概要
東急グループ の総帥 ・五島昇 の弟分・岡田茂 東映 社長が1975年に開設したテーマパーク に東映太秦映画村 と命名 したことに、「お前いいタイトル付けたなあ」と感心し、五島が本プロジェクトを発案、同じような「〇〇村」という名前を付けた。
1980年代の東急グループ 全体の戦略であった「3C戦略」に基づき設立された、株式会社東急文化村 が運営する東急グループの施設である。
東急グループの「3C」とは「culture (文化 )」、「CATV (東急有線テレビ 現:イッツ・コミュニケーションズ )」、card (クレジット・イチマルキュウ 現:東急カード )の頭文字をとったもので、Bunkamura はカルチャー(文化)の中心的プロジェクトであり、東急グループの「文化戦略」の中核を担うものである。
良質の文化を創造し提供する「発表の場」、新しい文化の育成のための「創造の場」、人・芸術 ・物の交流を促進する「出会いの場」の3つをコンセプトに、コンサートホール(音楽 )、劇場 (演劇 )、美術館(美術 )、ミニシアター(映画 )の各施設をはじめ、カフェ やアート関連ショップなどがある。
かつてファンハウス(現・アリオラジャパン )が東急グループ傘下に入っていた時期には、共同で東急ファン事業 を行っていた。
最寄り駅は渋谷駅 。渋谷スクランブル交差点 界隈から文化村通り で接続する。隣接する東急百貨店本店 とは各階の連絡通路で結ばれている。
2023年春以降に、隣接する東急百貨店本店が建物の老朽化に伴う閉店・建て替えにより、Bunkamuraも大規模改修工事を行い、同年4月よりオーチャードホール を除き長期休館する予定である。なお、休館中の自主制作公演は、横浜みなとみらいホール 、東急シアターオーブ 、THEATER MILANO-Za など東急グループの代替施設で開催する。また、美術館のザ・ミュージアムは渋谷ヒカリエ 9階の「ヒカリエホール」などで展覧会 を開催、ギャラリー は渋谷ヒカリエ8階の「クリエイティブスペース 8/(はち)」に「Bunkamura Gallery 8/」として移転、ミニシアターのル・シネマ は閉館した渋谷TOEI 跡に「Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下」として移転し営業を継続する。
沿革
1964年- 渋谷区立大向小学校 の土地を東急が購入。 1967年- 同地に東急百貨店本店 (東急本店)が開店。 1982年6月 - 渋谷の商業再開発における東急の戦略を確立するため、渋谷商業開発のマスタープラン「渋谷計画1985」の作成を日本都市総合研究所に依頼。 1984年2月 - 東急グループ経営会議常務会において、「東急文化村」の設立が決定。 1984年4月11日 - 「渋谷計画1985」を基に東急百貨店内に「文化事業開発室」が創設。 1984年6月 - 東京急行電鉄と東急百貨店の出資(約240億円)で、東急百貨店本店の隣の余剰地(同じく大向小学校跡地)にて「東急文化村」の建設が始まる。 1988年 - 「Bunkamura」の管理・運営を目的として、株式会社東急文化村設立。 1989年 - ファンハウス が東急グループ入りしたのと同時に、共同で東急ファン事業を展開する。 1989年 - 東京フィルハーモニー交響楽団 がオーチャードホール と日本で初めてフランチャイズ 契約を結び本拠地とする。 1989年9月3日 - 日本初の大型の複合文化施設として「Bunkamura」開業。 1990年 - 「Bunkamura ドゥ マゴ 文学賞」 を創設。 1992年 - 「創造と才能への支援」の一環から、「シアターコクーン戯曲賞」を創設。 1994年 - 「シアターコクーン戯曲賞の運営」で、1994年度の「メセナ育成賞」(社団法人企業 メセナ協議会 主催)を受賞。 1995年12月31日 - 第一回「東急ジルベスターコンサート 」開催。 1999年 - 「複合文化施設Bunkamuraの運営」で、1999年度「メセナ大賞」(社団法人企業 メセナ協議会主催)を受賞。 