本作品におけるヒーローキャラクター仮面ライダーとは、人間の絶望から生まれる怪物ファントムと戦う魔法使いである。彼ら自身も絶望の淵に立った経験を持ちながらも、強い意志でファントムを精神の内側に封じ、その力をウィザードリングと呼ばれる指輪によって引き出して、魔法を行使する。
コンセプト
前作『仮面ライダーフォーゼ』がメカニカルなキャラクターであったので、東映のプロデューサー・宇都宮孝明が「次は魔法使いにしましょう」と提唱した。ただし「ハリー・ポッターシリーズ」のようなファンタジーではなく、「都会に生きる魔法使い」がイメージされていた。そのためスタッフは街中で魔法を使うとどうなるか考察し、資料として『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』などの映画を視聴したこともあった。
プレックスの小林大祐は、妻の実家の宝石屋で生活していた体験から、作品のキーアイテムを指輪にすることを提案した。指輪玩具は女児向けという印象が強かったため、この発想には方々から懸念の声が上がったが、小林は「まだ世の中に男の子用の指輪玩具がないだけで、これは世界で初めての男の子が付けてもおかしくない指輪玩具なんです」と説得に回った。
指輪をキーアイテムとすることは決まったが、リング部分にはシルバーかゴールドくらいしか色が使えないので、それぞれの指輪の特徴を出すため宝石部分の形状について検討が重ねられた。アルファベットをモチーフとする案もあったが、順番通りに並ぶ物では前作『フォーゼ』のキーアイテム「アストロスイッチ」と印象がかぶってしまうため、仮面ライダーそのものの顔をモチーフとする方向性となった。そのためライダーのデザインは指輪と同時進行で、顔を宝石やリングで構成するように早くから決まっていた。ただし「赤がルビー」「青はサファイア」のように宝石の種類を前面に出すと女児向け玩具らしくなってしまうので、代わりに「フレイム」「ウォーター」などの元素を当てはめている。
指輪を装着していることから、パンチやチョップなど手首をより先を用いた攻撃は行わず、足技で対応したとしている。
仮面ライダーウィザード
操真晴人が変身する仮面ライダー。ファントムからは「指輪の魔法使い」とも呼ばれる。
日蝕のときに行われた魔法の儀式サバトに巻き込まれた「ゲート」と呼ばれる魔力の高い人たちは、次々と命を落としては精神世界アンダーワールドからファントムを生み出していった。晴人もゲートのひとりだったが、強い意志でファントムのウィザードラゴンを自身のアンダーワールド内に抑えこむことに成功し、一命を取り留めた。そこを白い魔法使いに見出され、ウィザードライバーを与えられて変身能力を得たのである。
基本スタイル
操真晴人が変身ベルト「ウィザードライバー」のバックルにある手形ハンドオーサーを左向きに変え、左手にはめた変身用ウィザードリングをかざし、さらに左手を任意の方向にかざすことで、その方向に魔法陣が出現する。この魔法陣の外輪部には英語の大文字で「魔なる力が宿りし石より出て、現世に大いなる力を顕さん」と書かれており、同様に内輪部には小文字で「指輪に秘めし竜の力を解放せよ」と記されている。魔法陣が晴人の体に重なり、通過することで仮面ライダーウィザードへの変身が完了する。
- プロデューサーの宇都宮孝明は本作品の制作にあたって「回るアクション」を念頭においており、その動きを強調するために「コートを着せてくれ」とデザイナーに要求した。そのため、ウィザードはひざ下まである長いウィザードローブをまとうこととなった。また、回転アクションというコンセプトを突き詰めた結果、ロンダートからバック転してキックを放つエクストリームマーシャルアーツ(XMA)の格闘スタイルが取り入れられた。
- ベーススーツは黒一色のシンプルなもので、直近の仮面ライダーに見られたラインやディテールは排されている。また、魔法使いがまとう法衣という設定なので、意図的にシワが目立つ生地が用いられている。ボディーにおけるスタイル別の変化は少なく、ほぼ胸部の配色や造形の差異に留まっている。宝石指輪をモチーフとしたマスクもまたシンプルに造られており、スタイルごとに変化するのは顔の宝石のほかに両耳「ルーンイヤー」の形状のみである。
- スーツアクターを務めた高岩は、前作『フォーゼ』が恰幅の良い感じで役作りをしていたが、晴人役の白石やXMAのアクションを務めた杉口秀樹が小柄で細身の体形であったことから、彼らのラインに近づけるために2、3か月で7、8キログラム体重を落としたという。また、XMAは杉口が担当するものの、アクションとアクションの繋がる部分を意識して自身もXMAを練習したという。
- スタイル
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- フレイムスタイル
- フレイムウィザードリングを使用して変身する、火のエレメントを宿したウィザードの基本形態。変身時にウィザードライバーから聞こえる呪文の詠唱は「ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!」。
- フェイスガード センターストーンや胸部フレイムラングストーンの色は赤。センターストーンやルーンイヤーは円形(○)をしている。
- 炎や熱を操る能力を備える。身体能力や魔力のバランスが取れた形態であるため、戦いの際は初めにこの姿となり、そこから戦況に応じて他のスタイルに再変身することが多い。
- ウォータースタイル
- ウォーターウィザードリングを使用して変身する水のエレメントを宿した派生形態。変身時の呪文の詠唱は「スイースイースイスイー!」。
- フェイスガード センターストーンや胸部ウォーターラングストーンの色は青。センターストーンやルーンイヤーは菱形(◇)をしている。
- 水や水分を操る能力を備えるほか、通常スタイルの中で最も魔力に優れる。格闘の型は八卦掌。特に多用する魔法は、自身の体を液状化させる「リキッド」で、そのまま敵に絡み付いて関節技につなげる戦法もとる。
- ハリケーンスタイル
- ハリケーンウィザードリングを使用して変身する風のエレメントを宿した派生形態。変身時の呪文の詠唱は「フーフー、フーフーフーフー!」。
- フェイスガード センターストーンや胸部ハリケーンラングストーンの色は緑。センターストーンやルーンイヤーは逆三角形(▽)をしている。
- 風や大気を操る能力を備えるほか、通常スタイルの中でもスピードやジャンプ力に優れる。そのため、ファントムが暴れている現場に駆けつける際は、この姿で現れることが多い。また、足下に風をまとって飛行することで空中戦も可能。格闘の型に古武術のモチーフはないが、縦方向の動きがあることで他のスタイルのアクションと差別化されている。なお、ウィザーソードガン・ソードモードは逆手持ちで使用する。
- ランドスタイル
- ランドウィザードリングを使用して変身する土のエレメントを宿した派生形態。変身時の呪文の詠唱は「ドッドッ…ドドドドン!ドン!ドッドッドン!」。
- フェイスガード センターストーンや胸部グラドラングストーンの色は黄。センターストーンやルーンイヤーは四角形(□)をしている。
- 土や岩、大地を操る能力を備えるほか、通常スタイルの中でも肉体的なパワーと防御力に優れており、強敵相手に身を守りつつ戦う際によく用いられた。格闘の型はドッシリとした地功拳。指輪をはめているため基本的に素手では攻撃しないウィザードだが、ランドスタイルではしばしば掌打や投げ技を使う。特に多用する魔法は、巨大化して高いパワーを活かす「ビッグ」や、土と関係が深い「ドリル」である。
- ツール
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- ウィザードライバー
- ウィザードの変身ベルト。バックル部に黒い手形ハンドオーサーと呼ばれる機関を備え、変身リング使用時は左掌側、魔法リング使用時は右掌側に傾くようにバックル横のシフトレバーを操作し、リングをかざすことでその効果を発揮する。普段はハンドオーサーがバックルとして付いた通常のベルトの状態で晴人の腰に装着されており、この状態でも魔法リングは使用可能。
