ファースト・ジェネレーション

『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(X-Men: First Class)は、マーベル・コミックのヒーローチーム「X-メン」をベースとした、2011年のアメリカ合衆国のスーパーヒーロー映画。監督はマシュー・ヴォーンが務め、ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ローズ・バーン、ジェニファー・ローレンス、ケヴィン・ベーコンらが出演する。「X-MEN」フランチャイズでは『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009年)に続く5作目で、新シリーズの1作目である。

X-MEN:
ファースト・ジェネレーション
X-Men: First Class
ファースト・ジェネレーション
監督 マシュー・ヴォーン
脚本 ザック・ステンツ
アシュリー・ミラー
ジェーン・ゴールドマン
マシュー・ヴォーン
原案 ブライアン・シンガー
シェルドン・ターナー
製作 グレゴリー・グッドマン
サイモン・キンバーグ
ローレン・シュラー・ドナー
ブライアン・シンガー
製作総指揮 タルキン・パック
スタン・リー
ジョシュ・マクラグレン
出演者 ジェームズ・マカヴォイ
マイケル・ファスベンダー
ローズ・バーン
ジェニファー・ローレンス
ケヴィン・ベーコン
ジャニュアリー・ジョーンズ
ニコラス・ホルト
オリヴァー・プラット
ルーカス・ティル
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
音楽 ヘンリー・ジャックマン
撮影 ジョン・マシソン
編集 エディ・ハミルトン
リー・スミス
製作会社 20世紀フォックス
マーベル・エンターテイメント
デューン・エンターテインメント
ザ・ドナーズ・カンパニ
バッド・ハット・ハリー・プロダクションズ
配給 20世紀フォックス
公開 アメリカ合衆国の旗 2011年6月3日
日本の旗 2011年6月11日
上映時間 131分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
イギリスの旗 イギリス
言語 英語
ドイツ語
フランス語
スペイン語
ロシア語
製作費 $160,000,000
興行収入 世界の旗 $352,616,690
アメリカ合衆国の旗カナダの旗 $146,408,305
日本の旗 7億230万円
前作 X-MENフランチャイズ
ウルヴァリン:X-MEN ZERO(2009年)
次作 X-MENフランチャイズ
ウルヴァリン:SAMURAI(2013年)
新シリーズ
X-MEN:フューチャー&パスト(2014年)
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公開時には、フランチャイズのリブートを意図しており、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009年)の出来事と矛盾していた。しかし、後続の映画『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年)では、『ファースト・ジェネレーション』は『X-メン』(2000年)の前日譚として再構成されている。

ストーリー

1944年。ナチス・ドイツ占領下のポーランド強制収容所で科学者のシュミット博士は両親と引き離されたユダヤ人の少年、エリック・レーンシャーが鉄門を捻じ曲げるのを目撃する。シュミットはエリックの能力を引き出すために母親をわざと彼の目の前で殺害し、エリックは怒りと痛み、そして深い悲しみによってより強い能力に目覚めた。同じ頃、ニューヨーク州ウエストチェスター郡でとある裕福な家庭に育つ少年チャールズ・エグゼビアは、彼の暮らす屋敷に偶然忍び込んだ異質な青い肌と変身能力を持つ少女レイヴン・ダークホルムと遭遇する。チャールズは自分と同じ存在に出会えたことに喜び、彼女を家族として迎え入れた。

18年後の1962年。成人したエリックはシュミットに復讐する為元ナチスの人間を次々と襲撃し、シュミットの消息を追い続けていた。一方チャールズはイギリスでレイブンと共に暮らし、オックスフォード大学で突然変異・ミュータントに関する研究をしていた。その頃、ラスベガスではCIAエージェントのモイラ・マクダガートが米軍大佐のヘンドリーを追跡し、セバスチャン・ショウを中心とする異質な力を使う集団「ヘルファイア・クラブ」の暗躍を突き止める。モイラはミュータントの専門家に意見を求めるためイギリスへと渡り、チャールズに接触する。モイラの記憶を読んだチャールズは危険なミュータントの集団の存在を知り、彼女への協力を約束した。

