アマチュア無線(アマチュアむせん:Amateur Radio、Ham Radio、Ham、等)とは、金銭上の利益のためではなく、専ら個人的に無線技術に興味を持ち、正当に許可された者が行う自己訓練、通信及び技術研究のための無線通信業務、である。
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アマチュア無線は、国際法上は無線通信規則に「金銭上の利益のためではなく、専ら個人的に無線技術に興味を持ち、正当に許可された者が行う自己訓練、通信及び技術研究のための無線通信業務」と定められている。
日本においては、電波法施行規則において「金銭上の利益のためでなく、もつぱら個人的な無線技術の興味によつて行う自己訓練、通信及び技術的研究その他総務大臣が別に告示する業務を行う無線通信業務」と定められている(第三条十五)。
個人の趣味で行う無線通信業務であり、無線電信や無線電話であったものが、さらに画像映像通信、月面反射通信、デジタル通信でも運用される。
アマチュア無線局の運用に当たってはアマチュア無線技士の無線従事者免許証が必要であり、無線局の開局には無線局免許状が必要である。
開局するにあたり無線従事者免許証と、その業務を行うに当りアマチュア局の免許状を受ける必要がある。
無線従事者免許証は、アマチュア業務に必要な知識の理解と知識を認める試験に合格した者に与えられる。
アマチュア無線 | |
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英名 | Amateur radio |
実施国 | 世界 |
資格種類 | 国家資格 |
分野 | 無線 |
試験形式 | 筆記試験 |
認定団体 | 郵便・電気・情報通信主管庁 |
後援 | 国際電気通信連合 |
根拠法令 | 国際電気通信連合憲章 国際電気通信連合条約 |
公式サイト | Amateur services page(英語) |
ウィキプロジェクト 資格 ウィキポータル 資格 |
アマチュア無線従事者の免許取得
アマチュア無線技士の区分
このほかに、第三級海上無線通信士以外の無線通信士および陸上無線技術士は、アマチュア無線技士と同等以上とされ、アマチュア業務を行う。
アマチュア局の無線局免許には
の二つがある。
基本的に「JA1A××」のように、(日本に分配された国際呼出符字列の頭2文字)+(地域番号の1数字)+(2または3英字)で構成されている。記念局などの地域番号以降は、この限りでない。
電波法施行令に、アマチュア局の業務に必要な最小の電力で運用する決まりである。他の業務用電力局、送信所などと同じく総務大臣免許があるが、個人(団体)が運用する無線局では、実際、短波以外における大出力が月面反射通信専用設備で許可される。
アマチュア業務を行うことが可能なアマチュア無線従事者以外のものが、ある条件の下でアマチュア局の運用をすることがある。
下位資格から順に次の種類に分かれている。所管は連邦通信委員会 (en:U.S. Federal Communications Commission)。
2000年にノビス級、アドバンスト級は廃止されたが、これらの試験および新規の資格付与を行わないという意味であって、当該資格を既に取得している者には影響は及ばない(日本の旧第二級が「電話級」を経て現在は「第4級」と読み替えられているのと同じ)。
試験はElementと呼ばれる単位に分かれている。従前はテクニシャン級以外はモールス符号の試験が課されたが、2000年にElement 1に簡素化・統合され2007年に廃止された。
試験は下位の資格から受験する事となっている。
のすべてに合格する事が必要である。一日で全てを受験することもできる。
従前はElement 2とElement 1に合格した場合には上位資格に許可される周波数帯域の一部が運用できた。
資格区分を問わず最大1.5kWの空中線電力を扱えるが、状況が合わない場合はコールサインを変えることができる。ただし、コールサインの変更は資格保持者の任意であるコールサインでは判断が困難な場合がある。
かつての日本の免許制度の特徴として、無線電信法の1927年改正で、アマチュア無線局設備及び操作技術者として認められる「私設無線電信無線電話施設 第五号」として認められて以来、無線電信法時代は全ての操作技術者、太平洋戦争及び敗戦後の連合軍占領期の空白期間を経て電波法制定後は、その入門級(第四級、従前は旧第二級または[要出典]電話級)はモールス符号による実技試験がないノーコード・ライセンスだったことが挙げられる。