1999年 - 東急ファン事業が終了。ファンハウスはBMGジャパンと合併しBMGファンハウス(→BMG JAPAN→アリオラジャパン )となる。レコーディングスタジオ「TOKYU FUN STUDIO」はBunkamuraに売却されBunkamuraスタジオとなる。 2000年4月 - 会員組織「フレンズ」発足。 2002年4月 - 会員組織「倶楽部B」発足。 2005年4月1日 - それまでの会員組織「Bunkamura Member's Club」をリニューアルし、「Bunkamura チケットメイト」発足。 2007年10月16日 - インターネットショッピングサイト「Bunkamura オンライン市場」開始。 2009年6月 - 開館20周年キャンペーンとして、「Bunkamura POINT CARD」開始。 2011年7月4日 - 改装工事のため休館 2011年12月23日 - リニューアルオープン。 2016年12月1日 - 松涛カフェがフランネル スタイル コーヒーにリニューアル。 2023年4月10日- 土地開発計画「Shibuya Upper West Project 」に伴い、オーチャードホールを除き2027年度まで長期休館する予定。 Bunkamura内の施設
階 (階の名前) 店 営業時間 特徴 6階 (シネマフロア) ル・シネマ テーマカラーは青色。マークは菱形。 Bunkamuraで唯一、フランス語 名の施設。 独自の作品選定を行う、単館ロードショースタイルのミニシアター 。 ル・シネマ1(150席)および、ル・シネマ2(126席)の2館があり、定員制・入替制を導入している。 営業時間 - 上映作品により異なる。 3階 (オーチャードフロア) オーチャードホール テーマカラーは赤色。マークは四角形。 世界三大ホール(コンセルトヘボウ 、シンフォニーホール 、ウィーン楽友協会 )と同様のシューボックス型を採用した、国内最大規模のシューボックス型ホールで総客席数2,150席。 高く平らな天井と垂直で大きな側壁に音が繰り返し反射し、重厚で豊かな音場を生み出す。 ステージに設けられた三重構造の可動式音響シェルターにより劇場としても機能し、クラシックコンサートをメインに、オペラ、バレエ、ポピュラーコンサートなど、異なるジャンルを一つの空間で提供できるコンバーチブルホール。 「豊穣」をイメージとした内装となっている。 コンサートや演劇目的以外では滅多に利用されないが、例年4月1日は、東急グループ 全社合同の入社式 が行われる。6月末には東急 の株主総会 が行われる。 松涛カフェ(レストラン) (注文締め 19:00)
1階 (メインロビーフロア) シアターコクーン テーマカラーは緑色。マークは丸。 総客席数747席。舞台から1階最後列の客席までが24m、客席の左右は三層のサイドバルコニー席になっており客席と舞台の一体感を実現。 インフォメーションカウンター(案内所) チケットカウンター(発券所) Bunkamura ギャラリー(芸術作品展示場) 1階ロビーラウンジに面しており、国内外で注目を集める作家の企画展を開催。 油彩、版画、立体、写真など幅広い分野のアート作品を展覧販売している。 ドゥ マゴ パリ(レストラン) (注文締め 22:00)
パリのサンジェルマン・デ・プレ (パリ6区 にある地区)の老舗カフェ「レ・ドゥ マゴ」(1885年創業)の海外業務提携第1号店 席数 - 180席(店内60席、テラス120席) ロビーラウンジ(レストラン) (注文締め 19:00)
Bunkamura Shop 音楽をテーマにしたアクセサリー、バッグ、ステーショナリー、デスクインテリア、服飾小物等を販売 フラワーショップ エルベ シャトラン オリジナルデザインのアレンジやブーケをはじめ、特別オーダーもできる。 SWAROVSKI Shop( スワロフスキー・ショップ ) 倶楽部B会員デスク 地下1階 (ガーデンフロア) ザ・ミュージアム 曜日 営業時間 月~木 10:00 - 19:00(入館は18:30まで) 金・土 21:00まで開館(入館は20:30まで)
