ハーディとリトルウッドは1923年に、L関数に対する一般化されたリーマン予想(の若干弱い形を)を仮定して、全ての奇数 n ≧ n0 が3個の素数の和となるような下限 n0 が存在することを証明し、またその表現の個数の漸近公式を得た。また同様の仮定のもとにほとんどすべての偶数が二つの奇素数で表されること、すなわち例外的な数全体は零集合であることを証明。しかし偶数を二つの奇素数で表す仕方の数の漸近公式については予想するにとどまった。
1930年にソビエトの数学者シュニレルマンは、2個の素数の和で表される数と0, 1からなる集合は正のシュニレルマン密度を持つことをブルンの篩を用いて初等的に示し、シュニレルマンの定理から、すべての自然数が高々 k 個の素数の和であるような、k が存在することを示した。
1937年にソビエトの数学者ヴィノグラードフ(英語版)は三素数の問題に関して、三角和の方法を用いて、一般化されたリーマン予想を仮定することなしに、上記のような定数 n0 (現在、具体的にわかっている。(Borozdin,1939)さらに良い評価として(Liu Ming-Chit and Wang Tian-Ze,2002))の存在を証明した。(ヴィノグラードフの定理参照)
強い予想についてのヒューリスティックかつ確率論的な議論は、大まかには次のようなものである。素数定理によれば、無作為に選択した整数 m が素数である確率は 1/ln m である。故に十分大きな偶数 n に対し m が 3 ≤ m ≤ n/2 を満たすとき、m と n − m が共に素数である確率は 1/(ln m ln(n − m)) となる。このことから、十分大きな偶数 n を二つの素数の和に分解する方法の数は概ね
であると計算できる。この値は n の増大につれて無限大に発散するので、恐らく任意の巨大な偶数は二つの素数の和に分解できるどころか、そのような方法は幾通りも存在するであろうと予想できる。
この議論は実際にはやや不正確である。理由は m と n − m が素数であるという二つの事象に統計的独立性を仮定しているためである。例えば m が奇数ならば n − m もまた奇数、m が偶数ならば n − m もまた偶数となるが、2 を除く整数は奇数のときしか素数となりえないため、これは二つの事象の間の非自明な関係となる。同様に n が 3 の倍数、m が 3 でない素数のとき、n − m は 3 と互いに素となる可能性があり、その分素数である確率も若干高くなる。1923年、ハーディとリトルウッドはこのような解析をより注意深く行い、次のように予想した。
予想(ハーディ・リトルウッド予想の一部) ― 任意の固定された c ≥ 2 に対し、十分大きな整数 n を c 個の素数の和 n = p1 + … + pc(p1 ≤ … ≤ pc) として表現する方法の数は、次に漸近的に等しい。
ただし式中の積は素数全体 p に渡って行い、γc,p(n) は合同式n = q1 + … + qc mod p(q1, …,qc ≠ 0 mod p) の解の個数を表す。
1975年、ヒュー・モンゴメリ(英語版)とロバート・チャールズ・ヴォーン(英語版)は、「ほとんど」全ての偶数は 2つの素数の和として表すことができることを示した。詳しくは、正の数 c と C が存在して、全ての十分に大きな数 N に対して、N よりも小さな数は 2つの素数の和であることを、彼らは示した。この例外は、多くとも である。特に、2つの素数の和であらわされない偶数の集合は自然密度(英語版)ゼロである。
ユーリ・リンニック(英語版)は、1951年、全ての十分に大きな偶数が 2つの素数と 2 の 高々 K 乗との和として表せるような K が存在することを証明した。ロジャー・ヒースブラウン(英語版)とジャン・クリストフ・シュラージ・プクタ(英語版)は、2002年に、K = 13 であることを発見した。 これは、2003年にヤノス・ピンツ(英語版)とイムル・ルッツァ(英語版)により K=8 と改善された。
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