- 仮面ライダーの変身ベルトのギミックは年々複雑化する傾向にあったため、ウィザードライバーは「指輪をかざす以外何もしない」というコンセプトで造られた。しかし現実には読み取り機能の出力を長時間維持するのが難しかったため、レバーでハンドオーサーの左右を切り替える操作が盛り込まれた。
- 玩具のギミックは、指輪に内蔵されたチップにベルトが反応し、電池なしに指輪が発光するというものである。2年前の『仮面ライダーオーズ/OOO』のころは不可能な技術であり、その後も研究を続けたことで実現できるようになったとバンダイの西澤清人は語っている。また、ハンドオーサーの縁に施されたメッキに関しては「子供が触る部分にメッキしても剥げるだろう」という反対意見も出たが、高級感を出そうという西澤の強い意志によって採用された。なお、シルバー部分のダイヤカットは『ゴールドライタン』の超合金玩具を参考にしている。
- ベルトから発せられる音声はかなり独特なものである。西澤は『仮面ライダーフォーゼ』の「メテオドライバー」の音声を子供が口ずさんでいるのを耳にし、今回も口ずさめるような音、それも魔法使いらしく呪文にしようと考えていた。音声スタッフにスキャットマン・ジョンを引き合いに出して説明したところ、できあがったサンプルは「シャバドゥビタッチヘンシーン!」というもので、プロデューサーの宇都宮から「劇中で使いにくい」と強く反対された。しかし結局は、ウィザードがスタイリッシュなためベルトは少し面白いほうがよい、という方向性でまとまることとなった。また、魔法発動時には「ルパッチマジックタッチゴー」の呪文が発せられるが、この「ルパッチ」は西澤が突然ひらめいたもので、特に意味はないという。なお、音声の主については「企業秘密」ということで非公開になっている。
- ウィザーソードガン
- 全スタイル共通のウィザードの専用武器。銃型のガンモードと剣型のソードモードの2形態をとる。
- 変身前でも使用可能だが、変身後のほうが魔力によって破壊力が強くなる。また、各スタイルの属性の力を付与することで、敵の特性に応じた効果的な攻撃が可能となる。
- 中央に備わった手形の魔力解放装置ハンドオーサーの親指を引いて展開し、変身リングをはめた左手でシェイクハンズ(握手)することによって必殺技を発動する。
- 制作スタッフは「1つの武器を売り続ける」というコンセプトを掲げていたが、東映が「銃と剣を使いたい」と要望したため、2モード変形の武器となった。玩具の人気は高く、当時の仮面ライダーなりきり玩具史上で販売数1位を記録している。
- ガンモード
- 銃形態。ファントムが苦手とする銀の銃弾を発射し、弾倉にあたるバレットスプリングには魔力によって即座に弾丸が補充されるため、弾切れの心配がない。追尾性能をもつ弾丸であるため、敵の位置を確認せずに発射したとしても全弾ヒットするほどの高い命中精度を誇る。また、火薬を使用する通常の銃器と異なり、弾丸の射出も魔力で行うため、反動は極めて少ない。
- 第1話では変身前の操真晴人がミノタウロスに対して使用し、頑強な左角をへし折った。このことから、魔法力を付加しない状態でも高い破壊力を持つことがわかる。
- ソードモード
- 剣形態。魔力を帯びた刀身アストラルレザーはファントムの硬い甲殻をも斬り裂き、内蔵された修復装置トリゴナルストーンによって破損しても瞬時に復元される。
- 必殺技
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- ストライクウィザード
- キックストライクウィザードリングを使用し、魔力を足に集束して放つキック。破壊力は21トン。
- フレイムスタイルでは炎を、ハリケーンスタイルでは竜巻をまとう。またランドスタイルでは、「ドリル」の魔法と併用することで高速回転して大地を掘りぬき、地中に逃げたノームを倒した。
- ストライクエンド
- キックストライクウィザードリングを使用し、ストライクフェーズに変形したウィンガーウィザードラゴンを右足に合体させ、跳び蹴りを叩き込む。
- アンダーワールド内で巨大ファントムに対して用いる。
- シューティングストライク
- ウィザーソードガン・ガンモードから放つスタイルに応じたエレメントの弾丸で敵を撃ち抜く。
- フレイムシューティング
- フレイムウィザードリングを使用して発動する。火炎弾を連射し、敵を燃やし尽くす。
- ウォーターシューティング
- ウォーターウィザードリングを使用して発動する。水のエネルギーを凝縮し、強力な水流を放つ。
- ハリケーンシューティング
- ハリケーンウィザードリングを使用して発動する技だが、劇中未使用。
- ランドシューティング
- ランドウィザードリングを使用して発動する技だが、劇中未使用。
- スラッシュストライク
- 刀身にスタイルに応じたエレメントをまとったウィザーソードガン・ソードモードで敵を一刀両断する。
- フレイムスラッシュ
- フレイムウィザードリングを使用して発動する。刀身に炎をまとい、十字型の火炎刃を放つ。
- ウォータースラッシュ
- ウォーターウィザードリングを使用して発動する。周囲の水分を剣先に集め、水の刃で横一文字に切る。
- ハリケーンスラッシュ
- ハリケーンウィザードリングを使用して発動する。刀身から竜巻を出現させて敵を空中に吹き上げ、風の刃で斬る。
- ランドスラッシュ
- ランドウィザードリングを使用して発動する。刀身に土の属性を付加して攻撃する。
強化スタイル
新たに生成された変身リングを使用して変身する姿。現実世界でウィザードラゴンの力の一部を解放したことで、通常スタイルを上回る戦闘能力を発揮する。
基本スタイルが頭部以外はシンプルなデザインだったため、強化スタイルは派手になっている。マスクにはドラゴンの造形が盛り込まれ、竜のヒゲが仮面ライダーの触角エクスドラゴロッドを形作っている。また、額のシグナルや両耳ブリリアントイヤーに魔宝石が埋め込まれ、強化された印象を強くしている。
胸の造形は複雑化しており、ドラゴンの意匠スカルキュイラスが飾られている。両肩にはパワー制御のための封印石グランマジェスティを配置。そして全身を覆うコートは、黒から鮮やかな色へと変化している。
- スタイル
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- フレイムドラゴン
- ホワイトガルーダを介して白い魔法使いから授けられた赤い魔宝石を加工したフレイムドラゴンウィザードリングを使用して変身する、フレイムスタイルの強化形態。変身時にウィザードライバーから聞こえる呪文の詠唱は「ボー、ボー、ボーボーボー!」。
- 当初はフレイムドラゴンウィザードリングをかざしてもウィザードライバーが反応しなかった。しかし、フェニックスに追い詰められた操真晴人が自身のアンダーワールド内でウィザードラゴンを説き伏せたことで、変身が可能となった。
- 強化スタイルの中でも基本といえる形態で、分身のためドラゴタイマーを起動するのもこの姿で行う。スペシャルウィザードリングを使用すると、ウィザードラゴンの頭部ドラゴスカルが胸部に具現化する。
- ウォータードラゴン
- コヨミがブラックケルベロスに導かれて謎の洞窟で発見した青の魔宝石を加工したウォータードラゴンウィザードリングを使用して変身する、ウォータースタイルの強化形態。変身時の呪文の詠唱は「ジャバジャババシャーン!ザブンザブーン!」。
- 水だけではなく冷気をも操ることができる。スペシャルウィザードリングを使用することで、ウィザードラゴンの尻尾ドラゴテイルが腰部に具現化し、その一撃の威力は海面を割るほどである。よく使う魔法は「ブリザード」で、冷気を放って敵を凍らせたり、火を消し止めたりした。
- ハリケーンドラゴン
- 国家安全局0課の木崎正範から託された緑の魔宝石を加工したハリケーンドラゴンウィザードリングを使用して変身する、ハリケーンスタイルの強化形態。変身時の呪文の詠唱は「ビュービュー!ビュービュービュビュー!!」。
- 風や大気だけではなく、雷を操る能力を備える。また、飛行能力も強化されており、スペシャルウィザードリングを使用することでウィザードラゴンの翼ドラゴウィングが背中に具現化する。戦闘でよく使う魔法は「サンダー」で、強力な稲妻を放ってグールの群れを一掃していた。
- ランドドラゴン
