王配: 女性君主の夫の称号

王配(おうはい)は、一般に女王の配偶者に与えられる称号。国婿(こくせい)や王婿(おうせい)とも言う。

類義語である皇配(こうはい)についても本記事で併せて説明する。

英語では、prince consort(この語は皇配にも用いられる)またはking consort、emperor consortという。

    以下、一般例として英語を用いて説明する。

ヨーロッパでは“prince”の称号が与えられることが通常であり(ただし、歴史的には後述のように“king”も存在した)、この場合の敬称は殿下である。王妃の男性版にあたるが、王妃の場合は女王と同じ“queen”の称号とともに陛下の敬称が付されるのとは、対照的である。

名称

ヨーロッパにおける称号

ヨーロッパにおける王配の称号には、

  1. “King Consort” - 「(君主の)配偶者たる王」の意。自身が国王(king)である場合と同様の称号を付与したものである。
  2. “Prince Consort” - 「(君主の)配偶者たるプリンス(prince、)」の意。princeは王族に与えられる称号である。
  3. “Prince” - 前述のように王族に与えられる称号。最も一般的。

などがある。

日本語での訳語

中国や日本では存命の配偶者がいる女性が皇帝天皇として即位した例がないこともあり、これらに対応した適切な訳語が存在しない。日本では外務省宮内庁などの公式文書で用いられているものの、そもそも「王配」という言葉が報道記事ではまず用いられない。『大辞林』には解説があるが、その他『広辞苑』を始めとする中型国語辞典には収録されていないなど、「王配」は一般的な語句ではない。そこで他人の夫に対する敬称である「夫君」(ふくん:ご主人、旦那)が代わりに用いられることが多い。

現在存在する王配

在位中の王配

現在はいない。

将来に王配となりうる人物

名および
称号(原語)
生年月日 配偶者 続柄
ヴェステルイェートランド公ダニエル
Hans Kunglig Höghet Prins Daniel av Sverige,
Hertig av Västergötland

スウェーデン語
(ヴェステルイェートランド公爵ダニエル王子殿下)
王配: 名称, 現在存在する王配, 歴史上の王配  1973年9月15日
(50歳)
王配: 名称, 現在存在する王配, 歴史上の王配  スウェーデン 王太女ヴィクトリア
(2010年6月19日結婚)
オーレ・ベストリング子息

歴史上の王配

イングランド、スコットランド、イギリス

オランダ

スペイン

スウェーデン

デンマーク

    王配: 名称, 現在存在する王配, 歴史上の王配  ヘンリク
    デンマーク女王マルグレーテ2世の王配。モンペザ伯爵家出身。称号は "Prinsgemal"(上記2)。女王即位の際、称号が "Kongegemal"(上記1)にならなかったことに落胆してたびたび不満を口にし、平等でないことを理由に死後、女王と同じ墓所への埋葬を拒否していた。

ポルトガル王国

ナポリ王国

メリナ王国

    Rainiharo
    ラナヴァルナ1世の王配。
    Rainijohary
    ラナヴァルナ1世の王配。
    ライニヴニナヒチニウニ
    ラスヘリナの王配。
    ライニライアリヴニ
    三人の女王と結婚

新羅

グルジア王国

プトレマイオス朝

タヒチ王国

Bhopal State

マジャパヒト王国

    Cakradhara
    トリブワナ英語版の王配。
    Ratnapangkaja
    スヒター英語版の王配。

その他

共同国王

妻と共に共同君主である場合は王配ではなく(共同)国王なので区別を要する。この例としては以下の人物が挙げられる。

皇配

女帝(empress regnant)の配偶者を皇配(こうはい)あるいは皇婿(こうせい)という。英語では、emperor consort。または王配と同様に、prince consortとなる。歴史上ほとんど存在した例がなく(エチオピア女帝ザウディトゥの夫ググサ・ウェル英語版など)、主に概念的な用語として用いられる。ただし、かつては日本の行政府による独特の用例があった。この語もまた、『広辞苑』などの中型国語辞典に収録されていない。

日本の行政府による使用事例

かつては、日本政府(主に、外務省宮内庁)では、現在では「国王」「大公」等の表現が用いられる外国君主に対し、「皇帝」の称号をもって表記していた(「ノルウェー国皇帝陛下」、「タイ国皇帝陛下」、「ブータン皇帝陛下」など。例えば、昭和62年(1987)1月20日付けの官報(昭和時代の号数で本紙第17975号)以前の官報を参照)。

これに関連して、「皇配殿下」との表現が使用されている。現在では、前述のように(女王の夫であれば)「王配殿下」と呼ぶ。

備考

脚注

関連項目

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