テーマカラーは黄色。マークは三角形。 所蔵作品は無く、企画・展示を運営の主体とし、近代美術の流れに焦点をあて、テーマ性・先見性・話題性を持った展覧会を開催する美術館。 主に19 - 20世紀の西洋絵画展、海外美術館の名品展、女性芸術家 の作品展、写真展の4つのテーマを中心に、年間4 - 6回の企画展を開催している。 展示面積 - 836.6m2 天井高4m、無柱で可動壁面パネルにより自由に構成することができる。 入館料 - 開催する展覧会により異なる。 身障者割引 - チケット購入時にチケット販売窓口で障害者手帳 (身体障害者手帳 、療育手帳 、精神障害者保健福祉手帳 、愛の手帳、被爆者健康手帳 )を提示すれば、本人および介助者(1名)の入館料が割引。 Bunkamura スタジオ(旧TOKYU FUN STUDIO) オーチャードホール、シアターコクーンとのダイレクトリンクにより、ハイクオリティーなライブ録音が可能。 ドゥ マゴ パリ(レストラン) (注文締め 22:00)
パリのサンジェルマン・デ・プレ(パリ6区にある地区 )にある老舗カフェ「ドゥ マゴ」(1885年創業)の海外業務提携第1号店 席数 - 180席(店内60席、テラス120席) ミュージアムショップ(ザ・ミュージアム内) 曜日 営業時間 月~木 10:00 - 19:00 金・土 (展覧会がない日) 10:00 - 19:00 金・土 (展覧会がある日) 10:00 - 21:00
ザ・ミュージアム館内にあり、ザ・ミュージアムで開催中の展覧会関連書籍や、ポストカード、ステーショナリー、Tシャツ、アクセサリー、時計、傘等を販売。 ザ・ミュージアムへの入館者のみ利用できる。 ブックショップ ナディッフモダン(書店) 曜日 営業時間 月~木 10:00 - 20:00 金・土 10:00 - 21:00
クルーザーをイメージした内装で、20世紀を中心にした画集、古書、美術書等を販売。 地下2階 (パーキングフロア) 駐車場 東急本店 地下駐車場(新館駐車場含む)278台、東急第1パーキング139台 Bunkamura専用の駐車場は無く、Bunkamura利用時の駐車料金の割引優待は無い。
Bunkamuraで行われてきた主なイベント
フランチャイズ・システム
東京フィルハーモニー交響楽団 (オーチャードホール) 日本で初めてフランチャイズ契約を結び、本拠地として年8回の定期演奏会を行っている。 K-BALLET COMPANY (オーチャードホール) 熊川哲也 が芸術監督を務める日本を代表するバレエ団。2018年11月よりフランチャイズ契約を締結。都内での公演のほとんどをオーチャードホールで開催している。 オンシアター自由劇場(シアターコクーン) 1985年から串田和美 がシアターコクーンの芸術監督に就任、設計段階から関わっており、1989年より「オンシアター自由劇場」としてフランチャイズ契約を結んだが、1996年2月の「オンシアター自由劇場最終記念公演」を以って、フランチャイズ劇団としての任期を満了(解散)した。 オフィシャルサプライヤー
Bunkamuraでは文化・芸術を長期的に支援・育成してもらうため、複数の企業による単発的な協賛ではない長期のスポンサーシステムを採用している。これがオフィシャルサプライヤーである。
現在の参加企業 2020年11月現在。
過去の参加企業 会員組織 MY Bunkamura Bunkamuraが提供するオンラインサービスの総称で、 Bunkamura 、東急シアターオーブ、セルリアンタワー能楽堂のチケット販売とメールマガジン配信を行う登録制度。パソコン、スマートフォンにて利用可。
