来歴
1982年1月26日、岐阜県岐阜市に生まれる。高校までは陸上競技に打ち込み、中学時代には岐阜県中学校陸上競技大会の800mで優勝、高校時代には岐阜県高等学校陸上競技大会の800mで準優勝の実績を残した。自己ベスト記録は、50m:6秒10、800m:1分57秒71、1500m:4分09秒60、5000m:15分41秒00。
高校卒業と同時に2000年上京。モデル、バンド活動などを経て、2003年『仮面ライダー555』で俳優デビューし、本作の監督を務めた石田秀範に惚れ込む形で役者としてのキャリアをスタートさせる。右も左もわからないまま、映画のオーディションを受け続けた。翌年、ドイツのPandola Film製作の長編作品『Valley Of Flowers』(2004年)に出演。
音楽プロジェクトmr.a(ミスター・ドット・エー)において作詞・作曲を手がけていたが、役者業に本気で向き合うために2007年1月28日のライブイベントを最後に解散。以降は役者としての活動に専念する。
2007年、長編では初主演の映画『Life』が公開、同作品では音楽監督を兼任した。
2010年、29歳の年にテレビドラマ『Mother』に出演し、その生々しい役から注目を集める。2012年、31歳の年にNHK連続テレビ小説『カーネーション』に出演。2013年、大河ドラマ『八重の桜』に出演。以降は数々の賞を受賞するにいたり、連続ドラマ単独初主演『コウノドリ』(2015年)では産婦人科医役を演じる。
2022年12月31日に女優の佐久間由衣と結婚。翌日2023年1月1日に発表した。
2024年3月30日、佐久間との間に第1子が誕生したことが双方の所属事務所より発表された。
人物
性格
- 一緒に作品作りをした撮影スタッフからは「芸術家を思わせる静かな雰囲気と、謙虚で温和な人柄の両方を持ったユニークな俳優」「多忙を極める俳優とは思えないほど謙虚な姿勢」「監督が死んでくれと言えば死ぬ」という評判。ブレイク前から「尖った役が多かったが、本人は気さくで優しく、役に真摯に向きあう男」と評されている。
- 友人や共演者からは「世間では尖ったイメージが先行しているが、役者を始める前からいつも優しいし、分け隔てしないし、穏やかだし。本当にいい奴」「スイッチが入ったときの瞬発力はすさまじいが、普段は天然っぽくて抜けてる所がある」「ポヤっとした人」「下っ端の見習いスタッフもフォローする紳士的性格」と証言され、松坂桃李いわく「尖ってるように見えて、会ってみると本当に優しいし、こちらの話をよく聞いて理解してくれる」。
- 本人は自分の性格を「臆病」だと認識している。しかし、心理学者からは「勇猛果敢、大胆不敵。」「相当高いレベルで勇敢さがある」「社会的な脳、そういうコミュニケイティブな脳がすごく高い。知性が高い」と分析された。
- 元々はとても人見知りな性格。両親が不在がちな家庭で育つ。幼少期は、誰もいない家で押し入れに籠り、押し入れの中に自分の好きなものや写真を手の届く範囲で集めて一人遊びをしていた。中学生時代からは陸上競技に夢中で、毎夜遅くまで走っていた。高校卒業後は目的なく上京し、20代の頃は非常に孤独だった。現在は人見知りな性格をどうにか改めるよう努力するようになった。
容姿
- 色白、細身、三白眼。無機質でミステリアスな印象を与える独特の鋭い風貌により、一部から「蛇顔」の代表格と言われる。
- 本人はテレビでイケメンとして紹介されることがあるたびに違和感を感じている。
- ずっと他人から「雰囲気あるよね」と言われ続けてきたが、本人はそれを不安がっている。というのも長髪だった頃に何度か職務質問を受け、その後も仕事で元捜査一課刑事と話す機会があった際には「目つきが鋭く挑発的」と断言されてしまった。
- 目が細いため気づいて貰えないが、「一応、奥二重なんですよ」と笑いながら主張している。
- 全体的に色素が薄く、瞳がやや茶色。
役者業
- 自分は作品を支える「裏方の一人」だということが全ての基本姿勢。
- 役柄はトリッキーで陰のある役から爽やかな役、繊細な青年役まで多岐に渡る。共演者からは「憑依型」と指摘されており、「硬軟自在なカメレオン型俳優」と評される。また、表情筋の動きが大きく、作品ごとになるべく表情を変えるように努力している。また、綾野自身は役を演じるときに「自分」は必要ないと考えている。
- 俳優デビューは『仮面ライダー555』の怪人役。石田秀範監督が人生で初めて大人として自身に真剣に向き合ってくれたことに感銘を受け役者を志す。監督は「台詞は酷すぎたが、これからいい役者になる雰囲気はあった」と当時の綾野について語る。打ち上げで石田監督から「駆け出しの今は映画をやり続けなさい」と言われたことから、インディペンデント系の映画に出続けた。
- ポン・ジュノ監督は映画『怒り』を観た際に本作を監督した李相日監督へ「私は特にあの俳優が気になります。妻夫木聡さんの恋人だった男の…私があまり知らない方ですが、あの方自体が『歩く傷』みたいな俳優だなと思いました。あまりにも傷つきやすくて何か言われるとすぐ泣きそうな…とても寂しそうで。どんな俳優ですか?」と質問し、綾野に興味を示した。
