ロードパル(roadpal)は、本田技研工業が1976年から1983年にかけて製造販売していた、排気量50ccの原動機付自転車のブランド名である。主な利用者として女性を想定しており、軽量で小さいので取り扱いやすく、ゼンマイ方式でエンジンが始動できるのでエンジンが始動しやすく、手頃な価格という特徴を備えた車種である。
ホンダ・ロードパル | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ロードパル ホンダコレクションホール所蔵車 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
基本情報 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
車体型式 | NC50 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
エンジン | 49 cm3 2ストローク 空冷ピストンリードバルブ単気筒 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
内径×行程 / 圧縮比 | 40.0 mm × 39.6 mm / 6.7:1 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
最高出力 | 2.2ps/5,500rpm | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
最大トルク | 0.37kg-m/3,500rpm | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
乾燥重量 | 44 kg | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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本モデル販売開始以前は、女性の免許証保有比率が20%近くもありながら10人に1人もオートバイに乗っていないことが同社の調査で判明したことから、さらなるユーザー層の獲得を狙って(つまり女性層を新たなユーザーとして取り込むことを狙って)1973年から企画開発された。 ホンダにはすでにスーパーカブという車種があったが、とりかかりの調査を行うためにホンダの女性従業員を集めてカブに乗ってもらったところ「車体が重たくてスタンドが立てられない」「キックスタートは駄目(普通の女性ではエンジンがかからない)」「スカートで乗れない」など、ほとんどの女性がスーパーカブへの不満を口にした。
(あくまでターゲットは女性であり、既存のオートバイは女性にとっては上に挙げたような数々の難点があるということが判明したので)商品化に当たっては、以下のコンセプトが重要視された。
1976年に発売。 プレスリリースの最初の文章に「女性にもとりまわしが楽で、軽く 大きさもミニ・サイクルなみの2輪車《ロードパル》を、新発売いたします」と書き、つまり一番最初の言葉として想定ユーザ(ターゲットユーザ)を示す言葉「女性」を配置し、続いて軽さ、小ささを訴求。次の一文では「この《ロードパル》はエンジンの始動に新機構を採用するなど、これまでオートバイになじみのない人たちにも気軽に乗っていただけるよう配慮し、しかも価格も手頃な2輪車です。」と説明、と新始動方式であること、従来のオートバイのユーザとは全然異なる人々をターゲットにしていることを訴求し、そして最後に価格もお手頃であることを訴求した。
標準現金価格は59,800円。これは他のオートバイと比較して極めて廉価
ホンダの狙い通り、女性がオートバイを嫌う原因となっていた要素(女性にとっては車体が大きいこと、車体が重いこと、キックスタートという女性にとっては無理な(始動不可能な)始動方式)を解消したことで、それまで眠っていた女性層を二輪車の新たなユーザとして取り込むことに成功した。 その結果、輸出も含み1年間で25万台の売上を記録するヒット商品となった 。
テレビコマーシャルをはじめとするイメージキャラクターには国際的女優のソフィア・ローレンを起用。実際に運転させ女性のオートバイに対する抵抗感を払拭することに成功した功績も大きいと言われている。CM内でソフィア・ローレンが発したキャッチフレーズのラッタッタは、本バイクの通称ともなり、気軽に乗れる印象をさらに深めることにもつながった。
その後は好評により改良が実施されたほか、派生車種もラインナップ。1983年まで生産された。
型式名NC50。最高出力2.2psの空冷単気筒2ストロークピストンリードバルブエンジンを搭載するが、以下に示す従来のオートバイと大きく異なる新機構が多数採用された。
本モデルの爆発的ヒットは、ライバル会社が本モデルと競合するコンセプトを持つモデルを発売。さらには販売競争にも発展した。
国内3社の競合モデル | |||
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発売年 | メーカー | 車名 | イメージキャラクター |
1976 | 本田技研工業 | ロードパルシリーズ | ソフィア・ローレン |
1977 | ヤマハ発動機 | パッソル・パッソーラ | 八千草 薫 |
1978 | 鈴木自動車工業 | ユーディーミニ | 森 昌子 |
この結果オートバイ生産は活況を呈し1976年には130万台、1977年には162万台、1978年には198万台とファミリーバイクを中心に順調な伸びを示した。
しかし、本田技研工業とヤマハ発動機の間はさらに過激な値引き販売競争を激化。1970年代後半から1980年代初頭に掛け行われたHY戦争となり、パッソルがステップスルースクーターのため本田技研工業もタクトを発売。その一方で本シリーズは標準現金価格から半額近い値引販売を実施。客寄せ的戦略が行われたが、性能向上とは異質な競争となったことから、末期には「安かろう悪かろう」的なイメージが持たれた[独自研究?]。
1983年に本シリーズは生産中止になったが、上述したライバル会社間の販売競争の結果、3社ともファミリーバイクの販売主力をステップスルースクーターに移行させたことから、タクトが事実上の後継車となる。
より簡易な原動機付自転車という視点からの後継車としては、1984年にモペッドのピープルが製造販売開始された。しかし引き続く価格競争の面でスクーターに対するメリットもなく、あくまでもエンジンは補助動力というコンセプトならびに1986年には道路交通法改正により原付もヘルメット装着が義務付けられたことから、販売面でも苦戦し製造が打ち切られた。
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