神戸大学(こうべだいがく、英語: Kobe University)は、兵庫県神戸市灘区六甲台町1番1号に本部を置く日本の国立大学である。1902年創立、1949年大学設置。略称は神大(しんだい)あるいは神戸大(こうべだい)。
神戸大学 | |
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神戸大学六甲台本館(国登録有形文化財) | |
大学設置 | 1949年 |
創立 | 1902年 |
学校種別 | 国立 |
設置者 | 国立大学法人神戸大学 |
本部所在地 | 兵庫県神戸市灘区六甲台町1番1号 北緯34度43分34.9秒 東経135度14分7.4秒 / 北緯34.726361度 東経135.235389度 東経135度14分7.4秒 / 北緯34.726361度 東経135.235389度 |
学生数 | 15,871 |
キャンパス | 六甲台(兵庫県神戸市灘区) 楠(兵庫県神戸市中央区) 名谷(兵庫県神戸市須磨区) 深江(兵庫県神戸市東灘区) |
学部 | 文学部 国際人間科学部 法学部 経済学部 経営学部 理学部 医学部 工学部 農学部 海洋政策科学部 海事科学部 · |
研究科 | 人文学研究科 国際文化学研究科 人間発達環境学研究科 法学研究科 経済学研究科 経営学研究科 理学研究科 医学研究科 保健学研究科 工学研究科 システム情報学研究科 農学研究科 海事科学研究科 国際協力研究科 科学技術イノベーション研究科 |
ウェブサイト | www |
神戸大学は1902年(明治35年)に日本で2番目に設立された官立高等商業学校である神戸高等商業学校に開学の起首を持つ。現在は10学部・15研究科を設置する総合大学となっている。前身の神戸高商は、日清戦争後の急速な日本の経済の成長を背景に、実業界における人材需要が高まる中、東京高等商業学校(現一橋大学)に続く形で設置された。初代校長である水島銕也は東京高商との差別化を図るため、学理からより実践的な実学教育を重視した。1949年の学制改革による新制大学としての改組時に、日本で最初の経営学部を設置している。また、唯一の海事科学部を設置している大学である。旧官立9大学の一校である。
学部学生数11,411人、大学院学生数4,460人、計15,871人、教員数(常勤)1,253人。
「学理と実際の調和」を理念としている。神戸高等商業学校設立以来、「真摯」「自由」「協同」の精神で、社会に貢献するような指導的人材を育成する世界的研究・教育機関たることを目指している。
「先端研究・文理融合研究で輝く卓越研究大学へ」
イギリスの大学評価機関「クアクアレリ・シモンズ社」によるQS世界大学ランキング2020(2019年)では、第395位、アジア第59位である。
2007年(平成19年)に、理学・工学・システム情報学・農学・海事科学の5研究科に加え、自然科学系の5つの研究センターが参加する学際組織、「自然科学系先端融合研究環」を設置。2016年(平成28年)に「先端融合研究環」へと改組。2011年(平成23年)には神戸ポートアイランドに先端的・融合研究を集積する目的で「統合研究拠点」を設置している。このように、文理・分野融合を意識した横断的な研究開発、人材育成に力を入れている。
EUインスティテュート関西のコンソーシアムメンバーとして参加しており、通常の留学支援だけでなく、専門教育と留学の双方を中心に据えた独自性の高い少数精鋭教育プログラム「EUエキスパート人材養成プログラム (KUPES)」「5年一貫経済学国際教育プログラム (IFEEK)」「KIBER Program」等を実施している。
本稿では主として新制神戸大学設立後の沿革をまとめている(前身の旧制諸学校の沿革については、各校の記事を参照のこと)。
(この節の出典)
神戸大学のロゴマークは2002年(平成14年)の創立百周年を機に制定されたもので、「Kobe University」の頭文字「K」を2羽の鳥に象徴化し、それぞれが大きな軌跡(個性)を描きながら山や海を渡り、大空(世界)へと自由に羽ばたき、時にはお互いに助け合いながら進みゆく様子を表現している。
配色は、鳥を大学のシンボルカラーのブリックカラー (RGB:R196 / G0 / B0) とし、緑は山、青は海をイメージしている。
ゴシック系フォントを用い、未来にまっすぐ進む堅実なイメージを表現。世界に発信する神戸大学を、広がりのあるデザインでアピールしている。