- コヨミがグレムリンの人間態・ソラから渡された黄色の魔宝石を加工したランドドラゴンウィザードリングを使用して変身する、ランドスタイルの強化形態。変身時の呪文の詠唱は「ダンデンドンズドゴーン、ダンデンドゴーン!」。
- ランドスタイルと同様に土や大地のパワーを操る能力を備える。スペシャルウィザードリングを使用することで、両腕にウィザードラゴンの爪ドラゴヘルクローが具現化し、その攻撃はあらゆる物を引き裂く。よく使う魔法は重力を操る「グラビティ」で、ヒドラを地面に押さえつけたり、フェニックスを宙に浮かせたりした。
- オールドラゴン
- フレイムドラゴンを主体として体に魔力を融合させ、各強化スタイルの力を結集させた超強化形態。ドラゴタイマーにより分身を呼び出す「ドラゴンフォーメーション」を行ってから、ドラゴタイマーをウィザードライバーにかざすことで、3体の分身がドラゴンとなってフレイムドラゴンに重なり、変身が完了する。
- ウィザードラゴンの力を限界まで引き出したことにより、各強化スタイルが「スペシャル」の魔法で発動する能力を恒常的に使用できる。鋭い刃と化す翼オールドラゴウィングによる高い空中飛翔能力、強靭な尾オールドラゴテイルによる叩き付け攻撃、両手の爪オールドラゴヘルクローによる切り裂き攻撃、胸のオールドラゴスカルから放つ火炎放射といった豊富な攻撃手段を持つ。
- この姿を見た白い魔法使いは「これで1人目が完成」とつぶやいていた。オールドラゴンは、笛木が想定していた仮面ライダーウィザードの完成形であったと考えられる。
- 撮影用スーツは、フレイムドラゴンにドラゴスカルとドラゴヘルクローのプロップを装着して造られる。オールドラゴウィングとオールドラゴテイルはCGを重ねることで表現している。
- ツール
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- ドラゴタイマー
- 右腕に装着する、晴人の魔力が具現化した魔道具。第21話でベルゼバブに敗北した晴人が、白い魔法使いの作り出した異空間の中で、生身のままウィザードラゴンに立ち向かうという過酷な試練を乗り越えたことで生み出された。
- 回転盤ドラゴダイアルを回してから起動スイッチ サムズエンカウンターを押すことで装置が作動。ドラゴダイアルが紋章盤エレメンタルサインの上を回り始め、ダイアルの針が各エレメントの色に達したところでサムズエンカウンターを押すと、晴人の魔力と4つのドラゴンの指輪が同調し、魔力結晶プリズムドラゴライトによって投影された光が針の位置に応じたエレメントの分身体へと変化する。分身体はそれぞれ同じ意識を有しており、4体同時に行動することができる。
- さらに回転するドラゴダイアルが停止すると「ファイナルタイム!」と発せられ、その状態でウィザードライバーにかざすことで分身を魔力に還元し、「オールドラゴンプリーズ!!」の呪文詠唱とともにオールドラゴンへの変身が可能となる。
- 必殺技
- 基本スタイルと同様にキック技ストライクウィザードや射撃技シューティングストライク、斬撃技スラッシュストライクを使用可能だが、その威力は増大している。
- そのほか、スペシャルウィザードリングを使用することで各スタイルに応じたウィザードラゴンの一部を具現化し、以下に挙げるそれぞれの必殺技を発動する。
- ドラゴンブレス
- フレイムドラゴンの必殺技。浮遊した状態から、胸部に具現化したドラゴスカルから放つ強力な火炎で、敵を焼き尽くす。
- ドラゴンスマッシュ
- ウォータードラゴンの必殺技。腰部に具現化したドラゴテイルを叩き付ける。リザードマン戦ではブリザードで相手を凍らせてから粉砕し、フェニックス戦ではウォータースラッシュからの連携で敵を倒している。
- ドラゴンソニック
- ハリケーンドラゴンの必殺技。背部に具現化したドラゴウィングで高速飛行し、竜巻と電撃を放って敵を倒す。
- ドラゴンリッパー
- ランドドラゴンの必殺技。両腕に具現化したドラゴヘルクローを大きく振り回して、敵を斬り裂く。
- ドラゴンフォーメーション
- ドラゴタイマーで生成した分身体との連携技。各強化スタイルがそれぞれウィザードラゴンの全身の一部を具現化し、それぞれの必殺技で一斉攻撃する。
- ストライクドラゴン
- オールドラゴンの必殺技。足元に発生した巨大な魔法陣からそれぞれのエレメントをまとったウィザードラゴンの幻影が突撃し、最後にオールドラゴンがキックを放つ。不死身のフェニックスを太陽まで吹き飛ばして再起不能とした。
インフィニティースタイル
インフィニティーウィザードリングを使用して変身する、ウィザードの最強形態。アンダーワールドに侵入したレギオンによってウィザードラゴンを倒され、魔法が使えなくなった操真晴人がコヨミを思って流した涙からインフィニティーウィザードリングが生まれ、同時にウィザードラゴンも彼の心の強さによって復活したことで変身が可能となった。変身時にウィザードライバーから聞こえる呪文の詠唱は、それまでの各スタイルの呪文を合わせたような「ヒースイフードー、ボーザバビュードゴーン!!」。
四元素の力を用いた基本スタイルや、ウィザードラゴンの力を借りていた強化スタイルとは異なり、晴人とウィザードラゴン双方の魔力によって変身する形態である。魔力が結晶化したアダマントストーンを装甲としており、非常に高い防御力を誇る。また、全身を覆う銀色のインフィニティーローブは、自らが放出した魔力を取り込んで各部のアダマントストーンに送り込む、一種の永久機関となっている。
- 指輪モチーフのヒーローの最終形態がダイヤモンドとなることは制作スタッフ間での暗黙の了解であり、誰ひとり異論を唱えなかったという。ただしマスクの形状はダイヤモンド自体よりも指輪の石留め、いわゆるティファニーセッティングをモチーフとしているため、宝石面を顔としていた従来のスタイルとは印象が異なる。宝石を押さえる爪の部分は、知覚センサーの役割を果たすアンテナ シャトンロッドとして設定されている。
- 晴人はインフィニティースタイルへの変身に必要な指輪を劇中で2度手放している。1度目は第47話で、インフィニティーウィザードリングは稲森真由を介して一時的に笛木の手に渡っていたが、第50話でコヨミが見つけて晴人に返している。リングはその後の最終話にて、魔宝石の世界の晴人に託されたが、『鎧武&ウィザード』にて武神ウィザードの形見であった物をイエヤスから渡されて再び変身可能になり、『仮面ライダー大戦』と『平成ジェネレーションズ』でも引き続き変身している。
- インフィニティースタイルは後の映画作品で、インフィニティードラゴンやインフィニティードラゴンゴールドへとさらなる強化を遂げることになる。ドラゴンのパーツを付加する案そのものは早い段階で構想されていたものの、テレビシリーズでは実現は難しいとして見送られていた。インフィニティースタイルのデザインにはその名残があり、背面はドラゴンの羽を付けやすい形状となっている。
- ツール
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- アックスカリバー
- ウィザードラゴンの魔力で作られたインフィニティースタイルの専用武器。切れ味を重視したカリバーモードと、破壊力を重視したアックスモードの2形態をとり、中央部の手形ハンドオーサーに触れることで形態ごとの特殊能力を発動する。
- 最終アイテムが剣になった理由は子供たちにとって一番わかりやすい武器だからであり、それに加えてまだウィザードが使ったことのなかった斧の要素が取り入れられた。
- カリバーモード
- 剣形態。切先のカリバーストーンを経て魔力を送り込まれる刀身スケアリータロンは、一振りでファントム数体を切り裂く。
- この形態でのハンドオーサーへのハイタッチは「時の流れに干渉する」という効力を持ち、目にも止まらぬ高速戦法を仕掛けられる。
- アックスモード
- 斧形態。左手で逆に持ち変えることで「ターンオン!」の音声と共に移行し、先端部のアックストーンを中継して魔力を送り込まれる斧頭ブラッディトゥースは、ファントムの頑丈な装甲をも叩き割る。さらに魔力が高まれば、それに応じて破壊力も増す。
- この形態でのハンドオーサーへのハイタッチは、回数に応じた必殺技を発動する。
- 必殺技
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- ストライクウィザード
