西蒲区(にしかんく)は、新潟市を構成する行政区のひとつ。区内には角田山や多宝山、岩室温泉など、観光地・景勝地が点在する。名称は区域が旧西蒲原郡に位置することによる。
にしかんく 西蒲区 | |
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国 | 日本 |
地方 | 中部地方、北陸地方 甲信越地方 |
都道府県 | 新潟県 |
市 | 新潟市 |
市町村コード | 15108-4 |
面積 | 176.58km2 |
総人口 | 51,807人 [編集] (推計人口、2024年4月1日) |
人口密度 | 293人/km2 |
隣接自治体 隣接行政区 | 新潟市(西区、南区) 燕市、長岡市、西蒲原郡弥彦村 |
イメージカラー | ■ ハーベストイエロー |
西蒲区役所 | |
所在地 | 〒953-8666 新潟県新潟市西蒲区巻甲2690-1 北緯37度45分37.8秒 東経138度53分21.6秒 / 北緯37.760500度 東経138.889333度 東経138度53分21.6秒 / 北緯37.760500度 東経138.889333度 |
外部リンク | 新潟市 - 西蒲区 |
ウィキプロジェクト |
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16進表記 | #f5a100 |
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RGB | (245, 161, 0) |
CMYK | (0, 30, 100, 0) |
マンセル値 | 10YR 7/14 |
出典 |
旧巻町の大部分、旧西川町のほぼ全域、旧岩室村の全域、旧潟東村の全域、旧中之口村のほぼ全域で構成され、区役所は旧巻町役場の庁舎に置かれている。
なお区域にはこの他、旧味方村、旧月潟村の飛地が含まれる。また旧巻町のうち、四ツ郷屋は西区の区域となっている。
区域のほぼ半分を水田が占める、市内有数の穀倉地である。前出の岩室温泉は、かつて北国街道の宿場町として発展した。またかつて巻地区の峰岡地域などを治めていた三根山藩は幕末期、戊辰戦争で敗れ窮していた長岡藩に米百俵を送ったことで知られる。
区域の一部が佐渡弥彦米山国定公園に指定されている。
前述の通り、旧町村の単位を基にした5つの地区により構成されており、区内には市街地が点在している。なお西蒲区では、旧巻町の区域をさらに「巻地区」、「漆山地区」、「峰岡地区」、「松野尾地区」、「角田地区」の5地区に分けて行政サービス等を行っている。これはかつての中学校区に即したものである。
現在の西蒲区を構成している旧町村が新潟市へ編入合併した当時、住居表示を施行している町村は無く、また2007年春の政令市移行時にも、西蒲区内には住居表示を施行している箇所は一箇所も無かった。これは市内8行政区で唯一のことであった。
巻地区中心部、岩室地区の和納、間瀬、西川地区の魲など区内の市街地・集落では古くから「一区」「二区」といった独自の表示や「堀山団地」「グリーンハイツ」といった団地の名称が通称地名(自治会の名称を兼ねる)として使われており、例として郵便物や宅配物も宛名を「新潟市西蒲区巻一区」とだけ書けば、地番を省いても基本的には届く。
しかし区内各地区の地番は、配列に規則性が無いなど非常に煩雑となっている。そのため、土地鑑のない他地区の住民や他市町村からの来訪者などは大いに不便を託っており、特に緊急車両の出動時には現場到着が遅延するなど、行政サービスの低下につながる可能性が指摘されている。また前述の通称地名を使用している地区においては、地番が記入されていない配達物が誤配・遅配となるケースが増加していることから、日本郵政グループや運送各社では宛先に通称地名を使用する場合でも、必ず地番を記入するよう呼び掛けている。
また区内には、名称が重複する地名も混在している。その一例を挙げると、区内には美里(みさと)という地名が2箇所存在する。ひとつは前述した潟東地区にあり、新潟市へ編入した際に正式地名として登記されている(編入当時の地名は「潟東美里」)。一方、西川地区の押付の一部にも、宅地開発時の愛称に由来する通称地名「美里」があり、近隣を経由する国道116号には美里交差点が設けられている。なお「美里」は市内ではこの他、北区の豊栄地区(長浦地域)にも正式地名として存在する。
このように西蒲区内の地名表記は、市内8行政区の中でも特に紛らわしくなっている。
区内では編入合併以来、巻地区中心部や岩室地区の和納などで、住民の間から住居表示の実施を要望する動きが出ている。このうち後者の和納では、岩室駅と県道374号を中心とした周辺地区を三つの街区に区分けし、地名をそれぞれ「和納(一、二、三)丁目」と変更した上で住居表示が2012年10月29日付で実施された。この和納が区内初の住居表示施行箇所であるが、これ以降の施行予定に関しては2012年10月現在、具体化している箇所は無い。
なお西蒲区役所については建物の老朽化が著しい事やバリアフリーの観点から建て替えに向けて検討が進められている。
このほか、越前浜や角田浜ではワインの生産が行われており、「ワインコースト」と呼ばれる集積地に5軒のワイナリーが立地する。
区内の市外局番は概ね0256(巻MA)であるが、中之口地区全域と巻地区の巻大原及び潟東地区の五之上は025(新潟MA)となっている。
区内の主な病院は下記の通り。
