下関港(しものせきこう)は、山口県下関市にある国際拠点港湾。北九州港と共に関門港の一部をなす。港湾管理者は下関市 。 中枢国際港湾11港の一つであり、日本海側拠点港湾の指定に加えて、日本海側拠点港19港のうちの総合的拠点港湾5港の一つにも指定されている。
下関港 | |
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所在地 | |
国 | 日本 |
所在地 | 山口県下関市 |
座標 | 北緯33度57分28.4秒 東経130度56分28.8秒 / 北緯33.957889度 東経130.941333度 東経130度56分28.8秒 / 北緯33.957889度 東経130.941333度 |
詳細 | |
開港 | 1875年 |
管理者 | 下関市 |
種類 | 国際拠点港湾 |
統計 | |
統計年度 | 2022年 |
発着数 | 27,493隻 |
貨物取扱量 | 5,489,944 トン |
コンテナ数 | 44,329 TEU(外貨のみ) |
旅客数 | (船舶乗降人員数) 400,456人 |
海上出入コンテナ貨物量 | 3,928,990トン |
入港船舶総トン数 | 8,981,630トン |
公式サイト | 下関市港湾局 |
国際港湾としては、本州から朝鮮半島・中国大陸への最短の立地(大韓民国釜山港まで220km、中華人民共和国蘇州港まで1,019km)と、環日本海経済圏・環黄海経済圏の結節点という地理的なメリットを有しており、日本で最多の国際定期旅客航路数および運航頻度の港湾である。輸入コンテナ貨物の49%が下関港経由で関西以東へ輸入され、輸出コンテナ貨物の34%が下関港経由で関西以東から輸出されている。
2022年(令和4年)の輸出総額は7991億90百万円(前年比105.5%・全国22位)で門司税関管内における構成比は8%、輸入総額は3217億40百万円(前年比127.2%・全国46位)で構成比は3.7%であった。輸出額から輸入額を差し引いた差引額は4774億50百万円(前年比94.7%)で20年連続の輸出超過であった。
本州の最西端であり関門海峡に面した下関は、古代より九州への航路があった。江戸時代に入ると、北前船の寄港地として栄えた。港を含む領地は長府藩が大部分を占めていたが、長州本藩(萩藩)や清末藩の領地も混在していた。明治に入ってからは対韓貿易の中心地となり、また、1945年に終戦を迎えるまでは港を含む関門海峡一帯が下関要塞地帯に設定され、地図作成に制限が加えられていた。
下関の繁栄は港の隆盛と一対をなすものであり、交通網の整備や福岡・北九州の拠点化が推進されると、下関港の衰退、ひいては下関の街全体の衰退に影響を及ぼした。
JR西日本下関駅・JR貨物下関貨物駅にほど近い東大和町・細江町に位置し、 第1突堤 、 第2突堤 、 細江ふ頭 で構成される。戦前から1978年(昭和53年)にかけて埋立により整備され、門司税関下関税関支所や入国管理、検疫をはじめとする港湾官公署や国際貨客航路の発着点となる下関港国際ターミナル、くん蒸庫、大型冷蔵・冷凍庫などの施設が立地する。
現在の下関港国際ターミナルは、1988年(昭和63年)3月に完成した日本最初のCIQ施設などを完備した外国航路用旅客ターミナル。1階はフェリー貨物の荷捌地、2階は乗船券の購入や税関・出入国手続きをする施設になっている。2003年(平成15年)には、下関駅前のペデストリアンデッキがターミナルビル玄関まで延伸されて直結したことにより、下関駅からの所要時間が徒歩7分となった。
唐戸桟橋と あるかぽーと で構成される。一帯は2017年(平成29年)9月17日に全国で100箇所目のみなとオアシスに登録されており、カモンワーフを代表施設とするみなとオアシス下関として賑わい拠点ともなっている。
