沿革
「ガンダムSEEDシリーズ」の劇場アニメについては、2000年代後半に『劇場版 機動戦士ガンダムSEED(仮題) 』として一度発表がなされるも、その後の続報がないまま年数が経過し、2021年5月28日に放送20周年記念プロジェクト「GUNDAM SEED PROJECT ignited 」で制作が再告知された。『SEED』の公式Webサイトでは「既に発表していた」とのみ記載されており、「休止」とも「再始動」ともされてはいないが、この項目では便宜上、動向の状況を端的に表現するため、これらの語句を使用している。
「"X" plosion GUNDAM SEED」時の動向 『DESTINY』の本放送終了後となる2006年3月10日に、サンライズ は「“X”plosion GUNDAM SEED 」(エクスプローションガンダムシード)と題した連動企画を発表。同名のホームページでは、『DESTINY』を再構築したスペシャルエディション(総集編)のほか、新規映像作品『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER 』、アニメミュージッククリップ『Director's Concept GUNDAM SEED&SEED DESTINY AMC Perfect Collection』、PV『PHASE-IMPULSE 』、外伝作品『機動戦士ガンダムSEED ASTRAYシリーズ 』の各種情報などが掲載された。 劇場作品の情報は2006年5月7日の「ソニーミュージックアニメフェスティバル'06」にて発表され、「“X”plosion GUNDAM SEED」やサンライズ公式サイト、同時期のアニメ雑誌『月刊アニメージュ 』『月刊ニュータイプ 』でも表紙記事として取り上げられた。 この時点より、監督はテレビシリーズと同じく福田己津央 、配給元は松竹 と決定しており、2007年に公開が予定されていた。テレビシリーズにてメインメカニックデザイナーだった大河原邦男 は、当時の書籍インタビューにおいて「SEED劇場版の仕事も進行中」と述べており、メカニックデザインについてはある程度まで進んでいたことが判明しており、2011年2月10日には大河原が自身のTwitterアカウントにて、劇場版用のメカニックデザインは80パーセント完成していたことを明かしている。 事実上の制作休止を経て水面下での制作再開 劇場版の発表後、一部のアニメ雑誌では若干の情報が掲載されていたものの、当初の公開年を過ぎても続報が皆無の状態が続いた。 この当時、両澤は『月刊アニメージュ』2008年4月号でのインタビューで「プロットはだいぶ前にできている。自分が(SEEDの製作終了後の時期に病気の手術をしたこともあって、その)療養中で企画は遅れているが、企画がなくなったりはしていない。病状が回復次第取り組みたい」と語っていた。また、福田は同年の『SEED Club mobile』のコラム上で、「当初はキラ 、ラクス を中心とし、『愛情』をテーマにすることを予定していたが、時勢に合わないことを理由にプロット変更をした」という旨を語っており、「『SEED』と『SEED DESTINY』のストーリー、テーマ、絵作り、それらを白紙にして考えている状況」とも語っている。 2009年6月、福田は『SEED Club mobile』のコラム上で「映画の制作に合わせてスピンオフ企画を考えている」としていたものの、『アニメディア』2009年7月号の記事で、劇場版について「発表は未定だが制作中」と述べるに留まっている。これまで福田は『SEED Club mobile』のコラムなどで劇場版を制作していることを明言していたが、再始動前にスタッフが劇場版について公式にコメントしたのは、これが最後となった。 2016年2月19日、両澤が死去 して同月22日にその旨が公表された。 2019年後半、水面下で劇場版の制作が再開される。後藤リウ がSNS経由で福田から脚本への参加を依頼され、両澤の遺したプロットを見て映像化を強く望み、ノベライズも担当することとなった。 「GUNDAM SEED PROJECT ignited」以降の動向 2021年5月28日、バンダイナムコグループは上海 に建造された実物大フリーダムガンダム立像 のオープニングセレモニーで、2022年に『SEED』が放送開始20周年を迎えることを記念し、新プロジェクト『GUNDAM SEED PROJECT ignited』を始動させると宣言したほか、このプロジェクトの中核として「テレビシリーズの続編」となる劇場版映画を、福田己津央監督のもとで鋭意制作中であると発表した。実物大フリーダムガンダム立像の建造・常設公開についても、本プロジェクトに組み込まれた。 オープニングセレモニーで公開された映像で福田がコメントしたところによると『SEED DESTINY』の続きの話にするつもりであり、既存のキャラクターも「軒並み登場する」としている。福田監督は、「両澤が脚本を担当した『DESTINY HD REMASTER BD-BOX』の初回特典ドラマCDは映画につながるエピソードだ」と話した。 本プロジェクトでは、新作ゲームの開発や公式外伝漫画『機動戦士ガンダムSEED ECLIPSE』の連載なども展開される。 2023年7月2日、テレビアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女 Season2』最終話の放送直後、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』と題して2024年1月26日に劇場公開される旨が発表され、第1弾PVが公開された。 8月8日、キャスト情報、第2弾PV、キャラクター設定画が公開された。テレビ版のスタッフやキャストは大半が続投するが、例外的に、カガリ・ユラ・アスハ 役の声優については8月7日に稼働を開始したパチンコ『Pフィーバー機動戦士ガンダムSEED』まで担当していた進藤尚美 から森なな子 へと変更され、制作側が「弊社および関係各位で話し合いを重ねた結果」との旨を発表した。 12月13日、本予告が解禁された。 あらすじ
先の大戦の末期、遺伝子による社会システム構想「デスティニープラン 」を掲げ、世界各国への導入を迫ったプラント 最高評議会議長ギルバート・デュランダル の野望が阻止されてからおよそ1年を経たC.E.75年。地球連合 の加盟国からの独立を目指す小国たちの紛争や、連合内に浸透するコーディネイター 排斥団体「ブルーコスモス 」によるテロ活動など、地球ではいまだに争いの火種が各地でくすぶっていた。この事態を鎮静化するべく、地球連合の主要国である大西洋連邦 と中立国 のオーブ連合首長国 、そしてデュランダル亡き後のプラントは共同で世界平和監視機構コンパス を創設。その初代総裁に就任したラクス・クライン をはじめ、ライジングフリーダムガンダム を駆るキラ・ヤマト と元地球連合軍所属のアークエンジェル クルー、かつてキラと敵対していたザフト兵であるイモータルジャスティスガンダム のパイロットシン・アスカ 、ゲルググメナース を駆るルナマリア・ホーク 、ギャンシュトローム を駆るアグネス・ギーベンラート 、その他各国の兵士たちがメンバーに集い、供給された最新兵器の力をもって各地の紛争に介入していた。
