『ポールのミラクル大作戦』(ポールのミラクルだいさくせん、英語表記:Paul's Miraculous Adventure)は、日本のテレビアニメ作品。1976年10月3日から1977年9月11日まで、フジテレビ系で毎週日曜日18:00 - 18:30にタツノコプロ・フジテレビ製作作品として全50話が放送された。
ポールのミラクル大作戦 | |
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ジャンル | 冒険、ファンタジー |
アニメ | |
原作 | タツノコプロ企画室 |
総監督 | 笹川ひろし(チーフディレクター) |
脚本 | 鳥海尽三他 |
キャラクターデザイン | 下元明子 |
音楽 | 菊池俊輔 |
アニメーション制作 | タツノコプロ |
製作 | フジテレビ、タツノコプロ |
放送局 | フジテレビ他 |
放送期間 | 1976年10月3日 - 1977年9月11日 |
話数 | 全50話 |
テンプレート - ノート |
タツノコプロが製作した、シリアスとコミカルを掛け合わせたメルヘン作品。主人公達が毎回様々な異世界に旅立ち、ありふれた玩具や道具が大きくなり武器になる。異世界を侵略しようとする巨悪との戦いをハードかつドラマチックに描く。特殊効果に凝っており、同社作品のタイムボカンで使用されていたスキャニメイトを異世界の扉が開くシーンで使用したり、時間が止まると背景が木炭で描いたモノトーンの背景になるなど、独特な演出が特徴として挙げられる。
毎日小学生新聞に本放送時に連載。
本放送時は(1976年11月。出典は当時の著書)25%超の高視聴率を記録し、その後の1982年のテレビ東京(関東ローカル放送)の平日18時台(3月31日-6月9日放映)で行われた再放送でも20%超の視聴率を記録している。平均視聴率は13.2%(タツノコプロが所有する資料による)。また、1979年には香港で広東語に吹き替えられて、"波仔奇遇記"として、1980年にはイタリアでイタリア語に吹き替えられて"Il Fantastico Mondo Di Paul"(ポールの空想の世界)として放映された。
2006年から2007年にかけて、カートゥーン ネットワークで2度にわたって再放送された事や、日本国内でのDVD選集(2007年3月現在、6巻18話分)の発売、イタリアでの全話DVDの発売など、作品を再評価する動きがある。
ポールは、10歳の誕生日に両親から手作りのぬいぐるみを贈られる。その夜、パックンと名付けられたそのぬいぐるみに妖精が宿った事をきっかけにして、ポールはガールフレンドのニーナやその飼い犬であるドッペと一緒に不思議な世界への旅をする。不思議な世界とは、『夢』や『不思議なもの』を信じる心を持つ人間だけが行ける場所。だが、突如蘇った魔王・ベルト・サタンによってニーナがさらわれてしまう。そしてポールとドッペとパックンがニーナを救出する為に何度も不思議な世界に旅立つ。
第17話でニーナが救出され、ベルト・サタンを打倒するストーリーへと路線変更する。ベルト・サタンも片方の角を折られて力が充分に出せなくなったため、部下(いわゆる「悪の組織の幹部」)としてキノッピーが加わる。
オープニングの主題歌では、ポールの立場からニーナの救出を決意する旨が歌われているが、この歌詞が路線変更後にも変更される事は無かった。第1話はポールの10歳の誕生日のエピソードであり、この時にポールがニーナに語った空想の話の中ではポールは誕生日に魔王にさらわれたお姫様を助け出す事になっており、当初は最終回付近の11歳の誕生日までがニーナの救出劇となる予定だった事が伺える。
ポール達が不思議な世界に旅立ち、訪れた国々におけるベルト・サタンの復活に起因するトラブルを解決しながら、ベルト・サタンが身を隠す「不死身の洞窟」を探し、打倒を目指す。ポール達がベルト・サタンを倒す事にした理由は、元々は自分たちが不思議な世界に入り込んだ事でよみがえらせてしまい、不思議な世界の平安を乱してしまった事への責任を取る為であった。物語においては、魔力を増大させたベルト・サタンが現実世界に天変地異などの悪影響をもたらすようになった事も理由に加わった。
