『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』(あくまじょうドラキュラエックス げっかのやそうきょく、英題: Castlevania: Symphony of the Night)は、コナミから発売されたアクションRPG。
ジャンル | アクションRPG |
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対応機種 | PlayStation セガサターン Xbox 360 (LIVE アーケード) PlayStation Portable ゲームアーカイブス(PS3/PSP)[GA] PlayStation 4 Android iOS |
開発元 | PS: コナミコンピュータエンタテインメント東京 SS: コナミコンピュータエンタテインメント名古屋 XBLA: Digital Eclipse PSP: コナミデジタルエンタテインメント |
発売元 | PS / SS: コナミ XBLA / PSP / GA / PS4 / Android / iOS: コナミデジタルエンタテインメント |
人数 | 1人 |
メディア | PS / SS: CD-ROM GA / PS4 / XBLA: ダウンロード(128MB) PSP: UMD |
発売日 | PS: 1997年3月20日 1998年3月19日(PlayStation the Best 廉価版) 2003年11月20日(PS one Books 廉価版) 1997年10月2日 1997年11月1日 SS: 1998年6月25日 XBLA: 2007年3月21日 2007年7月25日(再配信版) PSP: 2007年11月8日 GA: 2010年12月16日 PS4: 2018年10月25日 Android,iOS: 2020年3月4日 |
対象年齢 | CERO:B(12才以上対象)(XBLA以外) CERO:C(15才以上対象)(XBLA) ESRB:T(13歳以上) |
コンテンツ アイコン | 暴力 |
その他 | PSP版は『悪魔城ドラキュラ Xクロニクル』に収録 PS4版は『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』とのカップリング移植 |
1995年9月にPlayStation用ソフトとして『がんばれゴエモン〜宇宙海賊アコギング〜』、『ツインビーミラクル 〜不思議なベルの大陸〜』(発売中止)と共に発表された。
1997年3月20日に発売される。ゲーム雑誌『ファミ通』のクロスレビューでは40点中30点だった。テレビCMも流された。
1998年6月25日に新要素を追加した上でセガサターンへ移植された(日本国内版のみの発売)。
2007年3月21日にXbox 360のLIVEアーケードで日本含め世界で配信。ただし日本では7月25日に再配信された(後述)。
2007年11月8日にPlayStation Portable用ソフト『悪魔城ドラキュラ Xクロニクル』に、新要素を追加した上で『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』のリメイク版・オリジナル版と同時収録され移植された。
2010年12月16日にPlayStation 3とPlayStation Portable用のゲームアーカイブスとしてPlayStation Storeで配信された。
2018年10月25日にPlayStation 4で『悪魔城ドラキュラX・セレクション 月下の夜想曲 & 血の輪廻』として、『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』と共にカップリング移植され、配信された。
2020年3月4日にAndroidとiOS向けに配信開始された。
移植や配信は全てPS版をベースにし、特別大きな変更はない。ただしSS移植版は他の移植・配信版とは異なり追加要素が多めで、販売本数も少なくその後移植・配信もされておらず現在では定価以上で取引されている。
