破擦音(はさつおん、英語: affricate)とは、破裂音と同様の閉鎖を作るが、閉鎖を開放するときに摩擦音が発生する子音のことである。
破裂音に摩擦を伴わせることは破擦化という。破裂音と摩擦音の調音点は原則として同じ(同器官的)である。但し、両唇唇歯破擦音[p͡f, b͡v] などの例外も存在する。
[t͡s]・[t͡ʃ] のように摩擦音の部分が歯擦音であるものは世界各地の言語で広く見られる。それ以外の破擦音は分布が限られる。
摩擦音部分が側面摩擦音になることもある。例:ナワトル語 [aːˈʃoːloːt͡ɬ](アホロートル)・[ˈnaːwat͡ɬ](ナワトル語)。
国際音声記号では、それぞれの調音部位の破裂音と摩擦音を使い、この二つの字母を併記する。単一の子音であることを示すためには、タイで結ぶ。
かつては破裂音と摩擦音の字を1字にした合字を使うことがあった。合字は現在では廃止されているが、Unicode には今も残されている(ʦ ʣ ʧ ʤ ʨ ʥ)。
音声学の教本ではごく一般的の事であるが、実は「破擦音(affricates)」という名称は、あいまいな表現である。それは、破擦音には「音声学的破擦音(phonetic affricates)」と「音素的破擦音(phonemic affricates)」という相違が存在するからである。
以下、国際音声記号の欄に挙げている破擦音は、すべて「音声学的破擦音」であり、これは文字通り、音声学的に破擦音であること、つまり破裂音と摩擦音の要素を併せ持つことを意味する。
しかし、このうち、
は、「音声学的破擦音」であり、「音素的破擦音」でもある。つまり、[t͡ʃ]と[d͡ʒ]は、単なる破擦音であるだけでなく、英語の音声体系の中では/t/と/ʃ/, /d/と/ʒ/のように分割することができない構成単位であり、英語母語話者には1つの音(音素)であると感じられる、ということを意味する。
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記号が二つ並んでいるものは、左が無声音、右が有声音。網掛けは調音が不可能と考えられる部分。 丸括弧内はIPA子音表(2005年改訂版)に記載されていないもの。 |
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