- キックストライクによって放つ飛び蹴り。白い魔法使いとの決戦で使用した。
- ドラゴンシャイニング
- アックスカリバー・アックスモードのハンドオーサーに触れることで、「ハイタッチ!シャイニングストライク!キラキラ!」の音声と共に発動する。巨大化したアックスカリバーの刃の部分で敵を叩き斬る。
- プラズマドラゴンシャイニング
- アックスカリバー・アックスモードのハンドオーサーに5回触れることで発動する。投擲されたアックスカリバーが、何度も敵に切りかかる。
テレビシリーズ以外の作品に登場する仮面ライダーウィザード
仮面ライダーウィザードのウィザードリング
仮面ライダーウィザードは、魔力を秘めた指輪を腰のベルト「ウィザードライバー」にかざすことで、さまざまな魔法を行使する。これらは主に、骨董店「面影堂」の主人である輪島繁が加工した魔宝石と、金属製のリングから構成されている。ただし、人の手で加工出来ることから、強度は低い。
変身リング
左手の中指にはめて使用する指輪で、ウィザードをさまざまな形態に変身させる。
各リングはウィザードの顔を模した形状をしている。魔宝石部分は可動式のバイザー ビザードネイルによって保護されている。
- フレイムウィザードリング
- フレイムスタイルへの変身に使用する、火の属性を宿した赤い指輪。
- ウォーターウィザードリング
- ウォータースタイルへの変身に使用する、水の属性を宿した青い指輪。
- ハリケーンウィザードリング
- ハリケーンスタイルへの変身に使用する、風の属性を宿した緑色の指輪。
- ランドウィザードリング
- ランドスタイルへの変身に使用する、土の属性を宿した黄色の指輪。
- フレイムドラゴンウィザードリング
- フレイムドラゴンへの変身に使用する、火の竜属性を宿した指輪。
- ホワイトガルーダが運んできた、赤い魔宝石を加工した物。
- ウォータードラゴンウィザードリング
- ウォータードラゴンへの変身に使用する、水の竜属性を宿した指輪。
- ワイズマンの洞窟に置いてあった、青い魔宝石を加工した物。
- ハリケーンドラゴンウィザードリング
- ハリケーンドラゴンへの変身に使用する、風の竜属性を宿した指輪。
- 国家安全局0課の木崎政範から託された、緑色の魔宝石を加工した物。
- ランドドラゴンウィザードリング
- ランドドラゴンへの変身に使用する、土の竜属性を宿した指輪。
- ソラ / グレムリンから渡された、黄色の魔宝石を加工した物。
- インフィニティーウィザードリング
- インフィニティースタイルへの変身に使用する指輪。魔力を失っても希望を捨てなかった操真晴人の涙から生まれた。
- この指輪にはバイザー部分がなく、代わりに襟の意匠が盛り込まれている。
魔法リング
右手の中指にはめて使用する指輪で、さまざまな魔法を発動させる。
魔宝石は主にオレンジ色をしているが、プラモンスター召喚用など例外もある。また、多くにドラゴンの図柄が描かれており、それぞれの魔法の効果を表している。
- ドライバーオンウィザードリング
- ウィザードライバーを本来の姿に変化させる。
- 直近のシリーズ作品では、すでに所持している変身ベルトを腰に装着するという演出が続いていたので、「ベルトを出現させる指輪がほしい」というプロデューサーの宇都宮の意向により設定された。
- コネクトウィザードリング
- 離れた空間同士をつなぎ、物品を取り寄せる。
- キックストライクウィザードリング
- 必殺のキックを繰り出す。
- エンゲージウィザードリング
- 装着者のアンダーワールドへ入れるようになる。複数所持しており、ゲートが絶望に苛まれたとき、その人物のアンダーワールドに生まれたファントムと戦うために用いられた。
- ドラゴライズウィザードリング
- アンダーワールドにてウィザードラゴンを召喚する。
- スモールウィザードリング
- 物体を小型化する魔法で、自身を小さくすることもできる。
- ディフェンドウィザードリング
- 防壁を生成する。
- 壁の形状はウィザードのスタイルに応じて変化し、フレイムスタイルでは炎、ウォータースタイルでは水、ハリケーンスタイルでは風、ランドスタイルでは土や岩の壁となる。
- スリープウィザードリング
- 装着者を眠らせる。他人を眠らせたいときは、その人物の指にはめる必要がある。
- ビッグウィザードリング
- 物体を巨大化させる魔法で、戦闘時には腕や武器などを大きくして攻撃していた。
- ライトウィザードリング
- 魔力を光として放出し、周囲を明るく照らす。
- リキッドウィザードリング
- 装着者の体を液体に変化させる。
- 主にウォータースタイルが使用する。
- バインドウィザードリング
- 大量の鎖で敵を拘束する。
- 鎖の形状はウィザードのスタイルに応じて変化し、フレイムスタイルでは普通の鎖だが、ウォータースタイルでは水、ランドスタイルでは岩の鎖となる。
- コピーウィザードリング
- 物体を複製する魔法で、自身を分身させることも可能。連続使用すれば、さらに数が増す。
- ドリルウィザードリング
- 地面を掘削可能なほどの強力な回転力を与える。ストライクウィザードを回転させて破壊力を増大させることもできる。
- スメルウィザードリング
- 装着者から強烈な悪臭が放出される。
- エクステンドウィザードリング
- 腕や脚などの肉体の一部を伸張させる。手足をムチのように振るって攻撃できるほか、離れたところにいる人を救助する際にも用いられた。
- ドレスアップウィザードリング
- 着ている服を別の服に変化させる。
- エキサイトウィザードリング
- 筋力が増大して筋骨隆々な姿になる。
- メリークリスマスウィザードリング
- クリスマスの日に一度だけ奇跡を起こす。
- サンタクロースと思われる人物から授かった指輪で、フェニックスに燃やされたプレゼントの品を元通りに復元したが、その一度の使用で消滅した。
- スペシャルウィザードリング
- ウィザードラゴンの力を引き出す。
- フレイムドラゴンではドラゴスカル、ウォータードラゴンではドラゴテイル、ハリケーンドラゴンではドラゴウィング、ランドドラゴンではドラゴヘルクローといった感じで、各スタイルに応じた能力が解放される。
- ブリザードウィザードリング
- 強力な冷気を放つ。
- 主にウォータードラゴンが使用する。
- ウォータードラゴンウィザードリングと同様の魔宝石から作られた。
- サンダーウィザードリング
- 稲妻を放つ。
- 主にハリケーンドラゴンが使用する。
- ハリケーンドラゴンウィザードリングと同様の魔宝石から作られた。
- グラビティウィザードリング
- 重力を操る。
- 主にランドドラゴンが使用する。
- ランドドラゴンウィザードリングと同様の魔宝石から作られた。
- フォールウィザードリング
- 床や壁に穴を開け、通り抜けを可能とする。
- プリーズウィザードリング
- コヨミが指にはめている指輪で、ウィザードライバーにかざすことで魔力を分けてもらえる。
- ホープウィザードリング
- 賢者の石が指輪となった物で、コヨミの心を宿している。
- デザイン自体はエンゲージウィザードリングと同様だが、賢者の石の色から赤い。テレビシリーズの後、晴人はこの指輪を安置すべき場所を探して旅に出ていたが、最終的には彼自身のアンダーワールド内にいるコヨミの手に預けられた。
- レジェンドライダーウィザードリング
- 第52・53話の「魔宝石の世界」に登場した、13個の指輪。それぞれが象る平成仮面ライダーを召喚できる。
- アマダムが所持していたが、指輪の力で魔宝石の世界から脱出しようとした少年に盗まれた。指輪を取り返したアマダムはライダーを召喚して晴人に差し向けようとするが、自らの意志に基づいて戦うライダーたちは逆にアマダムと戦った。アマダムを倒して役目を終えたライダーたちが姿を消すと、指輪も消滅した。
- Wウィザードリング
- 左翔太郎とフィリップの幻影から授かった指輪で、アンダーワールドに仮面ライダーWを召喚する。
- アクセルウィザードリング
- 照井竜の幻影から授かった指輪で、アンダーワールドに仮面ライダーアクセルを召喚する。
- オーズウィザードリング
- 火野映司の幻影から授かった指輪で、アンダーワールドに仮面ライダーオーズを召喚する。
- バースウィザードリング