チャールズたちはCIA本部に行き、ヘルファイア・クラブの持つ力の危険性を説明し協力を申し出るが、長官をはじめ幹部はそれを信じようとしない。仕方なくチャールズ達は彼らの目の前で自分の能力を発動させたが、その異質な能力を目の当たりにしても長官らはチャールズ達の協力を拒否しようとした。しかし、一人の黒服のCIA幹部が支援者として名乗りを挙げる。そしてチャールズはCIAの極秘研究施設「デヴィジョンX」に迎えられた。そこにはミュータントである事を隠している若い科学者ハンク・マッコイが所属していた。そして、チャールズがCIAと共にヘルファイア・クラブの逮捕のために彼らのクルーザーを追った夜、時を同じくしてショウと名を変えたシュミットの居場所を突き止めたエリックもクルーザーを襲撃し、ついに若き二人のミュータントが運命の出会いを果たす。

チャールズはショウの野望を食い止めるために、ハンクが作ったテレパシー増幅装置「セレブロ」(スペイン語で「脳」の意味)を使って各地のミュータントを探索し、仲間になるよう個別に説得を始める。彼とエリックは、ストリッパーのエンジェル・サルバドーレ、タクシードライバーのアーマンド・ムニョス(ダーウィン)、刑務所に収容されていたアレックス・サマーズ(ハヴォック)、そしてショーン・キャシディ(バンシー)の勧誘に成功した。しかしチャールズとエリックがソ連の将軍宅を訪れたエマを捕えている隙に、アザゼル、リップタイト、ショウの3名はディヴィジョンXを襲撃して若いミュータントたちをヘルファイア・クラブに勧誘する。エンジェルはヘルファイア・クラブへと寝返り、そしてダーウィンはショウに殺されてしまった。ショウ打倒の為、残ったミュータントたちはチャールズの自宅で能力をコントロールし使いこなすための特訓を開始する。またハンクは防護ユニフォームとステルス・ジェット機の開発を進めた。

一方モスクワでは、ショウが核ミサイルをキューバに運ぶようソ連の将軍を脅迫していた。やがてキューバ危機を迎えると、ジョン・F・ケネディ大統領はソ連の貨物船が核弾頭ミサイルをキューバに移すのを防ぐために封鎖網を敷いた。チャールズのテレパシーを防ぐヘルメットをかぶったショウは、ミサイルの移動を確実なものにするためにソ連の船隊に同伴する。彼の目的は第三次世界大戦を引き起こし、それをきっかけにミュータントが支配する世界を築くことだった。

キャスト

    クラウス・シュミット / セバスチャン・ショウ英語版
    演 - ケヴィン・ベーコン、日本語吹替 - 安原義人
    ヘルファイア・クラブ英語版のリーダー。ミュータントのための世界を作るべく、米ソ両軍の背後で暗躍することでキューバ危機を引き起こす。あらゆるエネルギーを体内に吸収、蓄積することができ、さらには吸収したエネルギーをカウンター攻撃のように放出する能力を持つ。また、吸収したエネルギーにより年をとらない。テレパスとは相性が悪く、精神支配を防ぐためのヘルメットを着用している。ナチス党時代の名はシュミット。
    モイラ・マクタガート英語版
    演 - ローズ・バーン、日本語吹替 - 桑島法子
    CIAエージェントで、チャールズ・エグゼビアの恋人。バーンの前はロザムンド・パイクが演じる予定だった。
    レイヴン・ダークホルム / ミスティーク
    演 - ジェニファー・ローレンスレベッカ・ローミン(カメオ出演)、日本語吹替 - 牛田裕子
    変身能力をもつ。幼い頃にチャールズに保護され彼にずっと思いを寄せていたが、妹としてしか見てもらえずにいた。その後、CIAで出会ったハンクと惹かれ合うが、青い肌のありのままの自分を認めてもらいたいという想いが故に、ミュータントの外観を“正常”に戻すべきという彼の考えとの違いに悩み傷つく。やがてその想いを肯定するエリックへと心は移っていく。