- 舘ひろしは映画『ヤクザと家族』において綾野と共演した際に綾野という役者について「愛に飢えたような目をされる役者さんだと感じました。」「一緒にお芝居をしていて、何度も泣かされたという感じです。素晴らしい目をお持ちの俳優さんだと思います。」と評した。
- 29歳の頃にドラマ『Mother』のような濃い影のある生々しい役で評価され始め、また、映画などではサイコな役やトリッキーな役を演じることが多かったため、『カーネーション』の出演が決定された際は「放送事故になってしまうのでは」と心配していた。しかし、髪を切り爽やかな存在感を示したことで作品の注目度を引き上げ最高視聴率を記録したが、出演自体はわずか3週間だった。なお、『Mother』において尾野真千子は、綾野が演じる男と同棲している役として共演しており、尾野の相手役を演じた『カーネーション』はそれ以来の共演となった。また、その後も『最高の離婚』、『ヤクザと家族 The Family』において尾野真千子と共演を果たし、尾野について綾野は「自分にとってターニングポイントとなる作品には必ずいてくれる存在」と述べている。
- 本来は役以外での露出を好まないが、作品のためならばバラエティ番組にも協力的な姿勢で臨み、「僕は芸人さんではないから、面白くはできない。こちらがお邪魔させてもらって、なおかつ宣伝までさせてもらっている」という姿勢でいる。2015年5月16日放送の『めちゃ×2イケてるッ!』の『ガリザップ』では1日7食を食べ3.5キロ増量し、デブエットコーナーで唯一の完食を達成。綾野に挑戦する次の俳優が見つからず、コーナーを半休止状態に追い込んだ。2015年秋『オールスター感謝祭』では、緊張しながらもアーチェリーにて連続でど真ん中を射抜くという勝負強さを見せる。
- 『八重の桜』第21回にて、徳川慶喜が一転して松平容保に江戸からの立ち退きを命じた場面で、御家訓をぼそぼそつぶやいていたのは綾野のアドリブ。『そこのみにて光り輝く』で、達夫が罪を犯した拓児を殴る芝居は綾野のアイディア。『天空の蜂』で、手錠から逃れようとした雑賀が親指を切り落とす芝居は綾野のアイディア。
- 『カーネーション』では三味線を、『コウノドリ』ではピアノを練習し、曲を弾けるようになって現場に来た。
趣味・特技
- 特技は陸上競技。幼少期は秘密基地作りや石を削ることに熱中し、中高に上がってからは陸上競技に打ち込み、岐阜の山奥で朝から晩までずっと走っていた。陸上競技は数字で明確な結果が出るため好きだった。映画『奈緒子』では陸上選手を演じ、走るシーンでは時速25キロから30キロものスピードで長時間の撮影が行われたにもかかわらず、平然とした顔で走っていた。箱根駅伝が大好きで、関東地区の大学に進学して箱根駅伝選手になりたいと考えたこともあり、今でも正月は初詣と駅伝鑑賞をし、テレビの前で号泣する。
- ゲームではサガシリーズ、聖剣伝説シリーズ、ファイナルファンタジーシリーズを愛好する。キャラクターではモルボルが好きで『ファイナルファンタジーVI』のティナに恋をしていた。また、『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』で初の声の出演をした際には「僕のキャパシティが足りないことを実感した現場でした。山寺宏一さんや出演された数々の声優さんなど、声優を本職とされている方々とは根本的に演技の質が違います。技術的な部分も含めて、上手というのを超えて、プロとしての凄みを感じました」「過去にFFをやっていたけれども、最近は離れていた方にFFを意識してもらって、私たちを通してFFのファンが一人でも増えれば」と語った。
- 音楽ではヘヴィメタルやデスメタルが好き。現在はギター演奏は趣味としている。
音楽活動
- 音楽プロジェクトmr.a(ミスター・ドット・エー)において作詞・作曲を手がけ、2005年5月3日、表参道THE ORBIENTで行われた「INFECTION NOID 05-06 AUTUMN & WINTER COLLECTION」では音楽と演出を担当。翌年の同イベントでも引き続き音楽を担当し、モデルとしても出演した。mr.aは2007年1月28日のライブイベントを最後に解散。以降は役者としての活動に専念する。
- 映画『全速力海岸」では主演のかたわら、全ての楽曲の作詞作曲も担当した。
- 映画『Life』でも主演と共に音楽監督を兼任。サウンドトラック及び同CDのジャケットデザイン、自らの衣装も担当。
- バンド『 THE XXXXXX 』を結成(メンバー:山田孝之、内田朝陽)、1stアルバム『THE XXXXXX』をデジタル配信しライブを開催。活動期間は2012年 - 2019年。
その他
- 汗をかくシーンでは通常霧吹きを使用するが、綾野は「ちょっと待ってください、う〜ん」といい自分の意志で汗を出すことができる。
- 子どもの頃の好物は手羽先のコーラ煮。コハダ、イチゴタルト、ヒレカツが好きで、特にヒレカツは毎回番組のアンケートに書くのに話題として取り上げられないことを不満に思っていた。また、パクチー、キムチ、担々麺などの辛いものが苦手。