そんな状況下で、ザフトの支援によって地球連合加盟国のユーラシア連邦 から独立した新興王政国家ファウンデーション王国 が、ユーラシア側との国境を出入りしていると思しきブルーコスモス残党軍打倒のための共同作戦を提案してくる。女王アウラ・マハ・ハイバル や宰相オルフェ・ラム・タオ の歓迎を受けたあと、近衛師団長シュラ・サーペンタイン 率いる親衛隊ブラックナイトスコード(ブラックナイツ) との共闘に臨むキラたちだったが、作戦中にブラックナイツからの精神侵食を受けたキラは、眼前にいないはずの敵指導者の幻影を追跡するあまり、ユーラシアとの事前協約を破ってユーラシア領に侵入。これに対応したユーラシア軍の迎撃によって戦火は拡大し、さらに混乱に乗じてユーラシア軍基地に侵入したブラックナイツが発射した基地内の戦術核ミサイルでファウンデーション領内は甚大な被害を受ける。キラを止めようと向かったシンのイモータルジャスティスとムウ・ラ・フラガ のムラサメ改、同じくマリュー・ラミアス たちが乗る母艦アークエンジェルまでもがブラックナイツの集中攻撃で破壊される。
「コンパス」を貶めたアウラの真の目的は、自身が作り出したオルフェたちコーディネイターを超える新人類アコード を支配層とするデスティニープランの再開。プランの中核であるオルフェの伴侶とするべくラクスを連れ去り、国を追われた被害者を装って宇宙に脱出したアウラたちは、月面の元地球連合軍基地ダイダロスを占拠。そこで極秘裏に修復されていた軌道間全方位戦略砲「レクイエム」を使用し「ファウンデーションに核兵器を撃ち込み国土を焼いた」という冤罪を被せてユーラシア連邦首都モスクワを攻撃すると、各国に対してデスティニープランの導入・実行を迫り、応じなければレクイエムによって軍民問わない無差別攻撃を行うと脅迫する。さらに、ファウンデーションに同調して密約を結んでいた急進派のハリ・ジャガンナート 国防委員長が率いるザフト反乱軍が、プラント本国でクーデター を引き起こしていた。
機体・艦を失いながらも、ターミナルに出向し別行動を゙取っていたアスラン・ザラ が駆るズゴック に救助され命からがらオーブに潜伏していたキラたちは、アスランからアウラたちの素性と真の目的を聞かされると、オーブに逃げ延びたもう1隻の「コンパス」母艦ミレニアム に前大戦時のキラたちの乗機を改修したストライクフリーダムガンダム弐式 、デスティニーガンダムSpec II 、インパルスガンダムSpec II 、ズゴックの内部に秘匿されたインフィニットジャスティスガンダム弐式 を載せ、ファウンデーションとの決戦に臨む。その動きを読んでいたアウラたちによるオーブへのレクイエム攻撃が迫るなか、キラはミレニアムからファウンデーション側に国際救難チャンネルによる通信を繋ぎ、自身の生存、そしてファウンデーションによる偽装工作の証拠を握っている事実を伝える。この挑発に憤慨したアウラは、レクイエムの照準をオーブ首都オロファトからミレニアムに変更するが、ミレニアムはこの砲撃を回避して宇宙に進出する。
ファウンデーション軍に占拠された連合軍の宇宙要塞アルテミス に捕らわれているラクス救出に際し、アスランが代行操縦するストライクフリーダム弐式が敵を陽動するタイミングに合わせて、亡きアスランの同僚であるニコル・アマルフィ が行ったミラージュコロイド ステルス機能を使ったアルテミスへの接近・潜入戦術を使って要塞に進入するズゴック。敵の迎撃をかいくぐりラクスを救出したキラは、お互いに言えなかった心からの愛を打ち明け喜び合う。
それぞれ、かつての愛機に乗り換えたキラ、アスラン、シン、ルナマリアは、それぞれオルフェと秘書官のイングリット・トラドール が搭乗するブラックナイトスコード カルラ 、シュラが搭乗するブラックナイトスコード シヴァ 、ほかのブラックナイツ隊員が搭乗するブラックナイトスコード ルドラ 4機、「コンパス」を裏切ったアグネスが搭乗するギャンと激突。それぞれの信念や作戦で仲間たちが勝利をつかむなか、キラのストライクフリーダム弐式とラクスが乗る支援機プラウドディフェンダー が合体したマイティーストライクフリーダムガンダム がカルラを打ち破り、ミレニアムの攻撃で座乗艦もろとも最期を迎えつつあったアウラがオーブに向け再度発射しようとしたレクイエムも、ムウのアカツキ から追加武装のゼウスシルエット を託されたシンのデスティニーSpec IIによる狙撃で発射直前に破壊される。また、プラント強硬派によるクーデターも、その動きを察知したイザーク・ジュール とディアッカ・エルスマン らの働きでラメント最高評議会議長が救出されてともに脱出されてしまい、その後にアンドリュー・バルトフェルド たちクライン派部隊によって本国のクーデター派部隊は鎮圧。クーデター派艦隊を指揮していたジャガンナートはなおも徹底抗戦の姿勢を崩さなかったものの、イザークの駆るデュエルブリッツガンダム とディアッカが駆るライトニングバスターガンダム によって討たれたことで鎮圧された。
戦闘後はそのまま宙域を離脱してオーブ連合首長国の孤島の海岸に降り立ち、鎮座したマイティーストライクフリーダムガンダムの傍らで二人きりとなって口づけを交わすキラとラクスの姿、そしてラクスの言葉で締めくくられつつ、物語は幕を閉じる。
作中設定・用語
『SEED DESTINY』以前の設定・用語は各作品や関連項目を参照。
世界平和監視機構コンパス (Compulsory Observational Making Peace Service) 大西洋連邦 、オーブ連合首長国 、プラント の主要国三国が共同で創設した国際組織。本拠地はプラントの首都アプリリウス市。三国以外にも中立国のスカンジナビア王国がオブザーバーとして参加している。初代総裁のラクス・クライン以下、スーパーコーディネイターパイロットのキラ・ヤマトをはじめとする旧三隻同盟 (クライン派)メンバーや各国の軍人などが所属し、三国から供出された独自の戦力を保有している。ブルーコスモスによる被害に悩む他国の依頼を受けて各地の紛争に介入する。 ファウンデーション王国 ザフト軍の支援のもとでユーラシア連邦から独立した新興の王政国家 。首都はイシュタリア。もとはハイバル王家が治めるユーラシア南部の小国で、キプチャク・ハン国 の時代に遡るほどの歴史をもつとされる。独立戦争では国際社会の予想に反してユーラシア側の撃退に成功し、これに勇気づけられたユーラシア連邦に不満を持つ各勢力も離反に動きだした。