沿革
本部組織
データ
警察署
警察署数は27。鹿児島中央・鹿児島西署長は警視正、その他の署長は警視、幹部派出所及び警備派出所の所長は警部または警部補である。
警察署のうち、鹿児島中央警察署、鹿児島西警察署、鹿児島南警察署、薩摩川内警察署、霧島警察署、鹿屋警察署及び奄美警察署には規則により副署長を置くことになっており、全て警視の者を充てる。
また、上記以外の警察署でも訓令により副署長または次長を置くことになっており、副署長は警視、次長は警部の者を充てる。
警察車両のナンバー地名は奄美市及び大島郡が「奄美」、それ以外の地域は「鹿児島」となる。
薩摩地方
大隅地方
薩南諸島
不祥事
2003年
2008年
2010年
- 4月、新入・転入職員の歓迎会の後、男性警部補が女性職員の一人に対し、身体に触れるなどのセクハラ行為を行った。この警部補は、別の女性と不適切な関係を持っていたことも明らかになったとしてセクハラの件とともに減給処分となったが、県警はこの事実を2013年3月に報道されるまで公表していなかった。
2011年
- 3月14日、志布志警察署長以下署員30名が同月11日、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)に伴う津波による避難勧告中に宴会を開いていたことが発覚。3月15日になり、志布志署以外にも、いちき串木野署と錦江署が同様に送別会を行い更に県警本部に警備にあたる警察官の人数を虚偽報告していたことが明らかになった。
- 10月7日、訓練のため訪れていた福岡市において、居酒屋のトイレでアルバイト少女の胸などを触ったとして、巡査2人が福岡県警察に強制わいせつ容疑で逮捕された。
2012年
- 警部補による飲酒運転
- 暴力団組員の供述内容を改竄
- 組織犯罪対策課は、同年に暴力団組員が起こした事件を摘発したが、その際、被害者の供述が当初「(組員と)面識はなかった」から「面識があった」と変遷したにもかかわらず、当初から「面識があった」とする虚偽の内容に、被害者の供述証書を改竄していたことが、2013年になって発覚。県警は有印公文書偽造の疑いで実態を調査。その後2013年12月13日に県警は、当該の事件を担当した組織犯罪対策課の52歳の男性警部ら3人を虚偽有印公文書作成などの容疑で書類送検し、減給などの処分とした。
- 警部補が部下に銃口を向ける、手錠をかける
- 2012年9月。警務課の男性警部補が鹿児島中央警察署の交番内で実弾入りの拳銃を部下の署員の正面に立ち、銃口を向けていたことが2016年に発覚した。この警部補は2013年にも交番内で別の部下に拳銃で同様の事件を起こすほか、慰安会で部下に手錠をかけるなどの事件を起こしていた。
- 鹿児島天文館事件(2012年10月)
- 鹿児島市内で深夜に未成年女性からの暴行通報により逮捕された男性から、県警は唾液と精液のDNA型を採取して証拠物としたが、無罪を主張する男性を有罪とした一審判決後に、県警はDNA抽出後の残り溶液や鑑定過程のメモをすべて廃棄していた。控訴審で日本大学の押田茂實名誉教授(法医学)による再鑑定で精液のDNAが抽出され、被告と異なる第三者の型と判明した。しかも、女性が当日はいていたショートパンツから検出された第三者の型とも一致した。これを受け、福岡高等裁判所宮崎支部は2015年3月、被告を保釈した。冤罪事件であるため、事件の真犯人は未だ検挙されていない。
2013年
県警察学校の男性職員が架空の旅費申請などで公費をだまし取った容疑で逮捕。[2]
さつま署の男性会計課長が交通安全協会に販売した収入証紙の売り上げを横領した容疑で逮捕。[3]
- 鹿児島中央署制圧死事件
- 鹿児島中央署に所属していた警察官5人が、泥酔して警察官に膝蹴りなどの暴行をした当時42歳の会社員男性を取り押さえる際に、腹ばいにして膝で制圧し、男性は数分後に突然いびきをかくなどして異変を見せたため救急搬送を行ったが、低酸素血症で18時間後に死亡した。遺族は制圧に加わった警察官2人を特別公務員暴行陵虐罪で刑事告訴し、2015年6月に初公判が行われて業務上過失致死罪で両人に30万円の罰金刑が求刑された。