- 後藤慎太郎の幻影から授かった指輪で、アンダーワールドに仮面ライダーバースを召喚する。
- タイムウィザードリング
- 別の時代へと時間移動する。
- フォーゼエンゲージウィザードリング
- 装着者のアンダーワールドへ入れるようになる。
- スペシャルラッシュウィザードリング
- 美少女仮面ポワトリンが最後の魔法で作り出した指輪で、仮面ライダーウィザードをスペシャルラッシュに変身させる。
- ミラクルウィザードリング
- 巨大なウィザードラゴンを現実世界に召喚する。
- スーパー戦隊ウィザードリング
- ウィザードラゴンと、獣電戦隊キョウリュウジャーの巨大ロボ・キョウリュウジンの合体技獣電ブレイブストライクエンドを発動する。
- フラワーウィザードリング
- 「魔法の国」の少年・シイナが作った指輪で、無数の花弁を舞い散らせる。
- フィニッシュストライクウィザードリング
- ウィザードをインフィニティードラゴンまたはインフィニティードラゴンゴールドに変身させる。
- チチンプイプイウィザードリング
- 奈良瞬平が作った指輪で、失敗作と思われていたが、ホープウィザードリングと共鳴することで、もうひとりの晴人を召喚した。
- ダンスウィザードリング
- 振付に合わせて「Life is SHOW TIME」を踊る。ウィザードリングでは珍しく、ドラゴンではなくウィザード自身の姿が描かれている。
- ガルーダウィザードリング
- レッドガルーダを召喚し、その動力となる。
- ユニコーンウィザードリング
- ブルーユニコーンを召喚し、その動力となる。
- クラーケンウィザードリング
- イエロークラーケンを召喚し、その動力となる。
- ゴーレムウィザードリング
- バイオレットゴーレムを召喚し、その動力となる。
仮面ライダーウィザードのビークルと巨大ファントム
諸元 マシンウィンガー |
全高 | |
全長 | 2,195 mm |
全幅 | 815 mm |
重量 | 162 kg |
最高出力 | |
最高速度 | 260 km/h(定地) |
乗員人数 | 2名 |
- マシンウィンガー
- 操真晴人 / 仮面ライダーウィザードの専用オフロードバイク。ベース車種はホンダCRF250L。
- 対ファントム戦での搭乗を想定されており、フロントカウルに収められた魔宝石「シールドコア」の効果で非常に高い耐久力を得ている。また、カウルの左右には浮遊石「マグリットブラスト」が備わっており、車体の姿勢制御を補助することで通常ではありえないような高速旋回を可能とする。4ストローク直列2気筒のガソリンエンジン「WZ-0D」は、専用のチューンナップによって出力が約50パーセント向上している。
- 晴人はマシンウィンガーが必要になると、コネクトウィザードリングを使用してどこでも取り出すことができる。戦闘に活用するだけではなく、コヨミの形見であるホープウィザードリングの置き場所を探す旅にも使っており、彼にとっては単なるバイク以上の存在であるといえる。
諸元 ウィザードラゴン |
全高 | 295 cm |
全長 | 780 cm |
全幅 | 648 cm |
重量 | 213 kg |
最高速度 | 420 km/h |
- ウィザードラゴン
- 晴人のアンダーワールドに生息する、ドラゴン型の巨大ファントム。日蝕のときに行われたサバトによって誕生したが、晴人が絶望を乗り越えたため外界に出ることができず、アンダーワールドに封じ込められている。
- 晴人の魔力の源であり、四大元素のエレメントを持つ強力なファントムである。ゲートのアンダーワールド内で巨大ファントムと戦う際には「ドラゴライズ」の魔法によって召喚される。
- 小ぶりだが力強い翼ドラゴウィングによって高速飛行し、尻尾ドラゴテイルや四肢の爪ドラゴヘルクローで戦う。頭部ドラゴスカルからは火炎を放ち、胸のドラゴンズハートの輝きはファントムに恐怖を抱かせるという。
- 当初は外界に出ることを目論んでおり、晴人を再び絶望させようと働きかけていた。また戦闘中、晴人の指示に従わずに暴れまわり、ゲートのアンダーワールドを傷つけてしまったこともあった。しかし、決して絶望に屈しない晴人に対し、次第に興味を抱き始める。
- レギオンの攻撃を受けて一度消滅するが、晴人の心の強さによって復活。以後は晴人を「面白い奴」と評して信頼し、マシンウィンガーと合体せずとも晴人を背に乗せるなど、協力関係を築いていった。
- バイクと合体するウィザードラゴンだが、プレックスの阿部統が提唱したコンセプトは「メカドラゴンではなく、洋風ドラゴンの有機的な感じ」であり、デザイン担当の國田敬に参考資料として映画『ドラゴンハート』のフィギュアを貸し与えたという。
諸元 ウィンガーウィザードラゴン |
全高 | 2,950 mm |
全長 | 7,820 mm |
全幅 | 9,730 mm |
重量 | 375 kg |
最高速度 | 850 km/h |
- ウィンガーウィザードラゴン
- 左右に展開したマシンウィンガーが、ウィザードラゴンの両翼にセットされることで完成する強化飛行ユニット。この形態になることで、ウィザードはウィザードラゴンを自在に操ることができるようになる。
- マシンウィンガーが合体したことで背中の翼がグレイトフルウィンガーに強化され、浮かび上がった4つの魔法陣ドラゴシンボリクスに魔力を受けることで飛行能力を向上させる。
- ウィザードが巨大ファントムを相手にストライクエンドを放つとき、ウィンガーウィザードラゴンはストライクフェーズという形態に変形する。一旦マシンウィンガーが分離した後、ウィザードラゴンの頭部が頚部に収納され、四肢が回転して背中を向き、胴体と尾部が前方に折れ曲がることで、巨大な竜の足を形作る。その後ろにマシンウィンガーが接続し、ウィザードの右脚に装着されると、全体が燃え上がって巨大ファントムを踏み砕くのである。
仮面ライダービースト
仁藤攻介がビーストドライバーとビーストウィザードリングを使用して変身する仮面ライダー。ビーストドライバーのリングスロットにリングを差し込んで前にひねることで、「セット!オープン!」の音声とともにバックルの扉リベレイションズドアが開放し、魔法陣が出現する。この魔法陣の外輪部には英文の大文字で「全ての精霊に命ずる。我との契約に従い、その大いなるパワーを解放せよ」、内輪部には小文字で「偉大な力、陸、海、空、自然、四界の主席、我が眷属」と記されている。魔法陣が仁藤の体を通過することで変身が完了し、「L・I・O・N ライオーン!!」の声が響く。
ビーストの変身システムは、科学ではなく魔法が繁栄していた過去の時代に造られたものであり、ファントムからは「古()の魔法使い」、白い魔法使いからは「アーキタイプ」と呼ばれている。
大学で考古学を専攻していた仁藤は、古代遺跡でビーストドライバーを発掘した際、グールの群れに襲われた。ドライバーに宿ったビーストキマイラの「指輪を使え」というささやきに従った仁藤は、仮面ライダーへの変身能力と引き換えに、倒したファントムの魔力を喰らってビーストキマイラに与えるという契約を交わすことになった。この義務を怠れば、仁藤自身が命を落とすのである。
ビーストは全身を黒い魔法衣ワイルドローブで覆い、腕あてフロントフレットやすねあてリアフレットなど、随所に金色の装甲をまとっている。左肩にあるライオンの頭部は、ビーストキマイラの力が具現化した部位キマイラトーテムである。金色のマスク プレデトリーフードはライオンのたてがみを記号的にかたどっており、複眼シートラッカーは緑色をしている。
- 2号ライダーにもウィザード同様に複数の魔法を使わせるためと、マントを装備させたいというコンセプトのもと、魔法の発動によってマントチェンジをするという設定となった。
- ビーストのスーツアクターを務める渡辺は、ウィザードとの差別化として、拳法や空手をモチーフにするのではなく、スマートではない野性的な動きで、基本的に低い構えを意識しているという。
- マント
- マント装着の魔法リングを使用して右肩に装着する、4種の動物の力を宿したマント。動物の頭部を模した肩装甲から布が下がった外見をしている。
- ファルコマント
- ファルコウィザードリングを使用して装備される、ハヤブサの力を宿したマント。色はオレンジ。装着時の呪文の詠唱は「ファッ♪ ファッ♪ ファッ♪ ファルコ!!」。