ファウンデーションほど鮮やかな独立を果たした国はまだないが、政府は対応に追われてユーラシアは大幅に弱体化している。この一連の動きは「ファウンデーション・ショック」と呼ばれ、世情をさらに混乱させている。。ただし、独立後も世界的な承認は受けておらず、ユーラシアとは休戦状態にある。内政面では、元メンデルの遺伝子研究者である女王アウラの方針でデスティニープラン による能力重視政策を導入し、宰相オルフェの手腕もあって大幅な発展を見せている。一方、市街の一角には発展の恩恵を受けられない貧民街が形成され、プラン反対を唱えるデモ運動も起きている。軍事力自体はそれほど強力というわけではなく、旧式のザフト製MSといった中古兵器を使い回しているが、一方でブラックナイツ用などに独自の高性能MSの製造も行っている。 ブラックナイトスコード (Black Knight Squad) 女王アウラを守護する7人で構成される親衛隊、および後述する専用MS の名称。この部隊の下に通常の国軍が属している。全員が有能である一方で軍隊としての規律は欠けており、宴の席でムウは「マトモな軍隊には見えん」と言い、ルナマリアは内心で「言われてみれば確かに」「不良少年の集まりみたい」と評している。 本項では、MSのブラックナイトスコードと区別する目的で、親衛隊については作中での呼称である「ブラックナイツ」と表記する。 アコード アウラがデスティニープランにおける支配階層となる「コーディネイターを超える種」を志向して生み出した、新種のコーディネイター。宰相のオルフェ以下ブラックナイツ構成員のほか、ラクスもアコードであることが明かされる。 コーディネイター同様、高い知能と身体能力に加え、一種のテレパシー的な感応能力をもち、互いの精神を読んでコミュニケーションが取れるほか、一方的に他者の思考を読んだり、その思考自体に干渉して洗脳する、自身の見た物を共有した相手の脳内ビジョンに落とし込んで、幻などを見せるといった応用が可能。。 フェムテク装甲(FT装甲) ブラックナイツのMSに採用された特殊装甲。フェイズシフト装甲 (PS装甲)の次世代型に相当する新技術が使用されており、フェムトメートルの領域を制御することで敵のビーム攻撃を無効化する。電力を消費せずに半永久的な防御力を維持することが可能。 フリーダム強奪事件 本作中の半年前に、アークエンジェルに引き渡されたストライクフリーダム がテロリストに強奪され、地上の施設を襲ったとされる事件。現場に急行したファウンデーションのMS部隊によって、ストライクフリーダムは撃墜・鎮圧された。 登場人物
主要人物 キラ・ヤマト 声 - 保志総一朗 主人公。スーパーコーディネイター と称されるMSパイロットで、『DESTINY』以前ではフリーダム 系列のMSを駆って多くの戦果を挙げており、三隻同盟 の一員として二度の戦争を終結に導いてきた。 「コンパス」入隊後は母艦「ミレニアム」のMS部隊「ヤマト隊」を率いて前線に立つが、一向になくならない戦いを目の当たりにするうちに、ふと思いだしたデュランダルの言葉が重なり、疲弊と苦悩を重ねていく。さらにラクスを手中にせんと彼女に近寄るオルフェの存在に心を乱され、ファウンデーション軍に敗北後は「自身はラクスにふさわしくない」と思いつめるが、アスランの拳と叱咤を受けて立ち直り、彼女の奪還とともにファウンデーションとの最後の戦いに向かう。 ラクス・クライン 声 - 田中理恵 ヒロイン。元プラント最高評議会議長シーゲル・クライン の娘にしてプラントの歌姫だったが、『DESTINY』以前では戦争を止めるべく三隻同盟 を率いて地球連合とザフトの戦乱に介入し、本作では「コンパス」総裁の座に就いている。 本作では、自身がブラックナイツと同じくアコードとして生まれた事実を知らされる。 アスラン・ザラ 声 - 石田彰 キラの幼なじみの親友で元ザフト軍人。キラに匹敵する一流のMSパイロットで、『DESTINY』以前ではジャスティス 系列のMSを駆って共闘した。本作では所属先のオーブ軍から「ターミナル 」へと出向し、キラたちとは別行動を取っている。 「コンパス」本隊の裏でアウラたちファウンデーション中枢を調べていたほか、ブラックナイツに謀られ追い詰められたキラたちを救出し、意気消沈していたキラに拳を交えた説得で立ち直らせる。 カガリ・ユラ・アスハ 声 - 森なな子 オーブ連合首長国代表首長で、キラと血縁のある双子。「コンパス」創設の主導者でもある。アスランとは恋仲になっている。 シン・アスカ 声 - 鈴村健一 『DESTINY』の主人公で、ザフト軍から「コンパス」へ出向しているMSパイロット。『DESTINY』劇中のメサイア攻防戦でアスランに敗北したあと、かつてキラと邂逅したオーブの慰霊碑の前で再びキラと会い、和解している。 作中前半でブラックナイツの策略と攻撃により乗機のイモータルジャスティスを失うが、ヒルダのギャンシュトロームに救助され脱出。決戦時はかつての愛機を改修したデスティニーSpec II に搭乗する。 ルナマリア・ホーク 声 - 坂本真綾 『DESTINY』でシンと同じザフト軍艦ミネルバ に所属していた女性MSパイロット。前作の出来事からシンと交際している。 当初は新型機ゲルググメナースに搭乗。決戦時は修復されたインパルスSpec II に乗り換える。 「コンパス」所属 アグネス・ギーベンラート 声 - 桑島法子 シンたちと同期のザフト軍人で、「月光のワルキューレ」と称される。 政府高官の娘で、ザフト士官学校を優秀な成績で卒業、容姿端麗で誰からも愛される資格があると強く意識しており、学生時代は劣等生だったシンが新型のイモータルジャスティス を任されていることに不満を抱いている。また、自身と交際するのにふさわしい「上物」の男性を常に求めており、かつてルナマリアを含めた女性たちの彼氏を奪うばかりか、さらに上物の男性が現れると、それまでの男性を簡単に捨てるという行為を平然と繰り返している。ルナマリアがシンと交際していることを「妥協した」関係であると馬鹿にする。 キラの篭絡に失敗するがシュラに泣きつき、シュラから自分が求めていた言葉をもらう。その後、乗機のギャンシュトロームごとファウンデーションに寝返り、満身創痍のライジングフリーダム に追い打ちをかける。 映画の1週目入場者特典Bである小説『機動戦士ガンダム SEED FREEDOM 月光のワルキューレ』では、士官学校やザフト時代の過去が描かれ、「月光のワルキューレ 」の名は月戦線に配属されていた当時にちなんで広報誌のコピーライターが付けたものであるとされている。当時から承認欲求と上昇志向が強く、軍内で将官レベルまで出世したのち、政治家か財界人などの上流階級になる展望を描いていた。訓練生時代は、落ちこぼれながら自身に反抗してくるシンと何度も衝突しており、オーブの避難民だと知っても少しの同情もなく批判する姿勢を変えなかった。