- この事件に関連し、県警は事件の様子を取り上げたマスコミの映像を押収し、鹿児島地方検察庁が保管していた。これに対して死亡した男性の遺族が、鹿児島県に対し損害賠償を求めた訴訟において、鹿児島地方裁判所は2016年12月7日に、映像を提出するよう同地検に命令。しかし2017年3月30日付で、控訴審の福岡高等裁判所宮崎支部は、「報道の自由と、(映像に映った)当事者以外の人物のプライバシーを侵害する虞がある」、「目撃者による供述調書もあり、映像公開は不可欠ではない」との理由で、一転して命令を取り消す決定をし、同年7月25日付で最高裁判所は遺族側の特別抗告を棄却した。その後、2018年に鹿児島地裁で和解が成立し、鹿児島県が遺族に2530万円を支払うことで事件は終結した。
2014年
- 鹿児島県警の警視が仕事を通じて知り合った土木会社の社長らから月1回から2回、数千円から1万円の接待を二十数年間にわたって受けてきたことが判明した。
2016年
- 鹿児島市内で発生した無理心中事件に関して、母親を殺害した疑いのある息子について捜査せず放置していたことが判明した。
- 6月
- 鹿児島県警の男性警視が、指宿署長在任中の2015年に部下男性に対してわいせつ行為を行っていたことが判明した。この男性警視は2016年3月に発覚した殺人事件の捜査を放置していた刑事課長である。
- 実弾を装填した拳銃を部下に向けたとして、鹿児島中央警察署の警部補を銃砲刀剣類所持等取締法違反で書類送検した。この警部補は過去にも同様の不適切な行為を重ねていたことも判明した。
- 7月
鹿屋署の男性巡査部長が勤務時間外に女性にわいせつな行為をしようとした容疑で逮捕。[4]
- 11月
- 鹿児島県警に採用され、姶良警察署に勤務していた元巡査が採用前に強姦事件を起こしていたことが判明した。この元巡査は福岡県でも強姦事件を起こし、遺留物のDNA鑑定で鹿児島県での犯行が判明した。鹿児島県警は強姦犯とは気づかずに採用していたことを認めた。
2017年
- 月日不明
- 2017年に鹿児島県警の警察官が公務外に窃盗罪で罰金刑となり、懲戒処分を受けたが、県警は当時これを公表しなかった。この警察官は2021年にも勤務中に窃盗事件を起こし、懲戒免職処分を受け県警はこれを公表したが、2017年の事件については刑事処分や懲戒処分の公表を行わなかった。記者会見で県警は「発表していない処分は、お答えを差し控えて頂きます」と答えた。
- 12月
- 鹿児島西警察署会計課の警察職員が、遺失物として保管されていたICカードを多数着服し、書類送検となり懲戒免職処分を受けた。
2018年
- 3月
- 県警察本部警備部警備課の男性巡査が2月に女性宅に不法侵入をする事件を相次いで2件犯し、目撃情報や防犯カメラの映像から巡査が犯人であることが割り出された。女性から被害届が出されなかったため立件は見送られ、停職6か月の処分が下された直後に巡査は依願退職した。[5]
- 交通部免許管理課勤務の事務職員の男が、鹿児島市に住む男性宅の敷地に侵入し、車の中を物色したとして、住居侵入と窃盗未遂の疑いで逮捕された。
- 7月
- 警務部所属の男性巡査部長が複数の部下に対してパワハラをしたとして停職6ヶ月の処分を行った。男性巡査部長は部下へ真冬に氷水で警察車両を洗車させるほか、昼食を1分間で摂ることを強要するなどの他、暴言や仮眠を禁ずるなどの行為をしていたことも判明した。
- 霧島警察署に勤務する男性巡査が女性のスカート内を盗撮したとして、公衆に不安等を覚えさせる行為の防止に関する条例違反の疑いで逮捕された。巡査は6月27日午後1時ごろ、鹿児島市内のコンビニで、女性のスカート内をスマートフォンで盗撮した容疑で逮捕送検され、減給3カ月の懲戒処分を受けた巡査は同日付で依願退職した。この事件を受けて、報道各社は鹿児島県警へ再三の会見要請をしたが、県警はこれに応じなかった。
