App.netとはMixed Media Labs(CEO:Dalton Caldwell)が開発したソーシャル・ネットワーキングプラットフォームである。このサービスは元々アプリケーション開発者が自身のアプリケーションを公開するためのサービスとして設計されており、“App.net”というサービス名はその時の名残である。
URL | App.net |
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言語 | 英語 |
タイプ | ソーシャル・ネットワーキング・サービス |
運営者 | Mixed Media Labs |
設立者 | Mixed Media Labs |
収益 | 有料メンバーの会費 |
登録 | 必要(基本有料) |
ユーザー数 | 15万超 |
開始 | 2012年08月08日 |
現在の状態 | サービス終了 |
外観はTwitterと類似しているが広告表示を一切しておらず、代わりにユーザーや開発者からのサブスクリプションに依存することにしている。App.netはサービス利用者向けに自身のウェブクライアントを提供しており多くのユーザーに使用されている。しかしApp.net運営側はあくまでサードパーティーアプリケーションの使用と開発を推奨しており、公式サイト内では開発者から掲載申請のあったApp.net用のクライアントを利用環境ごとに紹介している。またApp.netが提供するウェブクライアントには「Alpha」、そこからの投稿には「via Alpha」と表示されるが、これがそのインターフェイスがアルファ版であることを示しているのかどうかは定かではない。
App.netの最も目立つ特徴はその収益源にあり、方針として「ユーザーと開発者のためのサービス」を打ち出している通り、App.netの運営母体であるMixed Media LabsはTwitterのような広告表示による収益ではなく、完全にユーザーからの出資(アカウント利用料)によって運営費をまかなっている。そのためApp.netのウェブクライアントのインターフェイスは高級感を意識した非常にすっきりとしたデザインでまとめられており、また広告表示が無いため雑多な印象が無くユーザーに洗練された印象を与えることができている。また、収益源をユーザーからの出資のみに頼る方針の成果はサービスのオープン性にも見られ、App.netがサードパーティーアプリケーションの利用を奨励している通りそのサービス(API)は様々なアプリケーションで利用可能となっている。これは類似サービスであるTwitterとは正反対の性質であり、広告収入に頼るあまりサービスのオープン性がサービス開始当初よりも落ちている2013年1月現在のTwitterの現状に習ったものであると見られている。
App.netでは一つの投稿に最大256文字を使うことができる。また投稿の中にリンクを入れる場合は従来通りURLをそのまま貼り付ける方法があるが、App.netではそれをテキストリンクにすることができ、各クライアントアプリケーションから利用可能である。また、App.netの公式ウェブクライアントである「Alpha」では“[リンクテキスト](URL)”の形式で文中に書き入れればそれをテキストリンクにすることが可能である。
App.netのユーザーアカウントにはそれぞれ専用のファイルストレージが用意されており、ユーザーはここにフルサイズの写真やビデオをアップロードすることが可能である。このストレージは無課金ユーザーのフリーミアムアカウントでは500MBに限定されているが、有料会員には10GBものスペースが用意されている。またApp.netへ友人などを招待し、その招待リンクを経由してアカウントがアクティベートされればその招待主には新たに100MBのストレージスペースが与えられる(上限は2GB)。
App.netにはTwitterの“タイムライン”にあたる“My Stream”があるが、それとは別にApp.net全ユーザーの投稿を見ることができる“Global Stream”というものがあり、さらにそれを分類分けした“Posts”、“Conversations”、“Photos”、“Trending”、“Checkins”を閲覧することができる。
App.netの運営体が更新しているブログでは月に一度、App.netに掲載された全ての写真の中から数点の優良写真をピックアップして紹介している。またそれ専用の公式アカウントも存在し、ハッシュタグ「#hand_picd」を付けることにより優先的にスタッフに観てもらうことができ、ブログでピックアップするまでには至らずともその公式アカウントに“Starring”(Twitterにおける“Favorite”)または“Repost”(Twitterにおける“Retweet”)をしてもらうことができる。
