ゴンチチ(GONTITI)は、ゴンザレス三上(本名・三上雅彦、1953年12月30日 - )とチチ松村(本名・松村正秀、1954年9月6日 - 、共に大阪府出身)の2人から構成されるアコースティック・ギターデュオ。日本人によるポップなギターデュオの元祖で、自らの音楽性について「地球一番快適音楽」を標榜する。
ゴンチチ (GONTITI) | |
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出身地 | 日本 |
ジャンル | フュージョン イージーリスニング ニューエイジ ワールド・ミュージック J-POP |
活動期間 | (結成)1978年 - (デビュー)1983年 - |
レーベル | ポリスター、EPIC/SONY RECORDS、ポニーキャニオン、ソニー・ミュージックダイレクト |
事務所 | 渡辺プロダクション (ノンストップセクション) → ヒップランドミュージック (Sweet Boon Music → sweet boon room) |
公式サイト | ゴンチチ オフィシャルサイト |
メンバー | ゴンザレス三上(リードギター) チチ松村(サイドギター) |
日本人によるポップなギターデュオの元祖である。三上と松村の二人がアコースティック・ギターを演奏するのが基本スタイルとなっている。それに加えて、打ち込みによるデジタルサウンドを組み合わせることも大きな特徴である。自身の音楽性について「地球一番快適音楽」を標榜するように、純粋に非日常的な楽しさのみを追求して作品を制作するため、イージーリスニング的で、エキゾティックな雰囲気を持つインストゥルメンタル楽曲が殆どである。
一般消費者からは万人受けする癒し系音楽を作っているギターデュオと思われがちであるが、実際の作風は少しアート寄りで、一般に良く知られている「放課後の音楽室」に代表される分かりやすいアコースティック作品もあれば、電子音楽的な尖った作品も発表している。
アコースティック・ギターとシンセサイザー打ち込みの組み合わせは、予算が少なかった1983年のデビュー・アルバム『ANOTHER MOOD』の制作で借りたスタジオに偶然置いてあったフェアライトCMI(当時日本に2台しかなかったデジタル・オーディオ・ワークステーション)を、音を豪華にするために松浦雅也の協力を得て試験的に導入した頃から続いている。
ゴンザレス三上がナイロン弦ギター(クラシック・ギター、ガットギター)によるリードギターを担当、チチ松村がスティール・ギター(フォークギター)によるサイドギターを担当する。レコーディングでは生音をマイクで拾うことが多いが、ライブ演奏ではオベーションのエレアコを使用して、ライン音をアンプで大きく増幅した音を使うのが定番になっている。近年ではPAを使用せずコンサート会場の反響のみを利用してギターの生音を聴かせるライブも頻繁に行っている。三上は12弦ギターやエレクトリック・ギター、ソプラノギター、6弦ウクレレ、松村は8弦ウクレレなどをそれぞれ使用。
基本的に三上と松村の二人は椅子に並んで座ってギターを弾く。松村が向かって右、三上が向かって左というのが定位置である。衣装はほとんどがスーツである。演奏中は二人とも足でリズムを取るが、三上はつま先を軸にするのに対して松村は踵を軸にして動かす。このようなスタイリッシュさがビジュアル面での売りになっている。
ナイロン弦ギターは一般的に指弾きをするものだが、三上はピックを使ってダイナミックに弾く。このため、ナイロン弦ギターの一般的印象とは違う、明るくリズム感の強いサウンドを生み出している。対して松村は、スチール弦ギターを指弾きし、独特の心地よいリズムを生み出している。ほとんどの曲がインストゥルメンタルであり、歌詞のある楽曲の場合、歌唱はもともとフォークソングの弾き語りをしていた松村が担当し、三上が歌うことは稀有である。
ライブにおけるバックバンドの編成はその時々で大きく変化する。ドラム、ベース、キーボードといった典型的ロックバンド流の編成の場合もあれば、ストリングスのみを従えることもある。リズムセクションの中心は梯郁夫、越智兄弟らによるパーカッションになることが多い。東京スカパラダイスオーケストラのホーンセクションとの共演も多い。
三上が就職前に喫茶店でギター教室を開き、自宅でギターの多重録音をしていた頃、喫茶店のマスターに、ライブハウスでフォークシンガーをしていた松村のデモテープを聞かされた。喫茶店に出入りしていた共通の友達が、三上を松村の家に連れてきた。そこで二人でギターを弾いたところ非常に相性が良く、意気投合する。その時に弾いた曲が後年アルバム『Black Ant's Life』に収録された「My Favourite Things」だった。三上にギターを習っていたのが後にマネージャーとなる佐脇章太である。
1978年にゴンチチを結成。1983年、アルバム『ANOTHER MOOD』でポリスターからメジャー・デビュー。1984年にEPIC・ソニーに移籍する。
デビュー・アルバム『ANOTHER MOOD』をレコーディングする際、予算が無いという事で、たまたま安く借りられた松下電器のスタジオで、当時、日本に2台しかなかった当時最先端のデジタルシンセサイザー・サンプラーのフェアライトCMIを発見し、ギター以外の演奏に充てた。この偶然によって、時代に先駆けるようにアコースティック・ギターとデジタルサウンドの組合せというゴンチチの大きな特徴が生まれた。この時フェアライトCMIの打ち込みを担当した松浦雅也がその後もゴンチチの数多の曲のアレンジを担当。1992年のアルバム『Gravity Loves Time』までコラボレートは続いた。
『Sunday Market』が1988年にアメリカ発売されて以降、『In the Garden』『Devonian Boys』が続けて発売され人気を博す。海外販売されたアルバムが日本に逆輸入されて販売されるという現象も見られたが、『KIT』以降はアメリカでのリリースはストップする。「担当者が替わったため」だという。