またシンがフェイスとなり、ルナマリアがフェイスの彼氏を自分より先に手に入れた事を裏切りだと憤怒。デュランダルが撃たれ、彼のしたことも戦後断罪されたことを内心でざまあみろと思っていた。「ミネルバの功績もシンの叙勲もすべては間違いだったのよ」と。 ムウ・ラ・フラガ 声 - 子安武人 元地球連合軍のエースパイロットで、キラのアークエンジェル所属時代からの兄貴分。マリューとは私的な交際関係にある。 当初はムラサメの改修型であるムラサメ改 に搭乗。決戦時は『DESTINY』終盤で使用したアカツキに再び搭乗する。 マリュー・ラミアス 声 - 三石琴乃 元地球連合軍人で、機動特装艦アークエンジェル の艦長。 ブラックナイツの策略でアークエンジェルを撃沈され自身も負傷するが、同じくブラックナイツによって損傷したムラサメ改で救助に来たムウと一緒に脱出する。 アーノルド・ノイマン 、ダリダ・ローラハ・チャンドラII世 声 - 千葉一伸 (ノイマン)、鳥海勝美 (チャンドラ) アークエンジェルの操舵士および通信士。 アレクセイ・コノエ 声 - 大塚芳忠 新造戦艦ミレニアムの艦長で、元教師の志願入隊者。軍人らしくない穏やかな物腰の裏で、飄々とした切れ者の面を持つ。前大戦では目覚ましい戦績こそなかったが、合理性とリスク管理にもとづいた艦の運用法は生還率が高く、兵士たちからも信頼されている。 アルバート・ハインライン 声 - 福山潤 ミレニアムの技術責任者を務める大尉。かつてはフリーダムとジャスティスの開発に関与していた天才的技術者で、キラが設計したプラウドディフェンダー の開発主導者でもある。早口かつ人当たりが悪いが、キラ、ラクス、コノエの3人に対しては敬意を向けている。 バグや不具合の連続で、ディフェンダーの完成が難航している不満と愚痴をキラにこぼす。決戦時のストライクフリーダム弐式 とプラウドディフェンダーとの合体において、操縦が不慣れなラクスを補助するために合体の微調整を担当する。 ヒルダ・ハーケン、マーズ・シメオン、ヘルベルト・フォン・ラインハルト 声 - 根谷美智子 (ヒルダ)、諏訪部順一 (マーズ)、楠大典 (ヘルベルト) 『DESTINY』でドムトルーパー を駆った元ザフトパイロットたちで、本作ではアークエンジェル所属の精鋭MS部隊「ハーケン隊」を結成している。 トリィ 、ブルー 「トリィ」は幼少時のアスランがキラに贈った手製の鳥型ペットロボット。本作ではその対となる青い同型機として、キラがラクスのために製作した「ブルー」も登場する。 アーサー・トライン 、アビー・ウィンザー 声 - 高橋広樹 (アーサー)、戸松遥 (アビー) 『DESTINY』ではミネルバの副長とMS管制官を務めていた元ザフト軍人で、本作でも同じ職務でミレニアムに乗艦。 リオ・マオ 声 - 鎌倉有那 「コンパス」におけるラクスの女性秘書官。 オーブ連合首長国所属 メイリン・ホーク 声 - 折笠富美子 ルナマリアの妹で、ザフト軍時代はミネルバのオペレーターを務めていた。本作ではアスランと同じくターミナルに出向し、優れた情報処理技術を駆使してキラたちをサポートする。 トーヤ・マシマ 声 - 佐倉綾音 オーブ首長家の一員で、カガリの秘書を務める少年。14歳という年少ながら利発さをカガリに買われ、次代のオーブ首長としての教育を受けている。 エリカ・シモンズ 声 - 柳沢三千代 モルゲンレーテ社の技術者。 プラント / ザフト軍所属 イザーク・ジュール 、ディアッカ・エルスマン 声 - 関智一 (イザーク)、笹沼晃 (ディアッカ) ザフト軍時代のアスランの同期にして元同僚。本作では、それぞれ中佐(プラント参謀本部情報将校)と大尉の地位にある。 ワルター・ド・ラメント 声 - 藤真秀 デュランダルの後任のプラント最高評議会議長。穏健な中立派。 イザークたちの護衛を受けてジャガンナート派のクーデターを逃れたのち、アンドリュー・バルトフェルド たちクライン派部隊によるクーデター部隊制圧を受けて議会に復帰。ジャガンナートたちに戦闘停止と降伏勧告を行う。 ハリ・ジャガンナート 声 - 江頭宏哉 本作でのプラント国防委員長で、ザフト軍中佐。過去の事件や戦争で自身らコーディネイターに屈辱を与えたナチュラルをいまだに憎悪しており、穏健なラメントを「腑抜け」と批判している。全世界へのデスティニープラン導入を目指すファウンデーションと結託してプラント行政府へのクーデターを実行するとともに、ファウンデーションのダイダロス基地占拠にも協力し、自身もナスカ級艦ブルクハルトに座乗して月面に展開した反乱軍を指揮する。バルトフェルドらクライン派を主体とした部隊に本国のクーデターは鎮圧されたが、レクイエムが撃たれれば世界は変わるとイザークの言葉に耳を貸さなかった。が、キラ達に救出されたラクスが声明を発表した事で計画は完全に覆されたことを知る。それでも諦めずに徹底抗戦の姿勢を貫き、イザークからの降伏と武装解除命令を無視してミレニアムに突撃を仕掛けるが、デュエルブリッツとライトニングバスターの攻撃でブルクハルトを撃沈され死亡する。 ファウンデーション所属 アウラ・マハ・ハイバル 声 - 田村ゆかり ファウンデーションを統治する女王。10歳ほどの少女の姿をしているが、実年齢は50歳にもなる。公式記録上は、C.E.72年に先帝の養女としてハイバル家の遠縁であるカイドゥ家から迎えられたとされるが、メイリンの調査によればこの記録に該当する女児はいないとされる。 その正体は、本作の19年前にメンデルに勤めていた遺伝子研究者で、優秀な年下の同僚であるデュランダルの遺伝子を研究するうちに彼の思想に同調し、デスティニープランの管理者となるアコードの開発に着手し、ふさわしい子どもたちを創り出したが、ライバルであるキラとカガリの実父ユーレン・ヒビキからは「くだらない」「遺伝子を操るだけじゃ満足できず、他人すべてを操ろうなんて傲岸」と一蹴されて憤り、ユーレンに対して「自分の利益と業績に没頭し世界のことなど顧みようとしない」と反発していた。当時は普通の成人女性であったが、メンデル襲撃事件の混乱中に、研究資金集めに自作したアンチエイジング薬を浴びて現在の幼女の姿となった。公式記録とは異なるが、ハイバル家と遠縁であることは真実であり、先代帝も自身の研究の出資者であった。 デュランダルを殺してデスティニープランを一度頓挫させただけでなく、自身らへの反抗をやめないキラたちに怒り、レクイエムの発射を指示するが、最終的にミレニアムの突貫で座乗艦のグルヴェイグが大破して自身も重傷を負い、発射まで十数秒となったレクイエムの状態を表示するモニターを見てほくそ笑んだ直後、ミレニアムの近接砲撃でグルヴェイグを撃沈され死亡する。 ブラックナイツ所属 オルフェ・ラム・タオ 声 - 下野紘 ファウンデーション宰相で、ブラックナイツの統括者。20歳。自身らの創造主であるアウラを母上と呼び、強い忠誠心を抱いている。