- ビーストに飛行能力を与えるほか、強烈な風を起こす魔法を使える。
- カメレオマント
- カメレオウィザードリングを使用して装備されるカメレオンの力を宿したマント。色は黄緑。装着時の呪文の詠唱は「カカッ♪ カッ♪ カッ♪ カメレオ!!」。
- 身軽に動けるようになり、短時間だけ周囲の景色と同化して姿を隠すことができる。また、カメレオンの舌に当たる部分を鞭のように変化させて攻撃することも可能。
- ドルフィマント
- ドルフィウィザードリングを使用して装備されるイルカの力を宿したマント。色は紺。装着時の呪文の詠唱は「ドッ♪ ドッ♪ ドッ♪ ドッ♪ ドルフィ!!」。
- 解毒などの治癒魔法を使用できる。
- バッファマント
- バッファウィザードリングを使用して装備されるバッファローの力を宿したマント。色は赤茶。装着時の呪文の詠唱は「バッ♪ バッ♪ バババ♪ バッファ!!」。
- 肉体的なパワーを高め、強力な突進攻撃を繰り出せる。
- ツール
-
- ビーストドライバー
- ビーストの変身ベルト。変身者である仁藤が古代の遺跡を調査中に発掘した。その中には古の魔法使いによってビーストキマイラが封印されている。
- バックル左側のリングスロットにビーストリングをセットし、前にひねることで中央のリベレイションズドアが開放し、ビーストキマイラの力が解き放たれる。
- モチーフはチャンピオンベルト。銀色のウィザードライバーと対比させるため、金色のメッキが施されている。また、指輪をひねるギミックも、ウィザードと違う使い方を考えた結果である。変身音の初期案は「H・E・N・S・H・I・N!」だったが、長すぎて子供が覚えきれないため、4文字の「L・I・O・N」となった。
- ダイスサーベル
- ビーストが使用する魔法剣。細身の刀身ハイオイドフェンサーで敵を切り裂くほか、切先パストラルフルールから魔力弾を放つこともできる。
- サーベルの鍔にはコアクリスタル製の目を埋め込んだサイコロ、ビーストダイスが備わっており、リングスロットに各種ウィザードリングを装填することで回転し、出目に応じて魔力を倍増させる効果がある。ただし、運要素が強く、いかなる魔法使いもダイスの目に干渉することはできないため、いざというときに小さい目が出て危機を招くこともあった。
- 必殺技
-
- ストライクビースト
- ベルトのスロットにビーストウィザードリングを再度差し込むことで発動する。前蹴りして打ち上げた敵をジャンプで追い越し、空中に浮かんだ魔法陣を潜り抜けると共にキマイラの頭部を模したエネルギーをまとい、跳び蹴りを叩き込む。
- ストライクエンド
- 劇場版『in Magic Land』にて、魔法の国のビーストが使用。
- ビーストキマイラをストライクフェーズに変形させて足に装着し、巨大ファントムを踏み砕く。
- セイバーストライク
- ダイスサーベルから魔力弾を放って攻撃する。1から6までのダイスの出目に応じて威力が変化し、数値が大きいほど強い攻撃となる。出目が6のときは技名が「セイバーストライクヘキサ」となる。
- 魔力弾の形状は装着したマントに応じて変化する。
- セイバーファルコ
- ファルコウィザードリングをダイスサーベルにセットして発動する。ハヤブサ型の魔力弾が敵の周囲を飛び回りながら攻撃する。
- セイバーカメレオ
- カメレオウィザードリングをダイスサーベルにセットして発動する。カメレオン型の魔力弾が一斉に飛び掛かって攻撃する。
- セイバーバッファ
- バッファウィザードリングをダイスサーベルにセットして発動する。バッファロー型の魔力弾が一斉に突撃して攻撃する。
- セイバードルフィ
- ドルフィウィザードリングをダイスサーベルにセットして発動する。イルカ型の魔力弾が敵の周囲を飛び回りながら攻撃する。
仮面ライダービーストハイパー
ハイパーウィザードリングを使用して強化変身するビーストの最強形態。リングをビーストドライバーにセットすると、エネルギー体となったビーストキマイラが現れ、背後からビーストを包みことで装甲が装着されて強化変身が完了する。このときビーストドライバーからは、「ハイパー!ゴー!ハイッハイッハイッ、ハイパー!!」の声が響く。
全身が青い魔法衣ハイペリオンローブで覆われ、胸部装甲はビーストキマイラの頭部に似た形状のキマイラングシェルに変化している。複眼シーサーチャーの色は赤。額には知覚を司るアンテナロッドキマイラウィスカーが備わっている。
ビーストキマイラの力の一部を現実世界で解放したことで、戦闘能力が格段に上昇している。専用武器のミラージュマグナムで遠距離戦をこなすほか、自在に伸縮する両手の紐フリンジスリンガーを鞭のように振るうことで接近戦でも活躍する。
- 強化形態のカラーリングに青が採用された理由は、マントチェンジになかった色だからである。また、本作品の仮面ライダーに必須の特徴である「ひるがえる部分」として、マント以外の案に出ていたフリンジを採用している。
- ツール
-
- ミラージュマグナム
- ビーストハイパー専用の魔銃。紀元前5世紀から4世紀ごろに造られたと考えられており、アフリカのニオール文明の古代遺跡で、ハイパーウィザードリングともども石に包まれた状態で眠っていた。発掘したのは、朝比奈考古学研究所の中本治である。中本はソラ / グレムリンにそそのかされ、仁藤からビーストドライバーと指輪を奪うなどしていたが、その後改心してマグナムを仁藤に託した。そしてビーストがビーストハイパーに強化変身するとともに、マグナムの本体が石の中から現れたのだった。
- ミラージュマグナムの銃身の上部には、魔法の鏡ミラージュスペクターが備わっており、魔力の高まりに応じてビーストキマイラを具現化させる。また、後部のリングスロットにハイパーウィザードリングを接続することで大量の魔力を送り込み、必殺の一撃を放てるようになる。
- ミラージュスペクターは、それまでにない魔法らしいギミックを求めた結果、ドレッサーの中に顔が浮かぶバンダイの女児向け玩具を参考にしている。
- 必殺技
-
- シューティングミラージュ
- ハイパーウィザードリングを変形させて口部分を展開し、ミラージュマグナムのリングスロットに装填することで、魔力が集束されたマグナムからビーストキマイラの姿を模した強力な魔力弾を放つ。
- ハイパーセイバーストライク
- ハイパーウィザードリングをダイスサーベルにセットして発動する。ハヤブサ・イルカ・バッファロー・カメレオンの形状をした魔力弾が出た目の数だけ出現し、一斉に敵に突撃する。
テレビシリーズ以外の作品に登場する仮面ライダービースト
- ウィザードスタイル
- 『てれびくん超バトルDVD 仮面ライダーウィザード/ダンスリングでショータイム!!』に登場。
- ビーストがランドドラゴンウィザードリングを使用して変身した形態。通常形態をベースとして、腰にランドドラゴンのローブの一部、両手にドラゴヘルクローを装備している。
- 本来はビーストドライバーで仮面ライダーウィザード用のリングを読み込むことはできないため、超バトルDVDだけのイレギュラーな存在である。
仮面ライダービーストのウィザードリング
仮面ライダービーストは、変身や特殊能力の発動に際して指輪を使用する。ビーストドライバーのリングスロットに装填することで、指輪に込められた魔力が解放され、それぞれの魔法を行使できるのである。
ビーストの指輪は、魔法が繁栄していた古代に作られたものであり、製作者などの詳細は不明となっている。ハイパーウィザードリングを除き、いずれの指輪も仁藤攻介がビーストドライバーとともに遺跡で発掘した物である。
一部の指輪は仮面ライダーウィザードも使用可能だが、ビースト使用時とは別の魔法が発動する。しかし、逆にウィザードの指輪をビーストが使用することは、リングスロットと形状が合わないことから出来ない。
- ウィザードの指輪が丸いのに対し、ビースト用の指輪は縁が四角い。玩具はピンによってドライバーに認識させるギミックのため、それぞれ若干形状が異なっているが、撮影用プロップは基本的に同一のディテールである。
- ビーストウィザードリング
- 仁藤攻介が仮面ライダービーストへと変身する際に使用する。他の能力発動用指輪は右手の中指にはめるのに対し、変身用のこの指輪のみ左手の中指にはめる。
- 変身後には必殺技ストライクビーストの発動に用いる。
- ドライバーオンウィザードリング
