摩擦音(まさつおん、英語: fricative)とは、調音方法による子音の分類の一種。調音する際、声道内に狭い隙間をつくり、空気がその狭めを通るときに噪音を発する。調音点の隙間がこれよりも狭いと破裂音になり、これよりも広いと接近音になる。
国際音声記号の [h] や [ɦ] は声門摩擦音と呼ばれ、表の上でも摩擦音の欄に置かれているが、実際にはどこにも狭めが作られないため、上記の定義による摩擦音の範疇には属さない。ピーター・ラディフォギッドによると、英語の [h] は前後の音の無声化であり、[ɦ] (ahead・behind などで現れることが多い)は実際には息もれ声である。日本語でも同様で、「ハ」([ha])は [ḁa] と表すこともできる。ラディフォギッドは国際音声記号の表の「その他の記号」に [h] や [ɦ] を移動させるべきだとしている。
摩擦音と接近音の違いは調音点の狭さによるが、実際にはさまざまな狭さがあり、それによって摩擦的噪音の強さにも差が生じる。また、呼気の強さによっても噪音の大きさに差が生じる。服部四郎によると、同じ [v] でも、英語やフランス語にくらべてドイツ語やロシア語は呼気が弱いので、摩擦的噪音も弱い。
国際音声記号ではより狭いことを [˔] で、より広いことを [˕] で表す。たとえばチェコ語の ř は通常の [r] よりも狭くて摩擦音的になっているので、これを [r̝] で表す。
|
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
記号が二つ並んでいるものは、左が無声音、右が有声音。網掛けは調音が不可能と考えられる部分。 丸括弧内はIPA子音表(2005年改訂版)に記載されていないもの。 |
This article uses material from the Wikipedia 日本語 article 摩擦音, which is released under the Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 license ("CC BY-SA 3.0"); additional terms may apply (view authors). コンテンツは、特に記載されていない限り、CC BY-SA 4.0のもとで利用可能です。 Images, videos and audio are available under their respective licenses.
®Wikipedia is a registered trademark of the Wiki Foundation, Inc. Wiki 日本語 (DUHOCTRUNGQUOC.VN) is an independent company and has no affiliation with Wiki Foundation.