App.netのアカウントは3つに大別されており、それぞれフリーミアムアカウント、ノーマルアカウント、デベロッパーアカウントと呼ばれている。
これは言わばお試し版とでも言うべきものであり、フォロー上限40、ストレージ容量500MB(有料会員は10GB)、1ファイル10MBまでという3つの制限がある。とは言うものの利用自体は無料のまま永年利用が可能であり、使っていない期間が長くなったら自動的に消去されるということはない。
このアカウントはApp.netに課金して得るアカウントであり、一般ユーザーが使用する分には機能に制限は無くApp.netにおけるアクティブなユーザーの大半を占めている。また、ノーマルアカウントは課金方式を月払いと年払いから選択することができる。
これはその名の通りアプリケーション開発者のためのプランであり年払いでのみ登録が可能である。このアカウント特有の機能として開発用にApp.netのAPIを利用可能であり、開発したアプリケーションは申請すればApp.net Directoryに掲載してもらうことが可能でマーケティング効果が期待できる他、掲載後にはApp.net Blogで紹介される場合もある。
2012年7月13日:Mixed Media LabsはApp.netを広告無しのソーシャル・ネットワーキングプラットフォームにリニューアルすることを発表した。サービス創設時には、そのために必要な50万ドルを集めるためクラウドファンディングを始め、更に1万人の賛同者を集めることを第一の目標としていた。その後App.netは自身のウェブクライアントを公開し、それが功を奏してか以後賛同者増加のペースは速まり2012年8月13日にはMixed Media Labsは少なくとも75万ドルと1万1千人以上の後援者を集めることに成功し目標を達成した。
2012年9月1日:アノテーションの実装。これはクライアントアプリケーションが投稿に任意のメタデータを添付できるようにするもので、App.netの基盤を構築するための複雑な機能の実装を可能にすることを目的としている。
2012年10月1日:サードパーティーアプリケーション開発奨励プログラム(インセンティブプログラム)を開始。計2万ドルを毎月の共同出資としてアプリケーション使用率やユーザーからのフィードバックに基づき参加開発者へ分配している。
2012年11月29日:ユーザーがApp.netに友人を招待することができる招待プログラムを開始。ユーザーはApp.netを友人に試用させるために招待することができ、被招待者が招待を受諾してクレジットカード番号を登録すれば1ヶ月間サービスを無料で利用することができた。
2012年12月13日:プライベートメッセージAPIの実装。これよってTwitterのダイレクトメッセージに相当する機能の使用が可能になった。
2012年12月18日:App.net公式ウェブクライアント「Alpha」でストリームマーカー機能を実装及び関連APIの発表。これによって、「Alpha」や他のサードパーティーアプリケーションでの“My Stream”閲覧時に、前回までの既読位置から未読の投稿を順番に閲覧することができるようになった。また、ストリームマーカー(既読位置)はクライアントアプリケーションによって各アカウントに随時記録されるため、全てのクライアントアプリケーションで常に最終既読位置から閲覧することが可能である。
2012年12月19日:招待状を受け取った者はクレジットカード番号を登録することなく無料トライアルアカウントを作成することができるようになった。
2013年1月28日:ファイルAPIの実装。これによってユーザーは独自のストレージを持つことができるようになった。
2013年2月25日:フリーミアムプログラムの発表。これまで試用ユーザーとしていたものをフリーミアムユーザーとして再定義。
2013年3月13日:App.netアカウントの認証プロセス(ログイン)に二段階認証機能を実装。
2013年4月29日:App.netアカウントに個人及び法人が所有するドメインを認証・関連付けることができるようになった。
2013年5月8日:App.netスターターアプリケーション「Passport for iOS」が発表・公開された。
2013年5月17日:優良写真をApp.net Blogで紹介するサービスを開始。
2013年9月4日:App.netスターターアプリケーション「Passport for Android」が発表・公開された。
2014年5月6日:メンテナンスモードに入る。
2017年1月12日:2017年3月14日をもってサービスを終了するという告知。
2017年3月14日:サービス終了
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