杉浦佳子: 日本の女性パラ自転車競技選手、パラトライアスロン選手

杉浦 佳子(すぎうら けいこ、1970年12月26日 - )は、静岡県出身の女子自転車ロードレースおよびパラサイクリング C2→C3(高次脳機能障害など)・トライアスロン選手である。ウェルパーク・ブリヂストンサイクリングに所属。野口 佳子(のぐち けいこ)の名前で活動していた時期もあるが、2019年頃から現在の名前で活動している。

杉浦 佳子(野口 佳子)
KEIKO SUGIURA(KEIKO NOGUCHI)
杉浦佳子: 来歴, 人物, 主な戦歴
杉浦佳子: 来歴, 人物, 主な戦歴
個人情報
生年月日 (1970-12-26) 1970年12月26日(53歳)
国籍 日本の旗 日本
チーム情報
所属 楽天ソシオビジネス・VC福岡
分野 ロードレース
パラサイクリング
役割 選手
プロ所属チーム
2018
VC福岡
グランツール最高成績
主要レース勝利
世界選手権・ITT 2017-2018
世界選手権・個人ロード 2017-2018
獲得メダル
日本の旗 日本
夏季パラリンピック
2020 東京 女子個人ロードタイムトライアル
2020 東京 女子個人ロードレース
最終更新日
2021年9月3日

2021年開催の東京パラリンピック 自転車競技 金メダリスト。

息子はプロロードレーサーの野口悠真。

来歴

1970年、静岡県掛川市生まれ。掛川西高校を経て北里大学薬学部へ進学。

大学卒業後は、薬剤師・スポーツファーマシストとして働きながら、趣味でトライアスロンやロードレースに参加。

2016年4月、静岡県で行われたロードレース大会のレース中に落車し、脳挫傷、外傷性くも膜下出血、頭蓋骨・鎖骨・肋骨・肩甲骨を粉砕骨折、三半規管損傷を負う。医師からは治らないと言われた容態は乗り切ったものの、高次脳機能障害が残る。リハビリ中に知人からパラサイクリングを勧められ、2017年3月に実業団レース 宇都宮クリテリウム&ロードレースにて復帰。

その後パラサイクリング選手として登録。初年度の2017UCIパラサイクリング・ロード世界選手権のタイムトライアルで優勝し、注目を浴びる。2018年8月のUCIパラサイクリング・ロード世界選手権2018のロードレース女子C2クラスでも優勝した。

2018年UCIパラサイクリングロード世界選手権のロードレース優勝をはじめとする、今シーズンの活躍によりUCI(国際自転車競技連合)による年間表彰「パラサイクリング賞」の受賞者の1人に選ばれた。なお当該の賞は日本人として初の受賞である。

2018年内に離婚を経験し、2019年頃からは野口姓から杉浦姓を使用している。

2021年開催の東京パラリンピック日本代表に選出され、パラリンピック初出場。8月25日、伊豆ベロドロームで行われた女子個人パシュートC1-3では日本記録を更新する4分2秒834のタイムを記録するも予選敗退。同月27日の女子500mタイムトライアルC1-3でも日本記録を更新し、39秒869のタイムで4位入賞を果たした。同月31日、富士スピードウェイで行われた女子個人ロードタイムトライアルC1-3では、ロードを得意とする杉浦の実力を存分に発揮。2位のアンナ・ベク英語版(スウェーデン)に22秒27の大差をつける25分55秒76のタイムでゴールし、今大会の日本女子選手第1号となる金メダルを獲得した。50歳でのパラリンピック金メダル獲得は、日本人選手過去最高齢である。また、9月3日の女子個人ロードレースでも1時間12分55秒のタイムで金メダルを獲得し、日本自転車史上初となる同一大会2冠を達成した。

人物

  • 右半身の麻痺のうち、右手はかなり回復しており、動作がやや遅いものの箸󠄀や筆記具を扱うことができるようになっている。ただ、握力の関係で自転車のブレーキのかかりが悪いため、競技用の自転車では左右のブレーキを入れ替えている。パラサイクリング選手としてのクラスも、当初はC2だったところから、2021年時点ではより軽いC3になっている。
  • ロードレースでの事故の記憶は全くない。病院に入院していた時も自覚がなく、体に繋がっていた管を全部抜いて、トライアスロン大会に行こうとICUから抜け出してから倒れてしまったことがあったという。
  • 東京パラリンピックで金メダルを獲得したロードレースの競技後のインタビューで、具体的な年齢について触れられた際、「あっ、また50歳って言いましたね。でも、最年少記録は二度と作れないけど、最年長記録はまた作れますよね……やばい、また調子に乗ってすごいことを言っちゃった」と発言し、話題を呼んだ。

主な戦歴

2017年

2017UCIパラサイクリング・ロード・ワールドカップ大会第2戦
  • 5月18日 WC3 Time Trial 3位
  • 5月21日 WC1-3 Road Race 3位
2017UCIパラサイクリング・ロード世界選手権(南アフリカ・ピータープリッツバーグ)
  • 9月1日 WC3 Time Trial 1位
  • 9月3日 WC3 Road Race 3位

2018年

第7回パラサイクリング・アジア・トラック選手権大会
  • 2月17日 WC3 500m Time Trial 1位、WC3 個人パシュート 1位
2018パラサイクリング・トラック世界選手権大会
  • 3月23日 WC2 500m Time Trial 4位
2018UCIパラサイクリング・ロード・ワールドカップ(オステンド)
  • 5月4日 WC2 Time Trial 1位
  • 5月6日 WC2 Road Race 1位
2018UCIパラサイクリング・ロード・ワールドカップ(エメン)
  • 7月6日 WC2 Time Trial 1位
  • 7月8日 WC2 Road Race 1位
UCIパラサイクリング・ロード世界選手権
  • 8月3日 WC2 Time Trial Race Distance : 13.6km 2位
  • 8月6日 WC2 Road Race Race distance : 54.4km 1位
2018UCIパラサイクリング・ロード・ワールドカップ(べ・コモ)
  • 8月17日 WC2 Time Trial Race distance : 18.9km 1位
  • 8月19日 WC2 Road Race Race distance : 5 laps - 47.3 km 1位
Indonesia 2018 Asian Para Games (INAPG 2018)
  • 10月11日 Women's C2-5 Individual Pursuit 3000M 1位
  • 10月13日 Women's C1-2-3 500M 2位

2019年

UCIパラサイクリング・トラック世界選手権大会
  • 3月14日 WC3 3km IP 9位、
  • 3月15日 WC3 500m Time Trial 2位
  • 3月17日 M/WC1-5 750m team SP 15位
2019UCIパラサイクリング・ロード・ワールドカップ(オステンド)
  • 5月17日 WC3 500m Time Trial 5位
  • 5月19日 WC3 Road Race DNF
2019UCIパラサイクリング・ロード・ワールドカップ(べ・コモ)
  • 8月9日 WC3 Time Trial 1位
  • 8月11日 WC3 Road Race 2位
UCIパラサイクリング・ロード世界選手権
  • 9月12日 WC3 Time Trial 2位、distance 20.8km
  • 9月14日 WC3 Road Race 2位、distance 51.8km
全日本自転車競技選手権大会-パラサイクリング・トラック/オムニアム(JKA250)
  • 9月28日 500mタイムトライアル(WC3) 1位、41秒650(日本新)
  • 9月28日 3km個人パーシュート(WC3) 1位、4分08秒696(日本新)

栄典

出典

外部リンク

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