翻訳版におけるポールの名前は、イタリア語版とポーランド語版においても"Paul"である。ポーランド語版のタイトルは"Fantastyczny Świat Paula"となっており、直訳するとイタリア語版と同じく「ポールの空想の世界」となるが、ここで"Paula"となっているのは、格変化(生格、所有格「~の」に相当)によって"a"が付いているため。
笹川ひろしの同時期の作品は、輸出に配慮して国や地域を特定しないような舞台設定になっているが、本作品においては、イタリアか少なくとも南ヨーロッパを思わせる国の小さな港町になっている。例えば、第1話の冒頭に当時のイタリアの大衆車であるフィアット・500が描かれていたり、古代ローマの遺跡風の城跡が登場したりしている。10歳のポール達の行動範囲は、現実世界ではこの街から外に出る事はない。なお、子供たちの遊びの中には、凧揚げ、折り紙、独楽回しと言った、日本風のものが浸透している。
ポール達は毎回、ミラクルゲートを通って不思議な世界の国に滞在する。そのどれもがユニークな国民や習慣、時間・空間を持った不思議な国である。物語中盤以降にはベルト・サタンから魔力による攻撃を受けている国を、パックンが現実世界に発生した異変から察知する事によって、目的通りの国に辿りつく事ができる様になったが、序盤は結構行き当たりばったりで、パックン自身もどこに着いたのかを把握できない事があった。
ED映像は一貫して変わらなかったが、OP映像は冒頭とラストの現実世界(ポール達の故郷)の部分を除いて2バージョン有る。OPで、歌詞テロップの「信んじちゃ」は第1バージョンだったが、「信んじちゃ」は誤り。第2バージョンは「信んじちゃ」の「ん」がなくなり、「信じちゃ」に修正されている。また、第2バージョンの最初のクレジットは「全国放送愛好者会推薦番組」と表示。歌詞の内容は主題歌になったアニメ内容とリンクしている。
話数 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 放送日 |
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1 | よみがえったベルト・サタン | 鳥海尽三 | 笹川ひろし | 1976年 10月3日 |
2 | 恐怖のクモの巣城 | 毛利元 | 上梨満雄 | 10月10日 |
3 | ウツボカズラの追撃 | 滝三朗 | 笹川ひろし 西久保瑞穂 | 10月17日 |
4 | 岩石巨人の秘密 | 久保田圭司 | 小笠原秀樹 矢沢規夫 | 10月24日 |
5 | ガイコツの逆襲 | 鈴木良武 | 上梨満雄 | 10月31日 |
6 | 雷電魔人の対決 | 毛利元 | 笹川ひろし 佐々木皓一 | 11月7日 |
7 | 恐怖のローラー巨人 | 佐藤道雄 | 小笠原秀樹 矢沢規夫 | 11月14日 |
8 | サボテン国に花よ咲け | 山本優 | 西久保瑞穂 | 11月21日 |
9 | 悪党鳥人を倒せ | 三宅直子 | 上梨満雄 | 11月28日 |
10 | めざめよ!青銅の騎士 | 高山由紀子 | 西久保瑞穂 | 12月5日 |
11 | 思い出のニーナの花 | 鈴木良武 | 佐々木皓一 | 12月12日 |
12 | ドア城の少年 | 山本優 | 上梨満雄 | 12月19日 |
13 | 夜の怪物アクナイター | 鳥海尽三 毛利元 | 西久保瑞穂 | 12月26日 |
14 | 燃えろ炎!もう一度 | 山本優 | 上梨満雄 | 1977年 1月2日 |
15 | 巨人の国にアタック | 佐藤道雄 | 小笠原秀樹 矢沢規夫 | 1月9日 |
16 | おりがみ国の決戦 | 鳥海尽三 毛利元 | 西牧秀雄 | 1月16日 |
17 | ベルト・サタンの角を狙え | 佐々木皓一 | 1月23日 | |
18 | スペード魔女の涙 | 山本優 | 笹川ひろし 植田秀仁 | 1月30日 |
19 | 時を忘れた時計国 | 三宅直子 | 上梨満雄 | 2月6日 |
