管理(かんり)とは、物事や一定の事務を管轄し取り仕切ることである。
「管理」という漢語は17世紀ごろに成立したのではないかといわれている。
漢語の「管理」の古い例としては清朝初期に黄六鴻が地方官の心得を著した『福惠全書』(1699年)にまで遡ることができる。なお、同時期の満文と漢文の対訳辞書である『同文彙集』(1693年)や『清文備考』(1722年)には「管理」の語はない。
日本では江戸時代の翻訳小説集『通俗赤縄奇縁』(1761)年に「管理」の語があるが〈クハンリ〉と右ルビ、〈シハイ〉(支配)と左ルビが振られており珍しい漢語であったとみられる。
管理を意味する英語にはadministration、control、managementがある。
マネジメント(英: management)は組織の指揮管理を目的とした活動・仕組み・役割である。
マネジメントは「方針」「目的」「目的達成のためのプロセス」確立を目指している。方針(英: policy)は「組織全体の意図と方向付け」、目的(英: objective)は「各階層で達成すべき結果」を意味する。すなわちマネジメントの目標は「組織全体の指針が明確で、各階層の目的が正しく設定され、実行プロセスが確立した状態」を作り出すことである。
例としてパン屋を考える。このパン屋には明確な方針がなく、美味しいパンを作りたいのか安く大量のパンを作りたいのかはっきりしていない。その結果、仕入れでは高品質小麦の仕入れを目的としているのに、製造では質より量を目的としている。また実際の仕入れや製造にはマニュアル等もなく、個人個人がそれぞれの考えでバラバラの方法で作業をしている。マネジメントの目標は、このパン屋における方針・目的・プロセスの確立である。方針が「旨くてレアなパン」と定まり、それに従って仕入れの目的が「高品質で希少な小麦」、製造の目的が「マイナーな種類だが旨いパン」に設定され、社員の間で標準化された仕入れ・製造プロセスが共有・実施・管理されている状態がマネジメントの理想である。
より広い視点の目的として以下が挙げられる。
マネジメントの主目的は、従業員へ最大限の繁栄をもたらしながら雇用主へ最大限の繁栄をもたらすことである。
The principal object of management should be to secure the maximum prosperity for the employer, coupled with the maximum prosperity for each employee. — フレデリック・テイラー、科学的管理法の原理
すなわち「従業員が最大限の能力を発揮して多くの給与を得られる職につけ、その結果雇用主が大きな配当を得られる素晴らしい組織を持って永遠に繁栄できるようにする」ことがマネジメントの主目的である。
マネジメントは上記を目標とする活動・仕組み・役割である。マネジメントを構成する要素として、組織構造・役割・責任 (responsibilities)・計画策定・運用などが挙げられる。例えばパン屋社員それぞれの責務を決めないでいると、方針を誰が決断するかお見合いしてしまい曖昧なままになってしまう。 責務という仕組みを導入することで、パン方針担当が明確になり、目標の1つである方針確立が達成しやすくなる。このように責務という仕組みはマネジメントとして機能する。
これら要素を「互いに作用しあう要素群」と見做したものをマネジメントシステムという。例えば品質をマネジメントするものは品質マネジメントシステムといい、ISO 9000で標準化されている。
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