- 8月
- 日置警察署に所属する男性巡査がナイフを所持していたとして銃刀法違反で逮捕された。男性巡査は鹿児島市内で接触事故をおこし、事故処理に駆けつけた警官が男性巡査が不審だったため車内を捜索をしたところ刃渡り9.8cmのナイフが発見された。
- 12月
- 県内警察署の50代男性警視であり、広報を担当していた副署長が報道機関の20代女性にわいせつな発言を行い、セクハラ発言であると抗議を受けていたことが判明した。なお、副署長は共同通信社の20代女性記者にもわいせつな発言をしていたことが判明し、県警は減給3ヶ月の処分を下し男性警視からの要望で警部補への降格を行った。
2019年
- 3月
- 児童福祉法違反容疑で逮捕した20代の男の所有するスマートフォンを押収して解析する際に、裁判所の令状や男の同意も得ずに立ち寄り先履歴などの位置情報をサーバから取得していたことが判明した。
- 8月
- 2018年2月に行われた駅伝大会において霧島市の交差点で乳児が死亡する交通事故が発生し、交通整理を行っていた警察官が業務上過失致死で書類送検され、罰金刑と戒告処分を受けた。
2020年
- 2月
- 霧島警察署に所属する巡査部長が、2019年12月に中学生の少女に現金を渡す見返りにみだらな行為をしたとして、児童買春・ポルノ禁止法違反(買春)の疑いで逮捕された。容疑について巡査部長は「間違いない」と認めている。この巡査部長は術科特別訓練員(拳銃)として特別の許可を受けずに拳銃射撃訓練を行うことができ、2019年に行われた茨城国体に選手として出場していた。
- 5月
- 2019年12月に警部補が業務時間外に部下へセクハラを行ったとして、減給1ヶ月の懲戒処分を受けていたことが判明した。処分は2020年2月だったが、公開されなかった理由を県警監察課は「警察庁の処分発表の指針に従って判断した」と説明した。
- 7月
- 酒気帯び運転でパトカーから追跡されて自損事故を起こし逮捕された少年が取り調べで否認し、同乗していた少年が運転をしていたことが判明した。事故現場付近の防犯カメラの確認を怠っていたため誤認逮捕が発生した。
- 12月
- 2019年6月28日に捜査書類の偽造を行ったとして、2020年1月10日に鹿児島県警所属の警察官3人が虚偽有印公文書作成の疑いで書類送検された。3人のうち、警部および警部補は所属長訓戒に、巡査長は所属長注意に処分されている。この一連の事実は鹿児島県警によって隠蔽され、2020年12月23日に共同通信によって報道されて初めて公のものとなった。
2021年
- 2月
- 鹿児島県警のサイバー犯罪対策課が公式ツイッターで『「社会生活に問題が生じているのにゲームを続けていませんか?それは「ゲーム障害」という精神疾患です。大切な人間関係、仕事、人生を失う前にゲームを止めましょう」』と投稿し、「医学的知見等に基づかない」、「県警が診断を下すことはできない」、「サイバー犯罪とは関係ない」等の批判を受け、県警は投稿を削除し謝罪した。
- 3月
- 2019年に南さつま警察署に勤務する30代男性警官が自殺し、公務災害に認定された問題で、県警は亡くなる前に長時間労働があり、パワーハラスメントも受けていたと明らかにした。県警は当初これを公表せず、「個人に関することで詳細は答えられない」としていたが、定例会見で「自殺する前に、長時間勤務やパワハラがあったと判断している」と明らかにした。遺族に対しては、「重大な結果を防止できなかった」と謝罪した。県警は南日本新聞社の情報開示請求を受け、自殺した男性警官の上司2名を本部長訓戒処分にしていた事を後日認めたが、自殺と処分の関連については「回答を差し控える」と発表した。
- 4月