彼らは、ミュージシャンとして暮らせるようになってからも、長らくサラリーマンとしての仕事を持つ「兼業ミュージシャン」だった。三上は電電公社の総務担当として関東と関西を往来、松村は大阪ガス社員を経て、画材店に営業マンとして勤務。2人とも現在は退社して、専業ミュージシャンになったが、三上は1990年代の前半まで、サントリーホールやハワイのワイキキでコンサートを行って評判になっていた頃も、平日は普通に会社勤めをしていたほどである。2人とも、サラリーマンとの兼業時代は「さほど苦痛ではなく、かえってメリハリがつき、音楽活動の際のテンションが上がってよかった」との回想であった。
以前からゴンチチのファンであった竹中直人に依頼され、映画『無能の人』の音楽を担当した際には、日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞した。以来、映画をはじめテレビドラマやアニメ、ドキュメンタリーなどの劇伴を担当することも多い。特に是枝裕和監督作品のサウンドトラックは3作品を数える。
2002年発売のベスト・アルバム『Best of Gontiti WORKS』を最後にエピックからポニーキャニオンに移籍するが(その後2011年頃エピックに復帰)、その後も、『image』シリーズやそのライブである「live image」に参加し「癒し系」としての人気を高め、「Gontiti recommends」シリーズCDをリリース、原田知世、松下奈緒、渡辺美里、菅原洋一らのアルバム制作に参加、その他執筆活動など様々に積極的な活動を続けている。ゴンチチの楽曲である「放課後の音楽室」は、高校の音楽教科書『音楽2』に掲載されている。
1993年公開の映画『ぼのぼの』、と2002年公開の映画『ぼのぼの クモモの木のこと』の音楽を担当した。
2010年、ゴンザレス三上はゴンチチの活動の傍ら、パーカッション奏者の辻コースケとのユニット、Smoked Salmon Railway Machineを結成。アルバム『SEIZA』をリリースした他、年に1、2回程度のライブ活動を行っている。
2016年には、天野こずえ原作のTVアニメあまんちゅ!の劇中音楽を担当。ゴンザレス三上は「ミカミマサヒコ」名義で、ドイツ在住のヴィブラフォン奏者フジタマサヨシとのコラボレーションによるアルバム『Conjecture』を発表。
2018年、ゴンチチ結成から40周年を迎え、40周年オリジナル・アルバム『we are here』をリリース。
2019年、NHKラジオ(第一、及びFM)の番組「武内陶子のごごラジ!」のテーマ曲「Brisa da tarde」(ブリーザ・ダ・タルジ ゴンチチ作曲)を提供。タイトルはポルトガル語で「午後の風」という意味である。
2020年、新型コロナのパンデミックにより、予定されていた生音三昧コンサートやlive imageコンサートが中止となる。それ以降は、NHK-FMの「世界の快適音楽セレクション」、YouTubeの「ゴンチチハウスチャンネル」、Twitterなどが主な活動となっている。
多彩な音楽性からジャンル分けは多岐にわたっており、ジャズ・フュージョン、イージーリスニング、リゾートミュージック、ヒーリング・ミュージック、アコースティック・サウンド、ニューエイジなどに分類されるが、主にワールドミュージックとされることが多い。天気予報などテレビ番組の背景音楽として起用されていることが多い。
NHK-FM放送「世界の快適音楽セレクション」(毎週土曜日午前9時00分~10時57分)のDJを長く担当しており、ジャンルにとらわれないユニークな選曲と巧みな話術を披露している。
また、FM COCOLOにおいて「GO GO GONTITI」(毎週木曜日午後9時~10時)を担当。当初は還暦コンサートの宣伝用として始めた番組だったが、好評のためそのまま継続して放送することになった。
テレビ東京が1992年に放送していた番組『モグラネグラ』で毎週金曜日に司会を担当していた。ゴンチチによるライブ演奏コーナー、彼らが気になるものを紹介するコーナー、「真夜中のギター教室」と題し一般から公募した生徒を交えゴンチチの楽曲「Tiny Lips」の演奏を教えるコーナー、ゴンチチの曲に歌詞をつける企画などで構成されていた。レギュラー出演者、フリーライターの川勝正幸、レゲエ歌手のCHIEKO BEAUTYがいた。
2003年と2005年には『心、とき放つ楽園。ハワイHAWAII』にも出演した。
アメリカで、音楽プロデューサーのナイル・ロジャースが司会を務める番組『New Visions World Beat』にゲストとして出演したことがある。その際、「NDD -Night Dizzy Dance」をライブ演奏した。
松村は、中島らもとコンビを組んでのタレント活動や、独特の執筆活動も行っていた。
錦戸亮は高校1年の時に特別ドラマの主人公でウクレレを演奏することになり、電車で松村まで習いに行っていた。錦戸によれば「レッスンが終わって帰りに必ず梅干しをくれた」という。
三上は、CGやグラフィックデザインの分野で独自の活動を繰り広げており、近年は、ゴンチチのアルバムジャケットのデザインも自ら手掛けている。
タイトル(発売日、規格番号)
アルバムの項目と重複しているものがあります。
ゴンチチが他のアーティストの作品を選曲するコンピレーション・アルバム
ゴンチチも参加しているイージーリスニング音楽のオムニバス・アルバム
タイトル(発売日、規格番号)ゴンチチの参加曲
これらの他、松村、三上それぞれによる著書が数多く出版されている。
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