携帯機器(けいたいきき)とは、携帯して使用可能な機器の総称。モバイル端末やポータブル機器、ノーマディック機器とも言う。
典型的な携帯機器には、携帯して利用可能な通信機器(携帯通信機器・端末)や情報機器(携帯情報機器・端末)が挙げられる。種類に応じて、情報端末、情報家電やデジタル家電の範疇にも属する。
古くは初期の携帯電話に代表される音声通話のための通信機能(アナログないしデジタル)だけであったが、メールやウェブ等のインターネット接続が可能になり、今日の「ポータブルなコンピュータ」(次項)においては、携帯電話ネットワーク(3G、LTE等)に加えてWi-Fi、Bluetooth、NFCなどの通信機能を備え、他のデバイスと接続可能になっている。
「携帯 (ポータブル)」可能なコンピュータの具体例として、ポータブルコンピュータ (狭義)、ラップトップ、ノートパソコン、タブレットPC、ハンドヘルド、タブレット、PDAやスマートフォンなどが挙げられる。これらは携帯情報機器の一分野である。
「携帯 (ポータブル)」の「ポータブル」(英)の由来は、仏語のporter(着用する・できる、持ち運ぶの意)からである。
「携帯 (ポータブル)」の概念には、「ハンドヘルド(手で持てる)」や「ウェアラブル(身体に装着可)」も含まれうる。例として携帯型トランシーバーは、使用の際には手で持ち、使用しないときには身体に装着する事が多い。また、携帯電話端末は、ベルトやポケットに装着したり入れられたりもする。
携帯型トランシーバーは、ハンズフリー利用が可能な物が出て、使用の際にも「ウェアラブル」になった。携帯電話端末も、ハンズフリー用のイヤフォンマイクを用いれば同様である。
「ポータブル」なコンピュータも、携帯型トランシーバーと同様に、使用の際には手で持ち、使用しないときには身体に装着する。もっとも、将来的にはヘッドアップディスプレイ等により使用の際にも「ウェアラブル」になるであろう。
なお参考として、アマチュア無線など無線の分野においては、次のようなクラス分けがある。
また、日本においてはしばしば、携帯電話端末については、単に携帯、ケータイと呼ばれることもある。
上述の「携帯」の概念は人間等を中心とした概念であり、すなわち携帯機器自体には移動機能は包含されず、機器が移動するには人間等(あるいは動物)の力、あるいは人間等が操作しまたは制御する移動機械の力を借りる必要がある。これに対し、携帯機器と移動機械を直結する事により携帯機器が移動機能をも取得し、自律的に移動するコンピュータが完成し得る。このような自律移動コンピューターに使われる、今日的で身近な移動機械の代表例としてはさまざまな移動可能ロボット、ドローン、自動運転車などが挙げられる。
ここでは、携帯機器に分類しうる機器を列挙する。
普及当初は携帯機器ではなかったが、技術の進歩(ダウンサイジング)により、携帯可能な機器が出たものや(例:時計、固定電話→携帯電話端末、メインフレーム→ノートパソコン)、携帯可能である事が通常化したようなものもある(例:ラジオ、電卓)。
ここでは、携帯機器、特に携帯電話の機能要素を列挙する。
携帯通信機器・携帯情報機器の分野は、移動体通信の発展とともに、今日までに大きな発展を見せている。この様相は、いわゆる「ユビキタスコンピューティング」の概念として括られうる。
1990年代は、携帯機器は概ね単機能的なものが多数派であった(例:アナログ携帯電話、ノートPC、通信カードなど)
2000年代以降、機器のダウンサイジングと移動体通信が(現在まで)継続的に発展し続ける。携帯電話がデジタルツールとしての性格(日本的「ケータイ」)を帯び始め、フィーチャーフォン(いわゆるガラパゴス・ケータイ)として集結のピークを迎える。「ケータイ国際フォーラム」という移動体通信関係の展示会 [1]では、既に「携帯電話・PHS、PDA、カーナビゲーション等の移動体通信機器・サービスの総称 」として日本的「ケータイ」の概念が提唱されるなどしていた。携帯機器とその機能要素との融合が加速した。
2010年代以降、スマートフォンへの置き換えが進み、様相を変えてIoT、ビッグデータ、フィンテックなど社会的側面に波及し始めている。
日本では携帯電話が一般に広く普及して以降、「ケータイ」は若者文化としても定着し、「近頃の若者はケータイをいじってばかりだ」と言う有名なステレオタイプ(特に若者でない年長者により)が定着し続けている。一日の余暇の大半をケータイ経由のメールやウェブアクセスに費やす若者も少なくない。
ファッションツール デザインケータイ・着せ替え・表面の加工(レザーテイスト、レリーフ模様など)などは、「携帯電話」から「ケータイ」へと発展していくなかで発生した概念である。
携帯機器は言語学習において非常に重要な役割を果たしており、質の高い証拠とされる統計的文献分析(メタアナリシス)によれば、携帯機器の使用と言語学習の効果には0.55という高い相関関係がある。
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携帯機器(携帯情報機器、携帯通信端末)は、情報処理の高度化・高速化や、移動体通信の通信速度向上によって年々、消費電力と、要求される二次電池の電池容量(Ah、アンペア・時)が継続的に増大している。
その一方で、電源を要する携帯機器にはほぼ必須となる二次電池(蓄電池)の、電池容量の効率向上の程度は、前述の消費電力増大の傾向にさほど追いついてない。二次電池分野での技術革新は、情報処理や移動体通信の技術革新のスピードに比べると幾分緩慢である。
そのため、技術面での実現可能性はありながらも、携帯機器の消費電力上の制約、サイズ上の制約などから、実現された携帯機器では(固定機器に比べ)機能・性能が制限されたり、機能が採用できないと言った制約がある。
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