あるかぽーととは1996年(平成8年)に完成した南部町(なべちょう)南側埋立地の愛称(アルカディア(理想郷)とポート(港)の複合語)で、住所表記も同じである。埋立地完成後、埠頭が整備され、2001年(平成13年)4月には敷地の一部にしものせき水族館 海響館がオープンした。2013年9月に泉陽興業の運営するアミューズメント施設「はい!からっと横丁」がオープンした。当施設は定期借地契約の期間満了に伴い2023年10月31日に営業終了予定であり、その後は隣接する星野リゾートによるホテル建設予定地と一体的に整備される予定である。
あるかぽーと埠頭には定期旅客船の就航はないが5万総トンの客船が寄港できる旅客船専用岸壁を有しており、大型クルーズ客船や大型帆船(日本丸・海王丸等)が下関に寄港する際にはあるかぽーと埠頭が使用されている。
かつては石崎汽船の高速艇シーマックスが唐戸桟橋と松山港(愛媛県松山市)とを結んでいたが、2006年(平成18年)に航路短縮となり下関には寄港しなくなった(航路そのものも2008年に廃止)。
本港地区と唐戸地区の中間にあたる岬之町(はなのちょう)に位置し、コンテナターミナルが整備されている。関門海峡に突き出るような形状をした南側の埠頭には日本通運などの倉庫やコンテナ・フレイト・ステーション(CFS)、くん蒸庫などといった港湾施設が立地している。
1977年(昭和52年)に埠頭が完成し、その後コンテナターミナルが整備され1992年(平成4年)に完成した。現在は施設の老朽化に伴いほぼ全ての国際定期航路が長州出島に移っている。ガントリークレーンは撤去され、中型クレーンで対応している(かわりに長州出島に新たにガントリークレーンが設置された)。
なお、国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律(国際船舶・港湾保安法)に基づく制限区域が設けられており、埠頭エリアはフェンスで囲まれ、一部例外を除き関係者以外の出入りは禁止されている。
下関市南部・彦島にある港湾群。彦島の一角には三菱重工業下関造船所が存在する。西山地区は外材の輸入基地として活用されており、2022年2月には国内最大級となる下関バイオマス発電所が運転開始した。今後は年間を通じてベトナムやカナダから発電所の主燃料である木質ペレットを積載した燃料輸送船が本港に入港する予定である。 福浦埠頭はプレジャーボート係留施設が整備されている。 かつては関門海峡フェリーが荒田港から発着し、小倉日明埠頭との間を結んでいた。
下関市東部・長府の臨海工業団地の前面に整備された。ブリヂストンタイヤ下関工場で生産された大型タイヤの輸出や、神戸製鋼所・長府製作所等向けの非鉄金属の輸入に活用されており、北米航路と東豪州航路の定期貨物船が就航している。
下関市西部・垢田沖の響灘に人工島(147ha)を建設し、岬之町のコンテナターミナルを移転して東アジアとの物流拠点をつくる予定となっている。人工島の愛称は公募で『長州出島』(ちょうしゅうでじま)に決定され、住所表示も同じである。なお、『長州出島』に愛称が決定する前は、響灘にちなんで『ひびっくらんど』と呼ばれていた。
人工島全体が国際船舶・港湾保安法に基づく制限区域となっており、人工島内には下関海響マラソン開催時などの一部例外を除き、関係者以外の出入りは出来ない。
1995年(平成7年)11月に着工し、現在は第1期工事(61.6ha)が進行中である。2009年(平成21年)3月には、一部(多目的国際ターミナル─12m岸壁1バース分)が供用開始した。2018年(平成30年)には昨年からの岸壁の延伸工事が終了し一基のガントリークレーンを備えている。岸壁の延長が410mになり、世界最大級のクルーズ船の受け入れが可能になった。同年4月20日に中国・上海からの大型クルーズ船「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」(16万8666トン)が県内初寄港した。また、釜山・馬山への国際定期貨物船が就航している。
広報・プレスリリースなど一次資料
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