『バイオハザード』(原題: Resident Evil)は、2002年のサバイバルアクションホラー映画。カプコンのビデオゲーム『バイオハザード』を原作とし、ポール・W・S・アンダーソンが監督・脚本を務める、映画「バイオハザード」シリーズの第1作目である。
バイオハザード | |
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Resident Evil | |
監督 | ポール・W・S・アンダーソン |
脚本 | ポール・W・S・アンダーソン |
原作 | カプコン 『バイオハザード』 |
製作 | ポール・W・S・アンダーソン ジェレミー・ボルト ベルント・アイヒンガー サミュエル・ハディダ |
製作総指揮 | ヴィクター・ハディダ ダニエル・クレツキー ロバート・クルツァー 岡本吉起 |
出演者 | ミラ・ジョヴォヴィッチ ミシェル・ロドリゲス |
音楽 | マリリン・マンソン マルコ・ベルトラミ |
撮影 | デヴィッド・ジョンソン |
編集 | アレクサンダー・バーナー |
配給 | スクリーン ジェムズ アミューズピクチャーズ |
公開 | 2002年3月15日 2002年8月31日 |
上映時間 | 100分 |
製作国 | アメリカ合衆国 イギリス ドイツ |
言語 | 英語 |
製作費 | $33,000,000 |
興行収入 | $102,441,078 23.0億円 |
次作 | バイオハザードII アポカリプス |
巨大複合企業アンブレラ社が所有する巨大な地下研究施設にて、開発途中であったウィルス兵器、『T-ウィルス』が施設内に漏洩したことにより、バイオハザードが発生したことに端を発し、事態収束のために派遣されたアンブレラの特殊部隊が施設内で遭遇したバイオハザードや、それらによって誕生したアンデッド(ゾンビ)達や、ウィルスを用いて開発された生物兵器との戦いと共に、バイオハザードに見舞われた地下研究施設からの脱出までの戦いが描かれる。
続編として『バイオハザードII アポカリプス』、『バイオハザードIII』、『バイオハザードIV アフターライフ』、『バイオハザードV リトリビューション』、『バイオハザード: ザ・ファイナル』が公開された。
21世紀初頭。全米No.1の巨大複合企業であり、アメリカでの家庭用医薬品シェア90%を誇るアンブレラ社。だが真の姿は細菌兵器などの研究開発を手掛ける“軍事企業”であった。ある日、アメリカ合衆国ラクーンシティ郊外に位置するアンブレラ社の地下極秘研究所「ハイブ」で、研究中の生物兵器T-ウイルスが何者かによって施設全域へ漏洩するバイオハザードが発生。空調設備を通じて所員全員がウイルスに感染したため、ハイブのメインコンピュータ「レッド・クイーン」は外部へのウイルス漏出を防ぐべく所内の各区画を封鎖、消火剤であるハロンガスやスプリンクラーの水を大量に散布し、500名を超える全所員を死亡させ、汚染を所内に封じ込めた。事態を知ったアンブレラ本社は、その原因をレッド・クイーンの故障と推測し、レッド・クイーンをシャットダウンさせるため自社の特殊部隊を現地に派遣した。
一方、ラクーンシティ郊外の洋館のシャワールームでアリスは目覚めた。記憶喪失に陥ったアリスは館内をさまよい、突然謎の男性マットに抑え込まれ、次いで突入してきたアンブレラの特殊部隊に拘束される。部隊長のワンは、アリスが部隊の一員であり、ハイブの秘密の入口であった屋敷の警備任務に就いていたことを告げる。だがハイブの防衛システムに連動して屋敷に散布された神経ガスの副作用で、アリスは一時的な記憶障害を負っていた。同時に拘束されたマットは街に先日着任した警官と名乗るがなぜかデータベースに情報はなく不審は続く。
ワン部隊長を始めとする部隊は、アリスとマットを連れ屋敷の地下へ移動する。そこにはハイブの連絡地下鉄道があり、一同は列車へ乗り込み発車。列車ではアリスと同じく屋敷の護衛を担い、アリスと偽装結婚していたスペンスが失神していた。彼もまたガスの影響で記憶障害を引き起こしていた。スペンスを迎えた一行はハイブへ突入する。館内には生存者はおらず、館内図と異なる異質な生物兵器を製造する区画まであった。レッドクイーンの中枢である最地下層へ到達した、一行は隊員のカプランの主導で防壁ドアをクリアするが、直後に防衛システムが作動、通路へ侵入したワン隊長含む5名の隊員がレーザートラップによって全滅してしまう。残されたカプランとアリスは通路を抜けてレッドクイーンの中枢にアクセスする。レッドクイーンは製作者の娘を模したホログラフを介して2人に「私を壊すと大変なことになる」「あなたたちはこの施設で全員死ぬ」と警告するが、あえなくシャットダウンされる。これによって一時的にハイブの電源がすべて落ち、計らずして封鎖されていた一部の区域のロックも開けられた。
一方、カプランらと別れ見張りをしていた隊員のレインとJ.D.、手錠をはめられたマットは研究員の服装をした女性に遭遇。しかし彼女の様子は明らかに異常で、駆け寄ったレインの手の肉を食い千切り、銃で蜂の巣にしても死亡する気配がなかった。女性が失踪した直後、アリス、カプラン、スペンスの3名が戻ってきた。やがて女性と全く同じ様子の人々がどこからともなく現れ、6人に襲いかかる。