- 仁藤が待機状態のビーストドライバーを起動し、変身に備える際に使用する。
- エンゲージウィザードリング
- リングをはめたゲートの精神世界アンダーワールドに入ることができる。
- キマイライズウィザードリング
- アンダーワールド内でビーストキマイラを召喚する。
- ファルコウィザードリング
- ファルコマントを装着し、飛行能力を得る。
- ウィザードが使用すると、体が無数の赤い羽根に変化して敵の攻撃を無力化することができる。
- バッファウィザードリング
- バッファマントを装着し、肉体が強靭となる。
- カメレオウィザードリング
- カメレオマントを装着し、透明化能力を得る。
- ドルフィウィザードリング
- ドルフィマントを装着し、治癒能力を得る。
- ウィザードが使用すると、地面を水面のように泳ぎ回ることができる。
- ハイパーウィザードリング
- ビーストハイパーへの強化変身に際して使用する。中本治がミラージュマグナムとともにアフリカで発掘した。
- 指輪に刻まれたライオンが口を開くように変形させて、必殺技シューティングミラージュを発動する際にも用いる。
- グリフォンウィザードリング
- グリーングリフォンを召喚し、そのボディに装填して動力源とする。
仮面ライダービーストの巨大ファントム
諸元 ビーストキマイラ |
全高 | 190 cm |
全長 | 360 cm |
全幅 | 710 cm |
重量 | 115 kg |
最高速度 | - 480 km/h(走行)
- 390 km/h(飛行)
|
- ビーストキマイラ
- 古の魔法使いがビーストドライバーの中に封印していた巨大ファントム。封印を解いた仁藤攻介と契約を交わし、仮面ライダービーストの力を授けるかわりに、倒したファントムの魔力を得るという関係となった。劇中に登場する他のファントムとは異なり、ゲートを絶望させようと働きかけることはない。これはビーストキマイラがワイズマンのサバトで誕生したわけではなく、古くから存在するファントムであるためと思われる。
- ライオンの体をベースとして、全身に5つの頭部がある。右肩には飛行能力を司るハヤブサのファルコショルダー、左肩には治癒能力を司るイルカのドルフィショルダー、胸部に肉体の強靭さを司るバッファローのバッファスターナム、尻尾に敏捷さを司るカメレオンのカメレオペルヴィスが配置している。会話を行うのは、中央のライオンの頭部ライオスカルのみ。
- 戦闘に際しては鋭い爪ライオネイルを振るったり、5つの頭部の口から光線を放って攻撃するほか、ライオスカルがファントムを丸呑みするバイティングエンドを必殺技とする。
- 当初、仁藤のことは単に魔力を得る手段として見ていたようだが、行動を共にするうちに気に入ってきたらしく、ミラージュマグナム獲得時などは仁藤の身を案じる発言もしていた。テレビシリーズ終盤で、白い魔法使いが再び開こうとするサバトを阻止するために仁藤がビーストドライバーを破壊したことで、現実世界に解放されてその場の魔力を食い尽くし、仁藤との契約を解消していずこかへ飛び去った。
- その後、自らを研究しようとする仁藤に捕獲され、再び契約を交わすこととなった。以降は仁藤が異世界で見つけてきたヘルヘイムの実を食事としているらしい。
- 劇場版『in Magic Land』でのアンダーワールドの戦闘で、ビーストがストライクエンドを発動した際には、ストライクフェーズに変形した。ただし、魔法の国のビーストはドライバーを自作するなど独自の特徴があるため、設定が異なるテレビシリーズのビーストキマイラもストライクフェーズになれるのかは不明である。
白い魔法使い(仮面ライダーワイズマン)
笛木奏が白い魔法使いドライバーとチェンジウィザードリングを使用して変身した姿。笛木がドライバーに指輪をかざすと「チェンジ、ナ〜ウ」という音声が響き、魔法陣が出現する。この魔法陣の外輪部には欧文の大文字で「混沌の執行者よ、容(かたち)無き者の力を捧げよ、我こそは古(いにしえ)の契約を顕在するものなり」、内輪部には小文字で「万物を司る力よ、私の意志と共にあれ」と記されている。魔法陣が笛木の体を通過することで、変身が完了する。
人間が魔法使いとなるには、自身の精神世界アンダーワールドにファントムを宿す必要がある。物理学者の笛木は、科学技術を用いて人工的にファントム カーバンクルを創造し、体内に取り込むことで魔法使いの資格を得た。同時にカーバンクルへの変貌も可能となり、2つの姿を使い分けて仮面ライダーウィザードとファントムの戦いを陰から操った。
全身を白い魔法衣ブライトローブで覆い、同様に白いマントエレメンタルケープを羽織っている。頭部にはリフレクションフードをかぶり、胸には多数の指輪をはめ込んだ鎖状の魔装具ラングチェインを掛けている。
「エクスプロージョン」をはじめとする高度な魔法を使用するほか、格闘術にも長けている。その戦闘能力はウィザード インフィニティースタイルとほぼ互角である。
- デザイン段階での仮称は「0号ライダー」だった。その後、名前は「白の魔法使い」に決まりかけたが、先行して制作されていたスーパー戦隊シリーズ『魔法戦隊マジレンジャー』に登場したマジマザーの分類名と被ってしまう都合上、「白い魔法使い」になったという。テレビシリーズ放映終了後、「仮面ライダーワイズマン」という名称が公式に設定された。
- 最終的には物語の黒幕となった白い魔法使いだが、企画段階では早々に舞台から消えるといわれており、商品化の予定もないキャラクターだった。
- ツール
-
- 白い魔法使いドライバー(ワイズマンドライバー)
- 白い魔法使いの変身ベルト。外見や機能はウィザードライバーと同一だが、バックル中央の手形は赤い縁取りに爪の意匠が見られる。
- 『仮面ライダー555』以来の変身ベルト玩具総売り上げ100万本を目指したバンダイの西澤清人によって商品化された。プレックスの小林大祐は「誰が欲しがるんだ?」と反対したが、実際の売り上げは良好だった。ただし目標のベルト100万本は惜しいところで達成できなかった。
- ハーメルケイン
- 白い魔法使いの主武装である、横笛型の剣。接近戦で振るうほか、笛として奏でることで相手の魔法を無効化できる。
- サバトを起こすことやコヨミから賢者の石を取り出すことの出来る唯一の道具であり、最終的にグレムリンに奪われた。
- 必殺技
-
- キックストライク
- キックストライクウィザードリングを使用して発動する。足元に発生した魔法陣から金色の魔力を右足に集中して跳び上がり、急降下しながら跳び蹴りを叩き込む。
- その他の登場作品
-
- ネットムービー『仮面ライダーゴースト 伝説!ライダーの魂!』
- 第5章の「オーズ編」にて、謎の少年フレイにより恐竜グリードと共に召喚され、天空寺タケル / 仮面ライダーゴーストの前に立ち塞がる。同作品では様々な魔法の他、テレビシリーズでは見せなかったパンチによる連続攻撃も披露している。
白い魔法使いのウィザードリング
白い魔法使いが使用するウィザードリングは、形状がウィザードの物と類似しており、中には同じ外観の物もある。これは、両者の指輪を手がけたのが輪島繁だからである。
玩具では、同じ指輪を使用してもウィザードライバーと白い魔法使いドライバーとで発せられる音声が異なる仕様となっている。
- チェンジウィザードリング
- 笛木奏が白い魔法使いに変身する際に用いる。他の魔法発動用の指輪は右手の中指にはめるのに対し、変身用のこの指輪のみ左手の中指にはめる。
- ウィザードの変身リングとはバイザーや頭部の形状が異なるほか、魔宝石が粗削りになっている。
- ドライバーオンウィザードリング
- 白い魔法使いドライバーを起動して、変身に備える際に用いる。
- ウィザードの指輪と同型だが、手形の縁取りが赤い。
- エクスプロージョンウィザードリング
- 亜空間に圧縮した魔力を一気に解き放つことで、爆発を発生させる。
- テレポートウィザードリング
- 空間を操作して作り出したワープホールで異なる場所へ転移する。
- エクリプスウィザードリング
- サバトの儀式に必要な日蝕を発生させる。笛木が輪島に無理強いして作らせた物。
- 白い魔法使いにしか使えず、ウィザードライバーでは発動できない。
- コネクトウィザードリング
- 離れた空間同士をつなげ、物品を取り寄せる。
