『ワールドヒーローズ』(WORLD HEROES)は、1992年から1995年までにADK(1作目はアルファ電子)がネオジオ向けに製作した対戦型格闘ゲーム。本項ではシリーズ全4作について説明する。
本作は、服部半蔵やジャンヌ・ダルク、ラスプーチンなどの歴史上の人物や「著名なフィクションの登場人物」に類似した、漫画的なキャラクターが登場するという特徴がある。
使用可能キャラクターは全部で8人で、同キャラクター対戦は不可能。
Aボタンはパンチ、Bボタンはキック、Cボタンは投げに使用する。Dボタンは使用しない。パンチ・キックについてはボタンを短く押すと弱攻撃、長く押すことで強攻撃となる。
通常の対戦モードの他に「デスマッチモード」が存在する。このモードでは地雷、電流リング、壁一面のトゲ、オイルリングなど様々なトラップが用意されており、ダウンやバウンドした際に追加ダメージを受けたり、操作が困難になったりする。これにより、攻撃を仕掛けた側が思わぬダメージを喰らうことや不利な状況に立たされることもあった。髪切りマッチも存在し、負けたキャラクターは坊主頭にされてしまう過激な演出も存在したが、『ワールドヒーローズ2』(以下『2』)では多少マイルドになっている。
キャラクターのバランス調整が悪く、ジャンヌが必殺技の「フラッシュソード」を連発しただけでマッスルパワーは全ての戦略を封印された。そのため、対戦ダイヤグラムではまず存在しないとされていた「10:0」の数値がはじき出される事態が起こった。はめ技にはJ.カーンの「覇極道はめ」、ブロッケンの「しゃがみ弱パンチはめ」も存在する。
初代のみにみられるその他の特徴としては、気絶した際とコンティニューの際に場外からの応援としてキャラクターの名前が連呼される演出が挙げられる。
本作は横尾公敏が新人研修で出したMVSの新型筐体の企画であり、この時点では4人プレイが可能なベルトスクロールアクションゲームだった。このバージョンはある程度遊べるところまで出来ていたものの、CPUのアルゴリズムを他のモードへ流用することは不可能であり、CPUがプレイヤーを無視して同士討ちをするといった齟齬があった。また、当時は対面配置の筐体が普及しつつあったことから、本作は4人用筐体のゲームとしてではなく、当時流行していた2人用の対戦型格闘ゲームの企画として再スタートした。
本作はゲームセンターのコア層だった中高生以上の年代よりも、むしろ小学生をメインターゲットにしており、社内では児童向けの漫画雑誌などから子どもの好みを分析する試みが行われた。加えて、MVS筐体は海外での稼働が多いため、海外のユーザーでも理解しやすいキャラクターや作風が求められていた。このため、本作に登場するキャラクターは、同時期に稼働していた対戦型格闘ゲームよりも漫画的なデザインとなった。
多くのキャラクターのデザインは企画立案者の横尾が手がけたが、正統派のヒーローのデザインを不得意としていたという理由から、半蔵のデザインは本作のグラフィックスチーフが担当した。同様の理由からジャンヌのデザインはディレクターが手がけた。横尾によるジャンヌの初期デザインは中世風の鎧を着込んだものであり、チーム内からゲームで動かせないと指摘が挙がった。
本作の大ヒットにより会社としての規模が大きくなったアルファ電子は、社名をADKに改め、より大きなビルへと引っ越した。
空閑叉京は2019年にエキサイトに寄せた記事の中で、個性的なキャラクターや、デスマッチを評価した一方、負けると坊主頭にされる「髪切りデスマッチ」は90年代だったからこそ出来たものだと述べている。
ADKに改名後の1993年4月28日発売。100メガショック第4弾(ADKとしては初)。同キャラクター対戦が可能になり、6人の新キャラクターが追加された。また、Cボタンが挑発を兼ねるようになった。
新システムとして「投げ返し」「跳ね返し」が追加。
「デスマッチモード」では床を移動する回転ノコギリ、一画面分の広さしかない鉄の檻など新たなトラップに加え、1本で2人分の体力を表すシーソーゲージが採用された。対戦時にプレイヤーの意志が「ノーマルモード」と「デスマッチモード」で分かれた場合、コイントスにより決定する。
本作のキャラクターの選定にはMVSの普及度が考慮されていたものの、マッドマンなどのようにそれ以外の理由で登場したケースもある。
ムエタイ選手のシュラは、タイにMVSが多く輸出されていたことから登場が実現した。当初シュラは女性として出す予定であり、グラフィックスチーフによるデザインも用意されていた。ところが、女性キャラクターを増やす話になった際、日本人が良いということからリョウコが追加されたため、タイ出身だったシュラは男性に変更された。
マッドマンと次作に登場するジャックは横尾によるデザインであり、前者は奇抜なキャラクターを出したいという横尾の意向から登場が決まった。横尾は、当時のADKでは面倒なアイデアや提案を出した者がそのキャラクターのドットを担当するという風潮があり、その積み重ねによって色物のドッターを任されるようになったと4Gamer.netとのインタビューの中で話している。また、開発開始の時点から、各キャラクターには指定された容量が割り振られており、グラフィッカーが必須動作を作成した上で、技の取捨選択や統合をしたり、余った容量で別の動作を作るなどして、容量をやりくりした。このため、ジョニーやエリックといった大柄なキャラクターはデータサイズが大きいことから技の数が少なく、エフェクトを派手にして区別化するといった施策も採られた。
1994年4月26日発売。『2』の続編であるが、同作から多くが変更されている。2人の新キャラクターが追加された。前作のボスであったネオ・ギガスとディオは登場しない。
ゲームルールが大きく変更されたほか、前作まで存在したデスマッチモードは削除された。
システム面では、「ダッシュ」「バックステップ」の追加、「投げ返し」の削除などの整理が行われている。
その他の変更点
1995年5月25日発売。シリーズ最終作。システム面が従来から大幅に変更された。モード選択がなくなり、単にストーリーモードのみとなった。キャラクターの名前もフルネームが設定され、ハンゾウやフウマなどは漢字で表示されるようになった。キャラクターごとのステージは一部を除いて設定されておらず、地球創世紀・ジュラ紀・氷河期・石器時代・巨石文明・中世暗黒時代・元禄時代・産業革命・世界大戦・現代まで様々な時代で戦う。ステージの具体的な地点は不明なものが多いが、巨石文明はピラミッド建設中のエジプト、元禄時代は江戸、産業革命はイギリス、現代は東京渋谷となっている。
システム面の変更点
裏技でキャラクターを超小型にすることが可能である。攻撃力が極端に低下する代わりに、勝利時の獲得スコアが桁違いに増加するため、一部のスコアラーを意識していた模様だが、ネオジオCD版では攻撃力が通常時と変わらないのでバランスが著しく崩れる。
『ワールドヒーローズ』シリーズを題材にした漫画・コミカライズ。
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