- 奄美署管内で誤った道路標識に基づいて誤った53件の反則告知を行っていたとして、反則金の返還や免許の回復などの対応を行った。元々は右左折禁止の標識だったが、道路工事のために右折先の道路通行が不可能なため左折のみ禁止とする標識に変更したが、工事完了後に右左折禁止標識に戻す手続きを行わなかったために右折をした運転者の誤摘発が発生した。
- 6月
- 2020東京オリンピックの警備応援派遣中である、交通機動隊北薩分駐隊所属パトカーが、名阪国道名古屋方面行き神野口ICと山添IC間で貨物自動車との追突事故を発生した。
- 7月
- 2020年2月に事件当時同僚だった奄美警察署に勤務する女性警官宅へ侵入したとして、いちき串木野警察署勤務の男性警官が逮捕された。県警が男性警官の素行不良を調査するため、私物のスマートフォンやパソコンのデータを調べていたところ、犯行が発覚した。男性警官は容疑を認めているが、県警は供述や動機については答えられないとしている。8月、内部調査の結果、奄美警察署が押収した児童ポルノの映像が入ったCD-Rを持ち出していたほか、以前、勤務していた奄美警察署の女子更衣室を盗撮していた動画が見つかったため、県警は懲戒免職処分にし、児童ポルノ禁止法違反と、建造物侵入の疑いで書類送検した。県警は現職警官の逮捕を受け、全職員に規律引き締めの緊急通達を出した。
2022年
- 2月
- 鹿児島中央警察署の警察官が2021年12月、保管されていた拾得物の財布から現金4万円を横領した上、落とし物に関する書類に1,218円しか入っていなかったとする虚偽の内容を記載するなどした疑いで横領と虚偽有印公文書作成・同行使で逮捕、起訴された。なお、県警は容疑者警官の認否を明らかにせず送検し、地検は容疑者警官の認否を「公判に支障がある」として明らかにしていない。警察官は3月に懲戒免職となり、裁判では容疑を認め検察から懲役2年を求刑されたが、判決では「警察への信頼を損なう悪質な犯行だが、すでに示談が成立し、反省している」として懲役2年執行猶予4年の有罪となった。この警察官は2017年にも公務外で窃盗事件を起こして罰金刑を課されたが、県警は刑事処分および懲戒処分について2017年当時発表せず、2022年3月の懲戒免職処分時にも発表しなかったが、今回の事件の判決公判によって明らかになった。2022年5月に行われた記者会見で「発表していない処分は、お答えを差し控えてまいります」と回答した。
- 6月
- 鹿児島西警察署に所属する覆面パトカーが自転車で移動中の中学生と交差点で出会い頭に衝突し、中学生が手首を骨折する重症を負った。西警察署の副署長は取材に対し警察車両が事故を起こし中学生にけがをさせたことに対し、「再発防止につとめてまいります」とのコメントを出した。
2023年
- 1月
- 種子島宇宙センターで1月に打ち上げが行われたH-IIAロケットは正規の時刻より1分遅れで発射されるトラブルが発生したが、原因が打ち上げ直前に警戒区域内に鹿児島県警のヘリコプターが侵入していた為と判明した。県警は「今後同様のことが起きないよう指導などを徹底する」としている。
- 3月
- 大麻を警察学校在籍時の同級生から譲り受けたとして、鹿児島中央警察署の巡査が麻薬特例法違反(規制薬物としての譲り受け)の疑いで宮崎県警察に逮捕、起訴された。巡査は高校卒業後の2020年冬頃、友人から影響を受けて大麻使用を開始し、2022年4月に鹿児島県の警察官として採用され犯行当時は鹿児島県警察学校に入校中で、2023年1月からは鹿児島中央警察署管内の交番で勤務を行いながら100回以上の大麻を使用を重ねた。また、警察学校で教育を受けた大麻事犯捜査知識を悪用し、共犯者へ「薬物捜査では被疑者のSNSの履歴も調べる」「大麻関係のSNSのやり取りは消すべきだ」などと助言を行っていた。逮捕後の捜査で警察職員寮内で大麻を粉末状にする器具が見つかったほか、尿からも大麻成分が検出され、逮捕直前まで使用していたことが判明した。鹿児島県警首席監察官は「警察官としてあるまじき行為。宮崎県警の捜査を踏まえて厳正に対処する」、宮崎地検は「公判に支障がある」として被告の認否を明らかにせず、鹿児島県警監察課は「処分に向けて事実関係を調査し、厳正に対処する」とコメントした。6月に行われた宮崎地裁での裁判で、「大麻の購入と使用を繰り返し、常習性がうかがわれる。警察官となりながら本件に至ったことは非難を免れない」として懲役6か月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。