20 | 悲しみの花火城 | 陶山智 | 小笠原秀樹 矢沢規夫 | 2月13日 |
21 | 巨大レンズの怒り | 山本優 | 西牧秀雄 | 2月20日 |
22 | メカタウンの最後 | 毛利元 | 西久保瑞穂 | 2月27日 |
23 | アベコベ大騒動 | 小笠原秀樹 矢沢規夫 | 3月6日 | |
24 | ユラユラ影よ立ちあがれ | 山本優 | 上梨満雄 | 3月13日 |
25 | 絵本に描け!自由の街 | 西牧秀雄 | 3月20日 | |
26 | トッカメール刑事の冒険 | 毛利元 | 小笠原秀樹 矢沢規夫 | 3月27日 |
27 | 聖母マリアの涙 | 山本優 | 植田秀仁 | 4月3日 |
28 | 音符人間よ平和をよべ | 加賀美しげ子 | 西久保瑞穂 | 4月10日 |
29 | よみがえれ!良心の灯 | 三宅直子 | 鳥海永行 矢沢規夫 | 4月17日 |
30 | 未来を盗まれた国 | 山本優 | 西牧秀雄 | 4月24日 |
31 | 太陽を失った野菜人 | 海老沼三郎 | 上梨満雄 | 5月1日 |
32 | 魔の細菌世界 | 陶山智 | 鳥海永行 矢沢規夫 | 5月8日 |
33 | 七つの色をとりもどせ | 毛利元 | 植田秀仁 | 5月15日 |
34 | パックン故郷へ帰る | 山本優 | 西牧秀雄 | 5月22日 |
35 | 陶器人の変身 | 加賀美しげ子 | 小笠原秀樹 矢沢規夫 | 5月29日 |
36 | ミニミニ国よ手をつなげ(前編) | 山本優 | 上梨満雄 | 6月5日 |
37 | ミニミニ国よ手をつなげ(後編) | 6月12日 | ||
38 | オモチャが作った愛の橋 | 植田秀仁 | 6月19日 | |
39 | ふしぎな数字人間 | 吉川惣司 | 福島和美 | 6月26日 |
40 | 海の中の冒険野郎 | 三宅直子 | 西久保瑞穂 | 7月3日 |
41 | 希望と勇気のなる木 | 吉川惣司 | 上梨満雄 | 7月10日 |
42 | 立ちあがれ!アニマルナイツ | 毛利元 | 矢沢規夫 | 7月17日 |
43 | シャボン玉よいつまでも | 佐藤和男 | 布川ゆうじ | 7月24日 |
44 | トーテムポールの怒り | 三宅直子 | 西久保瑞穂 | 7月31日 |
45 | 花の妹リッピー | 山本優 | 矢沢規夫 | 8月7日 |
46 | ベルトサタンの復活 | 毛利元 | 植田秀仁 | 8月14日 |
47 | お菓子の国のカーニバル(前編) | 山田ひろし | 島田政子 | 8月21日 |
48 | お菓子の国のカーニバル(後編) | 島田政子 | 植田秀仁 | 8月28日 |
49 | 追いつめろ!ベルトサタン | 山本優 | 布川ゆうじ | 9月4日 |
50 | さようなら!不思議な世界 | 上梨満雄 矢沢規夫 | 9月11日 |
この節の加筆が望まれています。 |
タツノコ名作選 ポールのミラクル大作戦
タツノコメルヘンシリーズセレクション ポールのミラクル大作戦
タツノコプロ創立50周年記念 想い出のアニメライブラリー第3集 ポールのミラクル大作戦
日本国内では初となる全話収録セルソフト。DVD-BOX形式で全2巻発売。
上記のほか、1980年代に本作のアニメ、音声素材を流用し、チャプター単位再生の特殊機能を利用しゲームブックのような仕様のアドヴェンチャー・ゲーム『ポールのミラクル大ゲーム』がVHDメディアで発売された。ゲームのストーリーはアニメ作品のストーリーとの整合性も図られ、当時としては画期的な作品であった。ディスクの裏面には一時停止機能を利用したハードボイルドの作風を模した早撃ちソフトなど、『ポールのミラクル大ゲーム』とは直接関係がない、オムニバスのミニゲームが収録されていた。
フジテレビ系 日曜18:00枠 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
ポールのミラクル大作戦 |
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