生前のデュランダルから認められたほどの才能の持ち主で、ファウンデーションの急速な発展に貢献してきた人物。アコードの中心的存在であり、ラクスとデスティニープラン実行後の世界の統治者となるべく生み出された。 ファウンデーションでラクスに理想を語り、キラに対しては「私なら彼女の望む世界を創り出せる。戦うことしかできない君にはできない」と突きつけた。 決戦では生きていたキラを消すべく専用機のカルラに搭乗し、シュラとともにフリーダム弐式を圧倒しながら、ラクスを奪ったキラに怒りをぶつける。だがあと少しのところでズゴックに乱入されてしまい、フリーダム弐式はプラウドディフェンダーと合体。マイティーストライクフリーダムに形態を変える。これによって劣勢となり、実剣「フツノミタマ」を受けて死亡する。 シュラ・サーペンタイン 声 - 中村悠一 ファウンデーション国防長官。また近衛師団長としてブラックナイトスコードの隊長を務める。18歳。「力こそ正しさ」を信念に圧倒的な強さを追い求めており、自身が最強と認めるアスランを倒し、自身こそが最強であると証明しようとする。 劇中序盤では正体を隠してプラントに入国し、ファウンデーションと密約関係にあるジャガンナートと面会する。「コンパス」との共同作戦前では、剣術の試合をキラに申し出、代わって名乗り出たシンを圧倒する。 月面上での「コンパス」との決戦では、ズゴックの外装を犠牲に自機のシヴァの短針砲からフリーダム弐式をかばったアスランのジャスティス弐式と対戦。読心でアスランの思考を読むが、予見していたアスランにカガリの破廉恥な妄想を見せられる、地球にいるカガリが2機のキャバリアーの通信能力を介してインフィニットジャスティス弐式を遠隔操作するという奇策を立て続けに受けて失敗。怒りに任せた反撃を見舞い「やはり俺の方が上だ!」と勝ち誇るが、「強さは力じゃない。生きる意志だ!」と叫んだアスランのジャスティス弐式の頭部ビームソードによる一撃を受け、自身の敗北に驚愕しながら死亡する。 イングリット・トラドール 声 - 上坂すみれ ファウンデーション国務秘書官として、オルフェを行政面でサポートする。20歳。 リデラード・トラドール 声 - 福圓美里 イングリットの妹である女性隊員で、「リデル」の愛称で呼ばれる。15歳。直感的で衝動的な性格で、自身の強さを誇る。 ダニエル・ハルパー 声 - 松岡禎丞 やる気がなさそうだが、いざとなるとの残忍な隊員。16歳。顔の下半分を異様な形状のマスクで隠している。 リュー・シェンチアン 声 - 利根健太朗 礼儀正しい物腰だが他者を小馬鹿にしているように見える隊員。17歳。 グリフィン・アルバレスト 声 - 森崎ウィン 向こう見ずな性格に見えるが高い能力を有した隊員。18歳。 地球連合所属 フォスター 声 - 日野由利加 大西洋連邦大統領。『DESTINY』で死亡したコープランド の後任。 ミケール ブルーコスモスの残党を率いる地球連合軍大佐。敵に自軍の潜伏地を察知させないという理由で部下たちに特攻同然の作戦を行わせ、関係ない避難民に爆発物入りリュックを背負わせて人間爆弾とするなどの非道を行っている。エルドア地区の戦いで部下たちとともに脱出を図るが、ユーラシア側から放たれた核ミサイルの爆発に巻き込まれ死亡する。 登場兵器
「コンパス」の兵器 配備されたMSの多くが『DESTINY』以前に登場する機体の改修機、およびそのデータを参考に新造された機体となっており、全天周モニター式コックピット をはじめとする共通規格のユニットやパーツが使用されている。
STTS-909 ライジングフリーダムガンダム STTS-808 イモータルジャスティスガンダム オーブやプラントの各企業が共同開発したフリーダムガンダム、ジャスティスガンダム系列の新型機。それぞれ共通構造のフレームを採用しており、「コンパス」の広い行動領域に対応するべく、オーブ主力機ムラサメ の可変技術を流用したモビルアーマー (MA) 形態への変形機構を採用している。 ZGMF/A-262B ストライクフリーダムガンダム弐式 、MDE262S プラウドディフェンダー ストライクフリーダムの改修機と、その強化パーツとして開発された新型ウイング。2機が合体することにより、複座型の強化機であるZGMF/A-262PD-P マイティーストライクフリーダムガンダム となる。 ZGMF-X191M2 インフィニットジャスティスガンダム弐式 、ZGMF-MM07 ズゴック インフィニットジャスティスの改修機。前作のファトゥム-01に代わり、超高速戦闘を想定した新設計のウイングを装着している。決戦直前までは仮初めの姿であるズゴックとして活動する。 ZGMF/A-42S2 デスティニーガンダムSpec II デスティニーの改修機。頭部にデュートリオンビーム送電システムを内蔵し、インパルスSpec IIへのエネルギー供給が可能。イモータルジャスティスを失ったシンが搭乗する。終盤のレクイエム破壊任務では、ムウのアカツキから託された追加武装「A-GXQ754/V2 ゼウスシルエット 」を装備する。 ZGMF-56E インパルスガンダムSpec II インパルスの改修機。本作でもフォース、ソード、ブラストの3種のシルエットを交換して運用されるが、最新型バッテリーの搭載によって装備ごとのVPS装甲色が変化している。決戦直前に自身のゲルググメナースをヒルダに譲ったルナマリアが搭乗する。 諸元 ゲルググメナース GELGOOG Menace 型式番号 ZGMF-2025/F 全高 19.50m 重量 73.51t 武装 MMI-M635D ビームライフル×1 MMI-M6336E 強化ビームライフル×1 試製35式改レールガン×1 MAM602 マグヌスグラディウス 特斬槍×1 MMI-MD95/A レフルジェンス ビームシールド×1 M71 ペレグリヌス 6連装近距離誘導弾発射筒×1-2 MMI-MD95/A インフェルヌス 電磁砲×1-2 搭乗者 ルナマリア・ホーク ヒルダ・ハーケン マーズ・シメオン ヘルベルト・フォン・ラインハルト
ZGMF-2025/F ゲルググメナース ザフト軍が開発したザクウォーリア の後継機で、試験運用を兼ねて「コンパス」に配備されている。ザクのウィザードシステムと互換性のあるバックパック換装機構が採用されており、部品や製造工程の共通化によって低コスト化された新型バックパック「ボレロ」を装着する。空力重視の形状や多数の飛行用エンジンを採用した大気圏内用の「ボレロA」、推進剤タンクと強化冷却システムを装備した宇宙用の「ボレロS」が存在し、ボレロ自体の武装を変更することも可能。ルナマリア機はかつて搭乗したザクウォーリアと同じ赤、マーズとヘルベルトが搭乗する一般機は緑とブルーグレーに塗装されている。最終決戦時にはルナマリアがインパルスSpec IIに乗り換えたため、赤い機体にはヒルダが搭乗する。 武装は、一般機用の「MMI-M635D ビームライフル」、ルナマリア機専用の狙撃銃「MMI-M6336E 強化ビームライフル」、実弾式の「試製35式改レールガン」、柄の両端から刀身を発生するビームナギナタ「MAM602 マグヌスグラディウス 特斬槍」、実体のフレーム内側にビーム防護膜を形成する「MMI-MD95/A レフルジェンス ビームシールド 」。ボレロのエンジンブロック左右に選択装備される「M71 ペレグリヌス 6連装近距離誘導弾発射筒」と「MMI-MD95/A インフェルヌス 電磁砲」。 最終決戦におけるブラックナイトスコード各機のFT装甲対策として、ストライクフリーダム弐式をはじめとする各「コンパス」機も35式改レールガンを装備する。
