオル) お菓子なパズル 森永ミルクキャラメル(ハナヤマ とのコラボレーション商品。パッケージの絵柄のパズル) ほか
広告宣伝活動
高度経済成長期に東京・銀座に広告塔として存在したネオン地球儀 (1953年頃)。 発売当初から、新聞 、雑誌 、街頭ポスター などの広告などを展開してきたほか、昭和中期まで、大規模な宣伝活動も展開された。以下はその代表的なもの。
など。
テレビCM ラジオCM コラボレーション 『名探偵コナン 』 - 2017年 (平成29年)の「ミルクキャラメルの日 」記念企画として、同年5月末より期間限定で「森永キャラメル×名探偵コナン 謎解きチャレンジ!キャラメルにかくされた6つの謎」と題し、同作品とコラボレーションしたスペシャルパッケージ(期間限定商品の「森永パイナップルキャラメル」を含む)を発売、キャラメルの箱内に謎解きクイズが掲載された(全6問)。また特設サイト も公開され、Web限定ムービーを見ることもできた(現在は終了)。 キャンペーン
森永キャラメル藝術(昭和初期) エンゼルは男の子?女の子?(1957年)- クイズ実施当時、約438万通もの応募世界記録を樹立した。 パンダのレコードプレゼント(1973年) リトルレンジャー(1975年) キャラメル・ウォーキング(2008年 - 2010年) パクッ!と、HAPPY!(2010年 - 2013年) いいよね、キャラメル。~森永ミルクキャラメル100周年~(2013年) など
その他 上高地 ・河童橋の横にある森永製菓が贈呈した記念碑 新潟県 上越市 立高田図書館内にある「小川未明文学館」の館内展示スペース「童話体験の広場」にて、「からくり飴チョコ箱 」と題した森永ミルクキャラメルの巨大オブジェが展示されている。 長野県 松本市 にある上高地 ・河童橋の横に森永製菓が贈呈した記念碑が設置されている。 和歌山県 西牟婁郡 白浜町 にある南方熊楠記念館 の展示スペースにて森永ミルクキャラメルの化粧箱が展示されている。 注釈 参考文献 関連項目 森永太一郎 懸賞 (相撲) - 大相撲のテレビ中継が日本テレビ で開始された1954年 (昭和29年)より「森永賞」が新設され、ミルクキャラメルが懸賞となっている。中継がNHK に移行したあと現在も継続している。 小川未明 - 児童文学者。森永ミルクキャラメルを題材にした「飴チョコの天使」という童話作品がある。 シュガー&スパイス 風味絶佳 - 2006年 (平成18年)に公開された映画。劇中に森永ミルクキャラメルが登場する。また、山田詠美 による原作小説「風味絶佳」の単行本の黄色い表紙は森永ミルクキャラメルを意識したものである。 外部リンク
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