バイオハザードシリーズの登場人物も併せて参照のこと。
アンブレラ社が保有する数多くの私設部隊の一つで、公にはできない極秘任務を担当する。ハイブ内の職員を抹殺した人工知能レッド・クイーンをシャットダウンするべくアンブレラによって派遣された。部隊名は各メディアごとに異なっており、映画劇中では隊員の制服に書かれた「Sanitation」の文字から「Sanitation Team(衛生部隊)」であることがわかるが、映画パンフレットや小説版等のメディアでは、原作ゲームにも登場した特殊部隊S.T.A.R.S.隊員であるとも記載されている。ただしこちらは、原作のようにラクーンシティ警察に併設されたS.T.A.R.S.部隊ではなく、あくまでアンブレラ社がハイブ調査のために極秘に編成したS.T.A.R.S.部隊であり、原作のようにラクーンシティ警察に併設された方のS.T.A.R.S.部隊は、後に公開された映画『II』に登場している。
詳細はバイオハザードシリーズ#登場クリーチャーや個別項目を参照。
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
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ソフト版 | フジテレビ版 | ||
アリス・アバーナシー | ミラ・ジョヴォヴィッチ | 本田貴子 | 岡寛恵 |
マット・アディソン | エリック・メビウス | 宮本充 | 内田夕夜 |
スペンサー・パークス(スペンス) | ジェームズ・ピュアフォイ | 江原正士 | 山路和弘 |
ジェームス・P・シェイド(ワン) | コリン・サーモン | 大友龍三郎 | 玄田哲章 |
レイン・オカンポ | ミシェル・ロドリゲス | 朴璐美 | 高山みなみ |
チャド・カプラン | マーティン・クルーズ | 咲野俊介 | 小森創介 |
J.D.サリナス | パスクエール・アリアルディ | 大川透 | 相沢正輝 |
リサ・アディソン | ハイケ・マカッシュ | 山川亜弥 | 石塚理恵 |
レッド・クイーン(モデル) | ミカエラ・ディッカー | かないみか | 大前茜 |
ウィリアム・バーキン博士 ナレーター | ジェイソン・アイザックス | 有本欽隆 | 谷昌樹 |
その他 | 田島康成 高山佳音里 よのひかり 鶴博幸 佐藤晴夫 斉藤恵理 新垣樽助 江川大輔 佐伯洋史 | 山像かおり 桐本琢也 大坂史子 千島楊子 赤城進 斉藤次郎 横島亘 徳光由禾 三宅健太 風間秀郎 | |
日本語版制作スタッフ | |||
演出 | 佐藤敏夫 | 高橋剛 | |
翻訳 | 松浦美奈 | 藤澤睦実 | 松崎広幸 |
効果 | リレーション | ||
制作 | プロセンススタジオ | グロービジョン | |
プロデューサー | 内田正仁 (アミューズピクチャーズ) | 中島良明 (フジテレビ) | |
初回放送 | 2016年12月22日 『午後のロードショー』 13:50-15:55 | 2004年9月4日 『プレミアムステージ』 21:00-22:54 |
※2015年10月7日発売の「吹替洋画劇場」シリーズ「吹替洋画劇場『バイオハザード』デラックス エディション」Blu-rayには本編ディスクとは別に、フジテレビ版(約92分)の吹き替え版を収録した特典ディスクが付属している。
回数 | テレビ局 | 番組名(放送枠名) | 放送日 | 放送時間 | 放送分数 | 視聴率 | 吹替版 | 備考 |
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1 | フジテレビ | プレミアムステージ | 2004年9月4日 | 21:00 - 22:54 | 114分 | 20.1% | フジテレビ版 | 「バイオハザードII アポカリプス」公開記念で地上波初放送された。 吹替が新録された。 |
2 | 土曜プレミアム | 2006年12月23日 | ||||||
3 | テレビ朝日 | 日曜洋画劇場 | 2007年10月28日 | 15.5% | ||||
4 | テレビ東京 | 木曜洋画劇場 | 2009年3月5日 | |||||
5 | テレビ朝日 | 日曜洋画劇場 | 2010年9月12日 | 14.9% | ||||
6 | 2012年1月22日 | 21:00 - 23:10 | 130分 | 12.5% | ||||
7 | 2013年3月3日 | 22:20 - 24:30 | 9.0% | ワールド・ベースボール・クラシック1次ラウンド 日本 vs 中国が延長のため、通常放送より80分遅れで放送された。 特別編集版として放送された。 | ||||
8 | 2014年11月16日 | 21:20 - 23:30 | 9.9% | 日米野球2014第4戦が延長のため、通常放送より20分遅れで放送された。 今作と次作「バイオハザードII アポカリプス」の映像を再編集させた「バイオハザード+バイオハザードII アポカリプス 特別版」が放送された。 | ||||