- 4月
- 薩摩川内市の県道で地域課の巡査が運転するパトカーが信号待ちで停車中の軽自動車に追突し、運転していた男性を負傷させた。巡査は「前をよく見ていなかった」と供述している。
- 5月
- 鹿屋警察署に勤務する男性警部補が沖永良部警察署の駐在所に勤務していた2021年からおよそ1年8か月の間、勤務中に制服姿のままゴルフ練習場へおよそ40回行き、アプローチなどの練習をしていたことが判明した。実弾入り拳銃などの装備品は近くのベンチや地面に置いたままであった。調べに対して警部補は「大変なことをしてしまい申し訳ありません」と述べている。鹿児島県警は「再発防止対策を徹底し信頼の回復に全力を尽くす」とコメントし、停職3ヶ月の懲戒処分を行い、また、警部補からの申し出で巡査部長への降任を行った。
- 姶良警察署・交通課に勤務する男性巡査部長が2022年5月までのおよそ3年半、交通事故40件で73枚の捜査書類を偽造したり、事故当事者の診断書を自宅に持ち帰って隠したりしていた容疑で虚偽有印公文書作成容疑と公用文書毀棄容疑で書類送検された。容疑の認否に対し県警は「捜査に支障がある」として明らかにず、巡査部長は調べに対し「非常に反省している」と述べ、依願退職した。県警は「再発防止対策を徹底し信頼の回復に全力を尽くす」とコメントした。
- 5月に上記2件の不祥事について懲戒処分を行った鹿児島県警は、定例会見で野川明輝本部長が「教訓を抽出し、その後の取り組みに生かしていくべきもので、1つ1つの事案に対してしっかり向き合っていく必要がある」と述べた。
- 10月
- 鹿児島県警察はSNSで知り合った13歳未満の女児にホテルで性的暴行を加えたとして、強制性交の容疑で鹿児島西警察署留置課の28歳男性巡査長を逮捕した。県警は匿名の通報を基に女児への聞き取りとSNSの通信履歴などの捜査を行った。巡査長は少女には警察官であることを伝えていたとし、職務を利用した行為はなかったとしている。巡査長は取り調べに対し「性交したことはあるが、13歳未満とは知らなかった」と容疑を否認している。県警は報道発表資料を通じ、会見ではなくレクを開くと通知し、警察本部の首席監察官が「警察官としてあるまじき行為であり、被害者をはじめ県民の皆様に深くお詫び申し上げる。今後、事実関係を調査の上、厳正に対処する」とコメントした。県警記者クラブに加盟するテレビや新聞約10社が会見を開くよう求めたが、県警はこれに応じなかった。記者会見を開かなかった理由を「会見の必要性は、事案ごとに職務上かプライベートの行為かなど総合的に判断している」とした。2018年以降の県警の現役警察官・職員の逮捕は今回を含め8件。南日本新聞の調べによると、会見を開いた5件のうち4件は勤務外行為での逮捕だった。11月、男性巡査長は強制性交で起訴された。検察は「公判に支障がある」として認否を明らかにせず、県警の監察課は起訴を受けて「厳正に対処する」としている。巡査長は11月30日に懲戒免職とした。2024年1月、元警察官となった男の裁判で鹿児島地方裁判所は男に対して懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。裁判長は「未成年であるにもかかわらず、欲求のままに及んだ犯行であり刑事責任は軽いものではない。現職の警察官として法を順守することが社会から強く期待される立場でありながら、本件において社会に与えた影響は大きい」と述べて断罪した。判決を受け男の弁護側は、控訴しない方針である。