諸元 ギャンシュトローム GYAN Strom 型式番号 ZGMF-2027/A 全高 20.00m 重量 84.30t(ボレロS装備時) 武装 MMI-M635D ビームライフル×1 MA-MR ファルクスG7 ビームアックス×1 MA-GFD230 フェロセカーレ ビームサーベル×1 MMI-KX8E4 自航防盾×1 MMI-T818 トリデンティ 3銃身回転ビーム機銃×2 MA-M767E スレイヤーウィップ×2 M71 ペレグリヌス 6連装近距離誘導弾発射筒×1-2 MMI-MD95/A インフェルヌス 電磁砲×1-2 搭乗者 アグネス・ギーベンラート ヒルダ・ハーケン
ZGMF-2027/A ギャンシュトローム ザフト軍が開発したグフイグナイテッド の後継機。量産性に難があったグフの欠点を改善するべく、機体やボレロなどの部品をゲルググと兼用している。ゲルググと同じく「コンパス」の専用機であるが、将来的にはザフト正規軍での運用も想定されている。量産型のヒルダ機は濃淡の青を基調とするが、アグネス機は白と薄青に変更され、さらに目元とシールドにルビーピンクのアクセントが施されている。 武装は、ゲルググと共通の各種携行火器やボレロ用装備、スラッシュウィザード に付属する「MA-MR ファルクスG7 ビームアックス」、左腰に懸架された「MA-GFD230 フェロセカーレ ビームサーベル」、外縁に8基のビームサーベル発生器と回転機構をもつ円盤状シールド「MMI-KX8E4 自航防盾」、胸部左右に内蔵されたビームガトリング「MMI-T818 トリデンティ 3銃身回転ビーム機銃」、グフから継承された袖口内蔵のヒートロッド 「MA-M767E スレイヤーウィップ」。 本来はグフからの流用も含むイザーク用の機体ゆえにカラーリングも同様であるほか、デザイン当初は『機動戦士ガンダム』のギャン にならってランスをもたせていたが、ビームを撃てなくなるという理由からビームライフルに変更された。
STTS/F-400 ムラサメ改 形状や変形機構をアップデートしたムラサメの改良型。オーブ軍の主力機として配備されているほか、「コンパス」所属艦となったアークエンジェルの艦載機としてムウなどが搭乗する。 LHM-BB03S ミレニアム キラたちヤマト隊の移動拠点である「コンパス」2番艦で、ザフト軍艦ミネルバ の設計思想を受け継ぐスーパーミネルバ級MS惑星強襲揚陸艦。艦首先端のタンホイザー砲などミネルバから継承された武装やシステムを装備するほか、下部バルバス・バウ には突貫攻撃用の衝角「轟天」(ゴウテン)を備えている。主砲のトリスタン2基は、ミネルバの並列配置とは異なる背負い式配置を採用しており、片舷集中運用が可能となっている。艦首の左右に配置された露天構造のカタパルトは、発進時に肋骨状のリニアレールが展開する。 後部左右の両翼については、「今までと変わらない単純な文法だからこそみんなやりたがらないので、あえて絶対に後ろに付けて欲しい」との福田の発注によるものである。 LCAM-01XA アークエンジェル 地球連合製のアークエンジェル級強襲機動特装艦。連合を脱走後はオーブ所属となり、本作では「コンパス」の1番艦として、マリューたち連合軍時代からのクルーによって運用されている。ブラックナイトスコード ルドラの集中攻撃を受けて轟沈し、残骸も核ミサイルの爆発に巻き込まれて消滅する。 オーブ軍の兵器 ORB-01 アカツキ オーブの理想・理念を具現化した黄金色のMS。ほかの機体のような改修は特に受けていない。損傷したムラサメ改に代わってムウが再度搭乗し、デスティニーSpec IIに先んじてゼウスシルエットを装備する。 MBF-02 ストライクルージュ ストライクガンダム の予備パーツを組み上げて完成したカガリの専用機。決戦時はストライカーパックとキャバリアーを同時装着し、オーブ防衛戦に出撃する。 クサナギ オーブ宇宙軍所属のイズモ級2番艦。本作ではアマギが艦長を務める。 ターミナルの兵器 AMGS-X18P キャバリアーアイフリッド MSの移動・戦闘を支援するフライトシステム。MSの上体部分を覆うように合体するのが特徴で、合体状態のMSには「アメイジング」の名が付記される。複数機のキャバリアーによるSPC(共時性パリティ通信)を利用することで、地球から月までに至るタイムラグなしの超長距離通信を実現しているほか、有効範囲内にいるMSの遠隔操作をも可能としている。内部には複数人が居住できるスペースが存在し、長期の作戦行動を行えるエネルギーも有している。 メイリンが搭乗する「キャバリアーアイフリッド0」はアスランのズゴックとキラたち「コンパス」部隊の支援任務に使用され、サイ・アーガイル とミリアリア・ハウ が搭乗する「キャバリアーアイフリッド2」はカガリのストライクルージュと合体してオーブの司令所となる。さらにキャバリアー2から月面にいるキャバリアー0を介して、カガリによるジャスティス弐式の遠隔操縦を支援する。 デザイン・設定のモチーフは、『機甲戦記ドラグナー 』の主役機が装備する支援メカ 。「ガンダムシリーズ」以外の作品をアイデアとした理由について、監督の福田は「比較的電子兵器が使えない戦闘が多い『ガンダムシリーズ』では該当するメカがないため」との旨を語っている。 ザフト軍の兵器 ZGMF-1027M デュエルブリッツガンダム ZGMF-103HD ライトニングバスターガンダム 『SEED』でイザークとディアッカがそれぞれ搭乗した前期GAT-Xシリーズの改修機。動力が核エンジンに換装され、コックピットはイザークたちが慣れているザクウォーリアのものが流用されている。 作中にこれら2機を登場させたのは制作担当である池谷浩臣の意向によるもので、自身のプラモ好きとしての観点から「古い機体の商品があると皆さん(ファン)は喜んでいただけるかな?」として福田を説得したことが語られている。 FFMH-Y101 エターナル 前大戦以前にラクスたちが運用したMS運用専用母艦。本作では再びザフト所属となり、イザークたちの母艦として活動する。 ナスカ級高速戦闘艦 ローラシア級MS搭載艦 ザフト軍の主力艦艇たち。