戦前の国際電気通信条約に付属する無線通信規則(Radio Regulation、以下、RRと略す)では全てのアマチュア局のオペレーターに対しモールス符号による通信技能を求めていたが、初めてノーコードで運用したのは、1947年(昭和22年)のアトランティック・シティ国際無線通信会議である。周波数1,000MHz以上のアマチュアバンドでは各国の電波主務官庁の判断によりモールス技能を免除できると改正され、1949年(昭和24年)1月1日に発効した。しかし電波監理委員会は、1950年(昭和25年)6月1日施行の電波法でノーコード・ライセンスである旧二級アマチュア無線技士の操作範囲を、RRに反して「空中線電力100W以下、周波数50MHz以上、8MHz以下」と定めた。これにより旧二級でも3.5MHzや7MHzの無線電話で交信が楽しめた。なお、日本に追従してオーストラリアもRRに反するノーコード・ライセンスを1954年(昭和29年)6月より導入している。
1958年(昭和33年)11月5日、旧二級を廃止して、ノーコード・ライセンスの電話級を新設した際に、郵政省はRRへの配慮から、その空中線電力が10Wに変更になった。そして電波法改正法の附則第2項により「旧二級資格者は電話級の資格を受けたものとみなす」ことになった。1963年(昭和38年)11月4日までの経過措置として、第二級を受験する際の科目免除や、引き続き空中線電力100W以下の操作が認められている。
再び緩和が決議されたのは1959年(昭和34年)のジュネーヴ世界無線通信主管庁会議(WARC。国際無線通信会議から改称)である。モールス技能を免除できる周波数を1,000MHz以上から144MHz以上に改正し、1961年(昭和36年)5月1日に発効した。しかし郵政省はノーコード・ライセンスである電話級の操作範囲を「空中線電力10W以下、周波数21MHz以上、8MHz以下」と変更し、1961年4月10日より施行した。これにより電話級でも21MHzや28MHzの無線電話で交信できる事となった。
また1970年代に、電話級を取得した者に人気があった50MHzバンドの運用も、「144MHz以上のアマチュア局のオペレーターに限りモールス技能を免除できる」というRRの規定に反していた。この「144MHz以上」の規定は20年間続き、1982年(昭和57年)1月1日より「30MHz以上」へ緩和された。アメリカではRRに準拠した50MHzバンド以上で運用できるノーコード・ライセンスを1991年(平成3年)2月14日より導入した。
そして2003年(平成15年)のジュネーヴ世界無線通信会議(世界無線通信主管庁会議から改称)では、モールス符号による通信をアマチュアに任せるか否かは各国の電波主務管庁の判断に委ねられることになり、2005年(平成17年)1月1日に発効した。日本のノーコード・ライセンスは半世紀を経てRRに準拠した。最終的に第三級からのモールス符号の実技試験は2011年(平成23年)10月1日に廃止された。廃止後は、欧文モールス符号の知識を法規の科目内で出題される様になった。また各国でも次々とノーコード・ライセンスが導入されている。
アマチュア局は、電波を発射する場所を中央政府が制限する(属地主義)ため、原則として当該国のアマチュア局の免許を受けるが一部の国々の間では、相手国のアマチュア資格を自国で受け入れる。そして、自国のライセンスで相手国でも運用ができるように、政府同士が相互運用協定を締結している。
なお、総務省は「相互運用協定」ではなく「アマチュア無線技士の相互承認」と表記している。これは、「対象国が発行したアマチュア局の免許から、日本国内においても、アマチュア局の運用が認める」というものではない。
告示 に定める国と相互運用協定を締結している。
外国の資格による日本での運用は、アマチュア局の開局手続き#資格を、日本の資格による外国での運用は、アマチュア無線技士#外国での運用を参照のこと。
なお、臨時に告示された場合は相互運用協定を締結していない国の資格者でも運用できる。
相互運用協定を締結していない国においても、資格を認めて運用を許可したり、発展途上国の場合は、許可に関する規定が整備されておらず、交渉により許可する場合がある。事前に申請し許可を受ける必要がある。
アマチュア無線で使われる通信方式(電波型式)には以下のようなものがある。
アマチュア無線家によって楽しみ方はさまざまにある。以下は代表的なもの。
科学技術の発展に以外にもアマチュア無線の社会貢献はある。
アマチュア無線の社会的貢献が取り上げられるものとして、災害時や非常時の通信がある。 携帯電話やインターネットが広く普及した今日でも、アマチュア無線の災害時対応については、社会からの期待がある 。特に携帯電話は、電話機同士で直接通信しているわけではなく電話交換局が介在し、使用者が一斉に発信をした場合にはやはり輻輳が起き得る。
