大型貫通爆弾(おおがたかんつうばくだん、Massive Ordnance Penetrator、MOP)とは、アメリカで実戦配備中の大型地中貫通爆弾の1つである。
アメリカ軍における制式名称は、GBU-57A/B。
アメリカ空軍によって開発された30,000ポンド(約13,600kg)の「バンカーバスター」精密誘導爆弾で、この爆弾はこれまで最大の重量を持ち、GBU-28(重量5,000ポンド(約2,270kg)、貫通力30m)よりも、総重量、威力ともに大きなものとなる。
MOPの開発は、フロリダ州のエグリン空軍基地内の軍需品理事会、アメリカ空軍研究所で進められ、設計と試験作業は米ボーイング社によっても行われた。主に強固な地下要塞・地下弾道ミサイル・地下指令所の精密破壊用として必要な場合に使用される。
B-2とB-52Hに統合されており、GPSを使用して誘導される。
2014年度以降、ETR-IIIおよびETR-IV型とよばれる改善型がリリースされている。また空軍では妨害防止コードM GPS信号をMOPに統合するよう努めている 。
2002年に米ノースロップ・グラマン社と米ロッキード・マーティン社は、「ビッグブルー」(Big Blue)として知られた30,000ポンドの地中貫通兵器の開発を行っていたが、財政的な理由と技術的な理由によって開発は中断されていた。
2003年のイラク戦争の後に、バンカーバスター爆弾によって目標とされた攻撃跡地を分析したところ、不十分な貫通力と不満足な破壊力が明らかとなった[要出典]。そこで非常に巨大なバンカーバスターの開発への関心が再燃し、MOPプロジェクトが開始された。アメリカ空軍には、超巨大爆弾に対する軍としての特段の要求はなかったが、大きなサイズの貫通および爆風型の兵器を収集する構想は存在し、それは大規模爆風爆弾(Massive Ordnance Air Blast bomb、MOAB)を含む「ビッグブルー」(Big BLU)コレクションと呼ばれた。
2007年7月19日に、米ノースロップ・グラマン社は250万米ドルでステルス爆撃機を改修する契約を明らかにした。機数は公表されていないが、各機が2基ずつのMOPを運搬可能なよう改修される。
2007年3月14日に、ニューメキシコ州のホワイトサンズ・ミサイル実験場でアメリカ国防脅威削減局(Defense Threat Reduction Agency, DTRA)の保有するトンネル内でMOPの最初の爆発試験が行われた。
2018年1月、ブルームバーグはGBU-57 の4回目のアップグレードが完了し、既存の在庫分も改装されていると空軍のスポークスマンであるエミリー・グラボウスキ大尉は電子メールを引用して報じた。この改装により。地中深く埋められた固い目標に対する性能が改善される。
2023年5月、空軍が発表したフェイスブックの写真に新型のGBU-57 が写っていたことが明らかにされている。
2007年12月、実物大模型の公表とともに、本爆弾が既にミズーリ州ホワイトマン空軍基地の第509爆撃隊のB-2搭載用に実戦配備されたと発表された。この模型は中央側面に巨大な4枚のフィンを持ち、GPSによって誘導され、正確に目標地点に命中した後、直径80cmの弾体が地中に70m以上貫通、爆発するとされた。
2011年11月、米空軍・地球規模攻撃軍団にMOPの納入が開始され、「現状必要とされる性能要求を満たす」とされた。2012年3月時点で、16個のMOPがホワイトマン空軍基地に配備されている。。
2018年2月8日、新しいバッジのMOP調達のための2,100万ドルの契約をボーイングと結んだ。空軍は、2020年7月31日より前倒しでの出荷開始を期待している。
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