- ウィザードの指輪と同型。
- キックストライクウィザードリング
- 必殺のキックを放つ。
- ウィザードの指輪と同型。
- デュープウィザードリング
- 物体を複製する魔法で、自らを分身させることも可能。
- ウィザードのコピーと同型。
- チェインウィザードリング
- 対象を鎖で縛り上げる。
- ウィザードのバインドと同型。
- グラビティウィザードリング
- 重力を操る。
- ウィザードの指輪と同型。
- スペシャルウィザードリング
- 特殊な攻撃魔法を発動する。
- ウィザードの指輪と同型。
- サンダーウィザードリング
- 稲妻を放って攻撃する。
- ウィザードの指輪と同型。
- ケルベロスウィザードリング
- ブラックケルベロスを召喚し、そのボディに装填することで動力源となる。
- ガルーダウィザードリング
- ホワイトガルーダを召喚し、そのボディに装填することで動力源となる。
- ウィザードの指輪と同型だが、魔宝石の色が異なる。
- 撮影用プロップは存在せず、ウィザードの指輪をカラー処理して表現された。
テレビシリーズ以外の作品に登場する白い魔法使い
仮面ライダーメイジ
稲森真由・飯島譲・山本昌宏が変身ベルトとメイジウィザードリングを使用して変身する仮面ライダー。ベルトに指輪をかざすと魔法陣が出現し、各自の体と重なることで「チェンジ、ナ〜ウ」の音声とともに変身が完了する。
真由は、双子の姉の美紗をゲートとして誕生したメデューサに立ち向かうため、内なるファントムを抑え込んで白い魔法使いからドライバーとウィザードリングを与えられた。譲と山本もそれぞれ自分のファントムを抑え込んだものの、白い魔法使いに精神を操られてサバトの儀式を実行するために働かされた。白い魔法使いの野望が潰えた後は、3人とも自らの意志で人々を守るために戦うようになった。
マスクアプレンティスフードは魔宝石の原石状である。肩の装甲シールドスケイルからは魔力を蓄えるための角状のクリスタルが伸びており、左手は大きな鉤爪スクラッチネイルとなっている。腰から垂れた尻尾ドッジテイルには背後の敵を捕捉する機能があるほか、スペシャルの魔法によって伸縮自在の鞭となる。マスクやクリスタル状の部分の色は、各人が使用するメイジウィザードリングの魔宝石に対応しており、真由が黄(琥珀色)、譲が青、山本が緑となっている。なお、色の違いによる能力の差はない。
- テレビシリーズ終盤で多数の魔法使いが登場する構想は企画の初期から存在していたが、実現のための予算を捻出することは困難だった。そのためプロデューサーの宇都宮は、劇場版用に制作されたキャラクターをテレビシリーズに移入することを考慮してデザインを進めていたという。コンセプトは『仮面ライダー555』のライオトルーパーのような、量産型の魔法使いである。
- ウィザードの到達した完成形がオールドラゴンであるのに対し、メイジは「最初から完成した魔法使い」である。その設定を反映するため、初期デザインにはなかった爪や尻尾が後から付け加えられた。結果的に、およそ真由が変身しているとは思えない怪物的な姿となったが、これはデザイン段階では変身者が決まっていなかったためである。テレビシリーズでの真由の活躍を観た阿部統は、「先に分かっていたら違うデザインになっていた可能性が高い」と発言しており、「もっと女の子らしくできた」と残念がっていた。
- ツール
-
- メイジのベルト
- 白い魔法使いドライバーと同型だが、詳細は不明。
- ウィザーソードガン
- ウィザードの物と同型だが、ハンドオーサーの縁が赤い。メイジはスタイルチェンジをしないので、ウィザードのように属性を付加した攻撃は行わないと思われる。
- 劇中ではもっぱらガンモードのみ使用しているが、単にソードモードを使わなかったのか、あるいはソードモードに変形できないのかは不明である。
仮面ライダーメイジのウィザードリング
メイジは白い魔法使いによって生み出された存在であるため、変身指輪以外は白い魔法使いの物と同様のリングを使用する。
- メイジウィザードリング
- 仮面ライダーメイジに変身する際に用いる。他の魔法発動用の指輪は右手の中指にはめるのに対し、変身用のこの指輪のみ左手の中指にはめる。
- 変身者によって魔宝石の色が異なり、稲森真由が黄、飯島譲が青、山本昌宏が緑となっている。
- ドライバーオンウィザードリング
- 変身ベルトのドライバーを起動する際に用いる。
- ウィザードの指輪と同型だが、手形の縁取りが赤い。
- ホーリーウィザードリング
- 聖なる光を放射して、敵を攻撃する。
- メデューサに対抗するため、真由が白い魔法使いから授かった物で、メデューサに深手を負わせるほどの強力な威力を持つ。
- コネクトウィザードリング
- 離れた空間同士をつなげ、物品を取り寄せる。
- ウィザードの指輪と同型。
- チェインウィザードリング
- 対象を鎖で縛り上げる。
- ウィザードの「バインド」と同型。
- バリアーウィザードリング
- 防御魔法を発動する。
- ウィザードの「ディフェンド」と同型。
- ジャイアントウィザードリング
- 物体を大きくする。
- ウィザードの「ビッグ」と同型。
- グラビティウィザードリング
- 重力を操る。
- ウィザードの指輪と同型で、真由のメイジが使用。
- スペシャルウィザードリング
- 特殊な攻撃魔法を発動する。
- ウィザードの指輪と同型。
- ブリザードウィザードリング
- 冷気を放って攻撃する。
- ウィザードの指輪と同型で、譲のメイジが使用。
- サンダーウィザードリング
- 稲妻を放って攻撃する。
- ウィザードの指輪と同型で、山本のメイジが使用。
- ガルーダウィザードリング
- ホワイトガルーダを召喚し、そのボディに装填することで動力源となる。
- 白い魔法使いから真由に与えられた。
テレビシリーズ以外の作品に登場する仮面ライダーメイジ
仮面ライダーソーサラーが創造した「魔法の国」では、大門凛子・輪島繁・奈良瞬平を含む多くの住民が仮面ライダーメイジに変身可能だった。
また、マヤ大王に仕える近衛兵はマントを装備しており、特に能力が高かった。
詳細は劇場版 仮面ライダーウィザード in Magic Land#仮面ライダーメイジを参照。
テレビシリーズ以外の作品に登場する仮面ライダー
仮面ライダースペック一覧
本作品の仮面ライダーは、指にはめている指輪の力で魔法を行使するため、指輪が傷つく可能性のあるパンチ技は原則的に使用しない。そのためパンチ力は測定不能であり、公開されている値は推定上のものとされている。
仮面ライダー | スタイル | 身長 | 体重 | パンチ力 (推定値) | キック力 | ジャンプ力 (ひと跳び) | 走力 (100 m) |
ウィザード | フレイムスタイル | 198 cm | 90 kg | 4.5 t | 7.3 t | 35 m | 5秒 |
ウォータースタイル | 4.1 t | 6.5 t | 30 m | 4.7秒 |
ハリケーンスタイル | 3.7 t | 6.1 t | 40 m | 4.2秒 |
ランドスタイル | 4.9 t | 8.7 t | 28 m | 5.9秒 |
フレイムドラゴン | 205 cm | 95 kg | 6.7 t | 10.9 t | 35 m | 5秒 |
ウォータードラゴン | 5.7 t | 8.4 t | 30 m | 4.7秒 |
ハリケーンドラゴン | 5 t | 8.1 t | 42 m | 4.2秒 |
ランドドラゴン | 7.4 t | 13 t | 25 m | 5.9秒 |
オールドラゴン | 115 kg | 14.8 t | 26 t | 42 m | 4.2秒 |
インフィニティースタイル | 202 cm | 96 kg | 8 t | 11.3 t | 32 m | 5秒 |
ビースト | 基本形態 | 198 cm | 94 kg | 5.3 t | 7.5 t | 31 m | 4.6秒 |
ハイパー | 208 cm | 99 kg | 12 t | 20.3 t | 30 m | 4.5秒 |
白い魔法使い | 208 cm | 85 kg | 7.4 t | 9.3 t | 30 m | 4.7秒 |
メイジ | 195 cm | 80 kg | 2 t | 3.2 t | 12 m | 7秒 |