大牟田市(おおむたし)は、福岡県の最南端にある市。1917年(大正6年)市制施行。
おおむたし 大牟田市 | |||||
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国 | 日本 | ||||
地方 | 九州地方 | ||||
都道府県 | 福岡県 | ||||
市町村コード | 40202-8 | ||||
法人番号 | 8000020402028 | ||||
面積 | 81.45km2 | ||||
総人口 | 105,195人 [編集] (推計人口、2024年3月1日) | ||||
人口密度 | 1,292人/km2 | ||||
隣接自治体 | みやま市 熊本県:荒尾市、玉名郡南関町 | ||||
市の木 | クヌギ | ||||
市の花 | ヤブツバキ | ||||
市のキャラクター | ジャー坊 | ||||
大牟田市役所 | |||||
市長 | 関好孝 | ||||
所在地 | 〒836-8666 福岡県大牟田市有明町二丁目3番地 北緯33度01分49秒 東経130度26分45秒 / 北緯33.03028度 東経130.44597度 東経130度26分45秒 / 北緯33.03028度 東経130.44597度 | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
ウィキプロジェクト |
九州の中部に位置し、西は有明海に面している。みやま市高田町(旧三池郡高田町)や熊本県荒尾市、玉名郡南関町、同郡長洲町を含む独立した都市圏(大牟田都市圏)を形成している。
保健所政令市(保健所法施行令による指定:三号市)・廃棄物処理法施行令指定都市(名指し指定)の一つでもあったが、保健所は2020年(令和2年)3月31日限りで廃止され、保健所の設置主体や産業廃棄物の許可等の業務についての実施主体が福岡県へと変更された。
かつては三井三池炭鉱の石炭資源を背景とした石炭化学工業で栄え、1959年(昭和34年)には最大人口208,887人を誇ったが、エネルギー革命などにより石炭化学工業は衰退。同炭鉱が1997年(平成9年)3月に閉山してからは、廃棄物固形燃料(RDF)発電施設を中心とした環境リサイクル産業などの新興産業(エコタウン)や、立地条件を生かした大牟田テクノパーク(工業団地)への企業誘致などに力を入れている。
現在の市の公式キャッチフレーズは『やさしさとエネルギーあふれるまち・おおむた』。以前は『九州をつなぐ多機能都市・おおむた』であった。
2007年(平成19年)フォーブス誌「世界の最もきれいな都市トップ25位」に選定された。ちなみに1位はカルガリーで、アジアでは大牟田を含む日本の3都市(勝山9位、神戸25位)が選ばれている。また、2008年に「クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)」が数値化された「クオリティ・オブ・リビング」の分野において、世界218都市中第69位となっている。
毎年7月下旬に行われるおおむた『大蛇山』まつりには、毎年40万人ほどが訪れるという。
2015年(平成27年)7月に三池炭鉱宮原坑・専用鉄道敷跡、三池港が明治日本の産業革命遺産として世界遺産に登録された。
2010年(平成22年)4月1日に過疎地域に指定されたが、2021年(令和3年)3月31日限りで指定解除され、卒業団体となった。
南隣にある荒尾市とは、ともに「三池炭鉱の街」として栄えてきたこともあり、現在でも経済的な繋がりが大変強い。県境を跨いで市街地が連続(連坦)し、一体化した人口集中地区(DID)を形成している。自市以外への市町村別通勤・通学人口では、大牟田市は荒尾市へ、荒尾市は大牟田市へが最も多いほか、自市以外からの市町村別通勤・通学人口においても、大牟田市は荒尾市から、荒尾市は大牟田市からが最も多い。また、荒尾市と共同でゴミ処理を行っていたり、水道局の井戸・配水施設が荒尾市内にあったりするなど、自治体間の関係も深い。このような背景から、越境合併を望む声も少なくない。
大牟田市内には荒尾市の飛地が3箇所存在するが、これはいずれも江戸時代に当時の三池藩が肥後藩から灌漑用水を融通された見返りに土地を提供したものである。
なお、最寄りの高速道路のインターチェンジが玉名郡南関町にあるほか(九州自動車道南関インターチェンジ)、水道水を菊池川などから引いていたり、警察の交通取締りを福岡・熊本の両県警が共同実施していたりするなど、荒尾市以外の熊本県北部との結びつきもある。また熊本日日新聞の販売担当地域にも含まれている。
福岡県の最南端に位置し、南と東を熊本県に接している。福岡市より約65km南、熊本市より約45km北西、佐賀市より約35km南東に位置している。
有明海に面している市西部には干拓地や埋立地が広がっている。なお、有明海を隔てて島原半島と向い合っており、晴れた日には雲仙岳の姿を見ることもできる。一方、市東部は三池山(388m)・上徳(うわとこ)山(258m)・大間(だいま)山(225m)などの小高い山が連なり、また市北部に稲荷山(181m)・甘木山(123m)、さらに市南東部には高取山(131m)といった丘陵地が点在している。
市内を流れる一級河川は存在しないが、二級河川は諏訪川・大牟田川・堂面川・隈川の4本があり、堂面川の支流として白銀川・長溝川・手鎌野間川などがある。