- 霧島警察署の58歳男性巡査部長が職務中に行った県内20代女性へのつきまとい行為でストーカー規制法で告訴・書類送検されていたことが南日本新聞社の取材で判明した。女性は2月中旬、勤務先に訪れた巡査部長から携帯電話番号を手書きした名刺を押し付けられ、その後も度々訪れた巡査部長から勤務曜日・趣味などの情報を執拗に要求されるつきまとい行為を受けた。女性は2月下旬に巡査部長の所属署へ被害の相談を行い、署の幹部から「巡査部長から聞き取り調査を行って厳しく注意し、結果についてはすぐにでも連絡する」と伝えられたが、しばらくたっても連絡がなかったため再び問い合わせたところ、この幹部は「会議があり連絡が遅れた」と釈明した上で「巡査部長は名刺を渡したことは認めているものの、あなたから好意を持たれていると勘違いしていたようだ」と説明した。その後も巡査部長が職務中にパトカーでつきまといをする行為があり、3月上旬には県警本部にも相談を行った。8月に苦情・相談等事案処理票の情報を開示請求を行い、9月に開示されたが、巡査部長の所属署で作成された処理票は含まれず、3月以降に県警本部が対応したものしか存在しなかった。巡査部長の所属署での処理票について県警は「開示された文書になければ、ないということ」と女性に説明したが、「署で作成した女性の相談に関する処理票を当時、システム上で閲覧した」と話す県警関係者もいる。県警総務課は「一般論として(警察官の不祥事に関わる)監察事案や被害届を受理した場合などは作らない」と南日本新聞社の取材に対して答えた。 県公安委員会は6月、女性からの問い合わせに「心情に寄り添った迅速な対応などの配慮に欠けており、県警に関係職員を厳正に指導するよう要請した」と回答。パトカーで勤務先をうろつく行為は、容疑者警察官と同じ署に所属する警察官による目撃があるが「署が関係資料を精査したが、客観的な証拠は認められなかった」とした。県警総務課は処理票の有無や女性への一連の対応について、「個別事案への広報対応はしない」としている。26日に行われた定例会見において県警本部長は「警察に対する信頼を大きく損ねたことを深刻に受け止めている」「職員が誤った道に足を踏み込む前に、正しい方向へ導く機会が得られるよう、日頃から上司や同僚が、手を差し伸べられる関係を作っていくなど、信頼回復に努めたい」と述べた。11月のNHK鹿児島局の取材に対して県警は、巡査部長の書類送検について「発表事案ではないため事実の有無も含めて回答を差し控える」と回答し、対応に問題がなかったどうかについても「回答できない」としている。被害女性は「警察からは、対応が遅れたことや記録が残されていなかったことへの説明はなく、具体的な謝罪も一切ありません。怖い思いをして相談したのに、何か起きなければ動いてくれないのではないかと不信感しかありません」と述べた。
2024年
- 2月
- 2021年、新型コロナウイルス療養施設において鹿児島県医師会元職員男性が女性への強制性交の疑いで書類送検され、不起訴になった事件で、女性の代理人弁護士が会見で「女性の個人情報が漏えいし鹿児島県警から謝罪の申し出があった」と明らかにした。県警は「個別事案については回答を差し控える」としている。不起訴を不服とした女性は検察審査会へ「事件を取り扱った署に当時、男性の父親が現職の警察官として勤務しており、適切な捜査が行われたと信頼できない」などと申立書を提出した。
- 3月
- 捜査内部資料が外部に流出したとして、県警は関係者に謝罪した。流出した文書は「告訴・告発事件処理簿一覧表」2枚で、内容は4事件の告訴人、被告人の氏名・生年月日・事件の処理状況等の関係者7人の個人情報の他、警察職員5人の個人情報である。2023年10月に流出した文書が黒塗りされ、ウェブメディアに掲載された。この文書については2月に発生した不祥事も関連し、県警が流出を認知したのも事件被害者からの訴えであった。県警は2023年12月に資料のアクセス権限を持つ職員の印刷権限を停止し、流出の経緯を厳格に調査をするとしている。