神戸大学のマスコットキャラクターは「神大うりぼー」であり、六甲山に出没するイノシシの子供である「うり坊」をモチーフとしている。
以下、特記していない専攻は博士前期課程・博士後期課程である。
採択年度 | 分野 | プログラム名 |
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平成14年度 (2002年度) | 生命科学 | 蛋白質のシグナル伝達機能 |
平成15年度 (2003年度) | 医学系 | 糖尿病をモデルとしたシグナル伝達病 |
数学・物理学・地球科学 | 惑星系の起源と進化 | |
機械・土木・建築・その他工学 | 安全と共生のための都市空間デザイン戦略 | |
社会科学 | 「市場化社会の法動態学」研究教育-規範生成・規整・紛争管理の多元性をめぐる理論構築と臨床応用- | |
新しい日本型経済パラダイムの研究教育-グローバル化と人口減少下の持続可能経済- | ||
先端ビジネスシステムの研究開発教育 |
採択年度 | 分野 | プログラム名 |
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平成19年度 (2007年度) | 生命科学 | 統合的膜生物学の国際教育研究拠点 |
平成20年度 (2008年度) | 医学系 | 次世代シグナル伝達医学の教育研究国際拠点 |
数学・物理学・地球科学 | 惑星科学国際教育研究拠点の構築 |
神戸大学の同窓会は略歴にあるような事情から学部・学科・研究科別に複数の組織が存在している。神戸大学の同窓組織としてマスメディアなどでよく名前の挙がる社団法人凌霜会は旧神戸高等商業学校・旧神戸商業大学・旧神戸経済大学とその系譜を組む経済学研究科・経営学研究科・法学研究科・国際協力研究科の4部局ならびに関係する各学部の卒業生と在学生のみを対象とした同窓組織であり、他研究科・学部の卒業生は入会できない組織となっている。そのため、神戸大学全体を代表する同窓組織ではない。
全学横断型の各同窓会の連合体として、神戸大学学友会が1979年に設立されている。
神戸大学が公式に存在を認めている同窓会と、その対象となる学部学科は以下の通り。(それぞれ、前身となる学校・学部・研究科等を含む)
神戸大学のキャンパスは全て神戸市内に所在し、一部を除いて殆どの付属施設が神戸市内のキャンパスに存在する。
大学公式ホームページ等では「地区」または「キャンパス」という呼称が並存している。キャンパス名に関しては、医学部・医学系研究科と海事科学部・海事科学研究科のキャンパスは所在地の地名があてられている。それ以外の学部・研究科のキャンパスの場合、キャンパス名は学部名を冠したものや地名を冠したものとで揺れがある。
本地区は六甲山とその山の手に広がる住宅地に接しており、事務局・附属図書館・医学部と海事科学部を除く各学部・研究科および付属施設が存在する。この地区へ行く際には、阪神電鉄御影駅・新在家駅、JR六甲道駅および阪急電鉄六甲駅から神戸市営バス、タクシー、あるいは徒歩といった方法がある。学生のマイカー通学は禁止されているため、下宿生を中心にバイクで通学する者が多い(最寄駅からキャンパスへは非常に険しい坂道なので、原付を含めたバイク所有者の割合は非常に高い)。地区内の移動は基本的には徒歩である。
六甲台地区の敷地面積は、435,378 m2。
本キャンパスは全学のキャンパスの中で最北に位置し、南東側に鶴甲第1キャンパスがある。この両キャンパスの間には神戸市立鶴甲小学校があり、そのさらに南東を兵庫県道95号灘三田線が通る。
本キャンパスでは語学、一般教養、総合教養、教養原論等の全学共通授業科目の講義が行われており、国際文化学部が設置される以前は、全学に一般教養教育を行っていた教養部があった。本キャンパス側から灘三田線を跨ぐ歩道橋を渡った所に学生会館があり、その西側に六甲台キャンパスが、南側に工学部キャンパスがある。2008年5月に工学部店に次ぐ2店目のセブン-イレブン国際文化学部店が開店した(場所はA棟1階)。
新制神戸大学の誕生後、第2次世界大戦後の進駐軍の居住区域であった六甲ハイツ跡地を利用し、姫路市、明石市、西代・松野(神戸市長田区)、赤塚山・御影(神戸市東灘区)に分散されていた各学部の学舎を1960年代に移転配置させてできたキャンパス。工学部棟、文理農各学部棟、先端融合研究環を含む自然科学総合研究棟がある。(北緯34度43分34.7秒 東経135度14分7.1秒 / 北緯34.726306度 東経135.235306度)