大牟田(1991年 - 2020年)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 20.5 (68.9) | 21.8 (71.2) | 25.0 (77) | 29.6 (85.3) | 32.8 (91) | 35.0 (95) | 37.2 (99) | 37.5 (99.5) | 35.5 (95.9) | 32.7 (90.9) | 27.6 (81.7) | 23.6 (74.5) | 37.5 (99.5) |
平均最高気温 °C (°F) | 10.0 (50) | 11.5 (52.7) | 15.0 (59) | 20.3 (68.5) | 24.9 (76.8) | 27.3 (81.1) | 30.9 (87.6) | 32.4 (90.3) | 29.0 (84.2) | 23.9 (75) | 18.0 (64.4) | 12.3 (54.1) | 21.3 (70.3) |
日平均気温 °C (°F) | 5.6 (42.1) | 6.7 (44.1) | 10.1 (50.2) | 14.9 (58.8) | 19.5 (67.1) | 23.0 (73.4) | 26.8 (80.2) | 27.7 (81.9) | 24.2 (75.6) | 18.7 (65.7) | 12.9 (55.2) | 7.5 (45.5) | 16.5 (61.7) |
平均最低気温 °C (°F) | 1.2 (34.2) | 1.9 (35.4) | 5.1 (41.2) | 9.6 (49.3) | 14.5 (58.1) | 19.3 (66.7) | 23.5 (74.3) | 24.1 (75.4) | 20.2 (68.4) | 13.9 (57) | 8.1 (46.6) | 2.9 (37.2) | 12.0 (53.6) |
最低気温記録 °C (°F) | −7.4 (18.7) | −5.8 (21.6) | −3.8 (25.2) | −0.7 (30.7) | 5.0 (41) | 10.2 (50.4) | 15.1 (59.2) | 16.1 (61) | 9.6 (49.3) | 1.9 (35.4) | −1.3 (29.7) | −4.7 (23.5) | −7.4 (18.7) |
降水量 mm (inch) | 53.0 (2.087) | 73.6 (2.898) | 119.1 (4.689) | 139.1 (5.476) | 168.8 (6.646) | 366.8 (14.441) | 394.6 (15.535) | 212.6 (8.37) | 171.1 (6.736) | 83.3 (3.28) | 85.3 (3.358) | 58.6 (2.307) | 1,925.8 (75.819) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) | 6.9 | 7.9 | 9.9 | 9.7 | 9.2 | 13.4 | 11.9 | 9.5 | 8.8 | 6.0 | 7.7 | 6.9 | 107.9 |
平均月間日照時間 | 140.7 | 149.7 | 174.7 | 188.8 | 199.1 | 132.3 | 188.0 | 217.1 | 185.0 | 191.9 | 156.4 | 143.1 | 2,066.7 |
出典1:Japan Meteorological Agency | |||||||||||||
出典2:気象庁 |
大牟田市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 大牟田市の年齢・男女別人口分布(2005年) |
■紫色 ― 大牟田市 ■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性 |
大牟田市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
「大牟田市の町・字」参照。
現在の市庁舎は二代目で、本館は1936年3月に落成した。戦時中の空襲にも耐え、屋上には高射砲の台座や防空監視哨、中庭には防火用水の水槽が現存する。屋内は逐次改装されているが、大理石製の階段や廊下、マントルピースが竣工時のまま残る。2005年(平成17年)には、「大牟田市役所本庁舎旧館」の名で国の登録有形文化財となった。
本館は築80年以上が経過しており老朽化が著しく、耐震基準を満たしていない上に手狭でバリアフリーに問題があることに加え、市庁舎が分散して立地していること、駐車場が不足していることが市民の不満になっており、大牟田市は市民アンケートを実施し、また整備検討委員会を開催して、2019年2月、現在地で市庁舎を建て替える基本方針案を作成した。しかし、登録有形文化財になった官公庁の建物で、かつ鉄筋コンクリート製の建物が解体された例は稀であることから、市民の間に反対論があり、市議会も市当局の説明不足を指摘して、解体のための関連予算を否決した。さらに、市長が入れ替わったことから2020年2月に再び市民アンケートが行われ、解体と保存の意見が拮抗、 4月の段階で解体の白紙撤回と整備計画を再検討することが明らかとなった。
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
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1 | 巌谷忠順 | 1917年7月3日 | 1921年7月2日 | |
2 | 岩井敬太郎 | 1922年3月23日 | 1926年3月 | |
3 | 1926年4月 | 1929年8月10日 | ||
4 | 奥村長作 | 1929年11月23日 | 1933年11月22日 | |
5 | 前田慎吾 | 1934年5月4日 | 1937年12月4日 | |
