KDE(ケーディーイー)は、Wayland又はX Window System上で動作するデスクトップ環境およびその環境用の各種アプリケーション、また、その開発プロジェクトを指すこともある。各コンポーネントのライセンスはGPLなど。GNOMEと並んで、広く使われている。
KDE Plasma 6 デスクトップ | |
開発元 | The KDE Team |
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初版 | 1998年7月12日 |
最新版 | 6.0.4 - 2024年4月16日 [±] |
最新評価版 | 5.27.11 - 2024年3月6日 [±] |
プログラミング 言語 | C++ (Qt) |
対応OS | クロスプラットフォーム |
対応言語 | 多言語 |
サポート状況 | 開発中 |
種別 | デスクトップ環境 |
ライセンス | GPL ほか |
公式サイト | www.kde.org |
ツールキットにはQtを採用している。デスクトップ環境の他、ウェブブラウジングやファイル操作、マルチメディアの再生、オフィス作業など多くの用途のための数多くのアプリケーションプログラムも開発・提供している。
KDEにより提供されるアプリケーションは、GUIツールキットにQtを採用しており、ファイルマネージャ(Dolphin、Konqueror)やウェブブラウザ(Konqueror)、メディアプレーヤ(Kaffeine、Amarok)、メールソフト(KMail)、テキストエディタ(KEdit、KWriteやKate)、オフィススイート(KOffice)などの多くのアプリケーションを含む。また、環境設定はKDE3ではKControlから、KDE4ではKDE システム設定から管理でき、KDE環境の設定に加えて、KDMというログインアプリケーションや、ハードウェアへの設定変更もできるようになっている。
KDEはソースコードと設定スクリプトが、FTPサーバ [1]にリリースされる。また、多くのLinux/FreeBSDディストリビューションではコンパイル済みのバイナリパッケージがリリースされている。
KDEの旧称はK Desktop Environmentであり、KDEはその略称として使われていた。ただし、KDEのKはとくに意味はない。創始者のマティアス・エトリッヒが発足時に"Kool Desktop Environment"と称していたが、"K"は特別意味を持たせないことがすぐに決められた。デスクトップ環境Common Desktop Environment(CDE)をもじって命名したともされる。なお、収録されていたヒント(KTip)の一つに、「Linuxの頭文字"L"の前のアルファベットだ」とする記述が見受けられたが、この説は正しくない 。
2009年11月24日にコミュニティが関与している技術の拡大から名称変更し、「KDE」を正式名称として使用することに決定した。
2008年からリリースされていたバージョンで、すでに安定版(4.1.x以降)がリリースされた。最大の変更はこれまで別種のアプリケーションとして提供されていたルートウィンドウ(KDesktop)、パネル(Kicker)、ウィジェットエンジン(SuperKaramba)をPlasmaに統合したことである。これによって操作感が刷新されたほか、古いウィンドウマネージャとの互換性を高めた。ファイルマネージャには、KDE4よりKonquerorに替わりDolphinが採用された(Konquerorも利用できる)。そのほか、ハードウェアとの関係が強化され、マルチメディアフレームワークのPhononにより洗練されたマルチメディア環境が整えられた。
KDE Plasma 5は、2014年からリリースされている第5世代及び現行のバージョンで、Qt 5とKDE Frameworks 5を採用している。また、モバイルオペレーティングシステムとしてPlasma Mobileが開発中である。
ここでは、KDEの一部として機能している各種アプリケーションの概要について述べる。
KWinが標準のウィンドウマネージャとして利用されており、3Dデスクトップなどのデスクトップ効果が利用できるほか、動作やテーマなどのさまざまなカスタマイズを行える。ルック・アンド・フィールは、KDE標準、CDE風、Windows風、BeOS風など、導入時点から複数のテーマを利用できるほか、インターネット上にも多数公開されている。 KDE4では、標準で使用するウィンドウマネージャを選択でき、CompizやMetacityなども利用できる。 また、KDE4ではPlasmaにより柔軟なデスクトップの管理、さまざまなウィジットの利用なども可能になっており、壁紙についても、仮想デスクトップ毎の変更や、アプリケーションの出力を表示できるようになっている。
KDE3ではKonqueror、KDE4、KDE5ではDolphinがその役割を担う。いずれもタブ機能、ファイルのサムネイル表示、充実したコンテキストメニューなど多くの機能を備える。 KDE4では標準で使用するファイルマネージャを選択でき、DolphinやKonquerorだけでなくさまざまなファイルマネージャをKDEで利用できる。
Konsoleという端末エミュレーターが標準で用意されている。プロファイルによる設定の管理、背景色、文字色等の細かな設定等の機能を備える。 また、Konsoleはタブ機能も備えており、複数のウィンドウを開く必要無しにいくつかの操作を同時に行える。
Konquerorなどに組み込まれて使用されるエディター、KEdit、簡単なテキストの編集に向いているとされるKWrite、さらに多くの機能を備えるKateなどがある。 KWrite、Kateには検索や置き換え、その他基本的なエディターの機能が備わっている。
Gwenviewが標準的なイメージビューアーとして用意されている。Gwenviewは、イメージのスライドショー機能、簡単なエディット機能、簡易的なファイルマネージャの機能をもつほか、プラグインによるさまざまな機能の拡張などにも対応している。
音楽のコレクション管理、再生のためのAmarokや、動画を再生することも可能なKaffeine、Dragon Playerなどが用意されている。 KDE4向けのAmarokは、Plasmaのようなウィジットの機能なども搭載しており、Last.fmやShoutcastなどの各種インターネットサービスなども、簡単に利用できるようになっている。