タイトルに同じ「X」が付いたPCエンジン SUPER CD-ROM²用ソフト『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』の続編にあたり、ストーリー的には同作の5年後という設定になっているが、システム的には後述の通り大きく変更された。ゲームのオープニングは『血の輪廻』の主人公だったリヒターがドラキュラと戦う場面から始まる。また、本作の主人公アルカードは元々はファミリーコンピュータ用ソフト『悪魔城伝説』の仲間キャラクターの1人だった(『悪魔城伝説』の登場人物を模した敵キャラクターも本作に登場する)。
RPGのような経験値制の導入による主人公のレベルアップ、アイテム類を収集・複数持ち歩いて、アイテムや技能取得により新たに行ける場所が増えていき悪魔城内を探索するといったゲーム性は、純粋なステージクリア型アクションゲームだった前作までとは異なり、双方向スクロールのダンジョン内をマップを埋め探索していくという『メトロイド』タイプの探索型アクションゲームへと姿を変えた。欧米ではこの種のジャンルはメトロイドヴァニアと呼ばれている。
本作について、プロデューサーの萩原徹は、PlayStationになったことで今までのハードより制限が減り、やろうと思うことができるようになったと述べている。ディレクターの1人であった五十嵐孝司は、後に本作開発時の様子を振り返り「タイトルに“X”と付いてるのでこれはもう悪魔城ドラキュラシリーズとは違うから何やってもいいかなと…」「耽美的なイメージにもっていきたかったのでイラストとかキャラクターデザインを全部変えた」「鞭に飽きてきたのでベルモンド一族から主人公変えちゃおうと…敵がベルモンドって面白いし主人公側が鞭を使う必要もない」と主要武器を剣に改革し主人公さえもドラキュラの息子アルカードに変えるモデルチェンジが行われ、「ゲーム自体を(それまでの作品に比べて)全然変えた」と語っている。
本作はソフト媒体がCD-ROMになっており(「血の輪廻」もPCエンジンのCD-ROMであったが)、同じCD-ROMでもハードウェア世代が後でより高性能になったPlayStationでの発売となったため、容量増加に伴い、演出面で様々な強化が施されている。映像はいわゆる「2Dドット絵」のアクションゲームであるものの、当時の最新鋭機が持つ3D描画機能を活用して、滑らかなアニメーションや奥行きのある背景などにより高品質の演出が実現された。また、山根ミチルが担当したクラシック的な音楽や、小島文美の描く耽美的なイラストデザインにより、新たなシリーズ像も提示された(五十嵐は本屋で立ち読みし、小説の表紙や挿絵を見て決めたという)。操作性も大幅に変更されており、従来と比べると移動速度が速くなり、空中制御はほぼ自由となり、盾を使えば敵の飛び道具が防御できるなど様々な変更がなされた。本作のセールスは好調であった。
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
1792年、ヨーロッパにて復活したドラキュラ伯爵はヴァンパイアハンターのリヒター・ベルモンドと退魔の力を持つ少女マリア・ラーネッドに滅ぼされた。
それから4年後リヒターは失踪し、マリアはその行方を追い旅に出ていた。翌年100年に1度復活すると伝説上言われていたドラキュラ城が現れたのだった。それを察知したマリアは再び城に乗り込んだ。
一方同じ頃、ある男が深い眠りから目覚めた。男の名はアルカード。かつて父ドラキュラに反抗して人間に味方し、リヒターの祖先ラルフと共に父を倒した男である。復活を知ったアルカードは、再びあの忌まわしき城へと向かう。こうしてアルカードを中心にドラキュラ城に宿命の魂が集うのであった。
本作の最終的な目的はこれまでの悪魔城ドラキュラシリーズ同様ドラキュラ城の攻略であるが、そのシステムは前述のようにRPG的要素の付加等により従来から大幅に異なっている。本作には従来はあったこともある城に行くまでの道中の城外ステージこそ無いが、城ステージ規模は広大で、(ボスはいるが)ステージクリアや落下死の概念は無くなり、ステージ間は複数箇所でつながっており同じステージを何度でも行き来しつつ進行していくシステムになっており、城内を探索して行動可能範囲を広げていく。
ライフがなくなるとゲームオーバーとなり進行状況がリセットされるが、悪魔城内部にはセーブポイントが複数設けられており、そこで体力回復もさせることができる。特定の条件下・装備でないと入ることの出来ないエリアも数多く存在し、そのためアイテムを探したり使って謎解きしたりすることもある。通過したことのあるブロックはマップ上に青く塗りつぶされて表示され、塗りつぶされた部分の割合がマップ達成率として表示される。
