ヴァイシェーシカ学派(ヴァイシェーシカがくは、梵: वैशॆषिक、Vaiśeṣika)は、インド哲学(ダルシャナ)の学派であり、現代では六派哲学の一つに数えられる。カナーダが書いたとされる『ヴァイシェーシカ・スートラ』を根本経典とする。現代では一種の自然哲学と見なされることもある。漢訳は勝論、勝宗。
『ヴァイシェーシカ・スートラ』では、全存在を6種のカテゴリー(padārtha)、すなわち実体・属性・運動・特殊・普遍・内属の6種から説明する。言葉は実在に対応しており、カテゴリーは思惟の形式ではなく客観的なものであるとする。
実体(dravya)は以下のように分けられる。
属性(guṇa)は以下のように分けられる。
運動(karma)は以下のように分けられる。
東アジアでは、ヴァイシェーシカ学派は「勝論」や「勝宗」と呼ばれ、『大毘婆沙論』等の言及で知られていた。特に、6-7世紀の慧月著・玄奘訳とされる『勝宗十句義論』によって思想が伝えられた。『勝宗十句義論』は、ヴァイシェーシカ学派の綱要書の漢訳だが、サンスクリット原典が伝わらず、チベット訳も無い。また内容が特殊で、6種ではなく10種のカテゴリーが扱われる。同書は仏教の論書ではないが大蔵経に収められた。
日本では江戸時代に盛んに研究され、複数の注釈書が著された。主な注釈者として、真言宗豊山派の法住や快道がいる。彼らはサーンキヤ学派の『金七十論』も研究した。
近現代のインド哲学研究では、ヴァイシェーシカの思想は「自然哲学」「原子論」「実体」「普遍と特殊」といった西洋哲学の術語で説明され、アリストテレス等としばしば比較される。
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