どちらも『DESTINY』以前より改良されているほか、ファウンデーション側にも輸出されている。 地球連合軍の兵器 ファウンデーション軍の兵器 諸元 ブラックナイトスコード シヴァ BLACK KNIGHT SQAUD Shi-ve.A 型式番号 NOG-M1A1 全高 19.27m 重量 74.87t 装甲 材質 フェムテク装甲 武装 VIG-E3M 近接対装甲刀 ディス・パテール×1 OTS-E3/M ロック・シールド スヴァローグ×1 OWC-M5A2 ビームサーベル×3 OWC-2800F ビームソード×2 VIG-M70C 近接短針投射システム ビームマント×1 搭乗者 シュラ・サーペンタイン ブラックナイトスコード ルドラ BLACK KNIGHT SQAUD Rud-ro.A 型式番号 NOG-M4F1(ガーネット) NOG-M4F2(エメラルド) NOG-M4F3(スピネル) NOG-M4F4(サファイア) 全高 19.42m 重量 81.30t 装甲 材質 フェムテク装甲 武装 OWC-M1R1/F 高エネルギービームライフル×1 OWC-QZ200 対モビルスーツ重斬刀×1 OTS-M26 シールド×1 ビームマント×1 搭乗者 リデラード・トラドール(アメジスト) グリフィン・アルバレスト(エメラルド) リュー・シェンチアン(スピネル) ダニエル・ハルパー(サファイア) ブラックナイトスコード カルラ BLACK KNIGHT SQAUD Cal-re.A 型式番号 NOG-M2D1/E 装甲 材質 フェムテク装甲 武装 OWC-M1R1/F 高エネルギービームライフル×1 ビームソード×2 腹部ビーム砲×1 ドラグーン×8 搭乗者 オルフェ・ラム・タオ イングリット・トラドール ジグラート 型式番号 AMO-01 武装 偏向ビーム砲 ミサイルランチャー
ブラックナイトスコード ザフト軍の技術をもとにファウンデーションが独自開発したブラックナイツ専用機。頭部にミサイル誘導用のレーザーサイト と赤いスリット状のモノアイ、全身に対ビーム用のFT装甲を備えているほか、後述のシヴァとルドラのバックパックには防御と斬撃を兼ねたビームマント発生器が内蔵されている。 監督の福田によると、ビームマントの設定はゲーム「ウマ娘シリーズ 」に登場するトウカイテイオー をイメージしているという。 NOG-M1A1 ブラックナイトスコード シヴァ シュラが搭乗する一騎打ち用の格闘機。 武装はH状の持ち手と中空の刀身構造が特徴のヒート剣 「VIG-E3M 近接対装甲刀 ディス・パテール」、有線射出式のクローを備えた盾「OTS-E3/M ロック・シールド スヴァローグ」、2基を連結しての使用も可能な両腰の「OWC-M5A2 ビームサーベル 」計3基、PS装甲をも無効化する胸部の実弾式短針砲「VIG-M70C 近接短針投射システム」、両つま先から発生する「OWC-2800F ビームソード」。 NOG-M4F1、NOG-M4F2、NOG-M4F3、NOG-M4F4 ブラックナイトスコード ルドラ リデラードたち一般団員が搭乗する主力機。シヴァと比較してオーソドックスな仕様で、火力支援機として無人機のジン-Rやディン-Rを随伴させる。正式名の「Rud-ro.A」を略した「Roa」(ロア)の通称でも呼ばれるほか、機体ごとの差し色に合わせた個別のコードネームを持ち、オレンジのリデラード機 (F1)は「ガーネット」、緑のグリフィン機 (F2)は「エメラルド」、ピンクのリュー機 (F3)は「スピネル」、青のダニエル機 (F4)は「サファイア」と呼ばれる。 武装は携行式の「OWC-M1R1/F 高エネルギービームライフル」、背部左側に懸架された大型ビームソード「OWC-QZ200 対モビルスーツ重斬刀」、左腕の「OTS-M26 シールド」。 NOG-M2D1/E ブラックナイトスコード カルラ オルフェとイングリットが搭乗する複座機で、優れた機動性と運動性をもつブラックナイトスコード最強の機体。この機体のみ、ブラックの名に反した白地と金縁の機体色となっている。 武装はルドラと同型のビームライフル、両腰のビームソード2振り、腹部ビーム砲、翼状に展開する背部のビームカッター付きドラグーン8基。 3DCG制作デスクの藤田進夢はカルラのCGモデル制作時の秘話として、「重田(重田智)さんと僕たちの勝手な想像で、やっぱりカルラって武装がとにかくストフリ(ストライクフリーダム)に似てるんです。なので、ストフリのフレームになるはずだったものが使われてるみたいな風に考えてけば、おのずとこうなってっかなみたいな感じでやってたんです」と述べている。 AMO-01 ジグラート イングリットが操作する3機の大型ドラグーン支援機。多数のミサイルランチャーやビーム砲による小型戦艦級の火力を有し、ビームの軌道変更や誘導弾の使用によって物陰から敵を狙い撃つことが可能となっている。
BCI-183 グルヴェイグ アウラやオルフェたちが座乗するヴァナヘイム級惑星間航宙戦艦で、ファウンデーションの総旗艦。王宮のような艦橋内部と、船体左右から前方へと伸びる電磁カタパルトが特徴。武装は船体中央部の12連陽電子砲のほか、多数の機関砲や連装ビーム砲、ミサイル発射管を備える。 バルドル級惑星間航宙戦艦 主力宇宙戦艦。船体周囲にMS格納庫や兵装庫を分割配置した構造を採用しており、中央部が被弾した場合でも人的損害を最小限に抑えるようになっている。兵装は連装砲や船体中央の3連装陽電子砲。 レクイエム 月面の元地球連合軍基地ダイダロスに建設された軌道間全方位戦略砲。『DESTINY』での終戦後は地下の反応炉を残して解体されたはずだったが、実際はジャガンナートの指示で極秘に修復されており、ザフト反乱軍と共謀して施設を占拠したファウンデーションが各国にデスティニープラン導入を承諾させるための脅迫手段として利用される。 スタッフ
企画・制作 - サンライズ 原作 - 矢立肇 、富野由悠季 監督 - 福田己津央 脚本 - 両澤千晶、後藤リウ、福田己津央 キャラクターデザイン - 平井久司 メカニカルデザイン - 大河原邦男、山根公利、宮武一貴、阿久津潤一、新谷学、禅芝、射尾卓弥、大河広行 メカニカルアニメーションディレクター - 重田智 色彩設計 - 長尾朱美 美術監督 - 池田繁美、丸山由紀子 CGディレクター - 佐藤光裕、櫛田健介、藤江智洋 モニターワークス - 田村あず紗、影山慈郎 撮影監督 - 葛山剛士、豊岡茂紀 編集 - 野尻由紀子 音響監督 - 藤野貞義 音楽 - 佐橋俊彦 音楽制作協力 - サンライズミュージック(バンダイナムコミュージックライブ) 、ソニー・ミュージックレーベルズ 、フライングドッグ (いずれもノンクレジット) 協力 - 本田技研工業 制作担当 - 池谷浩臣 プロデューサー - 仲寿和 制作 - バンダイナムコフィルムワークス 配給 - バンダイナムコフィルムワークス、松竹 主題歌 入場者特典 『二人の逃避行』 入場者特典第一弾書き下ろし短編小説A。著者 後藤リウ。アスランとカガリの束の間の休息のエピソード。 『月光のワルキューレ』 入場者特典第一弾書き下ろし短編小説B。著者 後藤リウ。アグネスと、シン、ルナマリア、レイの士官学校時代のエピソード。 本作に登場するキャラ・メカの設定を一部抜粋した「ミニ設定冊子」