上記のうち新潟西蒲メディカルセンター病院は、かつて旧巻町の運営による巻町国民健康保険病院(町立巻病院)があった箇所に立地している。旧町立病院は戦後、巻町が吉田町(現燕市)との県立病院の誘致合戦に敗北し、その代替措置として1955年(昭和30年)に開院した。しかし周辺の総合病院と競合するなどして、開院以来慢性的な不採算が続き、2003年度末時点で約31億円の累積赤字を抱えるなど、新潟市との合併協議を進める上で最大のネックとなった。旧町立病院の施設は民間の医療法人「白美会」(茨城県の医療法人社団常仁会の傘下。南区で白根大通病院などを運営)に約13億円で譲渡することとなり、2005年(平成17年)10月の編入と同時に廃院された。その後、敷地内の施設は老朽化のため撤去されて改築され、2008年(平成20年)8月1日に現在のメディカルセンターが開院した。
また区内には救急指定病院が1箇所も無いため、区内で発生した救急患者は市内の他行政区や燕市、三条市など近隣市村へ搬送されており、搬送距離が他行政区よりも長くなっていることが問題視されている。
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巻地区ではホッケーが盛んで、地区内の小学校では体育の授業でもホッケーが年数回行われている。これは1964年(昭和39年)に行われた新潟国体で、当時の巻町がホッケーの開催会場となったことに端を発するものである。
こうした経緯もあって、2009年(平成21年)に開催されたトキめき新潟国体では、巻地区の城山運動公園内にある多目的広場がホッケーの試合会場となった。1980年(昭和55年)の開設当初はクレーコートだったが、2008年(平成20年)に人工芝が敷設されてプレー環境が改善されている。
区役所による文化行政も充実しており、観光スポットでの撮影も絡めた西蒲区PR映画三部作の制作、地元公民館や東京都内での上映、PRホームページの作成なども行われている。
第一作の『にしかん』は中文字幕版や英文字幕版も作成され、国連が共催する世界最大の広告国際コンテストであるNew York Festivals 2017の学生作品部門にて監督賞・撮影賞をダブル受賞した。
巻駅は駅舎の老朽化が進んでいる事やバリアフリーの観点から駅舎の橋上化が検討されている。
区内の鉄道路線は実質越後線1路線のみ。上越新幹線が潟東・中之口両地区を通過しているが、沿線に駅は設けられていない。
越後線の内野駅 - 新潟駅間は普通列車が昼間20分間隔で運行されているが、内野以西の吉田駅までの間は昼間概ね40 - 60分間隔と運行間隔が長く、80分程度間隔が開く時間帯もある。この他、朝の通勤時間帯には越後曽根及び巻で新潟方面へ折り返す普通列車が各1往復運行されている。現在、新潟市と燕市などの沿線自治体はJR東日本新潟支社に対し、吉田 - 内野間の運行間隔を内野以東同様、20分間隔に増発するよう求めている(越後線#現状と今後も併せて参照)。2012年3月より、内野~吉田間を日中40分間隔のダイヤで運行する社会実験が行われたが、目標とした利用者の増加に至らなかったため、2015年3月に実験前の運行本数に戻された。
かつては私鉄路線も存在し、旧中之口村内を新潟交通電車線が経由していた。村内には2駅があったが、1993年(平成5年)8月1日の燕 - 月潟間部分廃線の際に廃止された。
西蒲区内を発着する路線バス及び高速バスは、新潟交通観光バスのほか、2019年4月からはウエスト観光バスおよびタクシー会社が運行している。
新潟交通観光バスの路線は区東部、南区に近い潟東地区の大原にある同社の潟東営業所が運行拠点となっている。巻から各方面、潟東営業所から南区白根を経由して各方面に至る路線網が構築されている。なお潟東営業所は、区役所潟東出張所などがある地区中心部からは大きく離れている。
潟東営業所から白根または味方を経由して新潟市中心部に至る路線は概ね60分間隔で運行されているが、巻・西川・岩室・中之口の各地区を発着する路線バスの運行本数は非常に少なく運賃も割高である上、IC乗車カード・りゅーとの利用ができないなど利便性が著しく低い(2013年に終了したバスカードも使用できなかった)。このためJR以外の公共交通が非常に脆弱で、日常の交通手段を自家用車に依存せざるを得ない地域が非常に多いことから、市・区は今後何らかの方策を講じる意向を明らかにしている。
2020年4月現在の運行路線は以下の通り。英字の系統番号が付されていないものはりゅーと利用不可となっている。時刻表や路線図は#外部リンクを参照。
その他詳細は新潟交通観光バス#潟東営業所を参照。
2019年7月から、「にしかん観光周遊ぐる〜んバス」がアイケー・アライアンスの受託により試験運行されている。土曜・日曜に運行され、巻駅や岩室温泉とカーブドッチ・ワイナリー、上堰潟公園といった区内の主要観光地を結ぶ。2020年9月からは弥彦駅・彌彦神社を組み込んだルートに拡張される予定。
なお、2018年ごろまでは新潟交通観光バスが受託する形で「角田山周遊バス」が運行されていた。
北陸自動車道巻潟東IC上にある巻潟東バスストップは、新潟市から県内外各方面に至る高速バスを利用する事ができ、パークアンドライドの拠点となっている。このICから入出場する路線は2019年1月現在以下の1路線のみであるが、かつては同ICから巻中心部を経由して巻駅へ向かう路線(詳細は新潟交通観光バス#巻線を参照)、中之口・六分など中之口地区を経由して南区白根南部の新飯田地区に至る路線(詳細は新潟交通観光バス#新飯田線を参照)も運行されていた。
新潟市岩室観光施設「いわむろや」にて電動アシスト自転車が有料で貸し出されている。
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西蒲区では、江戸時代の書家である巻菱湖や、第36代横綱の羽黒山政司、キリスト教で社会奉仕活動家の本間俊平を輩出している。
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