スミソニアン博物館(スミソニアンはくぶつかん、英:Smithsonian Museum )は、アメリカを代表する科学、産業、技術、芸術、自然史の博物館群・教育研究機関複合体の呼び名。スミソニアン学術協会が運営している。
イギリスの貴族初代ノーサンバランド公ヒュー・パーシー(旧姓スミソン)の私生児で科学者でもあったジェームズ・スミソン(James Smithson)が、莫大な財産を残して1829年に死去した。亡くなる間際に全財産を「知識の普及と向上」のためにアメリカ合衆国に寄贈するように遺言した。イタリアで息を引き取った彼が、訪れたことすらないアメリカに遺贈した理由はよくわかっていない[要ページ番号]。相続に関する権利関係が整理された1846年に、スミソンの遺産を元手にワシントン特別区にスミソニアン協会(Smithsonian Institution)が設立された。
スミソニアン博物館は、スミソニアン協会が運営する19の博物館並びに研究センターの施設群であり、多くはワシントンD.C.の中心部にあるナショナル・モールに設けられているが、ニューヨーク市、バージニア州、アリゾナ州、メリーランド州や海外(パナマのスミソニアン熱帯研究所)に置かれたものも含まれる。収集物は1億4200万点にも及ぶ。
運営資金はアメリカ合衆国連邦政府の財源及び寄付、寄贈、ミュージアムショップ、出版物からの利益で賄われているため、入場料は無料である。
世界各国の本物の航空機を展示している国立航空宇宙博物館は特に有名で、月の石の企画展示を行ない、また広島の原爆展の企画(公開出来なかった)でも知られている。他に、国立アメリカ歴史博物館、産業・技術史の博物館や国立アメリカ・インディアン博物館などもある。それら9つの博物館とナショナル・ギャラリー(国立美術館。スミソニアン協会とは別)は、国会議事堂前に展開する広い道路「ナショナル・モール」の両脇に配置され、一帯は広大な博物館地域となっている。国立動物園等はワシントンD.C.の他地域に、クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館、国立アメリカ・インディアン博物館が管轄するジョージ・グスタフ・ヘイ・センターはニューヨーク市にある。これに類する博物館群は他の国ではほとんど例をみず、ドイツのベルリン美術館も複数の美術館、博物館群だが規模が比較の対象にならない。
スミソニアン博物館は『スミソニアン・イヤー』という年報を出版している。
1971年12月に10ヵ国蔵相会議が開催され、合意した国際通貨に関する一連の措置をスミソニアン協定と呼ぶ。
2009年に公開された映画『ナイト ミュージアム2』は、この博物館が舞台である[要出典]。恐竜ホールは2014年4月末から5年間、改装のため閉鎖されている。シリーズ1作目『ナイト ミュージアム』はアメリカ自然史博物館、3作目『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』は大英博物館が舞台である[要出典]。
発行年順。
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