他に、テイラー・ロートナーの出演が企画されていたが、実現しなかった。

製作

企画

X-MEN:ファイナル ディシジョン』の公開前である2006年4月、脚本家のザック・ペンがスピンオフを監督する為に雇われていたことが明らかとなった。2007年、ペンは若いX-メンを描いたスピンオフのアイデアがあることを説明した。ペンはコミックシリーズ『X-メン: ファーストクラス』と考えを比較し、そしてジョッシュ・シュワルツが2008年5月には脚本を書いていた。シュワルツが『X-メン: ファーストクラス』を監督する可能性もあったが、しかし、フォックス側は2009年10月に『X-メン』と『X-MEN2』の監督のブライアン・シンガーに接近した。元々の考えでは『X-メン オリジンズ: マグニートー』が成功した場合に映画化許可が下りる予定だったが、結局シンガーはマグニートーのスピンオフの要素を加え、ジェイミー・モスによる新しいスクリプトに合併された。モスに加え、アシュリー・ミラーとザック・ステンツがリライトの為に雇われた。ミラーはシンガーが監督した2作品と比較した。2010年3月にシンガーはJack the Giant Killerの映画化作品である『ジャックと天空の巨人』の為に監督を降板し、製作者に留まることが決まった。2010年5月にマシュー・ヴォーンがシンガーの後任に決まった。同時にフォックスは2011年6月3日に公開すると発表し、リライトの為にジェーン・ゴールドマンが雇われた。ヴォーンは2009年の『スター・トレック』に倣い、新鮮で若いキャストを使った新シリーズを目指した。ミュータントたちが心理的世界で戦う際に部屋の中をスピンするシーンが脚本にあったが、2010年7月に『インセプション』が公開されるとそれは削除された。1960年代のX-メンの設定はジェームズ・ボンド映画の影響を受け、また、キャラクターは国際感を増している。

撮影

主要撮影は2010年8月31日にオックスフォードで始まり、オックスフォード大学でも行われた。撮影は後にパインウッド・スタジオに移り、10月にはジョージア州ジキル島などで行われ、さらにその後はノースカロライナ州ルイジアナ州、ウェスト・ミシガンも検討された。プロデューサーがGoogle Earthで位置を見直した際、ジキル島付近の海がタイビー島より青く感じた為、ジキル島が選ばれた。また、ロシアで追加撮影が行われた。

サウンドトラック

イングランドのボーイバンドテイク・ザットが本作の公式曲「ラヴ・ラヴ」を提供し、エンドクレジットで使われている。2011年5月11日にデジタルダウンロード発売され、その後EPプログレスド』に収録された。またミュージック・ビデオには映画の映像が使用されている。なおスコア盤に同曲は収録されていない。

評価

興行収入

北米では3641館で封切られ、公開初週末に5510万1604ドルを稼いだ。

批評家の反応

2011年6月19日時点で、Rotten Tomatoesでは219のレビュー中87%が支持して「フレッシュ」となっており、平均点は10点満点で7.4点を獲得した。また、Metacriticでは、37のレビューで100点満点中65点となっている。

続編

フォックス側は本作を新3部作の1作目とする構想である。プロデューサーであるドナーは、映画『ハリー・ポッター』シリーズより暗く、より熟したフランチャイズ計画を考えている。マシュー・ヴォーン監督は続編について、「『ファースト・ジェネレーション』は『バットマン ビギンズ』に近く、キャラクターを紹介し、それを知る楽しみがあるが、それには時間がかかる。しかし、2作目はすぐに入り込んで、めちゃくちゃ楽しい時間を過ごせる。それが『ビギンズ』と『ダークナイト』の間の主な違いだ。」と語った。またヴォーンは、続編で車椅子に乗ったエグゼビアの代わりにマグニートーと直接戦う新たなキャラクターがひとり登場するだろうと語った。

出典

外部リンク

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