6-7 | 田中修 | 1938年1月23日 | 1946年1月22日 | |
8 | 荒木万寿夫 | 1946年1月31日 | 1947年4月2日 | |
9 | 1947年4月7日 | 1947年4月18日 | 衆院選出馬のため辞職 | |
10 | 田中忠蔵 | 1947年6月4日 | 1951年3月29日 | |
11 | 1951年4月26日 | 1955年4月3日 | ||
12 | 細谷治嘉 | 1955年5月2日 | 1959年4月29日 | |
13 | 1959年5月2日 | 1963年4月29日 | ||
14 | 円仏末吉 | 1963年5月2日 | 1967年4月29日 | |
15 | 田中忠蔵 | 1967年4月30日 | 1971年4月29日 | |
16 | 山田亀一 | 1971年4月30日 | 1975年4月29日 | |
17 | 古賀治 | 1975年4月30日 | 1979年4月29日 | |
18-19 | 黒田穣一 | 1979年4月30日 | 1986年12月16日 | 受託収賄の容疑で逮捕されたことにより辞職 |
20-22 | 塩塚公一 | 1987年2月1日 | 1995年11月1日 | 衆院選出馬のため辞職 |
23-24 | 栗原孝 | 1995年12月4日 | 2003年12月2日 | |
25-27 | 古賀道雄 | 2003年12月3日 | 2015年12月2日 | |
28 | 中尾昌弘 | 2015年12月3日 | 2019年12月2日 | |
29 | 関好孝 | 2019年12月3日 | 現職 |
議員名 | 会派名 | 備考 |
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大橋克己 | 民主県政県議団 | 所属党派は無所属 |
永川俊彦 | 自民党県議団 | 所属党派は無所属 |
選挙区 | 議員名 | 党派名 | 当選回数 | 備考 |
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福岡県第7区(大牟田市、柳川市、八女市、筑後市、みやま市、八女郡) | 藤丸敏 | 自由民主党 | 4 | 選挙区 |
大牟田市立の全中学校がユネスコ・スクールとして持続可能な開発のための教育(ESD)に取り組んでいる。
()は開校年
宅峰中学校(平成27年)
宮原中学校(平成29年)
松原中学校(昭和25年)
白光中学校(昭和25年)
歴木中学校(昭和25年)
橘中学校(昭和25年)
甘木中学校(昭和25年)
田隈中学校(昭和35年)
新設された中学校である。
大牟田市立の全小学校がユネスコ・スクールとして持続可能な開発のための教育(ESD)に取り組んでいる。廃校も含め、すべて公立である。
()は開校年
みなと小学校(平成18年)
天領小学校(平成22年)
駛馬小学校(平成30年)
天の原小学校(平成25年)
玉川小学校(昭和22年)
大牟田中央小学校(平成28年)
大正小学校(昭和22年)
明治小学校(昭和25年)
白川小学校(昭和22年)
高取小学校(昭和28年)・三池小学校(昭和22年)・羽山台小学校(昭和59年)・銀水小学校(昭和22年)
上内小学校(昭和22年)・吉野小学校(昭和32年)・倉永小学校(昭和22年)
手鎌小学校(昭和22年)
前身に公立の小学校がなく、新設された学校である。
昭和8年に、九州で最初に自動交換が開始されたところで、記念碑が建てられている。
1990年代前半までは井筒屋大牟田店(2000年閉店)やダイエー大牟田店(1995年閉店)などがあった新栄町や、大牟田松屋(2004年閉店)のあった本町・銀座通りなどが大牟田市の小売業の中心であったが、郊外への大型商業施設進出の影響もあって1990年代中頃から核となる大型店舗の撤退が相次ぎ、シャッター通りと化した。
2001年(平成13年)には市中心部に近い旭町・東新町地区にゆめタウン大牟田、2011年(平成23年)には臨海部の岬町地区にイオンモール大牟田が開業した。
歓楽街である旭町3丁目、栄町1-2丁目、新栄町、住吉町、大正町1-2丁目、築町、中島町、橋口町、浜町、古町、本町1-2丁目、港町並びに有明町1丁目1番地は暴力団排除特別強化地域に指定されている。
新栄町・浜町・本町・大正町・中島町にかけて、大牟田市の飲み屋の7割以上が立地する歓楽街を形成している。特に大正町には数階建ての雑居ビルが多く立地して、週末には多くの客で賑わう。
大牟田市内に本店・支店を置く金融機関
福岡空港から車で71分、佐賀空港から車で65分の位置にある。航空機の発着便数の多さなどから福岡空港を利用する人が多い。
行政の支援を受けたリムジンタクシーが大牟田市内と佐賀空港とを結んでおり、片道3,000円で利用できる(前日の17時までに予約が必要)。
ヘリポートはイオンモール大牟田敷地内と記念グラウンドにある。
鉄道路線により市街地が東西に分断されており、1994年8月時点で踏切による道路遮断時間は最大7時間50分/日におよんでいたことから、市内では道路混雑の解消や救急・防災活動支援、市街地の一体化を図るために鉄道連続立体交差を早期実現しようという動きがあり、「大牟田地区鉄道高架推進協議会」による署名活動などが展開され、当時の市長・塩塚公一への陳情も行われたが、2024年時点でも実現には至っていない。
市の代表駅:大牟田駅
なお、2021年8月1日に大牟田市と福岡空港を結ぶ高速バスが休止されたため、現在は大牟田市内発着の高速バスはない。
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