ファイルの管理機能も備えるKonquerorが、KDE向けのウェブブラウザとして用意されている。レンダリングエンジンにはKHTMLを利用しており、Mozilla向けのプラグインなども、別途利用できる。そのほか、フォントや履歴、クッキーなどに関するさまざまな設定を行える。
メーラーとしてはKMailが用意されており、その他予定管理用のソフトウェアやアドレスブックなども含んだPIM、Kontactも用意されている。 KMailは、検索や振り分け等の機能など数多くの機能を備え、Kontactを利用することによって、予定やアドレスなどの数多くの個人情報をも管理できる。 その他、インスタントメッセージングをするためのKopeteも用意されており、MSN(Windows Live)やYahooなど、様々なアカウントでメッセージングを行える。
ワードプロセッサーのKWord、スプレッドシートのKSpreadなどが、KOfficeとして用意されており、さまざまなオフィス作業を行える。
KDevelopが用意されており、KDEアプリケーションやQtアプリケーションを開発する統合開発環境として利用できる。その他にもさまざまなKDE用アプリケーションがあり、様々な操作をKDE環境上で行うことができるようになっている。また、Konquerorなど、KDEアプリケーションの一部はWindowsやmacOSにも移植されている。
他の多くのフリー/オープンソフトウェアと同じく、ボランティアによる開発を中心としており、その他にもノベルや、Qtソフトウェア、Mandrivaなどの企業も開発に参加している。
開発の本拠地はドイツに置かれている。
KDEのリリースには、大きく分けてプラットフォームリリースとスタンダードリリースがある。
KDE3の開発は公式には3.5.10で終了したが、その後もTDEと名前を変え、有志の手によってメンテナンスが続けられている。詳細はTrinity (デスクトップ環境)を参照のこと。
バージョン | リリース日 | おもな新機能と変更点 |
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4.0 | 2008年1月11日 | Qt4ベースに移行 新テーマ(Oxygen)、Plasma、Phonon、Solid、Akonadiなどの新しいコアテクノロジ Dolphin、Okularなどによる一部アプリケーションの置き換え |
4.1 | 2008年7月29日 | Dragon Player、KDE PIMモジュールなどの新アプリケーション いくつかのアプリケーションが、WindowsやMac OS Xに対応 |
4.2 | 2009年1月27日 | KDE FrameworksなどPlasmaの改良 電源管理機能の追加 プリンター設定システムの改善 |
4.3 | 2009年8月4日 | PolicyKitへのフロントエンドの提供 多数のPlasmaウィジットの追加 ソーシャルネットワークのサポート強化 |
4.4 | 2010年2月9日 | KDE PIMの改善 Plasmaのネットブック向けインターフェイスの提供 |
4.5 | 2010年8月10日 | KonquerorのWebkitへの対応 アプリキャッシュ機能の搭載 |
4.6 | 2011年1月26日 | |
4.7 | 2011年7月27日 | |
4.8 | 2012年1月25日 | Dolphin と Gwenview のレンダリングを改善し、表示を高速化。 全体的なパフォーマンスの改善と安定性の向上。 電源管理設定の充実 |
4.9 | 2012年8月1日 | Dolphin に新機能を多数追加。 全体的なパフォーマンスの改善と安定性の向上。 |
4.10 | 2013年2月6日 | デザインや操作の一貫性や安定性が向上。 KWin にGet Hot New Stuff(GHNS)アプローチを統合。 |
4.11 | 2013年8月14日 | Plasma Workspaces、Dolphinのパフォーマンスの向上。 PIM stackの大規模な改善により、Python、JavaScript開発者の生産性を向上。 |
4.12 | 2013年12月18日 | PIM stackのパフォーマンスの向上。 多数のマイナー最適化、バグフィックス。 |
4.13 | 2014年4月16日 | Kontact、Okular、他に多数のアプリケーションに新機能。 多数のマイナー最適化、バグフィックス。 |
4.14 | 2014年8月20日 | Cantor (ソフトウェア)、Kanagram、Okular、Kate、Umbrello UML モデラー、Dolphin、Marble、他に多数のアプリケーションに新機能。 多数のマイナー最適化、バグフィックス。 このバージョンをもってPlasma WorkspacesとKDE Development Platformを凍結、開発の焦点をPlasma5、フレームワーク5へ移行する旨が発表された。 |
凡例 サポート終了 |
サポート状況についてはSchedules/Plasma 5 - KDE Community Wikiを参照。
バージョン | リリース日 | おもな新機能と変更点 |
---|---|---|
5.0 | 2014年7月15日 | |
5.1 | 2014年10月15日 | |
5.2 | 2015年1月27日 | |
5.3 | 2015年4月28日 | |
5.4 | 2015年8月25日 | |
5.5 | 2015年12月8日 | |
5.6 | 2016年3月22日 | |
5.7 | 2016年7月5日 | |
5.8 LTS | 2016年10月4日 | |
5.9 | 2017年1月31日 | |
5.10 | 2017年5月30日 | |
5.11 | 2017年10月10日 | |
5.12 LTS | 2018年2月6日 | |
5.13 | 2018年6月12日 | |
5.14 | 2018年10月9日 | |
5.15 | 2019年2月12日 | |
5.16 | 2019年6月6日 | |
5.17 | 2019年10月15日 | |
5.18 LTS | 2020年2月11日 | |
5.19 | 2020年6月9日 | |
5.20 | 2020年10月13日 | |
5.21 | 2021年2月16日 | |
5.22 | ||
凡例 サポート終了 サポート中 現行バージョン 将来のリリース |
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