9 | テレビ東京 | 午後のロードショー | 2016年12月22日 | 13:50 - 15:55 | 125分 | ソフト版 | ||
10 | 日本テレビ | 金曜ロードSHOW! | 2021年3月26日 | 21:30 - 23:24 | 114分 | 7.3% | 『DRAMATIC BASEBALL 2021「巨人×DeNA 開幕戦」』が延長のため、通常放送より30分遅れで放送された。 「モンスターハンター」公開記念で放送。金曜ロードSHOW!名義では最後の放送作品。 |
原作・原案は、日本のゲームメーカーであるカプコンによって発売されたビデオゲームの『バイオハザードシリーズ』。1996年に発売されたシリーズ第1作目『バイオハザード』は、カプコンのゲームデザイナーである三上真司(現Tango Gameworks代表)を中心としたチームによって生み出され、全世界で275万本の売り上げを記録する大ヒット作品となった。ゲームの最大の特徴である「か弱い主人公が、限られた装備を駆使して、恐怖に満ちた世界を生き延びる」というレベルデザインや設定は、後にサバイバルホラーと呼ばれるようになり、このゲームジャンルの代名詞となった。
後に夫婦となる監督・脚本・製作のポール・W・S・アンダーソンと主演のミラ・ジョヴォヴィッチは共に原作のファンで、自ら望んで本作に携わった。
ゲーム版に使われている設定(巨大企業「アンブレラ」や「T-ウイルス」など)や、世界観をベースに映画オリジナルの要素を加え、その中でストーリーが展開され、作品全体としてはオリジナル要素が強く、登場人物はゲーム版と異なるが、舞台となる施設が、表向きは洋館で構成されているが、地下にウィルス研究施設が建造されている、洋館から地下研究所までの移動手段として専用列車が設置されている、バイオハザードが閉鎖された空間内で引き起こされていると言った『1』や『2』で見られたゲームで登場する施設や設備、シチュエーションなどが登場しており、更にゾンビやケルベロス(ゾンビ犬)などのクリーチャーは登場する。ホラー要素が強い原作と違い、全体的にアクション要素が強いのも特徴である。
日本ではPG-12指定で、地上波テレビ放送の際には、レーザートラップによる特殊部隊の惨殺シーンなどの残酷描写に修正が加えられた。他の国でもR-15やR-18である。
ミラの来日インタビューによると、当時13歳の弟が大のゲーム好きであり、特に『1』のファンだったことから出演を決めたという。弟の影響からミラ自身も気がつけば1日5時間プレイするほど『バイオハザード』の世界観にハマっていたといい、オファーを受けた時は「主演は私しかいない」と即決したという。また、ポールも数人の女優にオファーを出す予定であったが、最初に会ったミラの熱意を感じ取り、他の女優には会わないまま彼女を抜擢した。
ミラは事前のアクショントレーニングをみっちりこなし、1カットを除いてハードなアクションシーンもすべて自身が演じた。そのため、ラストシーンでミラの身体に存在するアザはすべて本物である。ポールは、何でも自分でやろうとするミラを抑えるのに必死だったという。また、作中の「真っ赤なワンピースとブーツ」という出で立ちは、「(アクションシーンなどで)身体の動きをよく見せたい」というミラの希望から、彼女が美術スタッフと共に考案した。衣装の素材を薄くしたため、下着の線がカメラに映らないよう、下着を着けずに撮影に臨んだ。ただし、主な撮影時期が真冬であり、しかも地下の撮影で上着も着られないまま数多くのアクションを行ったことは、ミラにとっても誤算だったという。
ハイブの設計は、主に日本のコンクリート建築を参考にしている。
2016年9月16日(9月15日深夜)にカンテレで放送された『NMBとまなぶくん』に出演した映画解説者の有村昆によれば、本作の製作費は(ハリウッド作品としては非常に低額の)33億円(撮影当時の日本円に換算)だったといい、ゾンビ役の俳優を雇えなかったためにポールたちスタッフが総動員で演じたほか、ハイブで最初にゾンビと遭遇するシーンの背景セットはすべて段ボールで作っていたそうである。
映画オリジナルの要素として、『鏡の国のアリス』へのオマージュが挙げられる[要出典]。
『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ』には本作のレーザー攻撃システムとレッド・クイーンの設定が、『バイオハザード4』や『バイオハザード6』にはレーザー攻撃システムが取り入れられている。『4』のリメイク版である『バイオハザード RE:4』では、主人公のレオン・S・ケネディによるゲーム本編ではレーザー攻撃システムがオミットされたものの、エイダ・ウォンを主人公にしたダウンロードコンテンツ「Separate Ways」に同システムが登場。ワン隊長を死に追いやった網目状のレーザー攻撃も登場し、エイダを追跡していたクリーチャー・マルティニコがこれに切り刻まれる場面が描かれている。
本作の小説版は日本国内と海外で、異なる著者による小説版がそれぞれ発売されている。
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