ウェブメディアは「他にも数十件の捜査情報が流出している」と記事を発表している。3月18日に行われた定例会見で、県警本部長は「100件を超える事件の情報が流出し、300人以上の個人情報が流出している」とし、「県民の皆様にご迷惑とご心配をおかけし深くおわび申し上げる」と謝罪した。3月19日、松村祥史国家公安委員長は「鹿児島県警では、昨年10月に資料の流出による個人情報の漏えい事案を認知し、個人情報保護委員会への報告や本人への説明など、所要の措置をとるとともにその状況を公表したが、それ以上の資料が流出している可能性が認められることから、およそ50人態勢で厳正な調査、捜査を行っていると承知している」とし、そのうえで、「個人情報の漏えいはあってはならないことだ。鹿児島県警で厳正な調査、捜査を行ったうえで、判明した事実関係に則して適切な対応が行われるよう、警察を指導する」と述べた。県警は4月に曽於警察署地域課の巡査長を前述の情報流出の容疑者として地方公務員法違反の容疑で逮捕した。巡査長は容疑を認めている。県警は記者会見で「適切に管理すべき情報が流出し、ご迷惑とご心配をかけたことを深くおわび申し上げる。今後の捜査結果を踏まえて厳正に対処していく」と述べた。南日本新聞社は本事件について、社説で「(流出をさせた警察官)個人の資質に依る事件と評するべきではない。県民の安心安全と信頼の回復に組織全体で徹底的な検証と意識改革が求められる」と断じた。また、情報流出の被害に遭った県内の市長が匿名でメディアの取材に応じ、「個人情報に関しては我々でも漏えいしないよう厳しく管理している。今回の件は『モラルが欠けている』という話だけではない。警察への信頼が失墜してしまった」と指摘した。
- 4月
- 結婚詐欺の被害に遭った県内在住の女性が被害の申告を鹿児島南警察署へ行ったが、担当した警察官は「男女間の貸し借りだ」等として「詐欺と判断できない」と対応を行い、被害申告を不受理とした。女性からの苦情を受けた県公安委員会は、「被害者が具体的な相談をしたにも関わらず、一般的な相談対応にとどめ、申し出の内容を記録化する際に正確性を欠き、組織的な検討が不十分で警察署の対応は適切さに欠ける」として、警察に指導したと女性に通知した。その後、女性が被害申告の供述調書の開示請求を行ったところ、女性の供述と警察官が作成した調書の内容がかけ離れていた。これを受けて女性は、聴取および文書作成を担当した警察官を虚偽公文書作成等罪の疑いで刑事告発を行い、告発状が受理された。本事案について取材を受けた鹿児島南警察署は「個別の案件なのでコメントできない」とした。
- 鹿児島県警察本部警備部公安課の警部が知人の40代の女性の体を触ったなどとして不同意わいせつの疑いで逮捕された。記者会見で、鹿児島県警察本部の牛垣誠首席監察官は「警察官としてあるまじき行為であり、被害者はもとより県民に深くおわび申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」と述べたうえで、警察官の逮捕が続いていることについては、「組織として大変重く受け止めています。今後、組織一丸となって再発防止、県民の信頼回復に努めてまいりたい」と述た。また、県下警察署長等会議で、県公安委員会の増田吉彦委員長が相次ぐ警察官の逮捕について「県下の厳しい情勢の中、自覚の乏しい職員がいたことが残念でなりません」と苦言を呈し、野川明輝本部長は「警察官は自らの行動に対する自己評価についても公正でなければならない」と述べた。
未解決事件
- 鹿児島市田上台強盗殺人事件
- 阿久根市大川強盗殺人事件(競輪ノミ行為のトラブルとみられるが[要出典]未だ被疑者検挙に至らず)
- 鹿児島市設計事務所毒物混入事件(時効成立)
- ファミリーマート荒田一丁目店強盗事件
- 鹿児島天文館事件
- 鹿屋市女性殺人死体遺棄事件(2022年)
脚注
関連項目
外部リンク
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