日本では以下のような事例がある。
国際的にも、2004年に発生したスマトラ島沖地震を契機に、国際条約の整備を目指した国際会議が発足し、各国関係主管庁への働きかけが進められている。先進的な法整備がなされている米国では、災害時など非常時の通信を主目的とするアマチュア無線による非営利の公共業務 (public service) を従来のアマチュア業務に加え、これを推進するための関連法を整備している。
クラブ局が決められたルールを守り、アマチュア無線の交信を通じて社会参加を図る事もある。
特殊な環境下で観測などの業務を行っている科学者や技術者が、業務時間外の余暇を利用してアマチュア局を運用することがある。かつては過酷な環境下に暮らす運用者の精神衛生を保つ効果もあったが、衛星通信の発達により暮らしに必要となった。アマチュア無線家にとっては機会の少ない場所との通信という希少価値がある。
大きなイベント、特に国際的なイベントの際には記念局が開設される。来訪したアマチュア無線家が運用する事がある。アマチュア無線の交信は最もわかりやすい民間レベルの国際交流であるため、国際的なイベント(万博、オリンピック、FIFAワールドカップなど)には記念局が積極的に開設される。記念局の運用やそことの交信も、アマチュア無線家にとって記念になる。
日本の事例はアマチュア局#特殊なアマチュア局を参照。
国際宇宙ステーションでは、アマチュア無線局ARISS (Amateur Radio on the ISS) が運用されている。母国の免許を持つ宇宙飛行士各員が余暇時間を用いて運用を行う。 通常の通信の他に教育を目的として、あらかじめ特定の学校と日時を決めて通信を行う、スクールコンタクトと呼ばれる運用も行われている。 この際のコールサインはNA1SSとRS0ISSが用いられる。
他にスペースシャトルやミールでも同様の運用実績があり、それぞれSAREX, MIREXと呼んだ。世界で初めて宇宙空間からの運用をしたのは、オーウェン・ギャリオットである
などが知られている
アマチュア無線家のことをハム (HAM) とも呼ぶが、この言葉の由来には諸説あり、
また、「アマチュア無線」そのものもハムと呼ぶことがあるがこれは一般的に誤用とされ、正しくは先述の通り「アマチュア無線家」のことである。英語圏では、アマチュア無線のことは、"amateur radio" または "ham radio" といい、"ham" とだけ言うことではない。"hammy"(ハミー)と呼ぶことはある。
定められた無線用語(Q符号や通話表)の他、当業務に適した用語が用いられ、アマチュア業務において暗語の使用は禁止されている(日本では電波法第58条)。これはアマチュア局の通信の相手方が「全世界不特定のアマチュア局」であることに由来する。他の無線通信業務においても通信の相手方が同様のものについては暗語の使用は禁止されている。
発信者の身元保証や通信内容について規定されており(虚偽の通信の禁止と罰則規定―電波法第106条)、通信内容の正確性が担保されている。なお、無線局運用規則第259条により、非常通信などを除いて、第三者の依頼による通報はできない。
その近隣に電波障害を与えることがある。テレビ(地上デジタル放送化されてからは減少傾向にある)・ラジオ・パソコン・無線LAN、医療機器 あるいは他の救急無線、消防無線の無線装置などに電波の妨害・混信を与える事が問題となる。
自局の発射する電波が他の無線局の運用または放送の受信に支障を与え、または与えるおそれがあるときは、すみやかに当該周波数による電波の発射を中止しなければならない。アマチュア局はそのような事態を避けるため対処をしなければならないとある。
他の無線局と同様、電波、すなわち電磁波が健康に悪影響を及ぼし、あるいは及ぼされている可能性がある。
2013年現在、病理学的に電磁波の生体に与える影響は明確ではない。 どのくらいのレベルの電磁波から規制するかは、国によって差がある。 日本では、アマチュア局を含む無線局は周波数と輻射電力などに応じた防護策を講じること(電波防護指針と呼ぶ。)が電波法施行規則第21条の3 に定められている。
国際非電離放射線防護委員会ガイドラインや電波防護指針を基に磁界強度だけでなく電界強度まで考慮すると、例えば磁界放出型のループアンテナ(周波数14MHz、空中線電力10Wと想定)などは、人体から2m以上の距離を確保しなければならないとされる。
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