- 無一文になったことはかろうじてないが、全財産が数百円になったことはある。
- 役作りの中で綾野と同居していた妻夫木聡曰く寝起きが弱いらしく、朝はぼんやりしている。起こそうとすると「うーん、今起きる」と言いながら起きない。
- 岐阜県大垣市綾野5丁目にある「綾野5交差点」が、綾野剛を思わせるとしてSNSで話題となり、大垣の新名所と呼ぶ人も現れた。
- 喫煙者(ヘビースモーカー)であると自認しており、愛好する銘柄は「マルボロ」系。
出演
テレビドラマ
ネットドラマ
映画
単館映画
- Darts till Dawn(2004年) - 主演・哲晴 役
- 太陽(2004年) - 主演・拓郎 役
- DEVELOPER(2005年) - 伊藤 役
- La pluie des prunes(2008年)
- Valley Of Flowers(2008年)
- 198X年の歌(2009年) - 主演
- アンダーウェア・アフェア(2010年、若手映画作家育成プロジェクト) - 浜崎一行 役
声の出演
WEB
- 全速力海岸(2006年) - 主演・乃木 役
- Toi et moi(2006年) - 主演・達也 役
舞台
- 恋の骨折り損? Loves Labours Lost(2004年7月15日 - 19日、東京芸術劇場) - 豊臣秀吉 役
- 河童(2004年7月22日 - 23日、元加賀ホール)
- タクラマカン2005(2005年6月7日 - 12日、中野ザ・ポケット) - ハルキ 役
- サイケデリック・ペイン(2012年8月22日 - 9月24日、サンシャイン劇場 / 森ノ宮ピロティホール) - 魁人 役
- 太陽2068(2014年7月7日 - 8月3日、シアターコクーン) - 主演・奥寺鉄彦 役
PV
CM
- 日本赤十字社 「はたちの献血キャンペーン」(2004年)
- 平安閣〈一宮〉マリエール(2008年10月)
- 日本郵便 「平成22年用 お年玉付き年賀はがき」(2009年12月)
- サントリー
- オールフリー(2012年3月)
- シングルモルトウイスキー白州(2013年12月)
- ユニクロ 「シルキードライ」(2012年4月)
- 東京ガス
- バリューリース(2013年9月)
- ピピッとコンロ(2014年9月)
- ダイハツ工業「タントカスタム」(2013年10月)
- UNITED ARROWS 「UNITED ARROWS green label relaxing」(2013年10月)
- 集英社「BAILA」(2014年3月)
- インテリジェンス「DODA」(2014年7月-)
- アサヒフードアンドヘルスケア「ミンティア」(2015年3月-)
- NTTドコモ(2015年5月-)
- 宝くじ「熊本地震被災地復興支援 ドリームジャンボ宝くじ・ドリームジャンボミニ7000万」(2016年)
- Honda「FIT」(2017年6月 - )
- ユニリーバ・ジャパン「アックス ゴールド シルキーワックス」(2018年3月 - )
- アルコン 「デイリーズ トータルワン」(2018年6月 - )
- 象印マホービン 「圧力IH炊飯ジャー」(2018年6月 - )
- サントリー 「碧Ao」(2019年4月 - 2022年9月)
- LOTTE「カカオの恵み」(2021年4月-2022年4月)
- Hisence「Web CM」(2022年02月28日-)
ラジオ
作品
書籍
写真集
- 月刊MEN 綾野剛(2012年5月、ポニーキャニオン)
- 綾野剛 20092013(2013年1月、幻冬舎)
- 胎響(2013年3月、ワニブックス)
連載
- 牙を抜かれた男達が化粧をする時代(ワニブックス『+act.』内、2009年11月 - )
- 火傷の行方(オークラ出版『ACTORS magazine』内、2011年7月 - )
音楽
CD
- OPTICAL.A
- .OPTICAL TONE(2006年、ミニアルバム)
- ICARUS/feel view(2007年、シングル)
- .Air.A
- Life CINEMA note(2007年、映画『Life』サウンドトラック)
サウンドトラック(参加・楽曲提供)
- bunny boy(2005年)
- 全速力海岸(2006年)
- Life(2007年)
- これから(2007年)
- Granite(2008年)
その他
VJ
- 2004年 「POP JAPAN TV」アジア全域音楽番組
音楽監修・演出
- 2005年 「NO-ID.」 秋冬 東京コレクション
- 2005年 「Vinyl」 秋冬 東京コレクション
- 2006年 「NO-ID.」 秋冬 東京コレクション
- 2006年 「Vinyl」 秋冬 東京コレクション
受賞歴
映画
- 2013年度
- 2014年度
- 2015年度
- 2016年度
- 2017年度
- 2019年度
テレビドラマ
その他
- 2014年度
- 第36回 読者が選ぶ講談社広告賞・ベストキャラクター賞
脚注
外部リンク
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