『草の乱』(くさのらん)は2004年公開の日本映画。秩父事件120周年記念作品。
草の乱 | |
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監督 | 神山征二郎 |
脚本 | 加藤伸代 |
製作 | 木原正敏 川嶋博 舟橋一良 |
製作総指揮 | 砂村惇 |
音楽 | Deep Forest |
撮影 | 伊藤嘉宏 |
編集 | 西東清明 |
配給 | 映画「草の乱」製作委員会 |
公開 | 2004年9月4日 |
上映時間 | 118分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
1884年(明治17年)10月31日から11月9日まで、埼玉県秩父地方を中心に起こった困窮養蚕農民の武装蜂起事件「秩父事件」をテーマに製作された唯一の劇映画(2016年現在)。
総製作費4億5000万円は主に一般市民からの出資によって賄われ、登場するエキストラの数はのべ8000人。しかもすべてがボランティアという規模での撮影となった。同じ手法で製作された神山監督の『郡上一揆』を上回り、自主製作・自主上映の作品としては最大規模と言われている[要出典]。
日活よりDVDが発売されている。
秩父事件を題材にした映画の製作については、黒木和雄や山本薩夫といった巨匠たちをはじめとして多くの映画人によってこれまで何度も企画されてきたものの、そのたびに資金面・設備面など「あまりにもスケールが大きすぎる」という理由で挫折してきた。
神山征二郎は監督デビューして間もない頃、雑誌に連載された井出孫六の『秩父困民党群像』を読んで感動したことがきっかけとなり、いつの日か自らの手で映画化したいという夢を持ち続けてきたという。神山が岐阜県を舞台に一般市民からの出資によって完成させた映画『郡上一揆』(2000年)を鑑賞した埼玉県の有志が、「郡上一揆が撮れるなら埼玉の秩父事件も撮れるはずだ」と神山にはたらきかけた。神山自身も秩父事件の映画化は若い頃からの夢でもあり、双方の思惑が合致する形で映画化に向けて動き出すこととなったという。
製作費にあてられる4億5000万円は、1口100万円で一般から募集したほか、各方面からのカンパ金などによって賄われた。
2003年10月1日から12月16日まで2ヶ月半の期間を要したロケは、一部シーンを除きほとんどが秩父郡内で撮影されている。多くのキャストやスタッフが吉田町上吉田(現・秩父市上吉田)にある施設「吉田元気村」に合宿しながら撮影にあたり、室内シーンについても都内の撮影所や専用スタジオではなく、吉田元気村施設内にある無床体育館にセットを組んで撮影された。またスタッフルームもクランクアップまでこの施設内に置かれた。
主人公・井上伝蔵の家「丸井商店」については、実際の建物が残っていた当時住み込んでいた使用人の記憶や現存する写真を頼りに、間取りや大きさを忠実に再現して復元された。この建物は、ロケ終了後「秩父事件資料館・井上伝蔵邸」として一般公開されている(秩父市吉田久長、道の駅龍勢会館脇)。また、吉田川河川敷に専用のオープンセットが建設され、大宮郷(現・秩父市中心部)や小鹿野町、下吉田村、北海道野付牛村(現・北見市。伝蔵終焉の地)などの町並みのシーンに使用された。映画撮影後は解体され、そのうち数棟が道の駅龍勢会館脇に移築・展示された。
秩父神社、音楽寺、金比羅神社など、実際の事件当時その舞台となった同じ場所で撮影している。また、映画のクライマックスとなる1884年11月1日の椋神社武装蜂起のシーンについては、史実に則り、実際に11月1日の夜に下吉田の椋神社境内にて撮影された。
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2004年9月4日に東京有楽町スバル座で先行上映という形で封切られ、4週間にわたって上映された。公開初日は4回すべての上映で満員札止め、建物を飛び出してJR有楽町駅近くまで観客の列がのびた。さらにその期間中は常に満席状態となり、同館の動員観客数の最高記録をうちたてた[要出典]。
全国での単館上映やホール上映が一巡したのちは、各地で有志による自主上映会が繰り返されている。とりわけ映画の舞台となった秩父市吉田地区では、「吉田で「草の乱」をみる会」が発足し、武装蜂起の日である11月1日近辺に毎年1回上映活動を現在も継続させている。
本作の撮影に参加したエキストラの中から、ロケ終了後に10数人の有志が集まって、秩父事件についての学習や草の根による本作の上映PRを目的とした『映画「草の乱」エキストラ友の会』を結成。武装農民に扮しての街頭PR活動や、寸劇を交えた秩父事件公演など、ユニークなボランティア活動がマスコミにも取り上げられ話題となった(2006年3月に活動終了)[要出典]。
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