コマフィルムvol.1(絵柄ランダム)/コマフィルムvol.2(絵柄ランダム、4DX,MX4D,Dolby Cinema🄬にて配布)
キャラ&メカスタンド(ランダム全3種、キラ・ヤマト&ライジングフリーダムガンダム、シン・アスカ&イモータルジャスティスガンダム、アスラン・ザラ&ズゴック)
キャラクターデザイン・平井久司原画イラストカード(全1種)
As'まりあ描き下ろしイラスト「たねきゃら」ステッカー(全1種)
コンパス、ファウンデーション王国、ターミナル、オーブ、ザフト、地球連合軍、エンブレムデザイン特製ボールペン(全1種)
平井久司原画イラスト原画缶バッチ(ランダム全4種、キラ・ヤマト、アスラン・ザラ、ラクス・クライン、カガリ・ユラ・アスハ)
キャラクターIDカード(ランダム全5種、: キラ・ヤマト、ラクス・クライン、シン・アスカ、アスラン・ザラ、カガリ・ユラ・アスハ)
平井久司描き下ろしスペシャルイラストカード/[再配布]後藤リウ書き下ろし短編小説「二人の逃避行」
平井久司原画イラストカードvol.2/[再配布]後藤リウ書き下ろし短編小説「月光のワルキューレ」
コマフィルムvol.3(絵柄ランダム)
コマフィルムvol.1~3(復刻ver/絵柄ランダム)
セカンドキービジュアルイラストカード(モビルスーツバトルシーン)
書籍 『小説 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(上)』、著:後藤リウ / 原作:矢立肇・富野由悠季 / イラスト:小笠原智史、2024年1月30日発売。 『小説 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(下)』、著:後藤リウ / 原作:矢立肇・富野由悠季 / イラスト:小笠原智史、2024年3月26日発売。 『MOVIE WARKER ムック 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM Special Edition 運命に抗う意志』、2024年1月29日発売。 『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ハロライトBOOK』、2024年3月1日発売。 『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM キャラクターアーカイブ』、2024年3月18日発売。 コラボレーション 第51回モーターサイクルショー (大阪、東京、名古屋会場) Honda ブース内で、作中のキラとラクスが運転するバイク の「ゴールドウイング 」と「ホーク11 」が展示。4輪の自動車ではなくバイクを二人の乗り物に選んだ理由について、監督の福田は「クルマは一軸的というか平面的な動きに感じますが、バイクはロール方向の動きもあるから、より解き放たれたフィーリングがある。キラとラクス、2人が渇望する自由を象徴する意味で、バイクはふさわしい乗り物だと思っています」とインタビューで述べている。 興行成績 オープニング成績は、動員63万人、興行収入10.6億円と発表された。
2024年1月26日の公開開始から約2か月間で観客動員数243万人 、興行収入41億円 を突破。「SEEDシリーズ」の公式「X」(旧Twitter )や「YouTube 」の「ガンダムチャンネル」では、ピンクハロの内部からズゴック、インフィニットジャスティス弐式、そしてパイロットのアスランが「40億突破!満員御礼」の札を掲げて登場する、というお祝い動画が公開された。興行収入に関しては1982年 3月13日 公開の「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編 」が記録した興行収入(約23億円)を大幅に上回り、一連の「ガンダムシリーズ」の劇場版の歴代最高興行収入記録を約42年ぶりに更新した。
脚注 参考文献 書籍 雑誌 『月刊ガンダムエース 』 (KADOKAWA) 『月刊ホビージャパン 』(ホビージャパン ) ムック本 「MOVIE WARKER ムック 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM Special Edition 運命に抗う意志」、KADOKAWA、2024年1月29日。 『グレートメカニックG』(双葉社 ) 玩具・模型商品付属解説文 ガンプラ (バンダイ 、BANDAI SPIRITS ) 『HGCE 1/144 ライジングフリーダムガンダム』2024年1月。 『HGCE 1/144 イモータルジャスティスガンダム』2024年1月。 『HGCE 1/144 ブラックナイトスコードシヴァ』2024年2月。 『HGCE 1/144 ゲルググメナース(ルナマリア・ホーク専用機)』2024年3月。 『HGCE 1/144 ブラックナイトスコードルドラ(グリフィン・アルバレスト専用機)』2024年3月。 『HGCE 1/144 ギャンシュトローム(アグネス・ギーベンラート専用機)』2024年4月。 外部リンク
This article uses material from the Wikipedia 日本語 article 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM , which is released under the Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 license ("CC BY-SA 3.0") ; additional terms may apply (view authors ). コンテンツは、特に記載されていない限り、CC BY-SA 4.0 のもとで利用可能です。 Images, videos and audio are available under their respective licenses. ®Wikipedia is a registered trademark of the Wiki Foundation, Inc. Wiki 日本語 (DUHOCTRUNGQUOC.VN) is an independent company and has no affiliation with Wiki Foundation.