本作では城の攻略にあたって復活の謎を探ることになるが、その一環で当初の目的における黒幕が判明した段階で、悪魔城のマップを上下反転させた「逆さ城」が登場する。この2つの城はワープポイントで任意に行き来ができる。なお逆さ城のマップは地形は完全に上下反転させた物ではあるが、ブロックとしては特殊な操作によってマークされる部分が存在するため、前述のマップ達成率の最大値は200%ではなく200.6%(SS版は212.2%)となる。
エンディングは、当初の目的における終盤のバトルにおいて黒幕を明かせなかった場合のバッドエンドが特定のイベントの前と後で計2つ、最終的な目的を達成した後のエンディングがマップ達成率によって2つ、後述するアナザープレイの内の1つによるものを合わせて、全部で5つ存在するマルチエンドシステム。
プレイヤーであるアルカードのステータスは、状況により細かく変化する。まず敵を倒す毎に経験値が蓄積され、一定量まで溜まるとレベルアップを果たし基本パラメータが上昇する。ボスを倒したり特定の部屋に落ちているアイテムによって、ライフやハートの上限値が上がり耐久力や戦闘力が上昇する。他にも様々なアイテムによってアクションを変化することができる。
蔵書庫の一室に執事である爺の部屋がある。爺はアルカードの手助けとなる様々なアイテムを売買してくれる、ゲーム中の道具屋的存在。
クリアデータがある状態で新たにゲームを始めると、そのデータは「アナザープレイ」となる。アナザープレイでは、蔵書庫の爺が始めから販売品を全て揃えている、「システム」のウインドウに新しい項目が追加されている、特定の敵の落とすアイテムが変化する、などファーストプレイとは異なる状態でゲームを進めることができる。
またニューゲーム時のネームエントリーにて特定の名前を入力すると、サブキャラや特殊条件でのプレイが可能となる隠し技もあり、以下の3種類がある。
Stage | BGM | Boss | |
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オープニング | FINAL STAGE 「血の輪廻」 | プロローグ | ドラキュラ |
悪魔城 | 悪魔城入口 | ドラキュラ城 | - |
錬金研究棟 | 黄金の舞曲 | ベリガンとギャイボン | |
大理石の廊下 | 大理石の廊下 | - | |
崖側外壁 | 魔霧の塔 | ドッペルゲンガー LV10 | |
蔵書庫 | 木彫パルティータ | レッサーデーモン | |
礼拝堂 | 神々たちのレクイエム | ヒポグリフ | |
時計塔 | 悲境の貴公子 | マルファス | |
闘技場 | さまよえる魂 | ウェアウルフとミノタウロス | |
オルロックの間 | パール舞踏曲 | オルロック | |
地下水脈 | 水晶のしずく | スキュラ | |
サキュバス(悪夢にて) | |||
焉道 | 焉道 | ケルベロス | |
地下墓地 | 虹の墓地 | レギオン | |
悪魔城中心部 | 深淵への扉 | マリア・ラーネッド(SS版とPSP版での追加ボス) | |
悪魔城最上部 | 天界への扉 | リヒター・ベルモンド | |
逆さ城 | 逆さ城最下部 | - | |
元時計塔 | 終曲トッカータ | おおコウモリ | |
異端礼拝堂 | 失われた彩画 | メディウサ | |
死翼の間 | 終曲トッカータ | ミイラ男 | |
異界側外壁 | フランケン | ||
禁書保管庫 | 失われた彩画 | - | |
裏闘技場 | 聖霊の扉 | ラルフ・フェイクとグラント・フェイクとサイファ・フェイク | |
卑鉱石の廊下 | 終曲トッカータ | - | |
黒魔術研究棟 | ベルゼブブ | ||
逆さ城入り口 | - | ||
天井水脈 | 失われた彩画 | ドッペルゲンガー LV40 | |
洞窟 | 焉道 | デス | |
空中墓地 | 呪いの聖域 | ガラモス | |
逆さ城中心部 | 深淵への扉 | シャフト | |
真祖ドラキュラ | |||
SS版の追加ステージ (悪魔城) | 地下庭園 | Vampire Killer remix.1 | スケルトン・リーダー |
呪われた牢獄 | Chaconne c.moll | - | |