工学部棟周辺のみを指して「工学部キャンパス」とも呼ぶ。2007年4月、ここに関西の大学の中で初めてセブン-イレブンが出店した。西隣に文理農学部棟があり、少し隔てた東側には親和女子中学校・高等学校がある。
文理農学部棟周辺を単独で「文理農学部キャンパス」、あるいは「文理農キャンパス」とも呼ぶ。また、文学部 (Letters)、農学部 (Agriculture)、旧自然科学研究科 (Nature Sciences)、理学部 (Science) の頭文字をとって「LANSキャンパス」とも呼ばれている。
学生会館には文化系サークルの部室や書籍販売・アルバイトの情報を提供する生協書店が存在する。六甲台キャンパス内にあり、位置的には六甲台5部局(経済学研究科、経営学研究科、法学研究科、国際協力研究科、経済経営研究所)・工学研究科・国際文化学研究科の各校舎の中間地点である。
神戸市外にある神戸大学関連の施設としては、上述の神戸大学ビーフを開発した農学研究科附属食資源教育研究センターが加西市に、基幹研究推進組織内海域環境教育研究センターのマリンサイトが淡路市に、海事科学研究科附属国際海事教育研究センターの淡路海洋実験実習場が南あわじ市に、そして、神戸市中央区には、先端融合研究環統合研究拠点、神戸医療産業都市構想に関わる神戸バイオテクノロジー研究・人材育成センターおよびインキュベーションセンターが存在する。
立地している地域の関係で、主に兵庫県や県下の市町との協定締結が大半である。
(「地域福祉向上、産業振興、教育・文化・スポーツの振興及び発展、人材育成、まちづくりのための連携」を目的としている)
(「文化・教育及び学術の分野で援助・協力し、生涯学習等に関する諸課題や文化遺産を活用した地域との連携事業について協同で研究等に参画」することを目的としている)
(「文化・教育及び学術の分野で援助・協力し、生涯学習等に関する諸課題や文化遺産を活用した地域との連携事業について協同で研究等に参画」することを目的としている)
(「県下の市町や県民が取り組むまちづくり、文化及び学術の分野で連携し、地域の歴史的資源の活用、優れた景観の形成等を通じたまちづくりに関する調査・研究」を目的としている)
(県と共同で医療行政の研究を実施することで、地域医療に貢献することを目的としている)
(文化・教育・学術の各分野で連携することで、生涯学習等に関わる諸問題や文化遺産を活かした地域との連携事業について協力・共同して研究等へ参画することを目的としている)
(地域の課題に迅速かつ適切に対応し、活力ある個性豊かな地域社会の形成や発展を支援を目的としている)
(長年培われてきた協力連携実績や信頼関係を活かし、さらなる地域活性化と発展を目的としている)
その他、学部や学科ごとに、連携協定を締結している場合もある。こちらも主に兵庫県下の自治体や病院等との提携がほとんどである。例外的に自治体ではないが、国立療養所邑久光明園(岡山県瀬戸内市)等の、県外公共施設との連携協定締結を行っている学科(発達科学部人間発達環境学研究科等)もある。
共同研究や研究者・学生の交流を行うため、176の大学・機関と大学間交流協定を結んでいる(2019年5月1日現在)。また、237の大学・機関と部局間協定を締結している(2019年5月現在。以下のリストには含まれていない)。
※大学・機関名(締結年)
改組前は以下の附属学校が存在した。
2022年3月4日、神戸大は、指導するゼミの学生に暴言を吐くなどしたとして、いずれも40代の男性准教授2人を停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した。1人は2021年1月、卒業研究の指導を無断で欠席した4年生の女子学生に「お前不可だぞ。なめてんのか。殺すぞ」と怒鳴り、椅子を蹴飛ばすなどした。もう1人は2020年10月ごろ、4年生の男子学生に「幼稚すぎて指導するレベルにない」などと人格を否定する発言を繰り返し、他大学の大学院に合格した別の男子学生にも「研究内容を持ち出される。もう指導しない」などと発言した。
2024年3月、神戸大学非公認のバドミントンサークルの学生が旅館の設備(障子や天井)を破壊している様子をSNSに投稿・拡散する事案が発生し、ネット上では多くの批判が殺到した。これを受けて、同大学は関係者への聴取などから迷惑行為が確認できたとして、公式ホームページに謝罪文を掲載した。
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