2013年11月に発足し、登録無料、年会費無料、システム利用料無料である。次のような特典がある。 チケット先行販売 抽選制または先着制のいづれかにてチケットの先行販売を実施(対象外の公演もあり)。 メールマガジンの配信 「MY Bunkamura 」で取り扱うチケット情報を月2回配信。他に、登録時のアンケートに基づき、自分の興味に合った公演情報をタイムリーに配信。 登録者限定サービス プレゼントやイベント開催などを実施。 オーチャード フレンズ Bunkamura が企画したオーチャードホールで行われる公演をシリーズ化したもので、チケットが優待価格で提供される。2000年4月に発足。法人会員であれば、会費は年間一口200,000円で1年間有効である。特典としては一口につき11公演、合計22枚(全てS券)のチケットが提供される。また、Bunkamura のホームページに開設する「オーチャードフレンズ」のページに、本会員の法人名を希望により記載する事が出来る。記載の際は本会員が指定するロゴマークを使用し、本会員のホームページとリンクさせることも可能。
倶楽部B 項目 内容 発足 2002年4月 入会条件 年齢30歳以上、年収500万円以上、勤続年数または営業年数(自営の場合)5年以上。 入会金 50,000円(税抜) 月会費 5,000円(税抜) 特典 特典種別 特典内容 ホール特典 対象ホール 特典内容 オーチャードホール、シアターコクーン、東急シアターオーブ、セルリアンタワー能楽堂 Bunkamura主催公演をはじめとした「倶楽部B特選公演」について、特別先行予約期間が設けられ、その期間中にチケットの最優先予約ができる。 ザ・ミュージアム 1催事につき、招待券が2枚送付される。 招待券利用後、同一催事に再度入場の際は会員本人と同伴者1名まで、前売料金で入場できる。 ル・シネマ 指定席の先行予約(鑑賞日の4日前までの申込み)ができる。 会員本人と同伴者1名まで、当日一般料金(通常1,800円(税込))を1,000円(税込)で鑑賞できる。 プログラムが1冊100円引きで購入できる。 オーチャードホール、シアターコクーン、ル・シネマの各ビュッフェ、およびロビーラウンジ ドリンクが1品につき100円割引になる。
会員デスク特典 特典対象 特典内容 送料 チケット及びお買上げ商品の送料が無料になる。 オペラグラス 無料貸し出し 演劇作品鑑賞 「倶楽部B会員デスク」で貸し出される。 取り寄せ CDや芸術書の取り寄せができる。 クローク 特別駐車カード Bunkamura を利用の際、本人会員に限り、東急本店地下駐車場、アットパーク宇田川町の「特別駐車カード」3枚(1か月間に3時間まで無料)が配付される。
館内施設の買い物時 会員カードの提示により、Bunkamura内での店舗で料金が 10%‐5% 引きになる。 注文時の会員カードの提示により、レストラン「ドゥ マゴ パリ」が10%割引になる。 イベント特典 会員限定パーティ、懇親会が開催される。 Bunkamura内外のイベントに会員優先枠を設けられ優待料金での参加、または招待がある(一部のイベントに限る)。 会員による有志企画を運営、サポートする。 パートナーズレストラン 倶楽部Bデスクで、プレ&アフターシアターのレストランやホテル予約ができる。 一部、倶楽部Bデスク予約特典がある。 その他 「倶楽部B TOP&カード」と倶楽部Bオリジナル会員バッヂ(プラチナ製pt900)を発行される。 本会員はもう一名を「パートナー会員」として登録でき、一部の特典が利用できる。 毎月、会報誌「倶楽部B」が送付される。
情報誌 Bunkamura magazine 音楽、演劇、映画、美術等の様々なジャンルの情報を載せたもので、Bunkamuraのイベントスケジュールやチケット発売情報等を紹介している。価格は無料で、Bunkamura内各所、東急百貨店各店、渋谷エクセルホテル東急、都内主要コンサート会場他で配布されている。 通信販売 Bunkamura オンライン市場 2007年10月16日に営業開始した。音楽・演劇・映画・美術にちなんだアートグッズ等を販売している。 アクセス 脚注 関連項目 外部リンク 東経139度41分42秒 / 北緯35.66083度 東経139.69500度 / 35.66083; 139.69500
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