SS版の追加ステージ (逆さ城) | 地獄庭園 | Beginning remix.1 | |
魂の牢獄 | Vampire Killer remix.2 |
いくつかのバージョンがあるが、主な違いはバグ修正である。
いくつかの変更、追加要素がある。
LIVEアーケードで配信。基本的な作りは国内PlayStation版(改良版)の完全移植である。一方で、エンディングの曲は変更されている。
画質については、当時の物を忠実に再現したオリジナル版と、ハイディフィニション環境を念頭においたアンチエイリアスがかかったエンハンスド版の2種類をゲームのオプションで選択できる。冒頭(ベリガンとギャイボンを倒す所まで。ただし15分の時間制限付き)を無料でプレイできるデモ版が用意され、800マイクロソフトポイント(約1200円)を支払う事で完全版のロックを解除できる。他のソフトと同様に特定条件を満たすことによって「実績」を得ることができる他、テーマファイルが3種類(各150マイクロソフトポイント)、ゲーマーアイコンパックが2種類(各100マイクロソフトポイント)配信されている。
本作に関しては従来販売されていたメモリーユニットの総容量である64MBを超えた(国外版の本体ファイルサイズは95MB、日本版では128MB)最初のタイトルであり、512MBメモリーユニットかハードディスクが必要である。なお、以前はXbox Live Arcadeタイトル本体のファイルサイズには50MBまでという制限がかかっており、この制限の元で制作されていたタイトルの内最大であった『LUMINES LIVE!』でも本体は64MBメモリーユニットに収まるレベルであった。
日本で配信されているものは2007年7月25日に配信が再開されたものであり、内容も日本でのPlayStation版に準拠している。それ以前の2007年3月21日に全世界で配信されたものは北米PlayStation版をベースに移植したものであるため、以下の様な違いがあった。
これらのことから『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』として配信されたが実際内容は海外版『Castlevania: Symphony of the Night』の日本ローカライズ版であり、多数のシステムバグもあって購入者からは不満の声もあがっていた。これに対して、シリーズのプロデューサーであった五十嵐孝司は自身のブログで原因の究明と対応を約束していた。この件により配信開始後数日で日本での配信は一時中止され、4か月後に海外配信版とは別の日本版バージョンが日本向けに再配信された。なお日本ではXbox Liveマーケットプレースにこのタイトルについて2つのエントリが存在するが、1つは国外版のエントリであるが日本でもテーマファイルおよびゲーマーアイコンのダウンロードのために用意されており、もう1つが日本向けに本体を配信しているエントリである。ゲーム本体を格納するフォルダについても日本版と国外版で異なり、国外版では「Castlevania: SOTN」、日本版では「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」となっていて双方にセーブデータなどに関する互換性はなく、実績の項目も独立している。
『悪魔城ドラキュラ Xクロニクル』に収録。基本的にはPlayStation版の完全移植だが、新たな要素がいくつか追加されている。ただし最初は選べず、本作をプレイ解禁するためにはまずXクロニクル本編ゲーム内で特定のアイテムを取らなければいけないという前提条件がある。また、「半妖精が歌う」要素を実装している(下記の音楽鑑賞で再生できる)。
『悪魔城ドラキュラX・セレクション 月下の夜想曲 & 血の輪廻』として、『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』と共に収録。爺の部屋に「音楽鑑賞」の項目がある、悪魔城中心部にてマリア戦がある、エンディングテーマが「哀悼のセレナーデ」である、ゲームクリア後にマリアが使用できるなど、PlayStation Portable『悪魔城ドラキュラ Xクロニクル』に収録されていたバージョンの移植となっている。
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